SaaS・ITサービスの比較サイト

オフィスセキュリティ対策完全ガイド|中小企業が今すぐやるべき10のこと

投稿日:2025年11月26日 /

更新日:2025年12月1日

オフィスセキュリティ対策完全ガイド|中小企業が今すぐやるべき10のこと
● 人材育成

「うちの会社は小さいから大丈夫」そのように考えていませんか?近年、セキュリティ対策が手薄になりがちな中小企業を狙ったサイバー攻撃や不正侵入、内部不正による情報漏洩が急増しており、オフィスセキュリティは企業規模を問わず全ての事業者にとって喫緊の課題です。一度インシデントが発生すれば、事業停止や多額の損害賠償につながるだけでなく、長年かけて築き上げた顧客や取引先からの信頼を瞬時に失いかねません。

本記事では、オフィスセキュリティに不安を抱える中小企業の経営者・担当者様に向けて、今すぐ実践すべき具体的な対策を「物理的対策」「情報対策」「人的対策」の3つの観点から10個に厳選して徹底解説します。入退室管理や監視カメラの設置といった物理的な対策から、UTMやウイルス対策ソフトの導入、従業員への教育まで、何から手をつければ良いかが明確になります。

人材育成関連のサービスを無料で資料請求!

人材育成関連のサービスを無料で資料請求!まとめて資料請求する無料

LINE登録で、後からでも簡単に資料請求が可能!

LINE登録はこちら

目次

閉じる

中小企業が直面するオフィスセキュリティの主なリスク

オフィスセキュリティと聞くと、多くの経営者は「うちは大企業ではないから狙われない」と考えがちです。しかし、その認識は非常に危険です。実際には、セキュリティ対策が手薄になりがちな中小企業こそ、サイバー攻撃や不正行為の格好の標的となっています。ひとたびインシデントが発生すれば、事業の存続そのものを揺るしかねません。

ここでは、中小企業が直面する具体的なセキュリティリスクを「情報」「サイバー」「物理」「内部」の4つの側面から解説します。

情報漏洩による信用の失墜と損害賠償

オフィスセキュリティにおける最大のリスクの一つが、顧客情報や取引情報、技術情報といった機密情報の漏洩です。情報漏洩は、企業の社会的信用を根底から覆し、深刻な経営ダメージを与えます。一度失った信用を回復するのは極めて困難であり、取引停止や顧客離れに直結します。

さらに、個人情報保護法などの法令に基づき、漏洩した情報の種類や件数によっては、多額の損害賠償請求や行政からの罰金が科される可能性があります。インシデントの調査費用、コールセンターの設置、被害者へのお見舞金など、事後対応にも莫大なコストがかかります。

情報漏洩がもたらす主な損害
損害の種類具体例
直接的損害損害賠償金、行政への課徴金、事故調査費用、システム復旧費用、コールセンター設置・運営費用
間接的損害信用の失墜、ブランドイメージの低下、株価の下落、取引先からの契約打ち切り、顧客離れによる売上減少

サイバー攻撃による事業停止

近年、企業の規模を問わずサイバー攻撃の被害が急増しており、特に中小企業を狙った攻撃が深刻化しています。代表的な攻撃が、データを不正に暗号化し、復旧と引き換えに金銭(身代金)を要求する「ランサムウェア」です。

ランサムウェアに感染すると、基幹システムや業務データが利用不能になり、生産活動やサービスの提供が完全に停止してしまいます。身代金を支払ってもデータが元に戻る保証はなく、復旧までに数週間から数ヶ月を要するケースも少なくありません。その間の売上機会の損失は計り知れず、そのまま廃業に追い込まれる企業も存在します。他にも、ウェブサイトをダウンさせるDDoS攻撃や、ウイルス付きメールによる標的型攻撃など、事業継続を脅かすサイバー攻撃は後を絶ちません。

不正侵入による盗難や破壊行為

デジタル化が進む現代においても、オフィスへの物理的な不正侵入リスクを軽視することはできません。従業員が不在となる夜間や休日を狙って侵入され、パソコンやサーバー、USBメモリといった記憶媒体が盗難に遭う事件が発生しています。これらの機器には重要なデータが保存されているため、物理的な盗難は即座に情報漏洩へとつながります。

また、金品や備品の盗難だけでなく、サーバーやネットワーク機器、オフィス設備などを破壊される「ヴァンダリズム」のリスクも存在します。業務インフラが物理的に破壊されれば、データの消失や長期的な業務停止は避けられません。

内部不正による機密情報の持ち出し

セキュリティリスクは、必ずしも外部からのみもたらされるわけではありません。従業員や元従業員といった内部関係者による不正行為は、外部からの攻撃よりも検知が難しく、発覚したときには被害が甚大になっているケースが多々あります。

動機は、金銭目的の機密情報売却、会社への不満による意図的な情報漏洩、転職先に持ち出すための顧客リストのコピーなど様々です。手口も巧妙化しており、USBメモリや個人のクラウドストレージへのデータコピー、私用メールへの添付など、日常業務に紛れて行われるため、発覚が遅れがちです。特に、強い権限を持つ従業員や退職間近の従業員による内部不正は、企業にとって深刻な脅威となります。

今すぐ実践すべきオフィスセキュリティ対策10選

オフィスセキュリティは、「物理的対策」「情報対策」「人的対策」の3つの側面から総合的に取り組むことが重要です。どれか一つでも欠けていると、そこが脆弱性(セキュリティホール)となり、重大なインシデントにつながる可能性があります。ここでは、中小企業が今すぐ実践すべき具体的な対策を10個に絞って詳しく解説します。

【物理的対策1】入退室管理システムで部外者の侵入を防ぐ

オフィスへの不正侵入は、情報資産の盗難や破壊に直結する深刻なリスクです。誰が・いつ・どこに出入りしたかを正確に記録・管理する入退室管理システムは、物理的セキュリティの基本となります。ICカードやスマートフォン、指紋や顔などを用いた生体認証システムを導入することで、許可された従業員のみの入室を徹底し、部外者の侵入を物理的に防ぎます。また、入退室のログは、万が一インシデントが発生した際の追跡調査にも役立ちます。

【物理的対策2】監視カメラを設置しオフィス内外を可視化する

監視カメラ(防犯カメラ)の設置は、不正行為に対する強力な抑止力となります。オフィスの出入り口やサーバールーム、重要な情報資産を保管しているエリアなどに設置することで、24時間365日の監視体制を構築できます。録画された映像は、侵入や盗難が発生した際の状況証拠として極めて重要です。近年では、クラウド経由でスマートフォンから映像を確認できるサービスも増えており、より手軽に高度な監視が可能です。

【物理的対策3】重要書類は施錠管理し不要書類はシュレッダーで処分

デジタル化が進む現代でも、契約書や顧客情報、マイナンバー関連書類など、紙媒体で管理する重要書類は少なくありません。これらの書類を机の上や鍵のかからない棚に放置することは、情報漏洩の大きな原因となります。重要書類は必ず施錠可能なキャビネットや書庫で保管し、アクセスできる従業員を限定しましょう。また、不要になった書類は、復元不可能なレベルまで細かく裁断できる業務用シュレッダーで確実に処分するルールを徹底してください。

【情報対策4】UTMを導入しネットワークの出入り口を固める

UTM(Unified Threat Management / 統合脅威管理)は、企業のネットワークを様々な脅威から守るためのセキュリティ機器です。ファイアウォール、アンチウイルス、不正侵入検知・防御(IDS/IPS)、VPNといった複数のセキュリティ機能を一台に集約しているため、効率的に多層的な防御を実現し、管理コストを削減できる点が大きなメリットです。社内ネットワークの出入り口にUTMを設置することで、外部からのサイバー攻撃や内部からの不正な通信をブロックします。

【情報対策5】ウイルス対策ソフトを全PCに導入し常に最新の状態を保つ

マルウェアやランサムウェアなどのウイルス感染を防ぐため、ウイルス対策ソフト(アンチウイルスソフト)の導入は必須です。重要なのは、社内で使用するすべてのPCやサーバーに導入し、定義ファイル(パターンファイル)を常に最新の状態に保つことです。多くのソフトは自動更新機能を備えているため、必ず有効にしておきましょう。法人向けの製品であれば、管理者が全端末の状況を一元的に把握できるため、更新漏れや異常を素早く検知できます。

【情報対策6】重要なデータは定期的にバックアップを取る

ランサムウェアによるデータの暗号化、ハードディスクの故障、人為的な操作ミスなど、データが失われるリスクは常に存在します。こうした事態に備え、重要なデータは定期的にバックアップを取得することが事業継続の鍵となります。「3-2-1ルール」(3つのコピーを、2種類の異なる媒体に、1つはオフサイトで保管)を参考に、NAS(Network Attached Storage)やクラウドストレージなどを活用し、確実なバックアップ体制を構築しましょう。

【情報対策7】PCやスマホのパスワードを強化し画面ロックを徹底する

推測されやすい単純なパスワードは、不正アクセスの大きな原因です。従業員が使用するPCやスマートフォン、各種クラウドサービスのパスワードは、複雑で強固なものを設定するよう義務付けましょう。可能であれば、パスワードに加えてSMSや認証アプリなどを用いる多要素認証(MFA)の導入を強く推奨します。

対策悪い例良い例
パスワードの複雑性password, 12345678, companyname英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせ12桁以上
パスワードの使い回し全てのサービスで同じパスワードを使用サービスごとに異なるパスワードを設定
離席時の対応ログインしたまま画面を開いて離席短時間でも必ず画面ロック(Windows: Win+L)

【人的対策8】オフィスセキュリティに関する社内ルールを策定する

セキュリティ対策を組織全体で徹底するためには、明確なルール作りが不可欠です。情報セキュリティポリシーを策定し、情報資産の取り扱い方、パスワードの管理基準、私物デバイスの利用(BYOD)規定、インシデント発生時の報告手順などを明文化します。ルールを策定するだけでなく、全従業員に周知し、遵守させることが重要です。入社時の研修に盛り込むなど、誰もがルールを認識できる仕組みを作りましょう。

【人的対策9】従業員へのセキュリティ教育を定期的に実施する

巧妙化するサイバー攻撃からオフィスを守るには、システムによる対策だけでなく、従業員一人ひとりのセキュリティ意識の向上が欠かせません。標的型攻撃メールの見分け方、怪しいWebサイトの見極め方、SNS利用の注意点など、具体的な事例を交えた研修を定期的に実施しましょう。実際に疑似的な攻撃メールを送る訓練を行うことで、従業員の危機対応能力を高めることができます。

【人的対策10】クリアデスク・クリアスクリーンを習慣化する

クリアデスク・クリアスクリーンは、情報漏洩対策の基本です。クリアデスクとは、退社時や離席時に、机の上に機密情報や個人情報が記載された書類を放置しないこと。クリアスクリーンとは、PCの画面に機密情報を表示したまま離席しないことを指します。これらの習慣を徹底することで、盗み見(ショルダーハック)や書類の紛失・盗難といった内部からの情報漏洩リスクを大幅に低減できます。

オフィスセキュリティ対策にかかる費用相場

オフィスセキュリティ対策を導入する上で、最も気になるのが費用ではないでしょうか。対策にかかるコストは、導入するシステムの種類やオフィスの規模、従業員数によって大きく変動します。

ここでは、前章でご紹介した対策を中心に、それぞれの費用相場を「初期費用」と「月額費用(ランニングコスト)」に分けて具体的に解説します。自社の予算と照らし合わせながら、最適な対策を検討するための参考にしてください。

対策の種類別に見る費用相場の一覧

まずは、主要なセキュリティ対策にかかる費用の目安を一覧表で確認しましょう。あくまで一般的な相場であり、製品やサービス、契約内容によって価格は変動します。

対策の種類対策の具体例初期費用(導入費用)の目安月額費用(ランニングコスト)の目安
物理的対策入退室管理システム10万円 ~ 80万円程度5,000円 ~ 3万円程度(クラウド型の場合)
物理的対策監視カメラ5万円 ~ 50万円程度(カメラ台数による)5,000円 ~ 2万円程度(クラウド録画の場合)
情報対策UTM(統合脅威管理)0円 ~ 30万円程度(リース契約が多い)1万円 ~ 5万円程度
情報対策ウイルス対策ソフト0円3,000円 ~ 1万円程度(10ライセンスの場合)
情報対策データバックアップ3万円 ~ 20万円程度(NAS導入の場合)5,000円 ~ 3万円程度(クラウド利用の場合)
人的対策従業員教育0円 ~ 30万円程度(外部サービス利用時)500円 ~ 2,000円程度(1人あたり/eラーニング)

【物理的対策】にかかる費用詳細

部外者の侵入や盗難といった物理的な脅威からオフィスを守るための対策費用です。設置工事が必要な場合が多く、初期費用が比較的高くなる傾向にあります。

入退室管理システム

ICカードやスマートフォン、生体認証(指紋・顔など)を用いて入退室を管理するシステムです。シンプルなカードリーダータイプであれば比較的安価に導入できますが、生体認証など高度なシステムになるほど高額になります。近年はクラウド型のサービスが主流で、初期費用を抑えつつ月額料金で利用できるため、中小企業でも導入しやすくなっています。

監視カメラ(防犯カメラ)

カメラ本体の費用に加え、設置工事費やレコーダーの費用がかかります。カメラの台数や性能(画質、暗視機能など)によって総額は大きく変わります。こちらもクラウド型の録画サービスを利用すれば、レコーダーが不要になり、初期費用を抑えることが可能です。メンテナンスや保守契約を結ぶ場合は、別途月額費用が発生します。

【情報対策】にかかる費用詳細

サイバー攻撃や情報漏洩といったデジタルな脅威から企業の資産を守るための対策費用です。機器の購入やライセンス契約が中心となり、継続的な月額費用が発生するものが多くあります。

UTM(統合脅威管理)

ファイアウォールやウイルス対策、不正侵入防御など、複数のセキュリティ機能を一つにまとめた機器です。保護対象の従業員数や通信量によって適切な機種が異なり、価格も変動します。多くの場合、機器の購入ではなく5年程度のリース契約を結び、月額料金には保守サポートも含まれます。

ウイルス対策ソフト

法人向けのウイルス対策ソフトは、PC1台ごとにライセンス費用が年間で発生します。個人向け製品とは異なり、管理サーバーで全PCの状況を一元管理できる機能などが備わっています。契約するライセンス数が多くなるほど、1台あたりの単価は安くなる傾向にあります。

データバックアップ

バックアップの方法によって費用体系が異なります。社内にNAS(ネットワーク対応HDD)を設置する場合は機器の購入費用がかかりますが、月額費用は発生しません。一方、クラウドバックアップサービスを利用する場合は、初期費用は抑えられますが、データの容量に応じた月額料金が継続的に発生します。

【人的対策】にかかる費用詳細

セキュリティ対策で最も重要とも言われる「人」に関する対策費用です。工夫次第でコストをかけずに実施することも可能ですが、専門サービスを利用することでより高い効果が期待できます。

社内ルール策定・従業員教育

情報セキュリティポリシーの策定を自社で行う場合、直接的な費用は発生しません。しかし、専門知識が求められるため、外部のコンサルティング会社に依頼すると数十万円からの費用がかかります。従業員教育も、集合研修やeラーニングサービスを利用する場合は費用が発生します。人的対策は他の対策に比べて低コストで実施できるにもかかわらず、セキュリティインシデントの多くは人的ミスに起因するため、費用対効果が非常に高い投資と言えるでしょう。

まとめ

本記事では、中小企業が直面するオフィスセキュリティの主なリスクと、今すぐ実践すべき10の具体的な対策を「物理的対策」「情報対策」「人的対策」の3つの観点から網羅的に解説しました。情報漏洩やサイバー攻撃、不正侵入といった脅威は、企業の信用を失墜させ、事業の存続すら危うくする深刻なリスクです。だからこそ、多角的かつ継続的な対策が不可欠となります。

ご紹介した10の対策は、どれも企業の未来を守るために重要なものばかりです。まずは自社のセキュリティ体制を客観的に見直し、どこに脆弱性があるのかを把握することから始めましょう。そして、入退室管理やウイルス対策ソフトの導入、社内ルールの策定など、優先順位をつけてできることから一つずつ着実に実行していくことが、安全な事業環境を築くための第一歩です。

オフィスセキュリティの強化は、単なるコストではありません。顧客からの信頼、従業員の安心、そして企業の持続的な成長を守るための重要な「投資」です。この記事が、貴社のセキュリティレベルを一段階引き上げるきっかけとなれば幸いです。

人材育成関連のサービスを無料で資料請求!

人材育成関連のサービスを無料で資料請求!まとめて資料請求する無料

人材育成に関連するサービス

manebi eラーニング

manebi eラーニング

全体評価
4.6
レビュー
1件
様々なジャンルのeラーニング教材5,000レッスンが見放題!

サービスの特長

  • 5,000コンテンツと豊富な学習管理機能
  • 満足度の高い直感的でシンプルな操作画面
  • 研修導入から実行・評価も手厚くサポート
  • AIによる最適な研修プランの自動提案

人財成長支援システム モノドン

リーダーのOJT指導力強化コース

リーダーのOJT指導力強化コース

1on1の対話力を磨き、OJT指導力を強化する(対面・オンライン)

サービスの特長

  • リーダーとしての指導力が飛躍的に向上
  • メンバーの主体性を高め、業績向上を実現
  • 具体的な対話技術で信頼関係を構築
人材育成関連のサービスをまとめて資料請求!
無料で資料請求する
1 件の資料を選択中
すべての資料をリセット 無料で資料をダウンロード
1 資料請求へ 全件削除