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ユニコーン企業とは?意味や条件、デカコーンとの違いをわかりやすく解説

投稿日:2025年9月17日 /

更新日:2025年9月17日

ユニコーン企業とは?意味や条件、デカコーンとの違いをわかりやすく解説

「ユニコーン企業」という言葉をニュースなどで見聞きする機会が増えていませんか?この記事では、ユニコーン企業の意味や具体的な条件、デカコーンやスタートアップとの違いをわかりやすく解説します。企業価値が高い未上場の急成長企業が注目される理由は、社会に大きな変革をもたらす革新性と、経済全体を牽引するほどの成長が期待されるからです。国内外の代表例から将来性まで、その全貌を解き明かします。

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目次

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ユニコーン企業とは?経済を動かす急成長スタートアップ

ユニコーン企業とは、「企業評価額が10億ドル以上」「設立10年以内」「未上場」という3つの条件を満たすテクノロジー企業を指す言葉です。巨額の資金を調達して急成長を遂げ、既存の市場構造を覆すほどの革新的なサービスやプロダクトを生み出すことから、現代経済において非常に重要な存在とされています。

この名称は、伝説上の一角獣「ユニコーン」のように、成功するスタートアップが極めて希少で、見つけ出すのが困難であることに由来しています。単に評価額が高いだけでなく、そのビジネスモデルが社会や人々の生活に大きな変革をもたらす可能性を秘めている点が特徴です。

なぜユニコーン企業は経済に大きな影響を与えるのか

ユニコーン企業が注目されるのは、単にその評価額の高さだけが理由ではありません。彼らが持つ革新性や成長スピードが、経済全体に多大な影響を及ぼすからです。具体的には、以下のようなインパクトをもたらします。

ユニコーン企業が経済・社会に与える影響
影響の側面具体的な内容
革新的なビジネスモデルの創出これまでになかった新しい市場や価値観を創造します。例えば、ライドシェアサービスのUberや民泊サービスのAirbnbは、人々の移動や宿泊に関する概念を根本から変えました。
既存産業の変革(ディスラプション)テクノロジーを駆使して既存の業界構造を破壊し、より効率的でユーザー中心のサービスを提供します。これにより、業界全体の競争が促進され、サービスの質が向上します。
新たな雇用の創出事業の急拡大に伴い、多くの優秀な人材を惹きつけ、新たな雇用を生み出します。これは、経済全体の活性化にも大きく貢献します。

かつてユニコーン企業であったFacebook(現:Meta)やGoogle(現:Alphabet)が、今や世界を代表する巨大企業となり、私たちの生活に不可欠なインフラを提供していることからも、そのポテンシャルの大きさがうかがえます。ユニコーン企業は、未来の産業を創り出し、経済成長を牽引するエンジンとして、世界中の投資家や政府から熱い視線を注がれているのです。

ユニコーン企業の定義となる具体的な条件

「ユニコーン企業」という言葉は、2013年に米国の著名なベンチャーキャピタリストであるアイリーン・リー氏によって初めて提唱されました。彼女は、成功したスタートアップを分析する中で、短期間で急成長を遂げ、巨額の評価額を持つ希少な企業を、伝説上の一角獣「ユニコーン」になぞらえて表現しました。この言葉は瞬く間に世界中に広まり、現在ではスタートアップ界の成功の象徴として使われています。

一般的に、ユニコーン企業と見なされるためには、以下の4つの具体的な条件を満たす必要があるとされています。これらの条件は、企業の成長性、将来性、そして市場に与えるインパクトの大きさを示す重要な指標となります。

評価額10億ドル以上

ユニコーン企業の最も重要かつ基本的な条件は、企業の評価額が10億ドル(日本円で約1,500億円以上 ※為替レートにより変動)に達していることです。ここで言う「評価額」とは、株式市場で日々変動する時価総額とは異なります。未上場のスタートアップがベンチャーキャピタルなどの投資家から資金調達を行う際に、その企業の将来性や技術、市場規模などを総合的に判断して算出される価値のことを指します。この巨額の評価額は、その企業が将来的に大きな成長を遂げるという投資家からの高い期待の表れと言えるでしょう。

設立10年以内

次に挙げられる条件が、設立からの期間です。ユニコーン企業は、設立から10年以内という比較的短期間で、前述の10億ドル以上の評価額を達成した企業と定義されています。老舗の大企業が長い年月をかけて成長するのとは対照的に、革新的なアイデアやテクノロジーを武器に、爆発的なスピードで事業を拡大していくのがユニコーン企業の特徴です。ただし、この「設立10年以内」という条件は、近年ではやや柔軟に解釈される傾向もあり、米国の調査会社CB Insightsなどが発表するユニコーン企業のリストでは、設立から10年以上経過した企業が含まれることもあります。

未上場企業であること

ユニコーン企業は、株式市場に株式を公開していない「未上場(非公開)」の企業であることも重要な条件です。企業の目標の一つであるIPO(新規株式公開)を達成したり、他社に買収(M&A)されたりした時点で、その企業はユニコーン企業とは呼ばれなくなります。これは「卒業」と表現されることもあります。未上場であることにより、短期的な株価の変動に左右されることなく、長期的な視点に立った大胆な経営判断や事業投資を行いやすいというメリットがあります。

テクノロジー企業であること

最後の条件は、その事業内容です。ユニコーン企業の多くは、既存の産業構造を覆すような革新的なテクノロジーや、ITを活用した新しいビジネスモデルを持つ「テクノロジー企業」です。AI(人工知能)、SaaS(Software as a Service)、フィンテック、IoT、バイオテクノロジーといった最先端分野で、これまでになかった新しい価値を社会に提供しています。単に製品やサービスを提供するだけでなく、テクノロジーを駆使してプラットフォームを構築し、業界全体の変革をリードする存在であることが期待されています。

これらの4つの条件をまとめると、以下のようになります。

ユニコーン企業の4つの定義
条件具体的な内容
評価額10億ドル以上(投資家による資金調達時の評価)
設立年数設立10年以内(急成長の証)
株式公開未上場(非公開企業)であること
事業領域革新的な技術を持つテクノロジー企業であること

評価額で変わる呼び名|デカコーンやスタートアップとの違い

ユニコーン企業という言葉と合わせて、「デカコーン」や「スタートアップ」といった言葉を耳にすることも多いでしょう。これらは企業の成長段階や規模を示す言葉ですが、それぞれ意味が異なります。ここでは、これらの言葉の違いを明確にし、ユニコーン企業の位置づけをより深く理解していきましょう。

ユニコーンとデカコーンの違い

ユニコーンとデカコーンの最も大きな違いは、企業の評価額です。ユニコーンが評価額10億ドル以上の未上場企業を指すのに対し、デカコーンはその10倍、つまり評価額100億ドル以上の企業を指します。

「デカ(deca)」はギリシャ語で「10」を意味し、ユニコーンの10倍の価値を持つ希少な存在であることを示しています。ユニコーン企業ですら希少ですが、デカコーンはさらにその一握りしか存在しない、極めて価値の高い企業なのです。

さらに、評価額が1,000億ドルを超えると「ヘクトコーン(Hectocorn)」と呼ばれます。「ヘクト(hecto)」は「100」を意味し、ユニコーンの100倍の価値を持つことを表します。代表的なヘクトコーン企業には、TikTokを運営する中国のByteDanceなどが挙げられます。

これらの呼び名をまとめると、以下のようになります。

呼び名評価額語源主な企業例(過去・現在含む)
ユニコーン(Unicorn)10億ドル以上伝説の一角獣(希少性の象徴)SmartHR, Preferred Networks
デカコーン(Decacorn)100億ドル以上deca(10) + unicornOpenAI, SpaceX, Stripe
ヘクトコーン(Hectocorn)1,000億ドル以上hecto(100) + unicornByteDance, Ant Group

このように、評価額の桁が上がるごとに呼び名が変わり、企業の希少性や市場へのインパクトの大きさを示しています。

ユニコーンとスタートアップの違い

ユニコーン企業とスタートアップは、しばしば混同されがちですが、両者は包含関係にあります。結論から言うと、ユニコーン企業は、数あるスタートアップ企業の中で、特定の条件を満たした一握りの成功企業を指します。

スタートアップ(Startup)とは、一般的に「革新的な技術やビジネスモデルで、短期間での急成長を目指す、設立から間もない企業」を指します。明確な定義はありませんが、既存の市場にない新しい価値を提供し、IPO(新規株式公開)やM&A(合併・買収)といったイグジット(EXIT)を目指す点が特徴です。

つまり、すべてのスタートアップがユニコーン企業になるわけではありません。多くのスタートアップは、資金調達を重ねながら事業を成長させていく過程にあり、その中で「設立10年以内」「評価額10億ドル以上」「未上場」という3つの条件をクリアした企業だけが「ユニコーン」と呼ばれるのです。

両者の違いを整理すると、以下のようになります。

項目スタートアップユニコーン企業
定義革新的なビジネスで急成長を目指す企業評価額10億ドル以上の未上場スタートアップ
評価額明確な基準はない10億ドル以上
企業数多数存在するごく少数(希少性が高い)
成長ステージシード、アーリー、ミドル、レイターなど様々主にレイターステージ以降の成功した企業

スタートアップという広大なフィールドの中で、厳しい競争を勝ち抜き、投資家から極めて高い評価を受けたトップランナーがユニコーン企業である、と理解すると分かりやすいでしょう。世界のユニコーン企業のリストは、米国の調査会社であるCB Insightsなどが定期的に公開しており、市場の動向を知る上で重要な指標となっています。

ユニコーン企業が注目される理由

ユニコーン企業は、なぜこれほどまでに投資家やメディア、そして社会全体から熱い視線を注がれるのでしょうか。その理由は、単に評価額が高いからというだけではありません。社会への影響力、投資対象としての魅力、そして経済全体への貢献という3つの大きな側面から、ユニコーン企業が注目される理由を解き明かしていきます。

ユニコーン企業が注目される理由(視点別)
視点注目される主な理由
社会・消費者革新的なサービスや製品による生活の利便性向上、社会課題の解決への貢献
投資家将来のIPOやM&Aによる、投資額の何十倍にもなり得る大きなリターンへの期待
国・経済全体新産業の創出による市場の活性化、大規模な雇用創出、国際競争力の強化

社会に変革をもたらすイノベーション

ユニコーン企業の最大の特徴は、既存の常識を覆し、新たな市場や価値観を生み出す「破壊的イノベーション」を起こす力にあります。彼らは、これまで解決が難しいとされてきた社会課題や、人々が不便に感じていたことを、テクノロジーを駆使して解決するビジネスモデルを構築します。

例えば、フリマアプリの「メルカリ」は、個人間取引(CtoC)のハードルを劇的に下げ、日本のリユース市場を根底から変えました。また、海外では「Uber」が移動の概念を、「Airbnb」が宿泊の形をそれぞれ変革したように、ユニコーン企業は私たちのライフスタイルそのものに大きな影響を与えるゲームチェンジャーなのです。こうした革新的なサービスは、新たな文化を創造し、社会全体をより便利で豊かなものへと導く可能性を秘めています。

大きな投資リターンへの期待

投資家、特にベンチャーキャピタル(VC)にとって、ユニコーン企業は極めて魅力的な投資対象です。その理由は、未上場の段階で投資し、将来的に企業がIPO(新規株式公開)やM&A(合併・買収)に至った際に、莫大な利益(キャピタルゲイン)を得られる可能性があるからです。

スタートアップへの投資は「ハイリスク・ハイリターン」と言われますが、ユニコーン企業にまで成長した企業の場合、そのリターンは投資額の数十倍、時には数百倍に達することもあります。この大きな成功への期待感が、世界中の投資マネーをスタートアップ市場へと向かわせる原動力となっています。また、従業員にとってもストックオプション制度などを通じて、企業の成長が自身の資産形成に直結する夢があり、優秀な人材が集まる要因の一つにもなっています。

経済成長の牽引役

ユニコーン企業は、一国の経済全体においても重要な役割を担います。彼らが創出する新しいサービスや市場は、既存の産業構造に変革を促し、新たな経済圏を生み出します。これにより、新しい産業が生まれ、多くの雇用が創出され、国全体の経済成長を力強く牽引することが期待されています。

多くの国がユニコーン企業の創出を国家的な目標として掲げ、スタートアップ支援に力を入れているのはこのためです。例えば、日本では経済産業省が「スタートアップ育成5か年計画」を策定し、資金供給の強化や人材育成など、スタートアップが生まれ育つ環境(エコシステム)の整備を推進しています。ユニコーン企業の数は、その国の経済的な活力や国際競争力を示す指標の一つとも考えられているのです。

日本の主なユニコーン企業

かつてユニコーン企業は海外、特に米国や中国の企業が中心でしたが、近年、日本国内でも次々と誕生し、その存在感を増しています。政府によるスタートアップ支援策の強化や、ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達環境が整備されたことを背景に、独自の技術や革新的なビジネスモデルで急成長を遂げる企業が増加傾向にあります。

ここでは、日本経済新聞社が提供する「NEXTユニコーン調査」や、スタートアップ情報プラットフォームの「STARTUP DB」などを基に、2024年時点で注目されている日本の主なユニコーン企業(またはそれに準ずる評価額の未上場企業)をいくつかご紹介します。

日本の主なユニコーン企業・NEXTユニコーン一覧(2024年時点)
企業名主な事業内容推定企業価値(評価額)
株式会社Preferred NetworksAI(深層学習)技術の研究開発、産業用ロボットや自動運転技術への応用3,558億円
株式会社SmartHRクラウド人事労務ソフト「SmartHR」の開発・提供1,781億円
GO株式会社タクシーアプリ「GO」や法人向けサービス「GO BUSINESS」の提供1,411億円
株式会社TBM石灰石を主原料とする新素材「LIMEX」や再生素材「CirculeX」の開発・製造・販売1,336億円
Spiber株式会社構造タンパク質素材「Brewed Protein™」の開発・生産1,331億円
スマートニュース株式会社ニュースアプリ「SmartNews」の開発・運営非公開(過去に2,000億円以上と報道)
株式会社ティアフォーオープンソースの自動運転OS「Autoware」の開発1,092億円

※企業の評価額は資金調達のタイミングや調査時期によって変動します。上記は各社の公表情報や報道に基づく推定値です。

株式会社Preferred Networks(プリファードネットワークス)

株式会社Preferred Networksは、AI、特に深層学習(ディープラーニング)の技術を核として、現実世界の問題解決に取り組むスタートアップです。トヨタ自動車と共同で進める自動運転技術の開発や、ファナックと連携した産業用ロボットの知能化など、日本を代表する大手企業との協業で大きな成果を上げています。その高い技術力は世界的に評価されており、交通システム、製造業、バイオ・ヘルスケアなど、幅広い分野でのイノベーションを牽引する存在として期待されています。

株式会社SmartHR(スマートエイチアール)

株式会社SmartHRは、クラウド型の人事労務ソフト「SmartHR」を提供しています。このサービスは、入退社手続きや年末調整、給与明細の発行といった煩雑な労務管理をペーパーレスで自動化するもので、特に中小企業を中心に急速に導入が進んでいます。SaaS(Software as a Service)モデルの成功例として知られ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援することで、日本の労働生産性向上に大きく貢献しています。使いやすいインターフェースと手厚いサポート体制が評価され、高いシェアを誇っています。

株式会社TBM

株式会社TBMは、石灰石を主原料とし、水や木をほとんど使わずに製造できる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発したことで知られる企業です。LIMEXは紙やプラスチックの代替となり、名刺やポスター、食品容器など様々な製品に応用されています。枯渇リスクの低い資源を活用し、環境負荷を低減するサステナブルな素材として、世界中から注目を集めています。資源問題や環境問題といった地球規模の課題解決にビジネスで挑む、ユニークなユニコーン企業です。

Spiber株式会社(スパイバー)

Spiber株式会社は、山形県鶴岡市に拠点を置くバイオベンチャーで、微生物の発酵プロセスを利用して人工的に構造タンパク質素材を生産する技術を世界で初めて確立しました。この「Brewed Protein™(ブリュード・プロテイン)」と名付けられた素材は、石油由来の化学繊維に代わるサステナブルな次世代の基幹素材として期待されています。アパレル業界をはじめ、自動車部品など様々な産業での活用が見込まれており、脱炭素社会の実現に貢献するキーテクノロジーとして大きな注目を浴びています

海外の代表的なユニコーン企業

世界に目を向けると、日本をはるかに上回る数のユニコーン企業が存在し、その多くが私たちの生活に身近なサービスや製品を提供しています。特にアメリカと中国には巨大なユニコーン企業が集中しており、テクノロジーとイノベーションを武器に世界経済を牽引する存在となっています。ここでは、世界で特に高い評価額を誇り、各業界に大きな影響を与えている代表的なユニコーン企業をいくつか紹介します。

米国の調査会社CB Insightsが発表しているデータをもとに、世界で評価額の高いユニコーン企業をいくつか見てみましょう。

世界のユニコーン企業 評価額ランキング上位(2024年時点の代表例)
企業名評価額(推定)主要事業
ByteDance(バイトダンス)中国2,200億ドルAI、ショート動画プラットフォーム(TikTok)
SpaceX(スペースX)アメリカ1,800億ドル宇宙開発、衛星通信
OpenAI(オープンAI)アメリカ860億ドル人工知能(AI)の研究・開発
Shein(シーイン)シンガポール660億ドルオンライン・ファストファッション
Stripe(ストライプ)アメリカ650億ドルオンライン決済プラットフォーム

※評価額は常に変動するため、上記はあくまで一例です。

ByteDance(バイトダンス)

ByteDanceは、世界中で絶大な人気を誇るショート動画プラットフォーム「TikTok」の運営元として知られる中国のテクノロジー企業です。強力なAI技術を駆使したレコメンデーションエンジンが最大の特徴で、ユーザー一人ひとりの興味関心に合わせた動画を次々と表示することで、中毒性の高いサービスを生み出しました。その影響力はエンターテインメント業界にとどまらず、マーケティングや情報収集のあり方にも変革をもたらしています。世界で最も評価額の高いユニコーン企業の一つとして、その動向が常に注目されています。

SpaceX(スペースX)

イーロン・マスク氏が率いるSpaceXは、民間企業による宇宙開発のパイオニアです。ロケットの再利用技術を世界で初めて確立し、打ち上げコストを劇的に削減することに成功しました。これにより、従来は国家主導だった宇宙開発の常識を覆し、商業衛星の打ち上げや国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送などを担っています。さらに、衛星インターネットサービス「Starlink」をグローバルに展開するなど、宇宙を舞台にした新たなビジネスを次々と創出し、人類の未来を切り拓く企業として期待されています。

Stripe(ストライプ)

Stripeは、オンライン決済のインフラを提供するFinTech(フィンテック)企業です。開発者がウェブサイトやアプリに数行のコードを追加するだけで、簡単にクレジットカード決済システムを導入できるサービスを提供しています。そのシンプルさと高い機能性から、世界中のスタートアップから大企業まで、あらゆる規模のビジネスで採用されています。ECサイトやSaaS(Software as a Service)ビジネスの成長を裏側から支える「縁の下の力持ち」として、デジタル経済に不可欠な存在となっています。

Shein(シーイン)

Sheinは、オンラインに特化したファストファッションブランドで、驚異的な成長を遂げている企業です。AIによるトレンド予測と、企画から生産までを短期間で行う独自のサプライチェーンを構築。これにより、最新の流行を取り入れた多種多様な商品を、圧倒的な低価格で毎日数千点も投入することを可能にしました。SNSマーケティングを巧みに活用し、特に若者世代から絶大な支持を集め、アパレル業界の勢力図を塗り替える存在として注目されています。

Canva(キャンバ)

オーストラリア発のCanvaは、専門的なデザインスキルがなくても、誰でも簡単に見栄えの良いグラフィックを作成できるオンラインデザインツールです。プレゼンテーション資料やSNS投稿画像、ポスター、名刺など、豊富なテンプレートと直感的な操作性が特徴です。デザインの民主化を実現したサービスとして、個人ユーザーはもちろん、企業のマーケティング部門や非営利団体など、世界中の幅広い層に利用されています。リモートワークの普及も追い風となり、ビジュアルコミュニケーションに欠かせないツールとしての地位を確立しました。

ユニコーン企業が抱える課題と将来性

ユニコーン企業は、その輝かしい評価額と急成長の裏で、多くの課題に直面しています。革新的なビジネスモデルで市場を切り拓く一方で、その成長を持続させるためにはいくつものハードルを越えなければなりません。ここでは、ユニコーン企業が直面する主な課題と、その将来性を左右する重要なポイントについて解説します。

IPOやM&AというEXIT戦略

ユニコーン企業にとって、創業者や投資家が利益を確定させるための「EXIT(エグジット)戦略」は、成長の重要なマイルストーンです。主なEXIT戦略には、IPO(新規株式公開)とM&A(合併・買収)の2つがあります。

IPOは、企業が自社の株式を証券取引所に上場させ、一般の投資家が売買できるようにすることです。これにより、企業は市場から大規模な資金を調達でき、社会的な信用や知名度も飛躍的に向上します。しかし、上場準備には厳格な審査や内部管理体制の構築が必要で、多大な時間とコストがかかるという側面もあります。

一方、M&Aは、他の企業に自社を売却または合併することです。特に大手企業の傘下に入ることで、その企業の持つ経営資源(資金力、技術、販売網など)を活用し、さらなる事業拡大を迅速に進めることが可能になります。IPOに比べて短期間でEXITを実現できる可能性がありますが、経営の自由度が制限されたり、企業文化の違いに直面したりするリスクも伴います。

どちらの戦略を選択するかは、企業の状況や目指す方向性によって異なり、それぞれのメリット・デメリットを慎重に比較検討する必要があります。

表:IPOとM&Aの主な違い
比較項目IPO(新規株式公開)M&A(合併・買収)
経営の独立性維持されるが、株主への説明責任が生じる買収先の企業の方針に大きく影響される
資金調達市場から大規模な資金調達が可能買収資金が株主に渡るのが一般的
実現までのスピード準備に数年単位の時間がかかることが多い交渉次第で比較的短期間に実現可能
社会的信用・知名度大幅に向上する買収先企業のブランド力に依存する
手続きの複雑さ非常に複雑で、専門家の支援が不可欠交渉や契約が中心となり、IPOよりは簡素

成長を続けるための課題

高い評価額を維持し、さらなる成長を遂げるために、ユニコーン企業は以下のような複数の課題に継続的に取り組む必要があります。

継続的な資金調達と高いバーンレート

ユニコーン企業の多くは、市場シェアを急速に拡大するために、マーケティングや開発に多額の先行投資を行います。そのため、売上を上回るコストを支出する「バーンレート(資金燃焼率)」が高い傾向にあります。成長を維持するためには、次の資金調達ラウンドを成功させ続ける必要がありますが、市況の悪化や投資家の期待に応えられない場合、資金繰りが一気に厳しくなるリスクを常に抱えています。

優秀な人材の確保と組織マネジメント

事業の急拡大に伴い、組織もまた急激に大きくなります。この過程で、優秀なエンジニアやマネジメント層など、各分野の専門人材を確保し続けることが不可欠です。しかし、人材獲得競争は激しく、採用は容易ではありません。また、創業当初の柔軟な企業文化を維持しながら、数百人、数千人規模の組織を適切にマネジメントしていくことは、経営陣にとって大きな挑戦となります。

収益性の確立とビジネスモデルの持続可能性

ユニコーン企業の評価額は、将来の収益性に対する高い期待感によって支えられています。しかし、いつまでも赤字のままでは事業を継続できません。市場シェアの獲得を優先するフェーズから、着実に利益を生み出す「収益化」のフェーズへとビジネスモデルを転換させることが極めて重要です。顧客が継続的にサービスを利用し、収益につながる仕組みを構築できるかどうかが、企業の持続可能性を左右します。

激化する市場競争と模倣リスク

革新的で成功したビジネスモデルは、大手企業や後発のスタートアップによる模倣の対象となりやすいという宿命を持っています。競合の参入によって価格競争が激化したり、市場シェアを奪われたりするリスクがあります。独自の技術的優位性や強力なブランド、多くのユーザーを抱えることによるネットワーク効果など、他社が容易に真似できない「参入障壁」を築き、競争優位性を保ち続けることが求められます。

法規制やコンプライアンスへの対応

特にフィンテックやWeb3、ライドシェアといった新しい領域で事業を展開するユニコーン企業は、既存の法律や規制が想定していないサービスを提供することが多く、法的なグレーゾーンで事業を進めざるを得ない場合があります。事業が拡大し社会的な影響力が大きくなるにつれて、規制当局からの監視は厳しくなります。個人情報保護や独占禁止法など、コンプライアンス体制を整備し、社会的な責任を果たしていくことが、長期的な成長のための必須条件となります。

まとめ

ユニコーン企業とは、設立10年以内、評価額10億ドル以上、非上場のテクノロジー企業を指します。その希少価値から伝説の生き物になぞらえて名付けられました。社会に革新をもたらすビジネスモデルや技術を持ち、経済成長の牽引役として大きな投資リターンが期待されるため、世界中から注目を集めています。

評価額が100億ドルを超えるとデカコーンと呼ばれ、さらなる成長が期待されます。日本でも新たなユニコーン企業が誕生しており、その動向は今後の経済を占う上で重要です。

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