登壇者プロフィール
2001年 東京大学工学部機械情報工学科 卒業。 2006年 東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻 博士課程修了。 同大学の研究員・助教を経て、2011年に株式会社テンクーを創業し、代表取締役社長に就任。
大学では、遺伝子発現やコピー数多型およびNGSのゲノムデータ解析や可視化などを行い、その成果はNatureなどの論文誌に多数掲載された。 Microsoft Innovation Awardなどを受賞。 2010年にはIPA 未踏IT人材発掘・育成事業にプロジェクトが採択。
専門は、情報の可視化、バイオインフォマティクス、ヒトゲノム解析、バーチャルリアリティ。 大学の研究を社会に還元したいという思いから起業を決意し、ゲノム医療のためのトータルソリューションソフトウェア「Chrovis」の開発を始め、ゲノム医療を情報面から推進できるように活動している。 文部科学省 科学技術・学術政策研究所「科学技術への顕著な貢献2018(ナイスステップな研究者)」に「がんゲノム医療の扉を拓く、医療向けのゲノム情報の解析および意味付けと可視化技術の開発」にて選定。大学発ベンチャー表彰2019 文部科学大臣賞 受賞。博士(工学)。
株式会社テンクーについて
私たちは情報技術で医療に貢献しようと、社会実装の架け橋をしようということをやっている会社です。
皆さん、これまでもAIで結果が出たという事例などがあると思いますが、それをどう理解しようか、どう活用しようかという課題があるのかなと思っております。私たちは複雑で大量の医療情報を整理・解析し、それを人に分かりやすく提示し、アクションまでできるようにしようということをしております。
今回はそれを医療従事者、専門家、患者さん、ご家族のためにやってる一例として聞いていただければと思います。
株式会社テンクーは、2011年の4月に設立いたしました会社で11年目です。会社としましては、私が東京大学で研究をやっていた関係もありまして、大学発ベンチャーという位置づけになります。
JSTとNEDOがやっております「大学発ベンチャー表彰2019」というもので、文部科学大臣賞をいただいております。会社の3/4がエンジニアで、ゲノム情報解析、バイオインフォマティックを行っている会社です。
ゲノム医療のトータルソリューション「Chrovis」について
また、ゲノムの読み取りコストが大幅に低下しておりまして、 一人ひとりの遺伝子を読むことができるようになってきています。
それを合わせて、個人に合わせたがんのゲノム医療、精密医療(プレシジョン・メディスン)というのができるようになってまいりました。
簡単にご説明しますと、がんのゲノム医療は、がんの特徴を遺伝子レベルで理解し、治療につなげるということになります。
がん自体が遺伝子に傷がついて、後天的に、生まれた後に傷がついてがんになっていきます。
最近はその傷に合わせた薬、分子標的薬がありまして、 合ってればその薬を使うのが一番効果があるとされています。いかに、がんで傷ついた箇所を見つけてあげて、合った薬を探していくのかというのが大事になります。
私たちはそのがんのゲノム医療の中で、情報技術AIがどう使えるかを考え、 予防・ 診断・治療に貢献していこうということをしております。
3つの情報技術の貢献について
・がんの患者さんの遺伝子を調べた後にデータを解析をしてどこが壊れてるのかというのを見つけてあげる
・その後に先生方が世界中の治療中から、どの薬、どの治療が患者さんに合ってるのか探していくところをサポートする
・主治医の先生と患者さんが理解できて、アクションができるようにする、治療につなげていく部分をサポートする
この3点を、AI情報技術である「Chrovis」を使ってサポートするということを行っております。
それが私たちのがんゲノム医療のトータルソリューションソフトウエア「Chrovis」ということになります。
この分野自体は2019年6月から保険収載され始め、日本全国に広まってきています。
かつて、がん遺伝子パネル検査は解析とレポート作成に多大な手間がかかるのが課題でした。弊社はITを活用して、医師が結果を判断しやすくするということを行いまして 東大病院やがん研有明病院で使っていただいております。
その他にも東大病院や岡山大学病院の先進医療でも、ご活用いただいております。
がんのゲノム医療は大きく分けると3つのことを行っています。
・患者さんががんになりますと、がん細胞について病理の先生が見た後に、今回の患者さんのがんゲノム医療に進みます。
数ギガバイトから数十ギガバイトのデータを解析し、どの薬がいいかという知識データベースから見つけてレポートを作成、それを先生方に見せるということになります。
私たちはそのレポートについて、医師向け、患者さん向けの両方作りアクションを支援しています。
患者さん向けには イラストも使用するなど分かりやすくし、この「Chrovis」をがんゲノム医療で使ってるという形になります。
まとめますと、今回は医療情報という面で、がんのゲノム医療を取り上げて、AIを使って人に分かりやすく提示し、アクションをできるようにする、AIを用いた意思決定支援の1つとして、私たちのトータルソリューションソフトウエア「Chrovis」をご紹介させていただきました。ありがとうございました。
まとめ
YouTube:https://youtu.be/IbMVPGihVTo?t=9771
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