漆島氏紹介
<中條氏>
本日はラクスパートナーズ株式会社の漆島さまをお招きし、ITエンジニア派遣サービスについて詳しくお話をうかがいたいと思っております。ITプロジェクトの成功に不可欠である、優秀なエンジニアを獲得する方法や成功事例などもお話いただくので、IT部門の方々や自社のIT部門強化を検討している方々に参考になる内容となっています。漆島さま、本日はよろしくお願いいたします。それでは早速、漆島さまの今までのキャリアについておうかがいしてもよろしいでしょうか?
<漆島氏>
ラクスパートナーズ株式会社で営業企画部の部長を務めております、漆島と申します。
現在50歳を過ぎ、今まで6社でキャリアを積んでまいりました。キャリアのスタートは大手証券会社でして、金融ビッグバンの時代に新規ビジネスの立ち上げに携わりました。その後、マーケティング分野でのコンサルティングや介護事業、外資系などさまざまな企業で事業責任者なども行ってまいりました。そして2021年より、現職に従事しています。
企業のIT課題、人材不足が起因
<中條氏>
派遣エンジニアとはITエンジニアの派遣人材を指すと思うのですが、そもそも企業のIT分野に関する現状と課題はどのような状況でしょうか?
<漆島氏>
2030年に、ITエンジニアが79万人不足すると言われているほど、現在のIT部門は人材不足が深刻な状況です。また、人材がいてもデジタル技術の知識やリテラシーが不足しているなど、育成に関するお悩みも多いようです。そのため、優秀なIT人材は引く手あまたとなっています。
<中條氏>
IT人材の需要が高いということですね。
<漆島氏>
企業のIT課題は多岐にわたります。たとえば、事業会社であればDXの推進やデータ活用、システム開発会社ならスケジュールや品質の管理などがあるでしょう。しかし、元をたどってみると、いずれも人材ありきの課題なのです。つまり適切なIT人材を確保することで打ち手を講じることができ、課題解決につながる可能性が高くなります。
一般的に「IT人材」とはシステム開発会社やSaaS企業などで活躍するイメージが強いと思いますが、IT活用が当たり前になっている現代では一般の事業会社でもIT人材の需要が非常に高い状況です。
エンジニアを採用できないためにIT課題が深刻に
<中條氏>
今までは「エンジニアは外注すればよい」というスタンスだった企業でも、昨今のDX化・AI化の流れの中で、こうした技術を利活用できるエンジニアの存在が欠かせなくなっているのですね。
<漆島氏>
今まではIT課題と無縁だった企業も「クラウド化したい」「システムを内製化したい」「基幹システムが古くなっているからリプレイスしたい」という状況になっています。そうした中で、いざ優秀なエンジニアを確保しようとしても、すでに市場にはいないため採用できません。
そのため、優秀なエンジニアを派遣できる我々にお声がけいただく機会が増えています。また、特別なスキルを持つIT人材を確保しなくても、プログラミングやコーディングなどのスキルが必要なくノーコードで活用できるクラウドサービスを導入することも増えているようです。
<中條氏>
エンジニアを採用できない企業様にとっては、御社のような派遣サービスは非常に価値がありますね。
条件を満たす人材の確保に「派遣」という選択肢
<漆島氏>
前提として、なかなかIT人材を確保できないという背景には、そもそもIT人材の母数が少ないということもありますが、「自社の採用基準を100%満たす人材を見つけられない」ということもあります。採用基準を満たす人材を見つけるまで待っているとビジネスは進まないため、我々のような派遣サービスを活用して、条件を満たす優秀なIT人材を即座に確保するのも一つの策となっています。
派遣社員を活用している企業様も多いと思いますが、我々のサービスは業務内容が「ITエンジニア」に特化しているだけであって、契約形態や業務形態などは一般的な派遣社員と変わりありません。ただし、我々はエンジニアのパフォーマンスを上げていきたいと考えているため、クライアント様から仕事ぶりや品質をヒアリングしてエンジニアにフィードバックし、エンジニアができることを増やしていけるようサポートしている点が大きな強みと言えます。
<中條氏>
フリーランスのエンジニアがプロジェクト単位で業務委託として参画する形態とは、どのように異なるのでしょうか?
<漆島氏>
業務委託は、あくまでも「あなたはこの業務をやってください」と業務をお任せすることです。
一方の派遣社員は、「社員」というだけあって、チームに入ってマネージャーから指示を受けたりメンバーと一緒に協力したりしていきます。そのため、メンバーの一員という意識を持ち、社員と同じように融通をきかせながら仕事を進められます。
すべて自社採用・育成のエンジニアを派遣
<中條氏>
副業でITエンジニアをしている人も増えていると聞きますが、御社のサービスはフルタイムでの稼働となりますか?
<漆島氏>
はい、フルタイムでの常駐支援です。
当社のサービスは、当社と雇用契約を締結した正社員人材を派遣させていただいているため、他のクライアント様や案件を掛け持ちすることはありません。派遣する人材はすべて、当社が採用して育成しているため、どのような性格でどのようなことが得意なのか当社が把握したうえで最適な人材をアサインしています。
また、Webエンジニア、インフラエンジニア、機械学習エンジニア、QAエンジニアなど幅広い技術領域の人材をカバーしている点は強みではないでしょうか。
<中條氏>
さまざまな業種やビジネスモデルのクライアント様に対応できそうですね。
基本的なビジネススキルが高い人材を採用
<中條氏>
具体的にどのような人材がいらっしゃるのでしょうか?
<漆島氏>
基本的には若手層が多いですね。
実は、当社のITエンジニアはもともとエンジニアを経験してきた人材だけでなく、前職が総務部や営業職などの人材も少なくありません。当社に入社してからエンジニア技術を身につけたことで、大手セキュリティサービス企業やメガベンチャー、大手エンタメ企業などの大企業でも問題なく参画させていただいております。
前職でエンジニア職を経験していなくても、土台となるビジネススキルが高い人材を採用しておりますので、非常に高いパフォーマンスで活躍しています。
<中條氏>
コミュニケーションスキルやロジカルシンキングスキルなどは、どれだけITやAIが進歩しても必要となるスキルですよね。
<漆島氏>
組織でさまざまな人と関わりながら仕事を進めていくため、そうしたスキルセットは必須ですね。技術を学ぶ意欲や新たな技術をキャッチアップする能力があれば、技術は後からついてきます。「土台となるスキルセットがどれだけできているか」を重視して採用しているので、前職でエンジニア経験がなくても問題ないのです。
クライアントからも高評価の高スキル人材を派遣
<中條氏>
これまでのクライアント様からの評価も教えていただけないでしょうか?
<漆島氏>
派遣開始当初は「スキルとしてはまだまだ不足している」というフィードバックをいただくこともありますが、1~2年経てば新卒で入ってきたプロパーの教育係をさせていただくこともあります。外部の人材だからこそ、シナジーが生まれて組織に良い影響を与えられているようです。
また、やはりビジネススキルが高い人材ばかりなので、「ずっといてほしい」というお声もいただいています。
若手エンジニア確保にはスキルマップを活用
<中條氏>
御社のエンジニアは若手が多いとのことですが、若手であるジュニアエンジニアの活用ポイントを教えていただけないでしょうか?
<漆島氏>
我々は、エンジニアとして活躍できる必須条件となる人材要件や技術レベルをまとめたスキルマップを活用しています。スキルレベルを1~4の段階に分け、少なくともレベル2からの人材を派遣させていただきます。レベル1が手取り足取り教えながらプロジェクトを進めるレベルだとすると、レベル2は指示を出して報連相しながらなら完走できるレベルです。
企業としては、どうしてもレベル3やレベル4の人材をほしいという考えになりがちですが、どういう業務をしてもらいたいのか、タスクを明確に指示できればレベル2でも問題なく業務を遂行できるのです。「これやっておいて」と丸投げするのではなく、明確なタスクを与えて報連相を取り合いながら進めれば問題ない、と私の経験上感じています。
<中條氏>
誰がどのくらいのレベルなのか見極めて業務を割り振るのが重要なのですね。
<漆島氏>
ITエンジニアを採用する際にも、そうしたポイントで人材を見ることが大切です。私たちは「採用マッチング」と呼び、自社が求める要件を精緻に洗い出して人材を見極めるべきだと考えています。
まず、もっとも重視するのが「自社が求めている技術レベルがあるのか」というテックマッチですね。そして、自社に入って仕事をしてもらう以上、「自社の文化や価値観に適合しているのか」というカルチャーマッチも重要。そしてチームの一員として協力し合えるチームマッチ、自己成長や仕事への熱意を維持するモチベーションマッチ、業務とキャリアの方向性が合致しているキャリアマッチという要件を洗い出すと良いでしょう。
派遣エンジニア活用には、事前の取り決めと参画後のフォローが重要
<中條氏>
今までにあった、派遣エンジニア活用における失敗例も教えていただけますか?
<漆島氏>
当社は過去に700社以上お取引をさせていただいてきたので、マネジメントがうまくいかなかった例もあります。
例としては「忙しすぎて質問に答えられずに放置してしまう」ということがあると、エンジニアは相談できる相手がいないため退場してしまいました。また、放置しすぎると疎外感を感じてしまったり、逆に干渉しすぎると嫌気がさしてしまったりすることも。また、業務を丸投げしたり、業務のプレッシャーをかけたりすることも、エンジニアが退場してしまう要因になりますね。
<中條氏>
こうした失敗を起こさないための対策はありますか?
<漆島氏>
派遣エンジニアを活用するにあたり、事前に任せたい業務内容の取り決めをしっかり行うことが重要です。
そして、参画後はエンジニアがパフォーマンスを上げられるように、コンプライアンスを意識しながら適切なフィードバックを与え、ワークエンゲージメントを向上させていきましょう。
これは特別なことではなく、ビジネスで成果を出すための必要最低限のことだと思っています。
<中條氏>
最後にメッセージをお願いします。
<漆島氏>
IT人材不足の中、企業はDXを促進しなければならない状況です。そうした中で、企業は正社員という選択肢だけでなく、外部人材を適切に活用することで課題解決につながる場合があります。
<中條氏>
優秀な若手エンジニアがほしいという企業様は、ぜひラクスパートナーズ様にご相談いただければと思います。本日はありがとうございました。