近年、ビジネス分野ではAIが活用される機会が増え、定番の文章作成や画像生成に加え、チャットボット作成、契約書チェックなど、さまざまなニーズに応えるツールが生まれています。
本記事では人気のAIツール・サービスやそれぞれの機能、料金、さらにはツールを選ぶ際のポイントなどを紹介します。自社の課題解決のためにAIツールの導入を検討している経営者や担当者は、ぜひ参考にして下さい。
AI(人工知能)搭載ツールとは
AI搭載ツールとは、自ら学習する機能を備えたツールのことです。AIが搭載されたことで、従来では実現できなかったツール自身による分析や提案、予測などの処理が可能になります。
ビジネス分野においては業務効率化やデータ分析など、あらゆる場面で役立ちます。近年では、AIの技術を活用したデザインや文章の自動生成などクリエイティブな分野で注目され、活用する企業が急増しました。
AIツールの主な機能・種類
AIツールによってできることは多岐にわたりますが、主な機能や種類は以下の5つが挙げられます。
- メールや書類などの文章・記事作成
- イラスト・画像生成
- ソフトウエア開発やコーディング
- ルールに沿った作業
- その他
メールや書類などの文章・記事作成
AIツールに必要な情報と指示をテキスト入力するだけで、メールや企画書、レポート、稟議書などの文章を迅速に作成できます。他にもSNS投稿やSEO対策が施された記事の作成、さらにはAIチャットボットによる顧客対応なども可能です。
ツールや指示内容によっては完全と言い切れない場合もありますが、人の手による作業を大幅に減らせるでしょう。
イラスト・画像生成
AIツールを使えばイメージ画像の生成や、写真からイラストへの変換なども可能です。プレゼンテーション資料に載せるイラストや、新商品のイメージ画像の作成などに役立ちます。
ただし、商品利用の可否や著作権の考え方については開発者・運営者によって異なるため、ビジネス利用の際は確認が必要です。簡単なイメージイラストを名刺や資料などに掲載することで、相手の印象に残りやすくなるといった効果も狙えるでしょう。
ソフトウエア開発やコーディング
AIツールの中にはAIチャットを使ってソースコードをつくり、アプリの開発やホームページ作成、さらにはデバッグ作業ができるものもあります。
これにより非エンジニアがAIツールを使って開発作業に参加したり、専門知識をもつエンジニアがより高度な作業に注力したりできます。人事配置の幅が広がり、ソフトウエア開発の効率化につながるでしょう。
ルールに沿った作業
AIは大量のデータ処理や、淡々と作業をこなす業務が得意です。誰でもできるようなルーティンで行われている作業や、データに基づく分析・処理を任せることで業務効率化に役立ちます。
当然ながら指示を出すにはテキストや情報を入力する必要があるため、完全にAI任せとはいえませんが、一度明確な指示をつくっておけばその後の作業効率は格段に上がるでしょう。
その他AIツールができること
その他の機能としては企画の立案やフィードバック、タスク管理、顧客の好みに合わせた商品の提案、過去のデータに基づいた異常検知・未来の予想などが挙げられます。
例えば、顧客の購入履歴や好みを分析することで、年齢層や地域などターゲットに合わせたマーケティング手法の提案、新商品の企画立案が容易になります。
さらに、過去のデータを分析することで将来の需要を予想できるため、売り上げの予想や適切な在庫管理・生産計画などの最適化も可能です。現在抱えている課題や効率化したい作業があれば、その内容に合わせたAIツールを導入することで解決につながる可能性があります。
ビジネスにおすすめのAIツール一覧
仕事に活用することで業務効率化が図れる、9つのAIツールを紹介します。
ツール名 | 機能 |
---|---|
AutoMemo | 音声文字起こし |
BizTAP AI | 多機能ツール(画像生成・議事録作成など) |
LegalForce | 契約書関連 |
Hubble mini | |
Copilot for Microsoft 365 | AIチャットツール(文書作成・データ分析など) |
Canva pro | デザイン作成 |
Gamme | |
Vrew | 動画作成 |
Message Post Booster | SNS投稿作成 |
AutoMemo|音声を自動で文字起こし
無料トライアル | あり |
無料プラン | あり |
初期費用 | 0円 |
基本料金 | 90,000円(1年買い切り) |
従量課金 | 0円 |
公式URL |
AutoMemoは、音声を自動で文字起こしするAIツールです。ただ文字起こしするだけでなく、要点を整理してまとめる機能もあります。
AutoMemoの文字起こし機能の精度は国内最高水準を誇り、作成したデータはスムーズに共有できます。これまで議事録やインタビュー原稿の作成に時間と手間をかけていた場合、AutoMemoを活用することで業務を大幅に効率化できるでしょう。
BizTAP AI|チャットボット作成や画像生成など幅広い機能をカバー
無料トライアル | あり |
無料プラン | なし |
初期費用 | 15,000円/社 |
基本料金 | 1,000円/アカウント |
従量課金 | 0円 |
公式URL |
BizTAP AIはAIチャットボット作成や議事録作成、画像生成、テキスト変換まで、幅広い機能が使えるAIツールです。AI導入支援の体制も手厚く「AIを取り入れてみたいけどイメージが思い浮かばない」「そもそもAIに何ができるのかが分からない」といった企業のための専用サポートもあります。
読み込んだ社内データがAI学習に使われることはないため、機密情報の漏えいが心配な企業にもおすすめです。
LegalForce|契約書チェックでリスクを洗い出す
無料トライアル | なし |
無料プラン | なし |
初期費用 | 要問い合わせ |
基本料金 | 要問い合わせ |
従量課金 | 要問い合わせ |
公式URL |
これまで契約書チェックなどの契約業務は、人手と時間を費やす必要がありました。LegalForceを利用すれば、契約書をアップするだけでリスクの洗い出しやリサーチ、修正、ナレッジの蓄積・共有をサポートしてくれます。
目視では抜け漏れしやすいポイントを洗い出し、修正が必要な場合は対応方針や、サンプル条文・関連する法的な情報が表示されます。弁護士の監修により、法改正への対応も万全です。
Hubble mini|契約管理業務を効率化
無料トライアル | なし |
無料プラン | なし |
初期費用 | 要問い合わせ |
基本料金 | 要問い合わせ |
従量課金 | 要問い合わせ |
公式URL |
Hubble miniは契約書の管理業務を効率化するツールです。PDF化した契約書をアップするとAIが契約内容を読み込み、契約書の管理台帳を作成します。
読み込んだデータはAIによって内容や属性を正確に抽出して管理され、検索もスムーズに行います。シンプルなUIで直感的に操作しやすいため、AIツールに慣れない人でも使いやすいでしょう。オプション機能で電子帳簿保存法への対応も可能です。
Copilot for Microsoft 365|Microsoftのツールと連携
無料トライアル | なし |
無料プラン | なし |
初期費用 | なし |
基本料金 | 4,497円/月 |
従量課金 | なし |
公式URL | https://microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/business/copilot-for-microsoft-365 |
Copilot for Microsoft 365は、Microsoft社が提供するAIチャットツールです。Microsoft製品と連携でき、Office文書の作成やデータ分析、Powerpointの自動生成機能などが使えます。
普段からMicrosoft社の製品をメインで使っている企業なら操作しやすく、導入による業務効率化が図りやすいでしょう。Copilot for Microsoft 365の利用には、Microsoft365のライセンスを保有している必要があります。
Canva pro|高機能デザインツール
無料トライアル | あり |
無料プラン | あり |
初期費用 | なし |
基本料金 | 100ドル〜/年 |
従量課金 | なし |
公式URL |
Canva proは、デザインスキルがなくても高品質なグラフィックデザインを作成できるデザインツールです。ポスターやプレゼンテーション、SNS告知用の画像などさまざまな用途に活用できます。
これまでデザイナーに外注していた企業なら、Canva proのようなAIデザインツールを社内で活用することで、業務効率化だけでなく経費も大幅に削減できる可能性があります。
Gamme|プレゼンテーション用スライド作成
無料トライアル | なし |
無料プラン | あり |
初期費用 | なし |
基本料金 | 8ドル〜/月 |
従量課金 | なし |
公式URL |
AIを活用したプレゼンテーション作成ツールです。ユーザーが入力したテキスト情報をもとに、AIが自動でデザイン性の高いスライドを生成します。
UIもシンプルで扱いやすく、直感的に使用できるのも魅力です。AIで自動生成したスライドの直接編集もできるため、AIでスライド全体を作成して一部だけ人の手で修正するような使い方もできます。
Vrew|キーワードや音声から動画を作成
無料トライアル | なし |
無料プラン | あり |
初期費用 | なし |
基本料金 | 867円~ |
従量課金 | なし |
公式URL |
Vrewは簡単に動画作成・編集、字幕生成などができるツールです。YouTube動画やプロモーション動画、社内教育用の動画などの制作に役立ちます。動画編集で時間がかかるテロップ作成を、AIが動画の音声を分析して自動で行います。
その他にも翻訳字幕や無音部分の短縮、PDFから動画作成など、さまざまな機能の利用が可能です。
Message Post Booster|LINEで簡単にSNS投稿作成
無料トライアル | なし |
無料プラン | なし |
初期費用 | 要問い合わせ |
基本料金 | 要問い合わせ |
従量課金 | 要問い合わせ |
公式URL |
Message Post Boosterは、LINEのトーク画面から高品質なSNS投稿を作成するAIツールです。投稿したい内容を箇条書きで入力するだけで、ChatGPTを利用して投稿文章を自動生成します。
短時間でクオリティの高いSNS投稿を作成できるため、時間と労力を最小限に抑えられ、他の業務にリソースを注げるようになるでしょう。投稿に時間がかかってしまう、投稿の頻度や質のばらつきが気になる、といった悩みがある企業におすすめです。
無料で使える定番の人気AIツールまとめ
無料で使えてビジネスに役立つ、おすすめのAI搭載ツールを5つ紹介します。
ジャンル | ツール名 |
チャット型ツール |
|
画像生成 |
|
ChatGPT
OpenAIのChatGPTは、チャット形式で質問に答えたり文章を作成したりする、代表的なAIツールです。これまで人が考えて作成していた文書を短時間で作成するだけでなく、幅広い用途で利用できます。
今ではビジネス以外でも使用されることが多く、日常的に使用している人も増えています。ChatGPTの詳細やビジネスにおける詳しい活用法については、以下の記事を参考にして下さい。
Gemini
Geminiは、Googleの新しいAIモデルを使用したチャット型のツールです。文章だけでなく画像や動画、音声の分析、さまざまなプログラム言語でのコード生成も可能です。専門的な内容にも対応しており、ニッチな分野での活用にも役立ちます。
Notion AI
Notion AIはアメリカ発の多機能クラウドツール「Notion」上で利用できるAIアシスタントサービスです。チャットを通じて、テキストの作成・校正や文章の要約・翻訳、営業メール・SNS投稿文の作成などさまざまな機能が使えます。
さらにはブレインストーミングなどのアイデア収集や、プログラミングの下書きなどにも対応できるため、幅広い業種で業務効率化に役立つでしょう。
Image Creator from Microsoft Designer
Image Creator from Microsoft DesignerはMicrosoft社が開発した画像生成ツールです。リリース当初は「Bing Image Creator」と呼ばれていました。OpenAIの画像生成AI「DALL・E3」を、日本語で利用できるのがポイントです。
テキストで必要な画像の特徴を入力すれば、イラスト風や絵画風、アメコミ風などさまざまなテイストの画像・イラストを作成できます。
Midjourney
Midjourneyは世界中で広く使われている画像生成ツールです。Discordからアクセスするだけで使い始められ、クオリティの高い画像を簡単に生成できます。さらに有料プランに登録すれば、画像の商用利用が可能です。
AIツールの選び方
AIツールは種類が多いため、実際に導入する場合は以下の選び方を参考にして下さい。
- 自社の課題解決につながるものを選ぶ
- 日本語対応で使いやすいものを選ぶ
- 料金は予算内のものを選ぶ
自社の課題解決につながるものを選ぶ
AIツールは数多くあるため、自社の課題に合ったものを選ぶことが重要です。そのためにまずは自社の課題を洗い出す必要があります。課題が複数ある場合は、解決する優先順位を設定しましょう。
また機能が多過ぎても、活用できなければ余分なコストがかかってしまいます。複数のツールを十分比較検討することがポイントです。
日本語対応で使いやすいものを選ぶ
求めている機能を搭載していても、社内メンバーが使いこなせなければ意味がありません。操作性の高さは当然ながら、日本語に対応していることも使い勝手に直結するため、事前に確認しましょう。
料金は予算内のものを選ぶ
AIツールをビジネスで本格的に使う場合は、基本的に有料のツールを使うことになります。そのため料金が予算内であることや、コストに見合った効果が見込めることを入念に確認する必要があります。
初期費用と併せて、継続的にかかるコストも考慮しましょう。各サービスを比較検討するためには、候補のサービスをまとめて資料請求したり、無料トライアルも積極的に試したりすることをおすすめします。
AIの活用事例
AIはこれまで時間や手間をかけてきた業務を、短時間でできるようになります。AIを活用することで、具体的に以下のような業務の効率化が可能です。
- 定期的なメルマガの発行、急な謝罪メールの作成とそれぞれ誤字脱字をチェック
- チャットボットを作成して顧客に共有しておくと、24時間365日体制のサポートが可能に
- AIにマニュアルを事前に読み込ませておくことで、商談中の顧客からの急な質問にもAIが回答
- プレゼンテーション前に資料から想定される質問を予測して回答を準備
- 多言語で即座に翻訳
他の事例も知りたいという人は、ぜひ以下の資料をご覧下さい。
AIツールをビジネスに活用しよう
AIツールは日々進化しており、ビジネスの場においてさまざまな問題解決に役立ちます。さらに自社に合ったサービスを活用することで、業務効率化や利益拡大が図れます。
業務効率化を進めるためには、自社の抱える課題や現場の問題を可視化し、優先順位を定めておくことが重要です。優先して解決すべき課題が見つかれば、解決に適したツールを選べるでしょう。
自社に適したサービスを選ぶためには各ツールを詳しく知り、予算面や機能、使いやすさなど、多角的に比較検討しましょう。本ページからツールの資料を請求できるため、情報収集や比較検討にぜひ活用して下さい。