BPMとは「業務プロセスを最適化し改善すること」
BPMとは「BusinessProcessManagement(ビジネスプロセスマネジメント)」の略称になります。具体的な意味は、「業務プロセスの一連を可視化し、各プロセスの課題を洗い出し、最適化する手法」です。
IT協会では、業務プロセス(手段、役割分担、ルール)を役割分担している関係者で共有することで、日々の業務成果を向上させる経営手法として紹介されています。
しかし、BPMで結果を出すには、正しい知識と正しい活用方法が必須です。BPMの基本を押さえておかなければ、余計な作業が発生し、結果が伴わない状態に陥るので注意しましょう。
「PDCAサイクル」とセットで考えることが必須
BPMを実行する際に、セットで考えたいのが「PDCAサイクル」です。
自社の課題となっている業務プロセスを「分析・再設計・実行・改善」の順で実行しても、単発では満足できる効果は実感できないでしょう。
BPMのPDCAサイクルとは、分析から改善までの作業を、継続的に回し続ける必要があります。その結果、さらなる改善点を見つけ修正し、最適化していくことができるようになります。
一度実施し完了ではなく、BPMを実行する際はPDCAサイクルの徹底を意識するよう心がけてください。
BPMの導入メリット4選
ここではBPM導入のメリットを4つ紹介します。
- 業務品質の安定化を実現できる
- 進捗をスムーズに把握できる
- 課題を早期に発見できる
- 修正をスピーディーに行える
BPMの意味やポイントを理解した上で、業務プロセスの課題解決によるメリットを理解しておきましょう。
業務品質の安定化を実現できる
BPMの導入により、業務プロセスのフローを可視化できます。
それにより、業務プロセスの標準化が可能になり、従業員に安定したフローを周知できます。結果、自社商品・サービスの品質安定化や従業員の教育をブレることなく行うことが可能になります。
業務品質の安定化は、長期的に見てお客様満足度向上や生産性向上などにつながるメリットです。
進捗をスムーズに把握できる
BPM導入による業務フローの可視化によって、リアルタイムで進行している業務の進捗を一目で確認できるようになります。
チームや組織のメンバー全体で、現在の業務進行度の把握も容易になり、余計な確認が不要になるメリットがあります。たとえば、「この業務は誰が担当しているのか」「あの業務はどこまで進んだのか」のような進捗状況の確認作業が容易になります。
また、容易に進捗が確認できるため、お互いのフォローも導入前と比べてスムーズに行うことが可能です。
課題を早期に発見できる
BPM導入による最大のメリットは、業務プロセスをひとつずつ分析するため、可視化する前には不明だった問題を早期に発見できる点です。
たとえば、BPM導入により「長時間かかる作業は、何度も無駄な確認を行っていることによって発生している非効率的な作業だった」のような潜在的な問題個所を発見でき、コスト削減や業務改善のきっかけを与えてくれます。
修正をスピーディーに行える
BPMはPDCAサイクルを回していくのが特徴ですが、全体を可視化しているため、業務プロセスの途中変更や修正を容易に行うことが可能になります。
日々業務を行っていく中で、現状のプロセスでは対応できない問題や顧客からの要望を叶えるための対応など、スピーディーに行える点がメリットです。
BPMの導入デメリット2選
次に、BPM導入のデメリットを2つ紹介します。
- 準備に一時的な業務負担がかかる
- 従業員の教育に手間と時間がかかる
BPMだけに限らず、自社になにかを導入する際は負担や時間がかかるのは当然のことです。ただし、BPMは長期的に考えればメリットが大きいため、一時的なデメリットは許容できる範囲内でしょう。
しかしながらデメリットがあるのは確かなため、下記内容をひとつずつ紹介します。
準備に一時的な業務負荷がかかる
BPMを実施するためには、現在の業務プロセスを可視化する必要があるため、担当する従業員の負担が増えてしまうデメリットがあります。
ひとりでの対応が困難であれば、人員を増やす必要もあるでしょう。しかし、BPM実施後の課題解決や業務プロセスの標準化などの恩恵に比べると、このデメリットは許容できる範囲内であると考えられます。
従業員の教育に手間と時間がかかる
BPMを実施するためには、自社のITを管理している部署だけが、BPMを理解していればよいわけではありません。可視化させた後に業務を行うのは、実際に使用する現場の従業員です。
従業員からのフィードバックや現場目線の声などは、業務プロセスを改善するために必要不可欠な材料になります。そのため、従業員にもBPMを導入する目的や新たなシステムの概要を説明し、理解してもらう必要があります。
現場の混乱を避けるためにも、従業員の教育を怠ってはいけない点がデメリットとなるでしょう。
BPMツールの代表的な3つの機能
BPMツールとは「BPMを行うことのできる外部サービス」です。
BPMはWordやExcelで代用が可能ですが、いずれは限界が訪れるため、大半の企業はツールを用いて実施しています。
BPMツールを用いた、主なメリットは次のとおりです。
- 業務プロセスを簡単に可視化・構築ができる
- 自動システムによる人員削減になり、人的ミスも防げる
- 複数部署による業務の改善が容易になる
- 業務をペーパーレス・ワークフローに変更できる
- 業務の進捗をリアルタイムで把握できるようになる
上記のメリットがある中で、BPMツールの代表的な機能を3つ紹介します。
- モデリング機能
- シミュレーション機能
- モニタリング機能
モデリング機能
モニタリング機能とは、業務プロセスを可視化するための機能です。
自社の業務フローをモデル図で可視化できるようになり、改善すべき点などの早期発見を手助けしてくれます。
シミュレーション機能
シミュレーション機能とは、設計・再設計した機能が、どのような結果をもたらすのか検証する機能です。
シミュレーション機能で検証すると、実際に稼働させた際に目標達成できるのかの予測ができます。
モニタリング機能
モニタリング機能とは、実行した業務プロセスが正常に稼働しているのか監視する機能です。
モデリングした業務プロセスで問題はないか、設定した目標に達しているかなどを確認できます。
BPMツールの選び方
最後に、BPMツールの選び方で参考になる3つの基準を紹介します。
- 操作方法は簡単か
- 業務プロセスの柔軟な対応は可能か
- 自社の予算に合った価格帯か
順に見ていきましょう。
基準1.操作方法は簡単か
BPMツールは操作性が簡単なツールを選びましょう。
目安として、技術力の高いエンジニア目線でなく、現場の従業員でも操作できるツールを選ぶことが大切です。
現場レベルの操作性があるツールならば、業務プロセスの責任者にかかる負担も分けることができるため、軽減に繋がります。
基準2.業務プロセスの柔軟な対応は可能か
BPMツールを選ぶ際は、業務プロセスの柔軟な対応が可能かの視点が大切です。いざBPMを実施すると、想定していた以上に変更・修正がおきます。
そのため、リアルタイムで状況把握ができたり、既存のシステムと連携できるツールが必要になってきます。
基準3.自社の予算に合った価格帯か
BPMツールを導入した結果、業務プロセスのコストがどの程度削減できるかを事前に計算しましょう。
高額なツールを選んでしまった場合、コストの削減効果よりも大きな出費になってしまう場合もあります。
本末転倒の事態を防ぐためにも、あらゆるツールを比較し、なるべく初期投資が少ないツールからはじめることをおすすめします。
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まとめ
以上、本記事ではBPMの基礎知識を中心に解説しました。BPMは、業務プロセスを可視化し、問題点を改善するための経営手法のひとつであり、多くの企業が導入しています。
BPMに取り組むことで業務改善や生産性向上など、多くのリターンが見込まれ、今まで以上の成長を実感できます。
業務改善の始まりにBPMの導入を検討してみてはいかがでしょうか。