飲食業が抱える課題をキャッシュレス決済で解決

多くの飲食店経営者が、日々の運営において様々な課題に直面しています。慢性的な人手不足、売上の伸び悩み、そして変化する顧客のニーズへの対応など、その内容は多岐にわたります。実は、これらの課題の多くは、キャッシュレス決済を導入することで解決への糸口を見つけることができます。本章では、飲食業が抱える具体的な課題を挙げ、キャッシュレス決済がどのようにその解決策となり得るのかを詳しく解説します。
人手不足と煩雑なレジ締め業務
飲食業界が抱える最も深刻な課題の一つが「人手不足」です。特に、会計業務は専門的なスキルは不要なものの、現金を扱うことによる精神的な負担や、閉店後のレジ締め作業といった時間的拘束が従業員の大きな負担となっています。現金管理には、以下のような多くの手間とリスクが伴います。
| 現金管理における具体的な業務とリスク | キャッシュレス決済導入による変化 |
|---|---|
| 開店前の釣り銭準備と閉店後の売上金計算 | 現金のやり取りが減るため、釣り銭準備や売上計算の時間が大幅に短縮される |
| 会計時の現金授受、お釣りの確認ミス | 金額を打ち込むだけで決済が完了し、お釣りの渡し間違いがなくなる |
| レジ締め時の現金過不足の確認と原因究明 | 売上データが自動で記録されるため、現金差異が発生せず、精神的・時間的負担が激減する |
| 売上金の銀行への入金作業 | 指定のサイクルで自動的に銀行口座へ振り込まれるため、入金の手間とリスクがなくなる |
| 従業員による不正や盗難のリスク | 現金を直接扱わないため、内部不正のリスクを低減できる |
このように、キャッシュレス決済は会計業務を劇的に効率化します。これにより、従業員は接客や配膳といった、より付加価値の高い業務に集中できるようになり、サービスの質向上にも繋がります。結果として、少ない人数でも店舗を円滑に運営することが可能になるのです。
現金を持たない顧客の機会損失
スマートフォンの普及に伴い、QRコード決済や電子マネー、クレジットカードなど、現金を使わずに支払いをする「キャッシュレス派」が、特に若年層やビジネスパーソンを中心に急増しています。もしあなたのお店が「現金のみ」の対応だった場合、これらの顧客層を取り逃がしているかもしれません。
例えば、以下のようなシーンを想像してみてください。
- ランチタイムに訪れたが、手持ちの現金が少なく入店を諦めたサラリーマン
- 友人との食事で割り勘をする際、スマホ決済が使えず不便に感じた学生グループ
- 高額なディナーの支払いをスマートにカードで済ませたいと考えていたカップル
これらはすべて、売上につながるはずだった「機会損失」です。「支払い方法がない」という理由だけで、お客様があなたのお店を選ぶ選択肢から外してしまうのは、非常にもったいないことです。多様な決済手段を用意することは、現代の飲食店にとって、もはや当たり前の「おもてなし」の一つと言えるでしょう。
訪日外国人観光客(インバウンド)への対応
政府観光局の発表によると、訪日外国人観光客の数は回復傾向にあり、今後さらなる増加が見込まれています。彼らにとって、自国で使い慣れたクレジットカードやモバイル決済が利用できるかどうかは、店選びの重要な基準となります。
特に、欧米からの観光客はクレジットカード(Visa、Mastercardなど)での支払いが一般的であり、中国からの観光客はAlipay+(アリペイプラス)やWeChat Pay(ウィーチャットペイ)といったQRコード決済の利用率が非常に高いです。彼らは、慣れない日本円の現金を持ち歩くことや、両替の手間を避けたいと考えています。
インバウンド需要の大きい観光地や都市部の飲食店にとって、キャッシュレス決済への対応は、売上を大きく伸ばすための必須戦略です。決済端末に各種決済ブランドのロゴを提示しておくだけで、外国人観光客への強力なアピールとなり、入店のきっかけを生み出すことができます。
衛生意識の高まりへの対応
新型コロナウイルスの流行を経て、消費者と従業員の双方で衛生に対する意識が飛躍的に高まりました。不特定多数の人が触れる現金は、衛生面で不安を感じる要因の一つと見なされることがあります。
キャッシュレス決済、特にクレジットカードのタッチ決済(コンタクトレス決済)やお客様自身のスマートフォンで読み取るQRコード決済は、従業員とお客様との間での物理的な接触を最小限に抑えることができます。これは「非接触決済」と呼ばれ、お客様に安心感を提供します。
また、従業員にとってもメリットは大きいです。現金を触った手で再び調理や配膳を行うことへの抵抗感がなくなり、より衛生的な店舗環境を維持しやすくなります。清潔で安心できる店舗であることは、お客様からの信頼を獲得し、リピート利用に繋がる重要な要素です。キャッシュレス決済の導入は、こうした衛生対策のアピールにもなり、お店のブランドイメージ向上に貢献します。
課題解決につながるキャッシュレス決済導入のメリット

飲食業が直面する人手不足や集客といった経営課題は、キャッシュレス決済を導入することで解決への道筋が見えてきます。単に支払い方法を増やすだけでなく、業務全体の効率化や売上向上に直結する、具体的な4つのメリットを詳しく見ていきましょう。
会計の迅速化と業務効率の向上
キャッシュレス決済がもたらす最大のメリットの一つが、会計業務の大幅な効率化です。特に飲食店の繁忙時間帯において、その効果は絶大です。
現金での支払いでは、お客様からお金を受け取り、金額を確認し、レジに入力してお釣りを計算して渡す、という一連の作業が発生します。このプロセスが、キャッシュレス決済ではカードやスマートフォンを端末にかざすだけで完了します。お客様一人あたりの会計時間を数十秒短縮できるだけでも、ランチタイムの行列緩和やディナータイムのテーブル回転率向上に大きく貢献します。
さらに、日々のレジ締め業務も劇的に簡素化されます。現金売上の計算、釣銭の準備、銀行への入金といった時間と手間のかかる作業が大幅に削減されるため、スタッフの残業時間短縮や負担軽減につながります。現金の過不足が発生するリスクや、盗難・紛失といったセキュリティ上の懸念がなくなる点も、店舗運営における大きな安心材料です。
集客力の強化と顧客単価の上昇
多様な決済手段への対応は、新たな顧客を獲得し、売上を伸ばすための重要な戦略となります。
近年、現金を持ち歩かない「キャッシュレス派」の消費者は、若年層を中心に全世代で増加しています。決済方法が限られていることで、こうした顧客層の来店機会を逃しているかもしれません。クレジットカードやQRコード決済、電子マネーなど、幅広い選択肢を用意することで、これまで取りこぼしていた顧客層を新たに取り込み、集客力を強化できます。
また、訪日外国人観光客(インバウンド)にとって、クレジットカード決済はほぼ必須の支払い手段です。特に中国で普及しているAlipay+やWeChat Pay、欧米で利用者の多いVisaやMastercardのタッチ決済に対応することは、インバウンド需要を確実に取り込む上で不可欠と言えるでしょう。
さらに、キャッシュレス決済は顧客単価(客単価)の向上にも寄与する傾向があります。現金払いの場合、手持ちの金額を気にして注文を控えることがありますが、キャッシュレスであれば上限を気にせず気軽に注文できます。「もう一品追加しよう」「食後にデザートも」といった追加注文を自然に促し、結果として一人あたりの利用金額アップが期待できるのです。
非接触決済による安心感の提供
新型コロナウイルスの流行を経て、消費者の衛生意識は格段に高まりました。キャッシュレス決済、特にタッチ決済(コンタクトレス決済)やQRコード決済は、この新しい生活様式に対応する上で非常に有効です。
お客様自身が決済端末にクレジットカードやスマートフォンをかざすだけで支払いが完了するため、スタッフとの現金の受け渡しやカードの手渡しといった物理的な接触が一切発生しません。従業員とお客様、双方の安心・安全を守り、衛生的な店舗環境を維持することにつながります。
衛生対策に積極的に取り組んでいる姿勢は、お客様からの信頼獲得にも直結します。「清潔で安全な店」というポジティブなイメージは、リピート利用を促進する重要な要素となるでしょう。
売上データの一元管理と分析
キャッシュレス決済をPOS(ポス)レジシステムと連携させることで、日々の売上データを自動的に蓄積し、一元管理することが可能になります。これにより、これまで見えにくかった経営状況を可視化し、データに基づいた戦略的な店舗運営が実現します。
手作業での集計ミスもなくなり、正確なデータをリアルタイムで把握できるため、勘や経験だけに頼らない、的確な意思決定を下すための強力な武器となります。具体的には、以下のような分析と活用が可能です。
| 分析できるデータ例 | 活用できる経営戦略の例 |
|---|---|
| 日別・曜日別・時間帯別の売上 | 繁忙時間帯に合わせたスタッフのシフト最適化、アイドルタイムの集客施策(ハッピーアワーなど)の立案 |
| メニュー・商品別の売上 | 人気メニューの把握と品質維持、不人気メニューの見直しや改善、効果的なセットメニューの開発 |
| 決済手段別の利用状況 | 利用者の多い決済ブランドと連携したキャンペーンの実施、顧客層の推測 |
| 天候や気温と売上の相関 | 「雨の日限定サービス」や「猛暑日におすすめの冷製メニュー」など、天候に連動したプロモーションの企画 |
これらのデータを活用することで、より効率的で収益性の高い店舗運営を目指すことができるのです。
導入前に知るべきキャッシュレス決済のデメリットと注意点

キャッシュレス決済は多くのメリットをもたらしますが、導入を成功させるためには、事前にデメリットや注意点を正確に理解しておくことが不可欠です。ここでは、飲食店のオーナーが特に注意すべきポイントを具体的に解説します。
決済手数料と月額費用のコスト
キャッシュレス決済導入における最大のデメリットは、売上に対して一定のコストが発生することです。現金取引ではかからなかった費用であり、利益を直接圧迫する可能性があるため、慎重な検討が必要です。
コストは主に「決済手数料」「月額固定費」「初期費用」の3つに分けられます。
決済手数料は、売上金額に対してかかる変動費です。一般的に、クレジットカード決済は高め、QRコード決済は低めに設定されている傾向があります。以下に決済方法ごとの手数料の目安をまとめました。
| 決済方法 | 手数料率の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| クレジットカード | 3.0% 〜 3.7%程度 | 最も普及しているが、手数料は比較的高め。Visa, Mastercard, JCBなど主要ブランドへの対応が必須。 |
| QRコード決済 | 0% 〜 3.0%程度 | 手数料が比較的安い、またはキャンペーンで無料の場合もある。PayPay, 楽天ペイ, d払いなどが代表的。 |
| 電子マネー(交通系・流通系) | 3.0% 〜 3.5%程度 | SuicaやPASMO、iD、QUICPayなど。少額決済に強くスピーディーだが、手数料はクレジットカード並み。 |
これらの手数料に加えて、決済端末のレンタル料やシステム利用料といった月額固定費が発生するサービスもあります。「月額費用0円」を謳っていても、特定の条件を満たした場合のみ適用されるケースや、将来的に有料化する可能性もあるため、契約内容は細部まで確認しましょう。
また、決済端末の購入費用や設置費用などの初期費用も考慮に入れる必要があります。近年はスマートフォンやタブレットを決済端末として利用できるサービスも増えており、初期費用を抑える選択肢も広がっています。
入金サイクルの確認
現金商売と異なり、キャッシュレス決済の売上は即座に現金化されるわけではありません。決済代行会社を通じて、指定した銀行口座に後日振り込まれます。この「売上が発生してから入金されるまでの期間」を入金サイクルといい、お店のキャッシュフロー(資金繰り)に直接影響を与える非常に重要なポイントです。
入金サイクルは決済サービス会社によって大きく異なり、「翌日入金」「週1回」「月1回」「月2回」など様々です。さらに、振込手数料が無料の場合と、都度発生する場合があります。
| 入金サイクルの種類 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 毎日・翌日入金 | キャッシュフローが安定しやすい。個人経営の店舗におすすめ。 | 対応している金融機関が限られる場合や、振込手数料が別途かかる場合がある。 |
| 週次入金 | 週に1回、決められた曜日に入金される。資金管理の計画が立てやすい。 | 祝日などを挟むと入金日がずれることがある。 |
| 月次入金(月1〜2回) | 月に1〜2回、まとめて入金される。振込手数料を抑えられる場合が多い。 | 入金までの期間が長くなるため、手元の運転資金に余裕がないと資金繰りが厳しくなる可能性がある。 |
特に注意したいのが、指定する銀行口座(都市銀行、地方銀行、ネット銀行など)によって、入金サイクルや振込手数料が変わるケースがあることです。自店がメインバンクとして利用している金融機関が、希望する決済サービスの早期入金に対応しているか、事前に必ず確認しましょう。
従業員への操作トレーニング
新しいシステムを導入するということは、従業員の業務内容が変わることを意味します。特に、複数の決済手段(クレジットカード、各種QRコード、電子マネー)に対応する場合、覚えるべき操作が増え、オペレーションが複雑化します。
スムーズな会計はお客様の満足度に直結するため、全従業員がミスなく操作できるよう、十分なトレーニング期間と分かりやすいマニュアルの準備が不可欠欠>です。トレーニングすべき内容は多岐にわたります。
決済端末の基本操作
電源のオン・オフ、決済方法の選択、金額入力、レシートの印刷といった基本的な操作方法です。特にパートやアルバイトの入れ替わりが激しい店舗では、誰でも直感的に使えるシンプルな端末を選ぶことが重要になります。
決済エラーや通信障害時の対応
「カードが読み取れない」「QRコードが認識されない」「通信が繋がらない」といったトラブルは必ず発生します。お客様をお待たせし、クレームに繋がらないよう、エラー発生時の具体的な対応フロー(代替決済手段への誘導、端末の再起動手順など)を事前に決めてマニュアル化しておく必要があります。
キャンセルや返金処理の方法
注文の変更や間違いによるキャンセル・返金処理は、通常の決済操作よりも複雑です。特に、一度決済が完了した取引を取り消す方法は、決済サービスごとに手順が異なる場合が多く、間違いやすいポイントです。誤った操作は売上管理の混乱を招くため、責任者を決めておく、複数人で確認するなど、慎重な運用ルールを設けましょう。
【飲食店の業態別】おすすめキャッシュレス決済の選び方

キャッシュレス決済サービスは数多く存在し、それぞれに特徴があります。自店の規模や営業形態に最適なサービスを選ぶことが、導入成功のカギとなります。ここでは、飲食店の業態別に、おすすめのキャッシュレス決済の選び方を具体的に解説します。
個人経営のカフェや小規模飲食店
個人経営のカフェや席数の少ないレストラン、バーなどでは、初期費用や月額の固定費をいかに抑えるかが重要なポイントになります。また、限られたレジ周りのスペースを有効活用するため、コンパクトな決済端末が求められます。
選び方のポイント
小規模飲食店では、スマートフォンやタブレットを決済端末として利用する「mPOS(モバイルPOS)」型のサービスが最適です。導入のハードルが低く、操作も直感的なため、少ないスタッフでもスムーズに運用を開始できます。
- コストパフォーマンス:初期費用や月額固定費が無料のサービスを選びましょう。決済手数料はブランドによって異なりますが、3%前後が一般的です。端末代金が無料になるキャンペーンを狙うのも賢い方法です。
- 入金サイクルの速さ:個人店にとって資金繰りは生命線です。売上金が最短翌日に入金されるサービスを選ぶと、キャッシュフローが安定し、安心して経営に集中できます。
- 設置の容易さと省スペース:大掛かりな工事は不要で、Wi-Fi環境とスマホ・タブレットがあればすぐに始められます。カードリーダーも手のひらサイズで、レジ周りを圧迫しません。
代表的なサービス比較(小規模店舗向け)
| サービス名 | 特徴 | 決済手数料(目安) | 入金サイクル |
|---|---|---|---|
| Square | 導入が早く、デザイン性の高い端末が人気。最短翌営業日入金が魅力。POSレジ機能も無料で利用可能。 | 3.25%〜 | 最短翌営業日(三井住友銀行・みずほ銀行) |
| Airペイ | リクルートが提供。対応決済ブランド数が業界最多水準。iPadとカードリーダーが無料になるキャンペーンも。 | 3.24%〜 | 月3回または6回(金融機関による) |
| STORES 決済 | 旧Coiney。交通系電子マネーの決済手数料が低いのが特徴。ネットショップ作成サービスとの連携も可能。 | 3.24%〜(交通系ICは1.98%) | 最短翌々営業日(手動入金) |
複数店舗を展開するレストランやチェーン店
複数店舗を運営するレストランやチェーン店では、単に決済ができるだけでなく、全店舗の売上データを一元管理し、経営分析に活かす機能が不可欠です。また、既存のPOSレジシステムとの連携や、安定した通信環境、手厚いサポート体制も選定の重要な基準となります。
選び方のポイント
高機能なPOSレジと一体化した決済サービスや、安定性に優れた据え置き型の決済端末がおすすめです。これにより、会計業務の効率化だけでなく、データに基づいた戦略的な店舗運営が可能になります。
- POSレジとの連携:現在使用しているPOSレジとスムーズに連携できるかを確認しましょう。決済情報が自動でPOSレジに反映されることで、二度打ちの手間や会計ミスをなくし、締め作業の時間を大幅に短縮できます。
- 売上データの一元管理と分析機能:全店舗の売上状況をリアルタイムで可視化できる管理画面は必須です。店舗別、時間帯別、メニュー別の売上分析や、顧客のリピート率などを把握し、マーケティング施策に繋げることができます。
- 充実したサポート体制:万が一の機材トラブルや通信障害は、店舗運営に大きな影響を与えます。365日対応の電話サポートや、駆けつけサポートなど、有事の際に迅速に対応してくれるサービスを選ぶと安心です。
代表的なサービス比較(複数店舗・チェーン店向け)
| サービス名 | 特徴 | 向いている店舗 | ポイント |
|---|---|---|---|
| stera pack | 決済端末、プリンター、POS機能が一体となったオールインワン端末。30種類以上の決済手段に1台で対応可能。 | 中〜大規模レストラン、チェーン店 | レジ周りを1台に集約したい店舗に最適。サブスクリプションモデルで導入しやすい。 |
| スマレジ・ペイメント | 高機能なクラウドPOSレジ「スマレジ」と連携。詳細な売上分析や在庫管理が可能で、拡張性も高い。 | こだわりを持つ飲食店、多店舗展開を目指す店舗 | データ分析を重視し、将来的な店舗拡大を見据えるオーナーにおすすめ。 |
| USEN PAY | USEN-NEXT GROUPが提供。USENレジとの連携はもちろん、BGMやWi-Fiなど店舗運営に必要なサービスをまとめて契約可能。 | 開業したばかりの店舗、ITインフラをまとめて整備したい店舗 | 店舗運営のインフラをワンストップで相談できる手厚いサポート体制が魅力。 |
キッチンカーやイベント出店での利用
屋外での営業が中心となるキッチンカーや、催事・イベントへの短期出店では、決済環境が特殊です。電源の確保が難しかったり、通信環境が不安定だったりすることも想定されます。そのため、携帯性、バッテリー性能、通信の安定性を最優先に考える必要があります。
選び方のポイント
小規模店舗と同様に、スマートフォンやタブレットを活用する「mPOS」型が主流です。特に、持ち運びやすさと場所を選ばずに使える点が、移動型店舗のニーズに完全にマッチします。
- 携帯性とバッテリー性能:小型・軽量で、フル充電で一日中稼働できるバッテリー性能を持つ端末を選びましょう。決済のたびに充電を気にする必要がないモデルが理想的です。プリンター内蔵型のモバイル端末もありますが、レシートが不要な場合はよりコンパクトなカードリーダーが便利です。
- 通信方法の多様性:スマートフォンの4G/5G回線(テザリング)で利用できるサービスが基本です。混雑するイベント会場など、電波が不安定になりがちな場所での利用を想定し、Wi-Fi接続にも対応していると安心感が増します。
- 導入スピードと契約の柔軟性:申し込みから数日で利用開始でき、短期解約の違約金や契約期間の縛りがないサービスが望ましいです。イベントの時だけ利用するといった柔軟な使い方が可能になります。
キッチンカー・イベント出店におすすめのサービス
キッチンカーやイベント出店には、基本的に「個人経営のカフェや小規模飲食店」で紹介したmPOS型のサービス(Square, Airペイ, STORES 決済など)が非常に適しています。これらのサービスは申し込みから利用開始までがスピーディーで、持ち運びやすい端末を提供しているため、移動販売との相性が抜群です。特に、Squareはオフラインモードも備えており、一時的に通信が途切れても決済を受け付けられるため、電波の不安定な屋外環境では大きな強みとなります。
飲食業のキャッシュレス決済導入に関するよくある質問

キャッシュレス決済の導入を検討する際、多くの飲食店経営者様が抱える疑問や不安があります。ここでは、特によく寄せられる質問に対して、具体的かつ分かりやすくお答えします。
個人店でも導入できますか
はい、もちろん個人経営の飲食店でも、手軽かつ低コストでキャッシュレス決済を導入できます。むしろ、小規模な店舗だからこそ、キャッシュレス決済による業務効率化や集客力向上のメリットは大きいと言えるでしょう。
現在では、個人事業主様を対象としたキャッシュレス決済サービスが数多く提供されています。申し込みには所定の審査がありますが、開業届を提出している個人事業主であれば、問題なく申し込めるケースがほとんどです。
特に、スマートフォンやタブレットに専用のカードリーダーを接続するだけで利用できる「スマホ決済」サービスは、個人店にとって最適な選択肢の一つです。
- 初期費用・月額費用が無料のサービスが多い
- 省スペースで設置場所に困らない
- 複雑な操作が不要で、すぐに使いこなせる
代表的なサービスとして「Square(スクエア)」、「Airペイ(エアペイ)」、「STORES 決済(ストアーズ決済)」などがあり、いずれも個人事業主様から多くの支持を集めています。機会損失を防ぎ、お客様の満足度を高めるためにも、ぜひ前向きに導入をご検討ください。
導入費用を抑える補助金はありますか
国や地方自治体が提供する補助金・助成金を活用することで、導入コストを大幅に削減できる可能性があります。キャッシュレス決済の普及は国策としても推進されており、中小企業や小規模事業者を支援するための制度が用意されています。
代表的なものに、中小企業庁が管轄する「IT導入補助金」があります。この補助金は、決済端末のハードウェア購入費用だけでなく、POSレジシステムの導入費用やクラウド利用料なども対象となる場合があります。
また、国だけでなく、各都道府県や市区町村が独自に実施している補助金制度も見逃せません。例えば、「DX推進助成金」や「キャッシュレス導入支援事業」といった名称で、端末購入費用の一部を補助してくれる制度が存在します。これらの制度は募集期間や要件が限られているため、こまめな情報収集が重要です。
補助金を探す際は、以下の方法が有効です。
- 中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営するポータルサイト「J-Net21」で検索する
- 店舗所在地の都道府県や市区町村のウェブサイトで「キャッシュレス 補助金」「DX 助成金」などのキーワードで検索する
- 契約を検討している決済サービス事業者に、利用可能な補助金がないか問い合わせる
申請には事業計画書の提出などが必要となる場合もありますが、初期投資を抑える上で非常に有効な手段ですので、ぜひ活用を検討しましょう。
どの決済ブランドに対応すれば良いですか
すべての決済ブランドに対応するのが理想ですが、現実的にはコストや運用の手間を考慮し、優先順位をつけることが重要です。結論から言うと、お店のターゲット顧客層がよく利用する決済方法から優先的に導入するのが賢い選択です。
まずは、以下の「基本セット」とも言える主要ブランドを網羅することを目指しましょう。
| 決済種別 | 主要ブランド例 | 特徴と対応すべき理由 |
|---|---|---|
| クレジットカード | Visa, Mastercard, JCB | 国内・海外問わず最も普及している決済手段。高単価の食事でも利用されやすく、客単価向上に繋がりやすい。VisaとMastercardは必須。国内利用者が多いJCBも押さえておきたい。 |
| 電子マネー(交通系) | Suica, PASMO, ICOCAなど | 鉄道利用者が日常的に使用しており、利用者が非常に多い。かざすだけのスピーディーな会計は、ランチタイムなど混雑時のレジ回転率向上に大きく貢献する。 |
| 電子マネー(商業系) | iD, QUICPay | クレジットカードを紐付けて利用する後払い式(ポストペイ)電子マネー。チャージ不要で利便性が高く、幅広い年代に利用されている。 |
| QRコード決済 | PayPay, 楽天ペイ, d払い | 各社が実施する大規模なキャンペーンにより利用者が急増。特に若者層の利用率が高い。導入しておくと、キャンペーンをきっかけとした新規顧客の来店が期待できる。 |
さらに、お店の特性に合わせて以下のブランドへの対応も検討しましょう。
- インバウンド(訪日外国人)客が多い場合:中国で主流の「Alipay+(アリペイプラス)」や「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」、アジア圏に強い「UnionPay(銀聯)」への対応は必須です。
- 特定の商業施設の近くにある場合:その商業施設が発行する電子マネー(例: WAON, nanaco)に対応すると、買い物ついでの来店を促進できます。
多くの決済ブランドに個別で申し込むのは手間がかかりますが、「Airペイ」や「Square」のようなオールインワン型の決済代行サービスを利用すれば、一度の申し込みで多数のブランドにまとめて対応できるため、おすすめです。
まとめ
飲食業におけるキャッシュレス決済の導入は、人手不足や機会損失といった経営課題を解決する有効な手段です。会計の迅速化による業務効率の向上、集客力強化、衛生対策など、そのメリットは多岐にわたります。決済手数料などのコストは発生しますが、売上データ分析による経営改善も期待できるため、導入価値は非常に高いと言えるでしょう。本記事で解説した選び方を参考に、自店の規模や業態に合った決済サービスの導入をぜひご検討ください。




