プロジェクト管理ツールとは
プロジェクト管理ツールとは、特定のプロジェクトのスケジュールや工程を分かりやすく見える化し、プロジェクトメンバー同士で重要な情報やタスクの進捗状況などを一元管理できるビジネスツールです。
以前はエクセルや工程管理ソフトなどアナログなツールを利用してプロジェクトを管理していたため、計画の作成や修正、情報の共有などに無駄な労力を強いられていました。
プロジェクト管理ツールを導入することによって既存の管理ツールが抱えていた様々な課題を解決でき、作業効率が飛躍的に向上したのです。
プロジェクト管理ツールの主な機能
プロジェクト管理ツールには具体的にどのような機能が搭載されているのでしょうか?
ここでは、多くのプロジェクト管理ツールに搭載されている代表的な機能を4つ紹介します。
タスク管理機能
プロジェクト管理ツールには、プロジェクトを遂行するにあたって必要なタスクを管理する機能が搭載されています。同時に複数のタスクを管理することもでき、これまで煩雑であったタスクを一元化して管理できます。
メンバーのタスクの進捗状況をリアルタイムで把握することができ、チャット機能やメッセージ機能でやりとりすることも可能です。
プロセス管理機能
プロジェクトの作業工程をガントチャートで一覧化でき、進捗状況を一目で確認することができます。物品などの在庫数も都度確認できるため、プロジェクトのプロセスを効率的に管理することが可能です。
スケジュール管理機能
プロジェクト内の個別のタスクのスケジュールを、メンバー同士で管理できます。期限が近くなると知らせてくれるリマインド機能なども細かく設定できるため、当初のスケジュールに沿ったタスク処理が可能となります。
ファイル共有機能
仕事上必要な画像や映像、PDFなどをファイル化してツール内で共有できます。ファイルごとに閲覧可能なメンバーを限定することもでき、重要な情報の機密性も担保できます。
プロジェクト管理ツール導入のメリット
プロジェクト管理ツールを導入することにより、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか?
ここでは、プロジェクト管理ツール導入によって得られる代表的なメリットを3つ紹介します。
情報を共有しやすくなる
プロジェクトごとにメンバーを招集し、様々な情報に対して個別にアクセス管理できるようになります。
情報をツールにアップロードすることで、必要な情報にいつでも簡単にアクセスできるようになります。また、プロジェクト管理ツールを介して情報を一元化することで、必要な情報を必要なメンバーに確実に伝えることが可能となります。
以前は発生していた情報の伝え漏れも、ツールを導入することで格段に減らすことができます。
タスクを管理しやすくなる
プロジェクト管理ツールを開くと、現在のタスク状況を一目で把握でき容易に管理することができます。
スケジュールが滞っている場合でも、具体的にどのタスクがどの程度進んでいるのか視覚で判別できるため、簡単にリスケジュールすることが可能となります。
業務の効率性がアップする
タスク管理に必要な情報をプロジェクト管理ツールに一元化することで、ツールにアクセスさえすれば進捗状況の全てを把握できるようになります。
多くのプロジェクト管理ツールには、チャット機能やメッセージ機能、wiki機能なども搭載されています。ツールを介すことでプロジェクトメンバー同士のコミュニケーションも密になり、業務効率を格段にアップさせることができるでしょう。
プロジェクト管理ツール選びのポイント
現在様々なタイプのプロジェクト管理ツールが存在しており、違いが分からず戸惑うケースもあるでしょう。中には十分な機能が備わっていないにもかかわらず、必要以上のコストがかかるツールもあるので慎重に選ぶことが大切です。
ここでは、プロジェクト管理ツールを適切に選ぶために押さえておくべきポイントを4つ紹介します。
利用環境
プロジェクト管理ツールには、クラウド上でシステムを利用できるオンラインストレージタイプと、自らシステムを構築するオンプレミス型があります。プロジェクト管理ツールを導入する際は、いずれのタイプを導入するのか検討する必要があるのです。
オンラインストレージタイプはシステム自体は提供者であるベンダーが管理します。インターネット上にあるデータを取り扱うため、ネット環境さえあればどこからでもアクセスできるといった利点があります。
オンプレミス型は自社でシステムを構築するため、自社が保有する既存のシステムに最適な機能を搭載することができます。ただしシステムの開発に人的物的資源が必要であり、コストが割高となる側面を有しています。
操作性の高さ
プロジェクト管理ツールは社内の複数のメンバーで共有・管理するため、どのメンバーでもある程度利用できる操作性の高さが求められます。あまりに多機能すぎると便利な反面、使いこなすことができないメンバーが出る可能性もあるのです。
操作方法が分からなかったり何かトラブルが発生したりした際の、ベンダー側のサポート体制にも注目です。分かりやすいマニュアルの有無や導入におけるフォローアップなど、ツールの操作性に関連する事項もチェックする必要があるでしょう。
目的に沿った機能
プロジェクト管理ツールには、タスク管理やスケジュール管理、ファイル共有機能やメッセージ機能などの代表的な機能に加えて、チャット機能やWiki機能、掲示板機能などツールごとに多彩な機能が用意されています。
数多くの機能が搭載されているツールは確かに万能ですが、果たしてそれらの機能を使いこなせるのか不安に感じるメンバーもいるでしょう。
ツールを選ぶ際は、プロジェクト管理ツールを会社に導入する目的を改めて確認し、その目的達成に必要な機能を備えたツールを選ぶことが大切です。
コスト
プロジェクト管理ツールを選ぶ際は、導入の際にかかる初期費用と月々のランニングコストをチェックすることも重要です。
ツールによっては、初期費用がかからず無料トライアル期間を設けているところもあります。また、機能や利用できる人数、ストレージの容量などによって月々のコストが変わる複数のプランを設定しているところもあります。
会社の予算やツールのコストパフォーマンスなどを考慮に入れつつ、最適なプロジェクト管理ツールを選ぶよう心がけましょう。
おすすめのプロジェクト管理ツール
現在様々なプロジェクト管理ツールが用意されており、いったいどのツールを選べば良いのか分からず戸惑う方もいることでしょう。
ここでは先述したポイントを踏まえつつ、おすすめのプロジェクト管理ツールを10個紹介します。それぞれの特徴に着目しつつ、今後のツール選びの参考にしてください。
提供形態 | 特徴 | 導入規模 | プラン | |
Trello | クラウド | 直感的なカンバンボード | 全ての規模に対応 | 無料版 |
Asana | クラウド/SaaS | 小規模事業者から大企業まで対応 | 全ての規模に対応 | 無料トライアル |
Backlog | クラウド | ガントチャートやカンバンボードの一元化 | 全ての規模に対応 | 無料トライアル |
Jooto | クラウド | 個々のタスクを直感的に操作可能 | 全ての規模に対応 | 無料プラン |
Stock | クラウド/SaaS | 業務内容を一つのプラットフォームに一元化 | 全ての規模に対応 | 無料プラン |
Wrike | クラウド | 高いカスタマイズ性 | 全ての規模に対応 | 無料プラン |
Time Krei | クラウド | 管理者、従業員、経営者の視点で業務状況を管理 | 全ての規模に対応 | 無料トライアルプラン(1ヶ月) |
CrowdLog | クラウド | 高度な工数管理機能 | 全ての規模に対応 | ベーシックプラン(要問合せ) |
Brabio! | クラウド/SaaS | 初心者向けツール | 300ユーザー以下 | 無料プラン(5ユーザー以下) |
Jira Software | クラウド/オンプレミス | ソフトウェアの開発に特化 | 全ての規模に対応 | 無料プラン(10ユーザー以下) |
Trello
Trelloは、メモ機能やファイル共有、スケジュール機能やリマインド機能など多くの機能を持つクラウド型のプロジェクト管理ツールです。
個々のタスクをカード化してボードに貼り付けることで、一目で複数のタスクの進捗状況が分かります。カードは自在に動かせるため、スケジュールの変更や優先順位の変動など、状況に応じて柔軟に対応することができます。
利用制限のある無料版と、1人につき5ドルのスタンダードプラン、1人につき10ドルのプレミアムプラン、1人につき17.50ドルのエンタープライズプランが用意されています。
Asana
プロジェクト管理ツールのAsanaには、比較的小さなプロジェクトから多くのメンバーが関わる大きなプロジェクトまで幅広く対応できる機能が備わっています。
具体的には、カンバン型のボード機能やカレンダー機能、タスクを自動化するルール機能やフォーム機能など、プロジェクト管理を迅速かつ効率的に行える機能が多数あります。
提供形式はクラウド型。1IDで月額1,200円から利用可能であり、無料トライアルも用意されています。
Backlog
Backlogは、ウェブ制作やソフトウェア開発、その他様々な業界で導入されているクラウド型のプロジェクト管理ツールです。
チームメンバーを一つにまとめるプロジェクト管理機能や、課題を個別に設定する課題管理機能など多くの機能があり、ガントチャートやカンバンボードで一目でタスク状況を把握できます。
Backlogには、無料トライアルと月額2,970円のスタータープラン、月額17,600円のスタンダードプラン、月額29,700円のプレミアムプラン、月額82,500円のプラチナプランが用意されています。
Jooto
使いやすいカンバン形式が特徴的なJootoは、様々な業界で導入されているクラウド型のプロジェクト管理ツールです。
シンプルなデザインで視覚的に分かりやすく、個々のタスクを直感的に移動することができます。タスクの期日設定をすれば自動的にガントチャートが作成され、プロジェクトを効率的に進めることも可能です。
Jootoには、無料プランの他に、1ユーザー月額417円のスタンダードプラン、1ユーザー月額980円のエンタープライズプラン、大企業向けのタスクDXプランが用意されています。
Stock
Stockには、カスタマイズが可能なダッシュボード機能とレポート機能が搭載されており、迅速にプロジェクトを遂行することができます。
プロジェクトの業務内容を一つのプラットフォームに一元化しているため、業務の可視化が実現し、チーム全体でリアルタイムな進捗状況を常に確認し共有できます。
無料プランの他に、5人以下のチームを想定したビジネス5プラン(月額1,980円)、10人以下のチームを想定したビジネス10プラン(月額3,480円)、20人以下のチームを想定したビジネス20プラン(月額6,480円)、30人以下のチームを想定したビジネス30プラン(月額11,400円)が用意されています。
Wrike
Wrikeは、高いカスタマイズ性を有したプロジェクト管理ツールです。タスクステータス設定を自由にカスタマイズすることで、プロジェクトの業務プロセスに合わせたワークフローを素早く作成します。
Wrikeには、ガントチャートやカンバン表示機能、タスクごとのコメント欄でのリアルタイム会話、情報共有の一元化機能など、業務状況を素早く正確に把握できる機能が多数搭載されています。
用意されているプランは5つ。無料プランの他に、1ユーザー月額9.8ドルのチームプラン、1ユーザー月額24.8ドルのビジネスプラン、大規模チーム用のエンタープライズプランとピナクルプランが用意されています。
Time Krei
Time Kreiは、管理者、従業員、経営者の3者の視点で業務状況を管理し分析できるプロジェクト管理ツールです。
グループウェアとプロジェクト管理をオンラインで簡単に一元管理することで、予定作業や予定工数を瞬時に把握することが可能。Time Kreiにより業務の作業効率が一気に向上します。
Time Kreiには、1ヶ月間の無料トライアルプラン、最小10ユーザーからのクラウドプラン(1ユーザー2,980円)、最小50ユーザーからのシングルテナントプランの3つのプランが用意されています。
CrowdLog
CrowdLogは、プロジェクトごとに売上予算や原価予算、売上実績などの登録や管理を行うことができるプロジェクト管理ツールです。
高度な工数管理機能を有し、工数実績をリアルタイムで集計することにより高稼働のメンバーを瞬時に把握できます。工数を最適化することにより意思決定が効率化され、プロジェクト遅延のリスクを回避できるので安心です。
CrowdLogには、工数管理やプロジェクト管理の基本機能が利用可能なベーシックプランと、外部ツールとのAPI連携や部署別の設定など100名以上の利用に適したプレミアムプランの2つが用意されています。
Brabio!
Brabio!は、ガントチャートを簡単に作成し、工数管理やスケジュール管理を可視化できる初心者向けのプロジェクト管理ツールです。
その他、大容量のファイル共有機能や掲示板更新時の通知機能、グループ無制限作成機能など便利な機能を搭載しています。データは全てGoogleクラウド内に保管しており、複数のバックアップに守られているので安全です。
Brabio!では、5ユーザーまでのフリープラン、10ユーザーまでのプラン10(月額3,300円)、20ユーザーまでのプラン20(月額6,600円)、30ユーザーまでのプラン30(月額9,900円)、40ユーザーまでのプラン40(月額13,200円)、50ユーザーまでのプラン50(月額16,500円)が用意されています。
Jira Software
Jira Softwareは、ソフトウェアの開発に特化したプロジェクト管理ツールです。一つのアイディアを「ユーザーストーリー」「タスク」「課題」といった作業単位に細分化することで、作業を可視化することができます。
スクラムテンプレートやカンバンボードなど、それぞれ多くのテンプレートが用意されているのも特徴的です。プロジェクトの成長に合わせて柔軟にカスタマイズできるため、チームにとって最適なツールに成長させることが可能です。
Jira Softwareには、ユーザー10名までの無料プラン、35,000ユーザーまでのスタンダードプラン(月額9,200円)、その他高度な設定ができるプレミアムプラン(月額18,100円)やエンタープライズプランが用意されています。
まとめ
今回は、プロジェクト管理ツールの概要や役割、プロジェクト管理ツールを選ぶ際のポイント、おすすめのプロジェクト管理ツールについて、基本的な内容を押さえながら紹介しました。
プロジェクトの効率性を高めるプロジェクト管理ツールは、業務の効率化に大きく役立つ利便性の高いアイテムです。しかしツールごとにそれぞれ特徴があるので、自社の業務内容やプロジェクトに必要な機能を持ったツールを選択することが大切です。
プロジェクト管理ツールを導入する際は、今回の記事を参考にして、ツールの具体的な内容を比較しつつ、最適な管理ツールを選びましょう。