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VPNのおすすめ12選!メリットや選定のポイントを解説

投稿日:2024年7月29日 /

更新日:2024年9月13日

VPNのおすすめ12選!メリットや選定のポイントを解説
● コスト削減● セキュリティ強化● 情報漏洩対策

VPNの導入を検討する際、おすすめのVPNを知りたいと悩む人は多いでしょう。また、目的に合った最適なVPNを選ぶためには、そもそもVPNとはどういった機能があり、導入することでどのようなメリットがあるかを理解しておく必要があります。本記事ではおすすめのVPNサービス12選と、VPNの機能やメリット・デメリット、選ぶ際のポイントから実際の導入方法まで解説します。ぜひ参考にし、最適なVPNを選ぶのに役立てて下さい。

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目次

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おすすめVPN12社の比較表


VPNは、各サービスによって料金などの特徴が異なります。下記表にて、おすすめVPN12社のサービスの特徴をまとめました。

サービス名月額料金同時接続台数サーバー数無料トライアル
MillenVPN396円〜最大10台72カ国に1,300台以上30日間の返金保証
NordVPN880円〜最大6台60カ国に5,300台以上30日間の返金保証
Surfshark310円〜無制限65​​カ国に3,200台以上30日間の返金保証
ExpressVPN約890円〜最大5台94カ国に3,000台以上30日間の返金保証
IPVanish約450円〜無制限75カ国に2,000台以上7日間の返金保証
ProtonVPN約730円〜最大10台63カ国に1,625台以上30日間の返金保証
PureVPN約280円〜最大10台78カ国に6,500台以上31日間の返金保証
vyprvpn約670円〜最大5台78カ国に700台以上30日間の返金保証
スイカVPN878円〜最大50台25カ国に50台以上30日間の返金保証
AtlasVPN約260円〜無制限38カ国に750台以上30日間の返金保証
セカイVPN1,100円最大3台25カ国に数十台2ヶ月間の無料体験
CyberGhostVPN320円〜最大7台91カ国に9,000台以上45日間の返金保証


月額料金で見ると、Surfshark、CyberGhostVPNが比較的安価でサービスを利用できます。同時接続台数では、Surfshark、IPVanish、AtlasVPNが台数無制限で接続でき、サーバー数ではCyberGhostVPNが最も多いです。

基本的にどのサービスも一定期間の返金保証がついており、セカイVPNは他とは異なり2ヶ月間無料で体験できる仕様となっています。それぞれ特徴が異なるため、VPNを導入する目的に合わせて、最適なサービスを選びましょう。

 

おすすめのVPN12選

VPNのイメージ|「VPN」と書かれた積み木とスマホ

前述の比較表で、VPNサービス12社の特徴をまとめました。以下より、各サービスの特徴をより詳細に解説します。それぞれのサービスの強みを把握し、最適なVPNサービスを選ぶ参考にしてください。

 

MillenVPN

項目内容

運営会社

アズポケット株式会社

料金プラン1ヶ月:1,496円 / 月
1年:594円 / 月
2年:396円 / 月
同時接続台数最大6台
サーバー数72カ国に1,300台以上
無料トライアル30日間の返金保証
特徴・サポート、マニュアルが日本語に対応
・日本企業が運営しており信頼性が高い
公式URLhttps://millenvpn.jp/


MillenVPNは、日本産のVPNサービスで2016年に設立されたアズポケット株式会社が運営しています。日本の会社が運営しているため、総務省への届出も実施されており、法令を遵守している点で大きな信頼のできるサービスです。また、サポートやマニュアルなども、全て日本語に対応しています。

最も安いプランだと月額396円で利用できるため、手軽さも大きな魅力です。

 

NordVPN

項目内容

運営会社

nordvpn s.a.

料金プラン1ヶ月:2,100円 / 月
1年:960円 / 月
2年:880円 / 月
同時接続台数最大6台
サーバー数60カ国に5,300台以上
無料トライアル30日間の返金保証
特徴・最新システムの高いセキュリティレベル
・通信速度が優れている
公式URLhttps://nordvpn.com/ja/


NordVPNは、高いセキュリティレベルと優れた通信速度がポイントの、世界でも高い評価を得ているおすすめのVPNサービスです。帯域が無制限で、世界60カ国に5,300台以上のサーバーが完備されているため、拠点・環境に合わせた最適なサーバーを選択できます。

高性能な暗号化システムやプロトコルが採用されているため、セキュリティ面も高いレベルで保証されています。1つのアカウントがあれば最大6台まで同時接続が可能なため、アカウントを共有して複数人で使用することも可能です。

 

Surfshark

項目内容

運営会社

Surfshark B.V.

料金プラン1ヶ月:1,744円 / 月
1年:537円 / 月
2年:310円 / 月
同時接続台数無制限
サーバー数65カ国に3,200台以上
無料トライアル30日間の返金保証
特徴・台数無制限で同時接続可能
・低価格でサービスを利用できる
公式URLhttps://surfshark.com/ja/


Surfsharkは、VPNサービスの中でも低価格で利用できることが魅力のサービスです。長期間のプランを選ぶほど、安価でサービスを利用することができます。
また、低価格なだけでなく、ノーログポリシーの徹底、通信の際に複数の国を介する「MultiHop」やVPNが切断されると同時に通信も切断される「キルスイッチ」の採用など、セキュリティ面でも信頼のできるサービスとなっています。

サポートは24時間体制で、同時接続台数が無制限なこともポイントです。

 

ExpressVPN

項目内容

運営会社

Express VPN International Ltd

料金プラン1ヶ月:約1,730円 / 月
6ヶ月:約1340円 / 月
1年:約890円 / 月
同時接続台数最大5台
サーバー数94カ国に3,000台以上
無料トライアル30日間の返金保証
特徴・高速での通信が可能
・帯域幅が無制限で、通信が安定している
公式URLhttps://www.expressvpn.com/jp


ExpressVPNは、高い通信速度を求める場合におすすめのサービスです。独自のLightwayプロトコルを採用したことによる、高速通信が可能なことが魅力となっています。また、94カ国に3,000台以上のサーバーを設置しているため、目的や拠点の環境に合わせて最適なサーバーを選べることもポイントです。

帯域幅も無制限なため、通信量を気にすることもなく、最大5台の同時接続にも対応しています。

 

IPVanish

項目内容
運営会社
Ziff Davis
料金プラン1ヶ月:約1,600円 / 月
1年:約600円 / 月
2年:約450円 / 月
同時接続台数無制限
サーバー数75カ国に2,000台以上
無料トライアル7日間の返金保証
特徴・台数無制限で同時接続可能
・セキュリティ面が優れている
公式URL
(英語サイト)
https://www.ipvanish.com/


IPVanishは、高いセキュリティレベルが特徴です。優れた暗号化システムやプロトコルを採用した高いセキュリティ性能と、ノーログポリシーの徹底から、安心・信頼したVPN通信をおこなえます。

P2P通信・SOCKS5プロキシなどの匿名性を高めるシステムに対応していることも、高いセキュリティレベルを誇る要因です。また、世界75カ国で2,000以上のサーバーが設置されており、40,000以上のIPアドレスが利用可能なため、最適なサーバーを選んで通信ができます。

 

ProtonVPN

項目内容
運営会社
Proton Technologies
料金プラン1ヶ月:約1,470円 / 月
1年:約880円 / 月
2年:約730円 / 月
同時接続台数最大10台
サーバー数63カ国に1,625台以上
無料トライアル30日間の返金保証
特徴・データ管理の徹底
・無料版で利便性を試せる
公式URL
(英語サイト)
https://protonvpn.com/


ProtonVPNは、スイスを本拠地としたVPNサービスで、セキュリティレベルの高い通信が可能となっています。スイスはデータ管理の法律が徹底されており、暗号化システムやプロトコルも高いレベルのものが採用されています。
安全なVPN通信が期待でき、機能が制限された代わりに無料版のProtonVPNもあるため、まずはそちらで試してみるのがおすすめです。

 

PureVPN

項目内容
運営会社
GZ Systems Ltd
料金プラン1ヶ月:約1,470円 / 月
1年:約440円 / 月
2年:約280円 / 月
同時接続台数最大10台
サーバー数78カ国に6,500台以上
無料トライアル31日間の返金保証
特徴・低価格でサービスを利用できる
・中国のサーバーを利用可能
公式URLhttps://www.purevpn.com/jp/


PureVPNは、香港を拠点とするVPNサービスです。低価格で利用できることが魅力で、7日間約100円のお試し価格も用意されています。同時接続台数も10台と、他のサービスと比較しても多めの台数で複数接続が可能です。中国のサーバーを利用できる特徴もありますが、規制が厳しい分安定した通信がおこなえるとは限らないため、まずはお試し価格で確認するのが良いでしょう。

 

vyprvpn

項目内容
運営会社
Golden Frog
料金プラン1ヶ月:約670円 / 月
1年:約1,340円 / 月
同時接続台数最大5台
サーバー数78カ国に700台以上
無料トライアル30日間の返金保証
特徴・独自のプロトコルを採用
・サーバーを探すのが容易
公式URL
(英語サイト)
https://www.vyprvpn.com/


vyprvpnは、中国のインターネット規制に対して開発された「カメレオンプロトコル」という、独自のプロトコルが採用されているVPNサービスです。このプロトコルにより、高速での通信を実現しつつ、高いセキュリティが保たれています。また、フィルタリング機能が使えるため、サーバーを探すのが容易な点も特徴です。

 

スイカVPN

項目内容
運営会社
株式会社MAJ Tech
料金プラン1ヶ月:1,097円 / 月
3ヶ月:1,048円 / 月
6ヶ月:988円 / 月
1年:938円 / 月
2年:878円 / 月
同時接続台数最大50台
サーバー数25カ国に50台以上
無料トライアル30日間の返金保証
特徴・サポート、マニュアルが日本語に対応
・同時接続台数が多め
公式URLhttps://www.suika-v4.com/


スイカVPNは、日本で運営されており、マニュアルからサポートまで全て日本語に対応しているサービスです。利用規約まで日本語で記載されているため、利用時のサポートだけでなく、解約時にも安心して情報を確認できます。また、同時接続台数が最大50台と多めで、1つのアカウントでも組織で運用することが可能です。

 

AtlasVPN

項目内容
運営会社
Peakstar Technologies
料金プラン1ヶ月:約1,570円 / 月
1年:約530円 / 月
3年:約260円 / 月
同時接続台数無制限
サーバー数38カ国に750台以上
無料トライアル30日間の返金保証
特徴・台数無制限で同時接続可能
・低価格でサービスを利用できる
公式URL
(英語サイト)
https://atlasvpn.com/


AtlasVPNは、同時接続台数が無制限の、アメリカに本拠地を置くVPNサービスです。また、最安値のプランだと月額料金が約200円と、かなり低価格で利用できるの
も魅力となっています。30日間の返金保証だけでなく、機能が制限された無料プランがあるのも特徴です。

無料プランの場合は容量やサーバーが制限され、同時接続もできませんが、期間が無いためサービスを納得のいくまで試すことができ、そのうえで有料プランの契約の判断が可能となっています。

 

セカイVPN

項目内容
運営会社
株式会社インターリンク
料金プラン1,100円 / 月
同時接続台数最大3台
サーバー数25カ国に数十台
無料トライアル2ヶ月間の無料体験
特徴・無料トライアルの期間が長い
・サポート、マニュアルが日本語に対応
公式URLhttps://www.interlink.or.jp/service/sekaivpn/


セカイVPNは、日本のVPNサービスで、無料体験期間が2ヶ月と他のサービスと比較しても長く設定されています。VPNを使うのが初めての場合でも、2ヶ月で使い勝手を充分に試すことが可能です。また、サポート・マニュアルも日本語に対応しているため、安心してVPNを体験できるサービスとなっています。

 

CyberGhostVPN

項目内容
運営会社
CyberGhost S.R.L.
料金プラン1ヶ月:1,790円 / 月
6ヶ月:1,000円 / 月
2年:320円 / 月
同時接続台数最大7台
サーバー数91カ国に9,000台以上
無料トライアル2ヶ月間の返金保証
特徴・サーバー数が豊富
・低価格でサービスを利用できる
公式URLhttps://www.cyberghostvpn.com/ja_JP/


CyberGhostVPNは、91カ国に9,000台以上と豊富なサーバー数を誇る、ルーマニアで設立されたVPNサービスです。最安値のプランだと月額の料金が320円で利用でき、返金保証期間も45日間と、他サービスと比較しても長めになっています。また、アプリは日本語にも対応しているため、まずお試しでVPNを使ってみたい方にはおすすめのサービスです。

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リモートアクセスVPN搭載のおすすめのファイルサーバー

引用元:ファイル執事 | GMO

サービス名ファイル執事
運営会社GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
料金プラン

初期費用:69,300(税込)

月額費用:27,382円(税込)~

無料トライアルなし
特徴

・リモートアクセスVPN 機能を標準装備

・重要なファイルを誤って削除してしまった場合でも復元できる復元機能を搭載

・初期設定から監視、復旧を代行してくれる

公式URLhttps://fileserver.gmocloud.com/

ファイル執事はリモートアクセスVPNを搭載しており、安全で手軽にファイル共有が行えます。これにより、リモートワークや外出先でもファイルにアクセスでき、情報漏えいを防げます。

1ユーザーあたり月額1,369円(税込)から利用できるため、コストを抑えられるのもポイントです。初期設定からデータの監視、復旧を代行してくれるため、導入から使用している間も作業の手間を省けます。

 

ファイル執事ロゴ

 

 
 
 
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VPNとは

VPNとはVirtual Private Network (仮想プライベートネットワーク) の頭文字をとった略語で、インターネット接続時のプライバシーを保護する仕組みのことです。VPNでインターネットに接続することを「VPN接続」といい、共用の回線を仮想的に独立した専用回線のように扱うことで、セキュリティを確保できます。

 

具体的には、スマホやPCなどの各デバイスとインターネットの間に仮想的な専用線(トンネル)を構築する「トンネリング」と呼ばれる技術により、データのやり取りを隔絶化し、プライバシーを保護することが可能となっています。そのため、通信環境の安全性を強化する目的で、活用されることの多い仕組みです。

 

VPNの接続方法は4種類に分類できる

VPNの接続方法は、大きく分けて4つの種類があります。それぞれの方法に異なる特徴があるため、あらかじめ把握しておきましょう。下記より、それぞれの方法について解説します。

インターネットVPN

インターネットVPNは、既存のインターネット回線を活用したVPNの接続方法です。ルーター間でインターネットに接続できればVPNを利用可能なため、低コストで回線を構築できます。通信速度や通信環境の品質は、利用しているインターネット環境に影響されるため、注意が必要です。

エントリーVPN

エントリーVPNは、通信事業者のIP網を使い、ネットワークを構築する方法です。インターネットを利用せず、特定のユーザーのみしか利用できないため、セキュリティレベルを保証しつつ低コストで導入することができます。ただし、通信事業者のIP網の使用は帯域保証などがないため、ネットワーク速度が遅くなる場合もあります。

IP-VPN

IP-VPNとは、大手通信事業者が用意した閉域網を利用した接続方法です。通信事業者と契約者のみしか利用できない、閉鎖されたネットワークのため、暗号化することなくセキュリティレベルの高い通信が可能になります。コストが高い傾向にありますが、通信帯域もある程度確保されており、安定した通信を行うことが可能です。

広域イーサネット

広域イーサネットは、ネットワーク構築における自由度が高いことが特徴的な接続方法になります。離れた拠点のLANを繋ぎ、大きなLANのように使用することができ、自社に適したネットワークシステムに変えることも可能です。ただし、提供する業者によって通信できる帯域の範囲や回線の選択肢に制限があり、費用も高めなため注意が必要になります。

VPNを利用するメリット

VPNの利用には、いくつかのメリットが挙げられます。VPNの導入を検討する際は、それぞれのメリットが課題の解決に繋がるか確認しておきましょう。ここでは、各メリットについて解説します。

 

遠隔地からアクセスできる

1つ目のメリットは、遠隔地からアクセスが可能なことです。通常、会社以外の場所から社内のネットワークにアクセスしようとすると、公共のインターネットを使用することになりセキュリティに問題があります。VPNを使用すればセキュリティ上のリスクを抑えることができ、テレワークや出張先の拠点からでも安全に社内のネットワークにアクセスすることが可能です。

海外駐在でも日本のサービスに接続できる

海外に駐在している従業員の方がいる場合でも、VPNを利用すれば日本国内のインターネットサービスにアクセスできます。そのため、海外にいながら日本のコンテンツを閲覧したり、情報収集を行ったりできます。

 

また、必要な場合は現地のVPNサーバーに接続して利用することも可能です。ただし、一部の国ではVPNの使用が規制されている場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

 

ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、トルクメニスタン、イラク、オマーンではVPNの使用が違法とされています。中国やイランは、認可されたVPNの利用以外は違法としているため注意が必要です。

 

複数拠点で同じネットワークを共有できる

VPNは、複数の拠点をつなぐネットワークとして活用することも可能です。VPNを使用せずとも「専用線」と呼ばれるプライベートネットワークを利用する手もありますが、1対1で接続する専用線を複数拠点でつなぐとなると、多額の費用が必要になってしまいます。VPNの場合は、各拠点にルーターを設置することで接続でき、安価に通信環境を確保・共有することが可能です。

モバイル端末からもアクセスできる

社内のPCだけでなく、モバイル端末からもアクセス可能な点もメリットです。通常、社内で支給されたPC以外の端末からのアクセスは、通信環境に問題があります。VPNを使用すればスマホやタブレットなどのモバイル端末からも、会社にいる時と同じような通信環境でアクセスできるため、リモートワークや緊急時など、さまざまな働き方に対応することが可能です。

通信内容を暗号化できる

VPNは通信内容を暗号化できるため、安全性の高いアクセスが可能です。セキュリティを意識したネットワーク構造で、社外からのアクセスでも情報漏えいなどのリスクを抑えることができます。前述したモバイル端末からのアクセスも可能な点と合わせ、場所や端末を問わずに社内のネットワークにアクセスできることは、VPNを利用する大きなメリットです。

低コストで導入できる

VPNは、低コストで導入できるメリットもあります。VPNは専用のネットワークを構築・維持するのではなく、仮想のネットワークを利用します。そのため、前述したようにルーターを設置することで接続できるため、安価な運用コストで導入可能です。また、ルーター自体も安価な製品が多いため、そういった面でも費用を抑えることができます。

VPNを利用するデメリット

VPNを利用するメリットについて前述しましたが、デメリットも存在します。VPNの導入を検討する際は、これらを把握しておくことが重要です。ここでは、それぞれのデメリットについて解説します。

 

情報が漏えいする可能性がある

VPNはサービスによってセキュリティのレベルに差があり、安全性が低いものは情報漏えいのリスクもあります。VPNは暗号化により通常の回線より高い安全性を誇りますが、暗号化しているのはあくまで公共のインターネットです。

そのため、コンピューターウイルスなどのマルウエアの侵入やサイバー攻撃の被害を受ける可能性があり、それらの影響により情報漏えいのリスクがない訳ではありません。また、設定のミスにより脆弱な状態で運用してしまい情報漏えいにつながる、ヒューマンエラーによるリスクの可能性もあります。

これらのリスクを防ぐためには、使用するVPNサービスの概要と導入方法について、あらかじめ理解を深めておくことが重要です。

 

通信速度が遅くなる場合がある

通信速度の低下の可能性があることも、デメリットの1つです。VPNは公共のインターネットを利用しているため、アクセス数の多い夜などの時間帯は、通信速度が遅くなる可能性があります。また、日常的な要因の場合は調整・対応が容易ですが、災害などのトラブルによるアクセス増加時は通信が困難になり、業務に支障をきたしてしまうことも考えられます。

こういったトラブル時に対応できるよう、組織内の情報システム対応部署と現場で迅速な連携が取れるよう、仕組みを整備しておくことが大切です。

 

企業がVPNを必要とする主なシーン

リモートワークを行う日本人女性の手元

企業がVPNを必要とするシーンには以下のようなものがあります。

  • 従業員が外出時にフリーWi-Fiで業務を行う時
  • 企業としてリモートワークの体制を整えたい時
  • 従業員が海外出張する時 または 海外に拠点がある場合
  • IP電話を使いたい時

このように外出先や自宅から社内システムにアクセスする必要がある場合や、海外拠点とのセキュリティが必要な場合に、VPNを利用することで安全に業務を行えます。

LINEやSkypeなどのインターネットを利用したIP電話は、セキュリティが低く盗聴される恐れがあるため、VPNを利用するのがおすすめです。

無料のVPNサービスは事業用途でおすすめできない理由

バツのジェスチャーで良くないと伝える男性 a young man gesturing finger crossing meaning negative "NO"

企業での利用を考えた場合、無料のVPNサービスを利用することはおすすめできません。その主な理由は以下の通りです。

  • セキュリティレベルが低い
  • サービス提供者の信頼性が低い
  • 利便性が低い

無料のVPNサービスを事業用途で使うべきではない理由をそれぞれ解説します。

 

セキュリティレベルが低い

無料のVPNサービスは、有料サービスと比較してセキュリティレベルが低い傾向にあります。そのため、不正アクセスやサイバー攻撃などのセキュリティインシデントが発生するリスクが高くなります。

企業が扱う機密データの保護などを考えると、無料のVPNサービスでは安全性が不十分なため、有料のものを使用するようにしましょう。

 

サービス提供者の信頼性が低い

無料のVPNサービスの中には、運営元の企業情報を明示していないなど、信頼性に欠けるものもあります。サービスを提供する側に悪意があれば、ユーザーの接続履歴などを監視または追跡される可能性もあり、セキュリティリスクが高まってしまいます。

企業の機密情報の漏えいを防ぐために、コストがかかったとしても信頼できる企業が提供しているサービスを利用しましょう。

 

利便性が低い

無料のVPNサービスは利用者が多いことから、ネットワークの混雑が発生しやすいのもデメリットです。その結果、通信速度が低下してしまい、業務に支障をきたす可能性があります。

通信速度が低下するとWeb会議中に音声が途切れたり、ファイルのダウンロードに時間がかかったりと、あらゆる不具合が起こります。このように業務にあたるには通信速度を安定させることが必須なため、有料のVPNサービスを選ぶのがおすすめです。

VPNの選び方

選び方と書かれたブロックが置かれたデスク

VPNのサービスを選ぶ際は、いくつかのポイントがあります。それらのポイントを把握した上で、目的や予算にあった最適なサービスを選びましょう。以下より、それぞれのポイントについて解説します。

 

セキュリティレベルの確認

VPNはサービスによってセキュリティレベルに差があるため、目的や環境に合わせて確認しておきましょう。セキュリティレベルの低いものだと、情報漏えいやウイルス感染のリスクがあるため注意が必要です。セキュリティレベルの高いサービスを選ぶポイントとしては、無料ではなく有料のものや、大手企業が提供するサービスを選択するのがおすすめです。

多くのユーザーが使用している実績・信頼のあるサービスなら、基本的にセキュリティ面で安心して利用できるでしょう。

 

ノーログポリシーがあるかの確認

VPNには、「ノーログポリシー」というログを残さないための仕様があり、サービスを選ぶ際にはこの有無を確認しておきましょう。ログとは、誰がいつ、どこでどのIPアドレスを利用したかの記録です。ノーログポリシーがあれば、利用者のVPNの利用履歴・情報を全く保持しないことの証明になります。

個人情報の流出やプライバシー保護の対策がされているため、セキュリティ面の強化が目的でVPNを検討する上で重要な指標となります。しかし、ノーログポリシーには明確な基準がないため、VPNを選ぶ際はただ宣言されているかだけでなく、その利用契約・詳細まで確認するようにしましょう。

 

対応端末の確認

VPNを利用する際は、契約するVPNサービスがどの端末に対応しているかをチェックしましょう。WindowsやMacOS、Chromeなどの主要OSに対応しているか確認し、自社の端末で利用できるか把握しておいて下さい。

モバイル端末での利用を検討している場合は、スマートフォンなどの対応状況も確認が必要です。契約後に自社の端末が対応していなかったという失敗がないよう、事前にチェックしておきましょう。

 

通信速度の確認

業務でVPNを利用する場合、効率よく業務を行うために通信速度の確保は重要です。利用目的や事業内容に合わせ、十分な通信速度を提供するサービスを選びましょう。

VPNは通信の度にVPNサービスの専用サーバーを経由し、データの暗号化処理を実施するため、インターネットの通信速度が遅くなる場合があります。目安としては50~100Mbps程度の通信速度のあるものを選ぶのがおすすめです。

 

同時接続できる台数の確認

同時接続可能な台数の確認もVPNを選ぶ際の1つのポイントです。VPNのサービスは接続できるデバイスの台数に制限があるものがほとんどで、組織の規模に合わせて使用可能なデバイス数を確認しておく必要があります。後に使用台数が変化することも考慮した上で、大規模な組織の場合はなるべく多くの台数が接続可能、もしくは台数に制限のないプランを選択しましょう。

サポート体制の確認

トラブル対応時などの、サポート体制を確認しておくことも重要です。VPNサービスは海外に運営の拠点をおいている場合も多く、日本語での問い合わせができない可能性もあります。英語でのコミュニケーションが難しい場合は、日本製のサービスを選ぶか、公式サイトなどで日本語に対応しているかをあらかじめ確認しておきましょう。

他にも、24時間対応可能か、チャットによる対応ができるかなど、トラブルを想定した上で最適な体制のものか確認しておくことが大切です。

 

サーバー数の確認

VPNサービスを選ぶ際には、サーバー数の確認も重要です。VPNサービスを利用する場合、サーバーの設置台数が多いほど安心して使用できます。なぜなら、サーバーに障害が発生した場合でも、他のサーバーで業務を行えるため、リスク分散になるからです。

そのため、VPNを導入する際は、サーバー数が多いサービスを選ぶのがおすすめです。

 

海外での利用可否を確認

海外に拠点がある企業や、国際的なビジネスを展開している場合は、その地域でVPNを利用できるか確認が必要です。サービスの対象地域に利用を予定している国が含まれているかを事前にチェックしましょう。

また、海外接続時の速度や安定性もサービスによって異なるため、併せて確認してみて下さい。

VPNの導入方法

ビジネスとデジタルトランスフォーメーション

実際にVPNを導入するにあたって、その接続方法によって導入方法は異なります。ここでは、前述した4種類の中でも利用率の高いインターネットVPNを導入する場合と、それ以外の通信業者と契約してVPNを導入する場合の方法について、それぞれ解説します。

インターネットVPNを導入する場合

インターネットVPNは、前述したようにインターネットを経由してVPN環境を構築する方法です。この場合は、3つの手順を踏んでVPNを導入します。

VPNルーターの準備

まず、接続するためのVPNルーターを準備します。このルーターは、購入またはレンタルすることで利用できます。購入する場合は、ネットワークに対する詳しい知識があれば自分でVPNを構築することが可能です。

この場合ランニングコストは抑えられますが、トラブルが発生した際に自ら対応する必要があり、その間VPNが使用できなくなるリスクがあります。レンタルの場合はVPNを使用している間コストが発生しますが、契約内容によってはサポートもついているため、トラブル時の復旧が早いことが利点として挙げられます。

拠点にVPNルーターを設置

ルーターが準備できたら、VPNに接続したい拠点に設置します。VPNに接続するためにはルーターの設定が必要で、設置した各拠点でこの設定をおこないます。設定方法は製品によって異なり、マニュアルや契約先のレンタル業者への確認が必要です。

端末でVPNを設定

ルーターの設置が完了したら、接続するPCやスマホ、タブレットなどの端末でVPNの設定をおこないます。VPNの種類や端末によっては、ソフト・アプリのインストールが必要な場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。この設定が完了すると、インターネットVPNへの接続が可能になります。

通信業者と契約してVPNを導入する場合

通信業者と契約してVPNを導入する場合は、インターネットVPNとは導入方法が異なります。この場合、2つの手順が必要になります。

通信会社とVPNを契約

まず、通信会社とVPNサービスの契約をします。さまざまなプランがあるため、前述のVPNを選ぶ際のポイントを参考に、目的や環境に合ったプランを選びましょう。サービスの詳細だけでなく、導入後のサポート体制も確認しておくことが重要です。

CEルーターの設置

契約後、接続するためには「CE(Customer Edge)ルーター」を拠点に設置する必要があります。このルーターは、契約後に通信業者より送られてきます。複雑な設定は基本的に必要なく、IP-VPNの場合は、企業のIPアドレスをCEルーターに設定するだけでVPNが利用可能です。

その他の接続方法に関しては、業者に確認をとりつつ、必要な設定を済ませることでVPNが利用可能になります。

 

自社にマッチしたVPNを選定しよう!

本記事では、おすすめのVPNサービスからVPNの機能、導入するメリット・デメリットや選ぶ際のポイントなどを紹介しました。

VPNを導入することで、端末や場所を問わずに安全な通信を行えるようになります。その分費用がかかる場合も多いですが、高いセキュリティレベルでさまざまな働き方に対応できるのが大きなメリットです。

また、以下の記事も併せてご覧ください。

参考:VPNおすすめランキング12選!【有料サービスを紹介】わかるVPN

導入を検討される場合は、ぜひ本記事を参考に、最適なVPNのサービス・プランを選びましょう。

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