MEO対策とは
MEO(Map Engine Optimization)対策とは、Googleマップの検索結果において上位表示されるためのさまざまな施策です。
例えば「地域名+業種/サービス名」で検索した際に、その地域に特化した業種/サービスが地図検索結果に表示されます。
実店舗を持つビジネスにとっては、検索した見込み顧客の獲得が期待されます。
実際の検索時に表示される項目は、下記の通りです。
- 住所
- 店舗名
- 地図紹介
- 営業時間
- ルート情報
- 公式Webサイト
近年のスマートフォンの普及によるユーザーの検索行動の変化やGoogleアルゴリズムの改変、インターフェイスの変更に伴って実店舗ビジネスオーナーから高い注目を集めています。
2015年にGoogleが提唱したマイクロモーメントによると、消費者は「知りたい」「行きたい」「したい」「買いたい」と思った瞬間にモバイルデバイスで検索して、消費行動につなげることが分かっています。
Googleにおける周辺情報の検索数が34倍に増えた実態から、MEO対策は今後も急速に成長するとされており、競合他社に後れを取らないよう対策をしましょう。
出典:マイクロモーメント : 生活のさまざまなシーンで発生するマイクロモーメント
MEO対策とSEO対策の違い
MEO対策とSEO対策では、上位表示させる目的が異なります。
- MEO対策:Googleビジネスプロフィールで上位表示させることが目的
- SEO対策:Webサイトを上位表示させることが目的
また、費用面でも違う点があります。
MEO対策で活用するGoogleビジネスプロフィールは無料で利用でき、誰でも簡単な運用が可能です。
一方のSEO対策はWebサイトの開設や更新、運用などの専門スキルが求められます。
そのため、初期費用や維持コストがかかる点を覚えておきましょう。
こちらの記事では、SEO対策の基本や仕組み、役立つツールを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
MEO対策が注目されている理由
MEO対策が注目されている理由は、下記の通りです。
- スマートフォン利用者数の増加
- リスティング広告の掲載費用が増加
- SEOでの上位表示が難しくなっている
ひとつずつ解説していきます。
スマートフォン利用者数の増加
近年はスマートフォンや格安SIMの登場によって、今までよりも便利にインターネットを利用できるようになりました。
スマートフォンの利用者数は年々増加しており、2010年の4%ほどの普及率から2022年には94%に増えています。
利用者数が増えることで、ローカル検索の重要性も必然的に上がります。
またユーザーは、1台のモバイル端末から知りたい情報の検索が可能です。
自宅に戻ってパソコンから調べる必要がないので、MEO対策を利用してユーザーに店舗の存在を見つけてもらいやすくなります。
出典:スマートフォン比率94%に:2010年は約4% ここ10年でいっきに普及
リスティング広告の掲載費用が増加
MEO対策が注目されている理由は、リスティング広告の掲載費用が増加しているためです。
今まではリスティング広告を導入すれば、十分な成果が期待できました。
しかし、下記の理由で効果を出しづらくなっています。
- リスティング広告の運用代行業者が増えたことで、競争率が高まった
- 資本力のある企業が上位表示されるため、費用面で参入できない企業が増えた
もちろんLP(ランディングページ)のクオリティと検索キーワードも重要な要素ですが、掲載費と上位表示は比例した関係です。
そのため、中小企業が大企業と同じ広告掲載費を捻出することは難しいため、無料で利用できるMEO対策に注目が集まっています。
こちらの記事では、リスティング広告とSEOの違いや始める前の注意点、できることを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
SEOでの上位表示が難しくなっている
近年のGoogleアップデートにより、SEO対策での上位表示が難しくなっています。
実際にコンテンツに広告ばかりを貼り付けて信用性の低いアフィリエイトサイトは、圏外に飛ばされています。
その一方で、信用度の高い地元に愛されている企業や施設に関するWebサイトは、上位表示される傾向が強いです。
つまりWebサイト作成に膨大な費用をかけるより、MEO対策を実行した方が効率が良くなります。
MEO対策を行うには実店舗の運営が条件になるので、店舗の強みを活かしながら商圏の拡大が可能です。
MEO対策で重要なポイント
MEO対策で重要なポイントは、下記の3つです。
- 店舗までの距離
- キーワードとの関連性
- お店の知名度
それぞれ解説していきます。
店舗までの距離
MEO対策の中で、店舗までの距離は重要なポイントのひとつです。
地図エンジンは、検索ユーザーの位置と店舗の距離が近いほど表示されやすくなります。
とはいえ検索ユーザーまでの距離を店舗側はコントロールできないので、特に気にする必要はありません。
MEO対策の仕組みとして、遠方のユーザーには表示されない点を覚えておきましょう。
キーワードとの関連性
キーワードとの関連性は、MEO対策の重要なポイントです。
ユーザーが検索したキーワードに対して、ビジネス内容がどれくらい関連しているかは検索順位を大きく左右します。
具体的に関連性を高める方法は、下記の2つです。
- Googleビジネスプロフィールを充実させる
- Googleビジネスプロフィールの中にキーワードを盛り込む
そのため店舗が発見される際の検索キーワードを明確にして、店舗情報に取り入れましょう。
お店の知名度
店舗やWebサイトがどれくらいの知名度がインターネット上にあるかは、重要な指標のひとつです。
Googleビジネスプロフィールだけで知名度を獲得することは難しいので、SNSでの情報発信は効果が期待できます。
Googleでの評価や口コミも影響するため、SEO対策も必要になるでしょう。
MEO対策のメリット
ここまで、MEO対策の概要やSEO対策との違い、注目されている理由などをお伝えしました。
続いて、MEO対策のメリットを解説します。
- 広告費を抑えられる
- ユーザーに注目されやすい
- 地域ユーザーに見られやすい
- 競合が少ない
- 来店までにユーザーの疑問を解決できる
それぞれ解説していきます。
広告費を抑えられる
MEO対策は、SEO対策より競合が少ないので広告費を抑えて運用できます。
SEO対策を行う場合は有料で専門家に依頼するケースがあるので、数十万円の費用が発生することも珍しくありません。
ほかにも、下記の点で費用がかかってしまいます。
- 入札方式で金額を決定してWeb広告の支払いを行う
- 口コミ・ポータルサイトに掲載する際にも利用料がかかる
しかしMEO対策は、基本的に無料で利用できるGoogleビジネスプロフィールに登録するだけです。
基本機能の操作も難しくないので、資金に余裕がない個人も活用できます。
まずは集客施策の手段として、Googleビジネスプロフィールに登録しておきましょう。
ユーザーに注目されやすい
MEO対策を行うことで、視認性が高まりユーザーに注目されやすくなります。
ユーザーの目に留まりやすくなる理由は、検索画面の最上部のマップにお店の情報が表示されるためです。
MEOはWebサイトが表示されている部分よりもユーザーの注目を集めやすく、宣伝効果を期待できます。
また、Googleへのログインあり・なしによって、下記のようにエリアが表示されます。
Googleログインあり | Googleログインなし |
|
|
ただし、上記の表示に必ずなると決まっているわけではありません。
検索キーワートによって変動はあるため、アルゴリズムの仕組みとして覚えておきましょう。
地域ユーザーに見られやすい
MEO対策を行うことで、地域ユーザーに見られやすくなりメリットがあります。
例えば「地域+業種」で検索した際には、地域を絞って探しているユーザーへのアプローチが可能です。
エリアを限定して検索しているユーザーに宣伝できるので、見込み顧客からファンになってくれる確率も高くなるでしょう。
またMEOの表示は、各種Webサイトよりも上位に表示されます。
ユーザーは検索結果を上から順番に見ていくため、MEOで上位表示された場合、露出と知名度を高められます。
競合が少ない
MEO対策は、SEO対策より競合が少ない点がメリットです。
例えばGoogleで検索した際に、大手企業やポータルサイトばかり上位表示されて、探している情報が見つからなかったと経験したことはないでしょうか。
規模が大きくない企業や店舗が、これらの企業やサイトに対抗する場合、莫大なコストと時間がかかります。
しかしMEO対策であればローカルビジネスとの相性が良く、SEOよりも高い成果を期待できるでしょう。
実際にMEO対策を行っている競合が少なく、見込み顧客にアプローチしやすいので、取り入れるべき施策といえます。
来店までにユーザーの疑問を解決できる
多くのユーザーが地域を絞って検索する理由は、目的となる店舗情報を知りたいためです。
そのためユーザーが来店するまでに、なるべく店舗情報を充実させて、ユーザーが抱える疑問をひとつでも多く解決しなければいけません。
MEO対策であればGoogleビジネスプロフィールを活用することで、検索順位を上位に上げられます。
またGoogleビジネスプロフィールを充実できれば、ユーザーの疑問を解決できるでしょう。
MEO対策のデメリット
ここまで、MEO対策のメリットをお伝えしました。
続いて、MEO対策のデメリットを解説します。
- ネガティブな口コミも投稿されるリスクがある
- 効果が期待できるビジネスが限られる
- 信頼性が低くなることがある
ひとつずつ解説していきます。
ネガティブな口コミも投稿されるリスクがある
Googleビジネスプロフィールを活用したMEO対策では、ネガティブな口コミも投稿される可能性があります。
MEO対策の際は、店舗名や住所、ユーザーからの口コミ・レビュー・質疑応答の投稿も可能です。
「口コミをもらう」ことはMEO対策で重要な施策ですが、ネガティブな口コミが投稿されるリスクも想定しておきましょう。
また、悪意を持った第三者から低評価がつけられたり、風評被害にあったりするかもしれません。
これらの被害を最小限に留めるためには、評価をこまめに確認したうえで誠実な対応が求められます。
効果が期待できるビジネスが限られる
MEO対策の効果は、実店舗を持たないビジネスには向いていません。
実店舗を持たないビジネスの例は、下記の通りです。
- EC
- データ販売
- アフィリエイト
Webサイト運営だけを行う事業者は、対策方法が限定的になるので注意しましょう。
とはいえ、実店舗を持たない場合でもGoogleビジネスプロフィールへの登録は可能です。
実店舗のあるビジネスより表示順位は下がってしまいますが、情報発信を定期的に行えば順位の変動が見られるでしょう。
基本的な費用もかからないので、ローカル検索での順位が必要な場合はMEO対策を行います。
信頼性が低くなることがある
MEO対策によって得られた口コミ・レビューは、店舗の評価を左右する施策のひとつです。
しかし悪意ある業者の口コミや書き込みによって、信頼性が低くなる可能性があります。
近年はユーザーの評価も厳しくなっており、Googleマップの口コミを疑う目を持たれています。
そのため高評価ばかりの店舗は、業者に依頼しているのではないかと疑われるかもしれません。
MEO対策の手順・やり方
ここまで、MEO対策のデメリットをお伝えしました。
続いて、MEO対策の手順・やり方を解説します。
- Googleビジネスプロフィールに登録する
- 店舗の満足度を高める
- 口コミとレビュー数を増やす
- 口コミに返信する
- 最新情報を発信する
それぞれ解説していきます。
Googleビジネスプロフィールに登録する
MEO対策の手順として、まずはGoogleビジネスプロフィールに店舗や企業情報を登録します。
Googleマップに上位表示させて集客を狙う場合は、Googleビジネスプロフィールの登録は必須です。
登録に必要な情報として、下記があります。
- 住所入力
- ビジネス名
- オフィス・店舗の有無
- 最新情報の入手の選択
- オーナー確認の方法の選択
- ビジネスの所在地を地図上で指定
- ほかの地域でのビジネス展開の有無
- ユーザーとのタッチポイントの選択
- Googleビジネスプロフィールの登録確認
さらに、実際のオフィス・店舗がどういった状態なのか写真登録できるので、撮影した画像をGoogleビジネスプロフィールへ登録可能です。
店舗の満足度を高める
情報登録が完了したら、店舗の満足度を高めていきましょう。
商品・サービスの評価が高ければ満足度も上がりますが、これには地道な努力が欠かせません。
良い口コミを書いてもらうためのポイントは、下記の6つです。
- 口コミにお礼の返信をする
- 来店時にお客さんにその場で書いてもらう
- 口コミをしてくれたユーザーに謝礼/特典を用意する
- 口コミの書き方を説明した後、パンフレットを手渡す
- 後日メールやSMSを送信して、口コミを書いてもらう
- 分かりやすい場所に口コミサイトへの誘導を置いておく
マーケティング事業を行う株式会社クロス・マーケティンググループの調査によると、約8割のユーザーがオンライン上で口コミを閲覧していることが分かっています。
良い口コミを集めることは新規ユーザーの来店意欲を高めるだけでなく、拡散力・宣伝効果も期待できます。
出典:約8割が口コミを参照/ネガティブな感想も購買意欲につながることが判明【クロス・マーケティング調査】
口コミとレビュー数を増やす
Googleビジネスプロフィールの口コミやレビュー数の増加は、MEO対策になります。
口コミ・レビューは知名度の象徴といえるため、数が多いほどGoogleから高い評価を受けられるはずです。
また、高評価が得られると下記の循環が生まれます。
- 検索順位が上がる
- 多くのユーザーに認知してもらいやすくなる
口コミやレビューの利用経験がないユーザーから高い評価を得られると、見込み顧客からの信用度も増します。
仮に悪い口コミがついてしまった場合でも、店舗側が誠意を持ってコメント返信することで良心的な印象を残せるでしょう。
口コミに返信する
Googleマップに表示されているユーザーの口コミには、必ず回答しましょう。
返信内容は感謝の言葉や反省の言葉、感想などさまざまです。
また、店舗がユーザーに返信すると下記のメリットがあります。
- 書き込んだユーザーをファン化できる可能性がある
- 口コミを閲覧した見込み顧客によい印象を与えられる
クレームや悪い口コミに対しても真摯に回答することで、店舗側の誠意や熱意が伝わるので、結果として第三者にも良い印象を与えられるでしょう。
MEO対策では悪質な口コミに出会う可能性もありますが、対応次第でユーザーが正しい判断をしてくれるはずです。
最新情報を発信する
Googleビジネスプロフィールには、店舗情報や文章、画像、動画などを好きなタイミングで発信できる投稿機能があります。
利用できる機能は、下記の4つです。
- 最新情報:掲載期間が1週間なので、旬な情報を投稿できる
- イベント:イベントや年末セールなどを告知する際に活用する
- クーポン:Googleビジネスプロフィール上での効果を確認できる
- 商品:魅力的な特定の商品写真を掲載して、ビジネスに誘導する
店舗の最新情報や宣伝、告知を投稿することで、既存・新規ユーザーとつながることができます。
新商品や新サービスを公開する際は、画像・動画をセットにするとさらに魅力を伝えられるでしょう。
こちらの記事では、おすすめのMEOツール10選や選ぶ際のポイント、運用方法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
MEO対策の注意点
ここまで、MEO対策の手順・やり方をお伝えしました。
続いて、MEO対策の注意点を解説します。
- 正確に情報を登録する
- 口コミの数ばかりに注力しない
- Googleビジネスプロフィールの情報量は充実させる
それぞれ解説していきます。
正確に情報を登録する
MEO対策を行う際は、情報を正確に登録する必要があります。
- NAP情報を統一する
- ビジネスに適したカテゴリーを設定する
具体的に解説していきます。
NAP情報を統一する
NAP情報とは、「店名(Name)」「住所(Address)」「電話番号(Phone)」の頭文字から成り立つMEO対策に必要な要素です。
例えば、NAP情報が統一されていない例を「kyozon」を例に見てみましょう。
- Aサイトでの表記:kyozon
- Bサイトでの表記:kyo-zon
- Cサイトでの表記:kyo zon
これらの表記が統一されていない場合、Googleのクローラーは全てを異なる名称と認識する恐れがあります。
そのため、ほかのWebサイトで掲載している情報に違いがないか確認しましょう。
ビジネスに適したカテゴリーを設定する
Googleビジネスプロフィールには、メインカテゴリーとサブカテゴリーを登録できます。
MEO対策としてカテゴリー情報も大きく影響するので、ビジネスに適したカテゴリーを漏れがないよう登録しなければいけません。
ただし無理に検索を集めようと、全く関係ないカテゴリーの設定は逆効果なので注意しましょう。
口コミの数ばかりに注力しない
MEO対策では、単純に口コミの数が多ければ良いわけではありません。
上位表示を狙う際に必要な口コミは、下記に関する情報です。
- 店舗の雰囲気
- 商品・サービス
- ユーザーが求めている情報
- 検索キーワードに関連しているもの
口コミを増やす理由として、誤った方法で口コミを集めないようにしましょう。
また、自作自演で口コミする場合もアカウントが必要になるだけでなく、発覚した際に信用を失墜するので避けるべきです。
Googleビジネスプロフィールの情報量は充実させる
MEO対策を行う際は、Googleビジネスプロフィールの情報量は充実させておきましょう。
情報量を充実させるべき理由は、下記の通りです。
- Googleから高い評価を得られる
- 上位表示されやすくなる
また情報が多いほど、ユーザーが安心して来店できるでしょう。
そのため入口や看板、店内の様子が分かる画像を掲載することで、PR効果も期待できます。
MEO対策の本質
MEO対策の本質は、商品・サービスの認知と利用促進です。
もちろんローカル検索によって、上位表示を狙うことに焦点が当てられます。
しかし、MEO対策の目的が「露出を増やすこと」になってはいけません。
商品・サービスを通してユーザーが満足する体験の創造が、MEO対策の本質といえるでしょう。
まとめ
今回は、MEO対策のメリットやデメリット、手順・やり方などを解説しました。
MEO対策とは、Googleマップの検索結果において上位表示されるためのさまざまな施策です。
メリット・デメリットとして、下記の8つをお伝えしました。
- 広告費を抑えられる
- ユーザーに注目されやすい
- 地域ユーザーに見られやすい
- 競合が少ない
- 来店までにユーザーの疑問を解決できる
- ネガティブな口コミも投稿されるリスクがある
- 効果が期待できるビジネスが限られる
- 信頼性が低くなることがある
本記事でお伝えした手順・やり方や注意点、本質を理解したうえで、MEO対策を行いましょう。
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