PDCAとは?
PDCAとは「Plan」「Do」「Check」「Action」のステップを繰り返し、業務を改善したり品質を高めたりするための手法です。PDCAを繰り返すことを「PDCAサイクル」と言います。
わかりやすいよう、具体例を用いて説明します。
たとえば、1週間後に漢字テストが行われるとします。
- テストに出題される漢字を覚えるため、1日30分学習する計画を立てる(Plan)
- 1週間、毎日30分ずつ学習する(Do)
- 1週間後に漢字テストを受け、点数や間違った問題を確認し、学習方法は適切だったか、学習した漢字を覚えることができていたか分析する(Check)
- 間違った問題を復習するだけでなく、学習時間を増やすなど学習方法を改善する(Action)
このようにPDCAを回すことで、自分に適切な学習方法がわかり、より多くの漢字を覚えることができ、テストの回数を重ねるたびに点数も向上していくでしょう。
上記の例ではわかりやすいように勉強を事例にしましたが、仕事でも同様のことが言えます。目標を達成するために計画を立てて進め、成果を検証してさらなる改善へとつなげることで、目標達成に近づくのです。
PDCAの歴史
PDCAの概念が登場したのは、1950年代だと言われています。統計学や品質管理に精通した学者のウィリアム・エドワーズ・デミング氏が、PDCAの基礎となる概念を提唱しました。 PDCAはもともと製造業の品質管理のために提唱されましたが、現在では製造業に限らず、多様な業種・業界で用いられています。また、ビジネスだけでなく勉強や日常生活でPDCAを取り入れている人も少なくありません。
PDCAとOODAの違い
PDCAと混同されやすい言葉に「OODA」があります。OODAとは、以下のプロセスの頭文字から取られています。
- Observe(観察)
- Orient(状況判断)
- Decide(意思決定)
- Act(実行)
ビジネスに置き換えると、以下のような流れになります。
- 市場や競合他社など、自社が置かれている状況を分析する(Observe)
- どういった状況になっているのか見極める(Orient)
- 何をすべきか、適切な行動を判断する(Decide)
- 実際に行動する(Act)
このOODAを繰り返すことを「OODAループ」と言います。
このプロセスからもわかるように、OODAは状況に合わせて柔軟に取り組むことを促します。一方、PDCAはしっかりと計画を立ててから実行します。 そのため、シーンや目的に応じてPDCAとOODAを使い分けるとよいでしょう。
PDCAサイクルのステップ
PDCAサイクルは「Plan」「Do」「Check」「Action」を繰り返すことです。それでは、各ステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ1:Plan(計画)
まずは「Plan」から始まります。 目標に対してどのようなスケジュールで進めていけば、目標を達成できるか逆算して考えます。やらなければならないことをタスクリストとして洗い出し、期日と担当者を決めましょう。
市場の傾向や競合の動きなどを分析して自社の状況を把握しておくと、計画の精度を高められます。
「5W1H」(いつまで・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識することで、抜け・漏れなく計画を立てられます。
また、このときに効果測定で用いる評価指標を設定しておくことも忘れてはいけません。数値として測定できる指標を設定しておくと、この後のプロセスがスムーズになります。
ステップ2:Do(実行)
次の「Do」は、計画通りに実行に移す段階です。前段階で決めていた担当者や期日、作業方法などに沿って計画を実行します。
この後のプロセスにつなげられるよう、過程や成果を数値データとして記録しておきましょう。
ステップ3:Check(評価)
次は、実行した内容を「Check」します。
「Plan」で設定しておいた評価指標を軸に、どの程度達成できているか確認しましょう。
- 目標を達成できたか
- 計画通りに進められたか
- 何かトラブルや問題点はなかったか
などの視点で、くまなくチェックします。 計画をブラッシュアップしていくための重要なステップなので、細かく分析しましょう。
ステップ4:Action(改善)
次の「Action」は、検証結果を基に改善点を見極める段階です。
どうしたら目標を達成できるか考え、ボトルネックや問題点をなくすよう改善していきます。
もし目標を達成できて計画が成功していても、より成果を高めるためにはどうしたらよいかという視点で改善策を考えましょう。
この改善点を取り入れ、また新たな計画を立ててPDCAサイクルを回していきます。
PDCAサイクルが失敗してしまう原因は?
PDCAサイクルでビジネスを加速させようとしても、途中で失敗してしまうこともあります。その原因として、以下の3つの要因が考えられます。
原因1:目標が明確でない
明確な目標を立てられていない場合、PDCAサイクルの失敗につながります。 PDCAは、目標を達成するためのプロセスです。そのため目標が明確でないと、何をすべきか、どう進めていくのかがあいまいになり、失敗してしまいます。
目標を設定するときには 明確な目標を立てられているか 高すぎる目標を設定していないか 数値として測定できるか といった視点を意識しましょう。
原因2:スケジュール調整がうまくできていない
無理のあるスケジュールだと、実行が難しいため失敗に終わってしまいます。
たとえば工数を少なく見積もったり、担当者が兼務していたりすると、スケジュール調整がうまくいかずに失敗しかねないのです。
また、計画通りに進めていると「もっとこうしたほうがよい」「別の人のほうが適任だ」などの理由で、途中で作業方法や担当者などを変えて進めてしまうこともあります。しかし、当初の計画にはないスケジュールで進めると、計画がうまくいかなかったときに原因を特定できないため、最初に立てた計画は変更せずに進める必要があります。
もし途中で状況が変わった場合には、改めて計画を立て直すことも検討しましょう。
原因3:振り返りや改善をしていない
PDCAサイクルは、計画をやりっぱなしではなく、しっかりと振り返って改善していくことが重要です。
しかし「感覚的にうまくいったから、振り返る必要がない」「改善点がないくらい成功した」といった理由で、振り返りや改善を省いてしまうこともあります。
ところが、振り返ってみると実は問題があったり、改善することでもっと成果を高めることができたりする場合も珍しくありません。 うまくいったら、振り返りや改善をしなくてもよいわけではありません。PDCAサイクルは振り返り・改善をしてこそ回っていくため、定期的な振り返りと、分析結果に基づく改善は必ず行いましょう。
PDCAサイクルを成功させるためのポイントは?
PDCAサイクルを回してビジネスを成功させるには、以下のポイントを意識しましょう。
ポイント1:目標を明確にする
目標が明確でないと、やるべきことが見えてきません。また目標が明確でなければ、何をどう評価したらよいかもわからないため、PDCAサイクルをうまく回せないでしょう。 PDCAサイクルを成功させたいなら、まずは明確な目標を設定することがポイントです。
たとえば、単に「売上を上げる」だけではなく、「月間の売上金額○円」「年間売上金額が昨年対比の○%増」などと具体的な数値を用いるとよいでしょう。
ポイント2:定期的な振り返りとレポーティングを忘れない
PDCAサイクルは、継続してこそ目標達成につながります。やりっぱなしにならないよう、定期的に振り返り、その内容をレポーティングしておきましょう。
たとえば振り返りの際に問題点に気づいても、記録していなければ内容を忘れてしまいます。その結果、新たに計画を立てる際に改善策を盛り込めず、また同じ問題点が生じる可能性があるのです。
このような状況になっては二度手間になり、社内の効率性や生産性も低下しかねません。
そのため、定期的な振り返りとレポーティングは忘れず、次につなげましょう。
ポイント3:要所でツールを導入する
PDCAサイクルを高速化するには、ツール導入が必須です。
たとえば「メルマガからのコンバージョン率を上げる」という目標の場合、一件ずつ手動でメルマガを配信しては手間も時間もかかりますし、コンバージョンを測定できていないと振り返りもできません。そのため、メルマガ配信ツールやMA(マーケティングオートメーション)などを活用すると、施策実行や効果測定を効率化します。
また、ツールによってはAIが改善策まで提案してくれるものもあります。人間の目では気づきにくいポイントもAIなら指摘できるため、より精度の高いPDCAサイクルを回せます。
まとめ
PDCAサイクルは、ビジネスで目標を達成するために欠かせない手法です。計画や実行だけでなく、検証と改善によってさらなる成果につなげられるため「施策をやりっぱなしになっている」「より成果を高めたい」という場合に効果的でしょう。
ただし、目標設定が誤っていたりスケジュール調整ができていなかったりすると、失敗の原因になります。自社が置かれている状況をしっかりと把握したうえで計画を立て、PDCAサイクルを回していきましょう。
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