クラウドログ(CrowdLog)とは
クラウドログとは、株式会社クラウドワークスが提供するクラウド型工数管理・プロジェクト管理ツールです。かつては、InnoPM(イノピーエム)の名で広く普及していましたが、2021年にサービス名称が「クラウドログ」へと変更されました。
クラウドログのサービスビジョンとして「世界中の働くを見える化する」を掲げており、それを体現するかのごとく、工数からプロジェクトの損益を自動で見える化することを得意としています。
また、日本語以外の言語にも対応しているため、外国人労働者にも問題なく使用できます。
クラウドログで頻出の用語一覧
クラウドログの特徴や機能を確認していく前に、頻出の用語をいくつか確認しましょう。
事前に押さえておくことで、よりイメージ醸成に役立ちます。
工数
「工数」とは、ある作業やプロジェクトに要する労力や時間の量を表す用語です。仕事を完了するために必要な作業時間や人員数、またはその予測値を示す指標として用いられます。
工数管理
「工数管理」とは、プロジェクトや業務に必要な労力や時間の量を計測・分析し、プロジェクトの進捗状況や予算管理に役立てるための管理方法です。
具体的には、作業に要する時間や人員数を見積もり、実績と比較して進捗状況を確認し、予算の進捗状況や工程管理に反映させます。また、作業の見積もりに誤りがあった場合や、作業内容が変更になった場合には、見積もりを修正し管理対象とすることが一般的です。
タスク
「タスク」とは、作業者に割り当てられた業務を意味します。クラウドログにおいては、特定のメンバー一人に対して割り当てる業務を指しています。
プロジェクトカテゴリ
「プロジェクトカテゴリ」とは、プロジェクトを分類するためのカテゴリ分けのことを指します。一般的に、プロジェクトカテゴリは、階層構造を設定できます。
例:クラウドログの階層として「機能」「価格」「導入事例」「よくある質問」などを設定
人月生産性
人月生産性とは、1人月あたりの利益額を意味します。
□計算式:利益 ÷ 費やされた工数
工程
「工程」とは、あるプロジェクトや作業において、一定の手順を踏んで進めていく段階のことを指します。工程は、プロジェクトや作業の目標を達成するために必要な一連の作業や手順を、あらかじめ段階的に分解し、計画的に進めるために設定されます。
具体的には、プロジェクト全体を達成するために必要な各作業やタスクを順序立てて定め、その達成に必要な時間やリソースを見積もりスケジュール化することで、進捗管理や予算管理などに役立てます。
工数原価
「工数原価」とは、プロジェクトに必要な労力や時間を、その作業やプロジェクトの原価に換算したものです。
ある作業にかかる人件費や材料費などの直接費用に加え、その作業を行うために必要な時間や人員数に応じた間接費用も含め、作業やプロジェクトの原価を算出する際に考慮されます。
時間生産性
時間生産性とは、稼働1時間あたりの利益額を意味します。
□計算式:利益 ÷ 費やされた時間
ガントチャート
「ガントチャート」とは、プロジェクトの作業項目やタスクの進捗状況を可視化するためのグラフ表示方法です。横軸に時間軸を、縦軸に作業項目やタスクを設定し、バー(長方形)で作業の期間を表します。
各バーの位置や長さで、作業の開始時期や終了時期、進捗状況などが視覚的に把握できるため、プロジェクトマネジメントやスケジュール管理に広く用いられています。
クラウドログの機能
クラウドログの機能は、大きく以下の8つが挙げられます。
- タイムシート(工数管理)
- プロジェクト
- ガントチャート
- レポート
- 勤怠管理
- 多言語対応
- 管理機能
- 外部連携
※2023年3月現在に取得できる情報をもとに記載しています。詳細は公式サイトをご確認ください。
タイムシート
クラウドログは、工数管理がメインの製品だからこそ、あらゆる工数管理のニーズを満たすための機能が備わっています。タイムシート設定では、細やかな設定が可能なため、自社のニーズや環境に応じて最適化すると良いでしょう。
以下、タイムシート設定における機能の特徴です。
- 工数入力時間の単位を1分、5分、10分、15分、30分、60分から選択可能
- 締め機能により、特定日以前のタイムシート編集の制御が可能
- 未来のタイムシート入力可否の制御が可能
- 権限設定により、他人のタイムシート編集が可能
- 1日の区切り時刻の制御により、0時をまたぐタイムシート登録が可能
- メンバー単価設定により、プロジェクトごとの工数原価算出が可能
- スマートフォンやタブレットにも最適化
- IP制限により、アクセス場所の制御が可能
- よく使うプロジェクトの優先表示
- ドラッグ&ドロップによるジョブ削除
- 1日分のタイムシートコピー機能
- 1日の入力が完了しているかどうかを判定する完了ボタン
- ドロップダウンリストの検索機能
- 日報機能
- ジョブにメモを登録
プロジェクト
プロジェクト管理機能として、新規案件の受注可否を瞬時に判断したり、高稼働を未然に防げるような機能が搭載されています。また、プロジェクトごとに売上予算/原価予算・売上実績/原価実績の登録・管理を行うことができるため、プロジェクト損益を正確に把握できます。
その他、大規模組織にも対応するなど、規模や環境問わず、全てのプロジェクトに対応しているのも魅力的です。
ガントチャート
クラウドログを使えば、Web画面上で、ドラッグ&ドロップで簡単にガントチャートを作成できます。ガントチャートを作る上では、権限設定やグループ設定、場合によってはマイルストーン設定が必要となりますが、クラウドログにはそれらの機能が備わっています。
また、担当者が進捗率を更新していくことで、ガントチャート上でタスクの進捗率を視覚的に理解できるため、ガントチャートを見慣れていない人でも問題なく扱えるでしょう。
レポート
レポート機能では、多角的なレポートを抽出できるため、プロジェクトを見える化できます。また、レポート結果をExcelやCSV形式でダウンロードすることもできます。出力する項目や期間の指定が可能なので、必要なタイミングで必要なデータを取得できます。
クラウドログのレポート機能を使えば、多角的な視点からの分析が可能となり、生産性の改善につなげることができるでしょう。
勤怠管理
勤怠管理では、リアルタイムで出退勤を管理・集計できる他、休暇取得・管理、ワークフローにも対応しています。また、変形労働、フレックスなど、あらゆる勤務形態に対応している点も魅力的です。
管理者機能では、各種データの閲覧、マスタの設定、権限設定ができ、複雑な組織形態にも柔軟に対応できます。
多言語対応
クラウドログでは、先述したとおり、外国語にもが対応しているため、外国人労働者にも問題なく使用できます。
具体的には、次の言語での表示が可能です。
- 日本語
- 英語
- 中国語(簡体字)
また、円、ドル、人民元の通貨設定が可能なため、支払い管理も滞ることなく実施できるでしょう。
管理機能
クラウドログでは、組織の規模や業種を問わず、詳細な工数管理に必要な設定を行えます。
- 工程の複数階層設定
- 工数入力時間単位(1分・5分・10分・15分・30分・60分)
- 標準の工数単位(人月・人日・時間・分)
- 1人月の時間
- 1人日の時間
また、柔軟なマスタ設定が可能なため、これまでの運用を変える必要はありません。既に利用中のツールとの併用や連携により、業務が停滞することなく導入できるのも嬉しいポイントです。
外部連携
クラウドログは、シングルサインオンを採用しているため、外部認証によりログイン情報の管理が不要になります。新規でメールアドレス登録できるのはもちろんのこと、GoogleアカウントやMicrosoftアカウントでのログインも可能です。
SAML認証でログイン画面が不要になるだけでなく、セキュリティレベルを高められるのも利点として挙げられます。
クラウドログのメリット
クラウドログの機能を整理したところで、ここではクラウドログのメリットを紹介します。
- スマホ完全対応
- 他サービスとの連携が可能
- 業務に関わる数値を見える化
順に見ていきましょう。
スマホ完全対応
すべての機能がスマホに完全対応しているため、場所・時間を選ばずに工数や担当者の進捗具合を確認可能です。また、「ドラッグ&ドロップで直感的に工数を入力できる」と操作性にも定評があり、多くの企業で導入されています。
他サービスとの連携が可能
他サービスとの連携ができる点も見逃せません。企業でよく使われているGoogleカレンダーやOutlookカレンダーなどのカレンダーサービスと連携しているため、工数登録が簡単にできます。
さらには、Google拡張機能もリリースされているため、それを使えばGoogleカレンダー上から簡単に工数の登録が可能となります。
業務に関わる数値を見える化
クラウドログは、業務に関わる数値を簡単に見える化できます。一般的に工数管理を行う目的として、売上や予算に対する稼働率・原価率の数値化・可視化が挙げられます。
クラウドログでは、これらの数値を見える化できるのはもちろん、プロジェクトの稼働状況や損益をレポートとして確認することも可能です。
例えば、Excelを使用している場合、工数データのシート作成やデータ反映、そしてデータ分析などを行う必要がありますが、クラウドログを利用すれば、即座にデータ抽出・分析ができます。
クラウドログ公式サイトによると、クラウドログの導入前後で、集計作業の手間を95%削減できるとのこと。業務効率化を図りたいなら、クラウドログのような工数・プロジェクト管理ツールの活用は必須といえるでしょう。
クラウドログのデメリット
クラウドログの機能とメリットと知ったら、今すぐにでも導入したいと思いますよね。しかし、デメリットを理解しないで導入することは危険です。
ここでは、クラウドログのデメリットを2つご紹介します。
- 現実データとのギャップ
- 導入後の学習コスト
現実データとのギャップ
クラウドログに限ってのデメリットではありませんが、工数管理を行う際には、メンバーにどの作業にどれだけの時間を費やしたかを報告してもらう必要があります。
その際、明確な基準をもとに報告をしないと、作業ボリュームや作業時間があいまいなものとなってしまうため、プロジェクト全体のコスト・利益管理にズレが生じてしまいます。現実と画面上のデータとの間にギャップが生まれた状態でプロジェクトを進行するのは非常に危険です。
そのため、メンバー全員との間に共通認識を作り、正確な報告をしてもらえるような環境づくりをしなければいけません。
導入後の学習コスト
クラウドログは操作性に長けているため、導入後の学習コストは比較的少なくて済みますが、それでも工数管理ツールを日々の業務に落とし込むには、多少の時間がかかることは理解しておく必要があります。
いざクラウドログを取り入れたものの、操作に慣れるのに時間がかかったり、使用のたびに手が止まっていては、学習コストによる損失が膨らんでしまうでしょう。
クラウドログの料金プラン
クラウドログの料金プランは2種類で、どちらも初期費用は0円です。
- ベーシックプラン:単一部署の利用に最適
- プレミアムプラン:100名以上の利用に最適
2つのプランの違いについては、下記の表をご確認ください。
ベーシックプラン | プレミアムプラン | |
工数管理・プロジェクト管理の基本機能が利用可能、単一部署でのご利用に最適 | 外部ツールとのAPI連携や部署別の設定など複数の部署での100名以上のご利用に最適 | |
費用 | お見積もり | お見積もり |
工数/プロジェクト管理 | ◯ | ◯ |
ガントチャート | ◯ | ◯ |
勤怠管理 | ◯ | ◯ |
レポート | ◯ | ◯ |
損益管理 | ◯ | ◯ |
Google/Microsoftカレンダー | ◯ | ◯ |
連携 | ◯ | ◯ |
メンバー権限設定 | ◯ | ◯ |
IP制限 | ◯ | ◯ |
工数認証ワークフロー | – | ◯ |
部署履歴 | – | ◯ |
アクティビティログ | – | ◯ |
API連携 | – | ◯ |
SAML認証 | – | ◯ |
競合他社との比較
クラウドログは、競合他社の製品と比較してどのような水準(性能・価格等)なのでしょうか。
以下の表を参考に見比べてみてください。
ツール名 | 特徴 | 価格 |
クラウドログ | ・スマホ完全対応 | 要問合せ |
Pace(ペース) | ・充実した日報機能 | 550円/1名〜 |
EnkinGT | ・使いやすいインターフェース | 月額8,500円/ユーザ無制限 |
TeamSpirit | ・勤怠管理と工数管理が一体 | 初期費用 150,000円 + 600円/1名 ~ |
クラウドERP ZAC | ・勤怠管理/工数管理/経費精算など複合型 | 要問合せ |
クラウドログの口コミ・評判
既にクラウドログを利用している企業はどのような感想を持っているのでしょうか。
以下、公式サイトに記載の口コミになりますので、導入前に検討の判断材料としてください。
□勤務管理機能との連動と操作性の良さで、工数の入力漏れが改善されました
以前使っていた、勤務システムの工数管理機能だと入力漏れがあってもわからなかったのですが、クラウドログではタイムシートレポート機能で直感的に確認できるようになりました。
タイムシートレポートでは、「勤務合計時間」と「工数合計時間」に差異があるとアラート表示がされるので、工数登録の入力漏れの防止に役立っています。
引用: 株式会社電通マネジメントサービス
ークラウドログの導入でどのような成果がありましたか。
プロジェクトの予算や工数の消化率をすぐ確認できるようになったことが最も大きな成果です。以前は同じ数値を計算するために半日も掛かっていましたが、現在では集計工数的を大幅に減らすことができ、結果として月次から週次で確認できるようになりました。
プロジェクトに関するデータを、社員個々人が確認できるようになったことも大きな成果です。現場の担当者レベルでも「このくらい工数を使ってしまっているので、プロジェクトの進め方はどうしましょう」と自主的に判断できるようになったと思います。
引用:株式会社イーツー・インフォ-導入事例
□予算に対する稼働状況を確認できるようになりました
クラウドログへの工数の登録状況から、プロジェクトごとに予算に対しての稼働状況を確認しています。例えば、協力会社から工数登録が行われていない場合は、実際に稼働しているのか問い合わせをして、登録を促しています。
予算に対しての稼働状況を把握できるため、稼働時間が予算よりも大幅に超過しているときには、工数を締める前に把握できることもメリットです。実際に予算に対して稼働時間が20%増になっていたケースでは、登録間違いが判明したことがあります。
引用:アットホーム株式会社
クラウドログを導入すべき会社
クラウドログに関する基礎情報を理解したところで、ここではクラウドログを導入すべき企業を紹介します。
以下に該当する企業は導入を前向きに検討してみてください。
プロジェクトを複数進めている企業
複数のプロジェクトを同時に進めている企業では、従業員がどのプロジェクトに何時間働いているのかを把握することが重要です。クラウドログを導入すれば、各プロジェクトごとに時間配分を明確にし、リソースの最適化が可能になるでしょう。
チームで作業を行う企業
複数人でプロジェクトを進める場合、誰が何を担当しているのか、どの程度進んでいるのかを把握することは非常に困難です。クラウドログを導入することで、各メンバーのタスク状況を共有し、プロジェクトの進捗をリアルタイムで把握することができます。
経営戦略の一環として効率化を進めている企業
クラウドログを通じて、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで把握し、業務効率の向上を図ることができます。また、経営層が活用すれば、人員配置の見直しや業務プロセスの改善など、経営戦略の一環として効率化を進めることもできるでしょう。
クラウドログの申し込みの流れ
最後に、クラウドログの申し込み方法の流れを確認しましょう。
クラウドログに正式な申し込みをする際は、「クラウドログ正式版お申込みフォーム」からフォームを送信する必要があります。専用のフォームが用意されているため、間違えないよう注意してください。
フォームより申し込みをしたら、担当より折り返し確認のメールが送られます。書面での手続きはなく、メールとPDFで完結します。
□クラウドログ正式版お申込みフォームはこちらから
【kyozon編集部おすすめ】あわせて検討したいCRMシステム「カナリークラウド」
内容 | |
提供会社 | 株式会社カナリー |
価格 | 要問合せ |
無料トライアル | × |
主な機能 |
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カナリークラウドは、不動産仲介業務に特化した顧客管理・営業支援システムです。自動追客や物件紹介の自動化など、顧客対応の質を高める機能が充実しています。
顧客とのやり取りは一画面に集約されるため、対応漏れによる顧客取りこぼしを防ぐことが期待できます。また、売上・入金集計や簡易的な物件管理、緻密な分析までカナリークラウドで完結できる点も魅力です。
「不動産仲介業務を効率化したい」「売上向上につながる機能を探している」「仲介業務特化型のCRMに興味がある」場合は、前向きに導入を検討してみるとよいでしょう。
まとめ
クラウドログは、クラウド型工数管理・プロジェクト管理ツールです。クラウドログの特筆すべき点は、優れた機能を有していながら、費用コストも抑えられる点です。
導入実績も十分なことから、幅広い企業で注目を集めており、導入した企業は作業効率のアップや時間短縮につなげています。
自社の目的や予算に応じて、クラウドログの活用を検討してみてはいかがでしょうか。