日々のマーケティング活動で「複数のツールを導入しているからデータ管理が大変」「データが多すぎて分析に時間がかかる」といった課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そのような方には、データを統合・一元管理・分析できるDMP(Data Management Platform)がおすすめです。
本記事では、DMPとはどのようなツールなのか解説した後、導入する効果・メリットを紹介します。また、DMPの選び方を踏まえて、5つのDMPを比較して紹介するので、ぜひご参考ください。
DMPとは
DMPとは「Data Management Platform」の略で、別々のサーバーやシステムなどに管理されているデータを集約して一元管理し、分析するためのプラットフォームです。主にマーケティング活動で用いられるツールで、広告配信などのマーケティング施策を立案する際に活用されます。
マーケティングでは、ビッグデータのような社外のデータや、顧客情報やWebサイトの解析情報など社内で管理されているデータなど、膨大かつ多種多様なデータを扱います。
これらのデータは、もともと別々のデータベースやツールなどに蓄積されています。そのため、見たいデータがどこにあるのかわからなかったり、データを掛け合わせて分析するのが難しかったりするなど、非効率な運用になることもあります。
そこでDMPを活用すると、このように点在しているデータを一元管理できるため、効率的にマーケティング活動を実行できるのです。
DMPを導入する効果・メリット
DMPを導入することで、以下の効果やメリットが見込めます。
客観的に分析ができる
社内外のあらゆるデータを基にした分析ができるため、客観的な視点で物事を判断できます。
マーケティング活動では、しばしば「今まで、この方法で成功していたから」「この方法が流行っているから」など、あいまいな理由で施策を実行するケースが見られます。ところが、このように主観的な判断では失敗する可能性が高く、せっかく費用をかけたのに採算がとれない場合もあります。
しかし、DMPは膨大なデータから傾向やルールを導くことができるため、事実に沿って客観的に分析ができるのです。
ターゲット層をより細かく設定できる
DMPを活用すると、顧客に関する多様なデータを分析できるため、自社のターゲット層を細かく設定できます。
DMPには、自社で管理している顧客情報(ファーストパーティーデータ)のほか、パートナー企業が管理するデータ(セカンドパーティーデータ)や、政府・自治体・データ収集会社などが管理するデータ(サードパーティーデータ)も蓄積できます。
これらのデータを統合したりかけ合わせたりして分析することで、より自社の顧客像が明確になるでしょう。
そのため、ターゲットとするユーザー層を細かく設定でき、より効果的なマーケティング施策を打ち出せます。
マーケティングコストや手間を削減できる
マーケティングに関するデータを収集・分析することは、大きなリソースがかかります。
さまざまなシステムやデータベースからデータを抽出してフォーマットに書き出し、必要なデータから分析を行います。これらの作業を、人手で行うことは容易ではありません。
また、人手による作業では時間がかかりすぎて人件費が増えるだけでなく、ミスが発生して大きな損害を生む可能性もあるでしょう。
一方、DMPはデータの収集や分析を自動で実行できます。結果としてマーケティングの関するコストや手間を削減でき、他の作業にリソースを充てられます。
DMPの正しい選び方
さまざまなDMPが流通しているので、比較・選定の際には以下のポイントに着目しましょう。
プライベートかパブリックか
DMPの提供パターンは、プライベートかパブリックの2種類に分かれます。
プライベートDMPとは、Webサイトのアクセス解析データやECサイトで得られた顧客情報など、自社で収集・管理されているデータを扱うDMPです。つまりファーストパーティーデータを扱うDMPと言えます。
一方のパブリックDMPはオープンDMPとも言われ、検索エンジンや他社サイトなど、社外のデータを扱うDMPです。 また、両者をあわせもつDMPもあります。
自社の目的やマーケティング施策に適したDMPを選択しましょう。
操作性が優れているか
DMPは膨大なデータを扱うため、分析工程が難しかったり専門用語が使われていたりするDMPもあります。しかしDMPを初めて導入する場合、そのように複雑なDMPだと定着につながりません。
そのため、誰が使ってもわかりやすく見やすい、操作性に優れたDMPを選ぶことが重要です。
導入前の比較段階で、デモ画面を見せてもらったり、無料トライアルで実際に使ったりして、操作性を確認しましょう。また、実際に利用する現場のメンバーに使ってもらい、操作性を比較することもおすすめです。
料金体系や契約形態はどのような形式か
DMPによって料金体系や契約形態が異なるため、事前に確認が必要です。
たとえばオンプレミス型のDMPの場合、買い切りの契約になり、設計や構築のために膨大な初期費用がかかります。
一方、クラウド型のDMPは、一般的にサブスクリプション方式で提供されているため月々の利用料金が発生します。利用量に応じた従量課金制DMPもあります。
DMPによって料金体系・契約形態が異なるため、費用対効果を算出したうえで、自社で運用しやすい形式のDMPを選択しましょう。
【比較】代表的なDMP5選
ここからは、代表的なDMPを5製品紹介します。比較検討の際の、参考にしてください。
Rtoaster
「Rtoaster(アールトースター)」は、大きく以下3つの機能が搭載されたプライベートDMPです。
- Rtoaster insight+:膨大なデータを統合して顧客のインサイトを分析する
- Rtoaster action+:分析結果を基にWebサイトなどでコンテンツを表示し、顧客にアクションを促す
- Rtoaster reach+:LINEやアプリなどでメッセージ配信やプッシュ通知を行う
データの統合・分析から施策の実行まで1つのツール内で行えるため、業務効率化が期待できます。データから導いた事実に基づいた施策を展開できるので、より成果を高められるでしょう。
料金プラン
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Fortuna
「Fortuna(フォーチュナ)」は、データ統合・分析・施策実行の一連のプロセスを実行できるDMPです。 社内データだけでなく外部データも収集でき、プライベートDMPとパブリックDMPの双方を兼ね備えています。
分析結果はメール配信やプッシュ通知、SNS広告配信などの施策に落とし込めるので、適切なチャネルで顧客へリーチできます。
料金プラン
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juicer
「juicer(ジューサー)」は、基本料金無料で利用できます。豊富な機能を無料で利用できるため、マーケティング予算が限られている組織におすすめです。
データ分析だけでなく、ABテストやポップアップバナーといった施策実行、スコアリングなど、マーケティング活動全般を支援する機能が充実しています。
料金プラン
- 基本プラン 0円
- 【オプション】データ活用費 20万円〜/月
- 【オプション】レポートダウンロード費 5万円〜/月
- 【オプション】セグメント利用料 5万円
b→dash
プログラミング不要で利用でき、直感的に操作しやすいインターフェースが特徴の「b→dash(ビーダッシュ)」。
プロダクトを組み合わせることで、データの統合・加工から分析、さらにはWebサイト最適化やメール配信などの施策実行まで、トータルで行えます。
オンボーディングプログラムも充実しているので、ツールの運用定着に課題を抱えている企業にもおすすめです。
料金プラン
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Adobe Audience Manager
「Adobe Audience Manager」は、膨大なデータをAIが解析して整理し、セグメント化してくれるDMPです。 リアルタイムでデータを分析して素早くアクションとして実行できるため、機会損失を防いで成果を高めます。
Adobe Experience Cloudの一つとして提供されているので、他のソリューションともシームレスな連携が可能です。
料金プラン
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Adobe Audience Manager公式サイトはこちら
まとめ
日々マーケティング活動を行っていると、データはどんどん増え続けていき、管理しきれなくなります。しかし、データにこそ事実が隠されているので、活用しない手はありません。
そんな膨大なデータを統合・分析できるDMPは、マーケティングには必要不可欠のツールと言えます。
Excelなどの表計算ソフトでのデータ管理に限界を感じている組織、複数のツールを導入していてデータが点在 している組織は、DMPの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、当メディア「kyozon」ではマーケティング活動を支援するツールやサービスを多数紹介しています。資料のダウンロードも可能なので、ぜひお役立てください。
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