ファイル暗号化とは?
ファイル暗号化とは、ファイルに鍵をかけることで暗号化し、第三者が解読できないようにすることです。
セキュリティ対策の一環として、多くの企業がファイル暗号化を取り入れています。ファイルが暗号化されていれば、第三者がファイルにアクセスしようとしても、内容を見ることができません。
反対に、暗号化されていないと、誰でも簡単にファイルにアクセスできてしまうため、情報漏洩やデータの改ざんのリスクがあり、大変危険です。
情報を暗号化することで、きちんとセキュリティ対策ができ、安心してデータを取り扱うことができるのです。
ファイル暗号化の仕組み
ファイル暗号化は、「鍵」を使ってデータを保護する仕組みになっています。送信者がファイルに「鍵」をかけて暗号化し、受信者も「鍵」を使って暗号化を解きます。
暗号化を解くことを復号と言い、復号するためには、送信者と受信者で鍵の共有が必要です。
自宅でのリモートワークや、カフェやシェアオフィスでの作業の際は、社外の人の目にデータが触れる可能性があるため、暗号化をしておくことで情報の漏洩を防げます。
ファイルを暗号化するには、主に以下の方法があります。
- 圧縮ファイルにパスワードをつける
- Microsoft 365のパスワード機能を使う
- 暗号化用のツールを使う
記事の後半では、おすすめの暗号化ツールをご紹介していますので、併せて参考にしてください。
ファイル暗号化のメリット
では、ファイルを暗号化することで、どんなメリットがあるのでしょうか。最も大きなメリットとして挙げられるのが、情報漏洩を防げる点です。
暗号化されたファイルは、鍵がなければ開くことができません。そのため、万が一パソコンの盗難やデータの流出があっても、ファイルの中身を知られてしまうことはかなり低いでしょう。
また、間違った相手にファイルを送信してしまった際にも暗号化は有効的です。社内の機密データを同僚に送るはずが、取引先に送ってしまったという事態は考えただけでも恐ろしいことですよね。
ファイル暗号化をすれば、このような誤送信によって、機密データ・公開前のデータが社外に漏れるのを防ぐことができます。
さらに、ファイルサーバー上でも暗号化して保存しておくことで、不正アクセスによる情報の流出を防止できます。何かしらの手段でウイルスに感染してしまった時も、情報を解読される心配がなく、安心してデータの保管ができるでしょう。
ウイルスの侵入や不正アクセスは、どんな強力な対策を行っていても100%防ぐことはできません。
しかし、ファイルの暗号化を行っていないと、常に大切なデータを危険に晒してしまうことになり、思わぬタイミングで情報が流出してしまう可能性があります。
もしもの時に備えて、ファイルを暗号化しておくことが大切です。
ファイル暗号化の進化
個人情報や機密情報の流出が日々ニュースでも取り上げられていますが、ファイルの暗号化も時代の流れに合わせて進化を遂げています。
最近では、2020年から2021年に「PPAP問題」が話題となりました。PPAPとは、暗号化したZipファイルを送信した後に、別のメールでパスワードを送信することで「鍵」を共有する方法です。
しかし、このPPAPではセキュリティ対策をすることができないのでは?という意見が多く見られるようになりました。
先述した通り、PPAPはファイルを送った相手に続けてパスワードを送るという流れが基本です。そのため、メールの誤送信に気づきにくく、気づいた時にはパスワードも送信済みで、手遅れになってしまうのです。
PPAPが問題視されるようになり、近年ではZipファイルでの暗号化ではなく、ツールを用いた暗号化が主流となってきています。
ファイル暗号化のツールとは?
ファイル暗号化ツールとは、アルゴリズムによってファイルを暗号化するソフトのことです。ファイル暗号化ツールを使ってファイルに暗号をかけることで、よりセキュリティが高い状態でデータのやりとりが可能です。
PPAPのように、Zipファイルに暗号をかけ、メールで送り、さらにパスワードを送るといった手間が省けます。安全性・機能性どちらにおいても、PPAPより優れていると言えるでしょう。
ファイル暗号化ツールには、様々な種類があり、単に有料・無料の差だけではなく、物によって機能が大きく異なります。操作が難しすぎて使いこなせなかったり、セキュリティ対策が甘く、ウイルスに感染してしまっては元も子もありません。
知識がないまま選んで後悔してしまう前に、以下のおすすめツールを参考にしてみてください。
ファイル暗号化のおすすめツールを厳選紹介6選
最初に、ツールを選ぶ際のポイントを3つ紹介します。このポイントを押さえて、どのツールを導入するか検討してみてください。
一つ目は、「操作」です。初めて暗号化ツールを導入する場合は、操作が簡単で直感的なものを選ぶのがおすすめです。作業の流れを邪魔することもありませんし、操作ミスによる情報漏洩も防ぐことができます。
二つ目は、「スピード」です。暗号化されるスピードが遅いと、暗号化をするのが面倒くさいと感じてしまう可能性があります。「面倒くさいから、まあいいや」を防ぐためにも、想定されるデータの容量に対応できるものを選びましょう。
三つ目は、「サポート」です。暗号化ツールは、社内の大切な情報を扱うデリケートなツールです。万が一のことを考えて、サポート体制が備わっているツールを選ぶと安心です。使用している時に不安な点がある場合も、電話やチャットで相談できるといいですね。
Fileforce(ファイルフォース)
内容 | |
提供会社 | ファイルフォース株式会社 |
料金プラン |
※初期費用無料 |
無料トライアル | ◯ |
特徴 | ・ランサムウェア被害ゼロ |
公式URL |
Fileforce(ファイルフォース)は、データ保存先・開発・運用を日本国内に限定しているほか、通信やデータをすべて暗号化することで、ファイルが暗号化されて利用できなくなるランサムウェアによるファイル消失被害ゼロを実現したクラウドストレージです。
社内や外部、テレワークなど、メンバーに合わせて柔軟にアクセス権限設定ができるため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。
バックアップや災害対策はもちろん、改正・電子帳簿保存法に対応しているので、膨大なファイルの一元管理が可能。Unlimited-1以上のプランはユーザー数無制限となっているため、自社の規模やデータ量に合わせて最適なプランを選べます。
SafeNet KeySecure
「SafeNet KeySecure」は、とにかく高い安全性が魅力のツールです。会社の機密情報だけではなく、クレジットカードやマイナンバーなどの個人情報の管理にもうってつけです。
操作や管理工程に自信がある場合や、機密情報を扱っている企業でセキュリティ対策を特にしっかりしたい場合はおすすめです。
VeraCrypt
「VeraCrypt」は、無料でインストール・利用ができるフリーソフトです。フリーソフトなので手軽に利用ができ、人に見られたくないデータを安心して保管できます。
大容量のデータを取り扱うのには不向きですが、プライベートの情報を保護したい場合や、簡単な操作を求めている人、小規模企業で導入を考えている場合におすすめです。
セキュリティ・ウェアハウス
「セキュリティ・ウェアハウス」は使いやすさと安全性を兼ね備えた人気のツールです。Windowsに似た利用画面のため、馴染みが良く、インストール後にすぐに利用できるところから、初心者からも支持されています。
ファイル〜フォルダ単位で暗号化されているため、データを頻繁に持ち運ぶ人でも安心です。
FileCapsule Deluxe Portable
「FileCapsule Deluxe Portable」は、暗号化のスピードが高速で、更に操作も簡単な優れものです。初めて使う人でも手軽に使うことができるため、パソコンの操作に自信がなくても問題なく使用できるでしょう。
処理速度が素早いため、業務の効率化を重視したい人にもおすすめのツールです。
アタッシェケース
「アタッシェケース」は、操作が簡単かつ、暗号が強力なことで知られています。ITの知識がなくても使いやすく、送り先にソフトがなくても復号が可能です。
無料版には、高いセキュリティ機能やサポートはありませんが、初めて暗号化ツールを使おうと考えている場合は特におすすめです。
ファイル暗号化ツールを上手に使うコツとは?
わざわざツールを使わなくても、自分で暗号化をすればいいのでは?と思った方もいるかもしれません。しかし、ファイル暗号化ツールを使って暗号化をすることで、業務において様々なメリットがもたらされます。
ツールがなければ、ファイルを自動で暗号化しなければなりませんが、ツールを利用すればその手間が省け、業務の効率を高めることができます。
また、自動で強度の高いパスワードを設定してくれるため、パスワードが予測されてしまう事態も防げるでしょう。うっかりファイルを暗号化し忘れてしまうリスクも減らせます。
会社では、取引先や社外の人のデータも取り扱います。ファイル暗号化ツールを導入していることをアピールすれば、お互いに安心してやりとりができるでしょう。
大切なデータを安全に共有したい時はもちろん、社員の個人情報の保護や、自身のプライベートを守るためにも、暗号化ツールを使ってファイルの暗号化をすることをおすすめします。
まとめ
本記事では、ファイル暗号化の基礎から、メリット、おすすめの暗号化ツールについてご紹介しました。ファイルを暗号化することで、第三者からデータを守ることができ、情報漏洩や改ざんを防げます。
また、メールの誤送信の際にもリスクを減らすことができ、ファイル暗号化を取り入れることで社外からの信用も得やすいでしょう。
ファイルを暗号化するのは少々手間に感じるかもしれませんが、暗号化ツールを使えば、自動で暗号化してくれるので大変便利です。
セキュリティ対策が問われる今の時代、ファイル暗号化ツールを正しく使って大事な情報を守りましょう。