社内SNSとは

社内SNSとは、企業や組織の内部で利用される、限定されたユーザー向けのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)です。従業員同士がプロフィール機能やタイムライン(掲示板)、メッセージ機能などを通じて、業務上の情報共有はもちろん、部署や役職を超えたオープンなコミュニケーションを取るためのプラットフォームとして活用されます。
従来のトップダウン型の情報伝達だけでなく、従業員一人ひとりが自由に情報を発信・共有できるのが大きな特徴です。これにより、組織の一体感醸成や、個人が持つ知識・ノウハウの可視化、偶発的なアイデアの創出といった効果が期待できます。
ビジネスチャットとの違い
社内SNSの導入を検討する際、よく比較対象となるのが「ビジネスチャット」です。両者はコミュニケーションを円滑にするという共通の目的を持ちますが、その主眼とする役割や得意なコミュニケーションの形式が異なります。どちらか一方が優れているというわけではなく、目的応じて使い分ける、あるいは連携させることが重要です。
| 比較項目 | 社内SNS | ビジネスチャット |
|---|---|---|
| 主な目的 | オープンなコミュニケーション促進、ナレッジ共有、企業文化の醸成、エンゲージメント向上 | 業務連絡、タスク管理、迅速な意思疎通 |
| コミュニケーション形式 | 多対多(オープンな場が中心) | 1対1、1対多(クローズドな場が中心) |
| 情報の性質 | ストック型(検索性が高く、後から参照しやすい情報) | フロー型(リアルタイムで流れていく情報) |
| 会話の方向性 | 非同期(各自のタイミングで閲覧・投稿) | 同期・即時性(リアルタイムでのやり取りを重視) |
| 代表的な機能 | プロフィール、タイムライン、グループ作成、いいね・リアクション、ブログ機能、社内報 | ダイレクトメッセージ、グループチャット、タスク管理、ファイル共有、ビデオ通話 |
社内SNSが注目される背景
近年、多くの企業で社内SNSの導入が進んでいる背景には、社会や働き方の大きな変化があります。従来のコミュニケーション手法だけでは対応しきれない経営課題を解決する手段として、その重要性が高まっています。
主な背景として、以下の4つの点が挙げられます。
1. 働き方の多様化とコミュニケーションの変化
リモートワークやハイブリッドワークが普及したことで、従業員が物理的に同じ空間で働く機会が減少しました。これにより、業務連絡はできても、オフィスでの何気ない会話(雑談)から生まれるアイデアや、他部署のメンバーとの交流が激減。組織としての一体感の希薄化や、部門間の連携不足といった課題が顕在化しました。社内SNSは、こうした非対面環境における新たなコミュニケーション基盤として期待されています。
2. 人材の流動化とナレッジマネジメントの必要性
終身雇用が前提ではなくなり、転職が当たり前の時代になりました。人材の流動性が高まる中で、個人の経験や勘に依存した知識・ノウハウ(暗黙知)は、その人の退職とともに組織から失われてしまいます。社内SNS上で日々の業務に関するやり取りや成功事例を共有・蓄積することで、属人化しがちな知識を組織全体の資産(形式知)として残す、ナレッジマネジメントの重要性が高まっています。
3. DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
企業が競争力を維持・強化するために、DXの推進は不可欠です。DXを成功させるには、単にツールを導入するだけでなく、組織の壁を越えたデータ活用や部門横断的なプロジェクトの推進が求められます。社内SNSは、部署や役職の垣根を越えた情報共有とコラボレーションを促進し、組織の縦割りを打破するための有効なツールとして注目されています。
4. 従業員エンゲージメントへの関心の高まり
従業員エンゲージメントとは、従業員が企業に対して抱く「貢献意欲」や「愛着心」を指します。エンゲージメントの高い組織は、生産性や顧客満足度が高く、離職率が低い傾向にあることが知られています。社内SNSは、経営層からのビジョン共有や、従業員同士の称賛文化の醸成、社内イベントの活性化などを通じて、従業員のエンゲージメントを向上させるための具体的な施策を実行する場として活用されています。
社内SNSを導入する5つのメリット

社内SNSの導入は、単に新しいツールを入れるということ以上の、大きな経営効果をもたらす可能性があります。メールやビジネスチャットとは異なる特性を持つ社内SNSが、企業にどのような変革をもたらすのか。ここでは、導入によって得られる5つの主要なメリットを具体的に解説します。
メリット1:コミュニケーションの活性化
社内SNS導入の最も大きなメリットは、組織内のコミュニケーションが質・量ともに活性化することです。従来の縦割り組織や物理的な距離の壁を越えた、オープンなコミュニケーションが生まれます。
例えば、メールや電話では連絡を取りにくかった他部署の担当者や、普段は接点のない経営層とも気軽に意見交換ができます。業務上の相談だけでなく、個人の趣味や学びを共有する雑談から、思わぬコラボレーションや新しいアイデアが生まれることも少なくありません。
特にテレワークやハイブリッドワークが普及する現代において、オンライン上での偶発的な出会いや会話(デジタル・ウォータークーラー)を創出する場として、社内SNSは従業員の孤独感を和らげ、組織の一体感を維持するために不可欠な役割を果たします。
| ツール | コミュニケーション形式 | 情報伝達の範囲 | 得意なこと |
|---|---|---|---|
| 社内SNS | 多対多(オープン) | 全社・部署横断 | 偶発的な交流、ナレッジ共有、文化醸成 |
| ビジネスチャット | 1対1、1対多(クローズド) | プロジェクト・チーム内 | 業務連絡、タスクに関する迅速なやり取り |
| メール | 1対1、1対多(クローズド) | 指定した相手 | 公式な連絡、社外とのやり取り、記録保持 |
メリット2:迅速な情報共有と意思決定
社内SNSは、情報の伝達スピードを劇的に向上させます。従来のメールリレーや会議での伝達と異なり、必要な情報を関係者全員にリアルタイムで共有できるため、伝言ゲームによる情報の劣化や遅延を防ぎます。
経営層からの重要なメッセージも、全従業員に直接、そして迅速に届けることが可能です。また、投稿に対する「いいね!」やコメント機能によって、情報がどれだけ伝わったか、従業員がどう受け止めたかを可視化することもできます。
さらに、現場で発生した問題や顧客からのフィードバックが即座に共有されることで、課題の早期発見と迅速な対応が可能になります。これにより、現場主導での改善活動が活発化し、組織全体の意思決定のスピードアップに繋がります。
メリット3:知識やノウハウの蓄積と継承
多くの企業が抱える課題の一つに、業務知識やノウハウの「属人化」があります。ベテラン社員の頭の中や、個人のメールボックスに眠っている貴重な情報が、社内SNS上でやり取りされることで、自然と組織の資産として蓄積されていきます。
例えば、「〇〇のトラブルシューティング方法」「効果的な提案資料の作り方」といった投稿は、組織全体の「知恵袋」となり、後から入社したメンバーでも検索機能を使えば簡単にアクセスできます。これにより、同じ質問が繰り返される手間が省け、教育コストの削減にも繋がります。
個人の暗黙知が形式知へと変換され、組織全体で共有・活用されるサイクルが生まれることで、退職によるノウハウの流出リスクを低減し、持続的な成長を支える強固なナレッジベースを構築できます。
メリット4:従業員エンゲージメントの向上
従業員エンゲージメントとは、従業員が企業に対して抱く「貢献意欲」や「愛着心」のことです。社内SNSは、このエンゲージメントを高める上で非常に効果的なツールです。
部署や役職に関わらず誰もが情報を発信し、意見を表明できるオープンな環境は、従業員の主体性を育みます。自分のアイデアや意見が認められたり、業務改善に繋がったりする経験は、仕事へのモチベーションと会社への帰属意識を大きく向上させます。
また、同僚の成功事例や努力が可視化され、称賛や感謝を気軽に伝え合う文化が醸成されることも、エンゲージメント向上に寄与します。ポジティブなコミュニケーションが組織に広がることで、従業員一人ひとりがやりがいを感じながら働ける職場環境が実現し、結果として離職率の低下にも繋がります。
メリット5:企業理念やビジョンの浸透
「企業理念やビジョンが、額縁の中の言葉になってしまっている」という悩みはありませんか。社内SNSは、経営の想いを全従業員に届け、浸透させるための強力なチャネルとなります。
経営トップが自らの言葉で、会社の向かうべき方向性や事業にかける想いを定期的に発信することで、従業員は経営をより身近に感じることができます。トップメッセージに対して従業員がコメントや質問を返すといった双方向の対話が生まれることで、理念やビジョンが「自分ごと」として深く理解され、日々の業務に落とし込まれていきます。
全従業員が同じ目標と価値観を共有することで、組織としての一体感が生まれ、変化の激しい時代を乗り越えるための強い推進力となるでしょう。
社内SNS導入のデメリットと対策

社内SNSは多くのメリットをもたらす一方で、導入や運用方法を誤ると逆効果になる可能性も秘めています。しかし、あらかじめデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、そのリスクは最小限に抑えることができます。ここでは、代表的な3つのデメリットとその対策について具体的に解説します。
デメリット1:導入と運用にコストがかかる
社内SNSの導入には、金銭的・時間的なコストが発生します。特に、多機能なツールや大規模な組織での導入には、相応の投資が必要です。
具体的には、ツールのライセンス料やサーバー費用といった「導入コスト」に加え、運用を担当する管理者の人件費や、従業員への研修、利用を促進するためのコンテンツ作成といった「運用コスト」も継続的に発生します。これらのコストを考慮せずに導入を進めると、費用対効果が見合わず、プロジェクト自体が頓挫してしまうリスクがあります。
これらのコストに関する課題を乗り越えるためには、次のような対策が有効です。
| 対策 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 費用対効果(ROI)の試算 | 導入前に、社内SNSによって削減が見込めるコスト(例:会議時間、出張費、印刷費など)や、向上する生産性を数値化し、投資対効果を明確にします。経営層への説明責任を果たす上でも重要です。 |
| 目的の明確化と機能の絞り込み | 「コミュニケーション活性化」「ナレッジ共有」など、導入目的を具体的に定義します。目的に合わせて必要な機能を洗い出し、オーバースペックなツールを避けることで、無駄なコストを削減できます。 |
| 無料プランやトライアルの活用 | 多くのツールには無料プランや期間限定のトライアルが用意されています。まずは小規模なチームで試用し、操作性や自社との相性を確認してから本格導入を判断することで、失敗のリスクを低減できます。 |
デメリット2:情報過多で重要な情報が埋もれる
コミュニケーションが活性化することはメリットである反面、投稿数が爆発的に増加し、いわゆる「情報洪水」の状態に陥ることがあります。業務連絡、部署内の情報共有、雑談などが無秩序に投稿されると、本当に重要な通知や緊急の連絡が見逃されてしまう危険性があります。結果として、確認漏れによる業務ミスやトラブルに発展しかねません。
この「情報が埋もれる」という問題を解決するためには、情報を整理し、伝達の優先順位を明確にする仕組みづくりが不可欠です。
| 対策 | 具体的な内容 |
|---|---|
| チャンネル(グループ)設計の工夫 | 「【全社】重要通達」「【営業部】日報」「プロジェクトA」「雑談・趣味」など、目的や部署、トピックに応じてチャンネルを細かく設計します。参加者を限定することで、自分に関係のない情報に煩わされることがなくなります。 |
| 運用ルールの策定 | 投稿時のルールを定めます。例えば、「緊急の連絡には【緊急】とタグ付けする」「全社への周知事項は特定の管理職のみが投稿可能にする」「メンション(@)を適切に使い分ける」といったルールを設けることで、情報の重要度がひと目でわかるようになります。 |
| ツールの機能を活用する | 多くの社内SNSには、重要な投稿をチャンネル上部に固定する「ピン留め機能」や、後で読み返したい投稿を保存する「ブックマーク機能」が備わっています。これらの機能を全従業員が使いこなせるよう、マニュアル作成や研修を行うことが有効です。 |
デメリット3:業務外の利用や私語が増える
社内SNSは手軽に投稿できるため、業務とは直接関係のない私語や雑談が増えやすい傾向にあります。適度な雑談は従業員同士の相互理解を深め、チームワークを向上させる効果も期待できますが、度が過ぎると業務効率の低下を招いたり、一部の従業員が不快感を覚えたりする原因となります。
また、SNSという特性上、ネガティブな発言や他者への誹謗中傷、ハラスメントといったトラブルが発生するリスクも考慮しなければなりません。これらの問題を未然に防ぎ、健全なコミュニケーションの場として機能させるためには、「禁止」ではなく「適切なコントロール」という視点での対策が求められます。
| 対策 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 利用ガイドラインの策定と周知 | 社内SNSの目的を再確認するとともに、禁止事項(個人情報や機密情報の投稿、誹謗中傷、ハラスメント行為など)を明記したガイドラインを作成します。導入時に全従業員から同意を得るなど、徹底した周知が重要です。 |
| 雑談専用チャンネルの設置 | 業務連絡用のチャンネルと、雑談やプライベートな交流を目的としたチャンネルを明確に分けます。これにより、業務に必要な情報が雑談に埋もれるのを防ぎつつ、コミュニケーションの場を確保できます。ランチの誘いや趣味の話など、ポジティブな交流を促す場として活用します。 |
| 管理体制の構築 | 各部署やチームに管理者を置き、定期的なモニタリングを実施します。問題のある投稿が発見された場合に、迅速に注意喚起や削除を行える体制を整えておくことで、トラブルの拡大を防ぎます。 |
失敗しない社内SNS導入の進め方|5ステップ

社内SNSの導入は、やみくもに進めても期待した効果は得られません。目的を達成し、社内に定着させるためには、計画的なアプローチが不可欠です。ここでは、導入プロジェクトを成功に導くための具体的な5つのステップを詳しく解説します。
ステップ1:導入目的を明確にする
社内SNS導入の成否は、最初の「目的設定」で9割決まると言っても過言ではありません。なぜ社内SNSを導入するのか、それによってどのような課題を解決し、どのような状態を目指すのかを具体的に定義することが最も重要です。
例えば、「コミュニケーションを活性化したい」という漠然とした目的だけでは、ツール選定の基準が曖昧になり、導入後の効果測定も困難になります。まずは、経営層から現場の従業員までヒアリングを行い、自社が抱える本質的な課題を洗い出しましょう。
その上で、以下のように目的を具体化します。
- 部門間の連携不足を解消し、プロジェクト横断での情報共有を円滑にする
- 若手社員の離職率低下を目指し、部署や役職を超えたナナメの関係を構築する
- 属人化しているベテランの知識やノウハウを形式知化し、全社で共有できる資産にする
- テレワーク環境下での孤独感を解消し、従業員エンゲージメントを向上させる
明確な目的を設定することで、関係者の意思統一が図れ、導入プロジェクト全体の一貫性を保つことができます。
ステップ2:推進チームと運用責任者を決める
導入目的が固まったら、プロジェクトを牽引する体制を整えます。社内SNSの導入は、情報システム部門だけ、あるいは人事部門だけといった単一部署で進めると失敗しがちです。経営層、人事、情報システム、そして現場の各部門から代表者を集め、部門横断的な推進チームを結成することが成功の鍵です。
推進チームの役割は、ツール選定、ルール策定、導入計画の立案、社内への告知・啓蒙活動など多岐にわたります。様々な立場のメンバーがいることで、多角的な視点から実用的な計画を立てることができます。
さらに、導入後の「運用責任者(コミュニティマネージャー)」を任命することも極めて重要です。運用責任者は、ツールの利用状況をモニタリングし、利用を促進するための企画を考え、トラブル発生時の初期対応を行うなど、社内SNSを「活性化させ、維持する」ための中心的な役割を担います。推進チームのメンバーが兼任する場合もありますが、専任の担当者を置くのが理想的です。経営層からのバックアップ体制を明確にしておくことで、責任者は安心して活動に専念できます。
ステップ3:自社に合ったツールを選定する
市場には多種多様な社内SNSツールが存在します。ステップ1で明確にした導入目的に立ち返り、「自社の目的を達成するために、どのような機能が必要か」という視点でツールを選定しましょう。多機能なツールが必ずしも良いとは限りません。使わない機能が多いと、かえって操作が複雑になり、利用のハードルを上げてしまう可能性があります。
ツール選定の際には、以下の点を総合的に比較検討します。
- 機能:目的に合致した機能が過不足なく揃っているか。
- 操作性:ITリテラシーが高くない従業員でも直感的に使えるか(UI/UX)。
- コスト:初期費用、月額費用は予算内に収まるか。将来的な拡張性も考慮する。
- セキュリティ:自社のセキュリティポリシーを満たしているか。
- サポート体制:導入時やトラブル発生時のサポートは充実しているか。
多くのツールでは無料トライアル期間が設けられています。複数のツールを実際に試してみて、推進チームや一部の従業員に使用感をヒアリングし、自社に最もフィットするツールを見極めることが重要です。
ステップ4:運用ルールを策定する
社内SNSを安心して利用できる場にするためには、明確な運用ルールが不可欠です。ただし、禁止事項ばかりを並べた厳しいルールは、窮屈な印象を与え、投稿をためらわせる原因になります。「何をしてはいけないか」だけでなく、「どのように活用してほしいか」というポジティブなメッセージを伝えるガイドラインを作成することが、利用促進のポイントです。
策定すべきルールの例を以下に示します。
| 項目 | ルールの内容例 |
|---|---|
| 投稿内容 | 業務連絡、ナレッジ共有、日報などを投稿するグループと、雑談や部活動などプライベートな交流を目的としたグループを分ける。 |
| プロフィール | 顔写真、所属部署、担当業務、趣味などを登録することを推奨し、相互理解を促進する。 |
| 禁止事項 | 個人や組織への誹謗中傷、ハラスメント行為、機密情報や個人情報の投稿を明確に禁止する。 |
| 投稿時間 | 業務時間外の投稿や返信を強要しない。緊急時の連絡は電話など別の手段で行うことを周知する。 |
| トラブル対応 | 問題のある投稿を発見した場合の報告先(運用責任者など)と対応フローを明記する。 |
これらのルールは、一度決めたら終わりではありません。運用を開始してから見えてくる課題に対応するため、定期的に見直し、改善していく柔軟な姿勢が大切です。策定したルールは、全従業員がいつでも確認できる場所に掲示しましょう。
ステップ5:スモールスタートで効果検証を行う
準備が整っても、いきなり全従業員を対象に導入するのはリスクが高い選択です。まずは、特定の部署やプロジェクトチーム、あるいは導入に積極的な有志など、限定的な範囲で試験的に導入する「スモールスタート(パイロット導入)」を強く推奨します。
スモールスタートには、以下のようなメリットがあります。
- 予期せぬトラブルや技術的な問題が発生しても、影響範囲を最小限に抑えられる。
- 参加者から具体的なフィードバックを得やすく、運用ルールや活用方法の改善に活かせる。
- ログイン率や投稿数などの利用データを分析し、導入効果を客観的に測定できる。
- 小さな成功事例を作ることで、全社展開時の説得材料となり、他部署の協力を得やすくなる。
スモールスタートの期間中に、設定した目的が達成できそうか、どのような課題があるかを検証します。この効果検証(KPI測定)と改善のサイクル(PDCA)を回し、成功の確信を得てから、段階的に対象範囲を広げて全社展開へと進めていくのが、失敗しないための着実な進め方です。
おすすめ社内SNSツール比較10選

社内SNSの導入で失敗しないためには、自社の課題や目的に合ったツールを選ぶことが不可欠です。しかし、数多くのツールが存在するため、どれを選べば良いか迷ってしまう担当者の方も多いでしょう。この章では、社内SNSツールの選び方のポイントを解説するとともに、目的別におすすめのツールを10種類厳選してご紹介します。各ツールの特徴や料金を比較し、最適なツール選びの参考にしてください。
社内SNSツールの選び方とは?3つのポイント
やみくもにツールを探し始める前に、自社にとって最適なツールを見つけるための「選定基準」を明確にしておくことが重要です。ここでは、ツール選定時に必ず確認すべき3つのポイントを解説します。
導入目的との整合性
まず最も重要なのが、「なぜ社内SNSを導入するのか」という目的と、ツールの機能や特性が合致しているかです。例えば、「部門間のコミュニケーションを活性化させたい」のが目的ならば、タイムライン機能やリアクション機能が充実したツールが適しています。一方で、「業務知識やノウハウを蓄積・共有したい」のであれば、検索機能や文書管理機能に優れたツールを選ぶべきです。多機能なツールが必ずしも最適とは限りません。自社の課題解決に直結する機能を備えているか、という視点で評価しましょう。
操作性の高さと使いやすさ
社内SNSは、一部の社員だけでなく全従業員が日常的に利用してこそ効果を発揮します。そのため、ITリテラシーに関わらず、誰もが直感的に使えるシンプルな操作性は非常に重要な選定ポイントです。多機能であっても、UI(ユーザーインターフェース)が複雑で使い方が分かりにくいと、利用が定着せず形骸化してしまう恐れがあります。多くのツールでは無料トライアル期間が設けられているため、導入前に複数部署のメンバーで実際に操作感を試し、使いやすさを比較検討することをおすすめします。
セキュリティとサポート体制
社内SNSでは、業務上の機密情報や個人情報を含むやり取りが行われます。そのため、企業の情報を守るための堅牢なセキュリティ対策が施されているかは必須の確認項目です。IPアドレス制限、二段階認証、シングルサインオン(SSO)対応、監査ログ機能など、自社のセキュリティポリシーに準じた機能が備わっているかを確認しましょう。また、導入時の設定支援や、導入後のトラブル発生時に迅速に対応してくれるサポート体制が整っているかも、安心して運用を続けるために不可欠な要素です。日本語でのサポートが受けられるか、対応時間などもチェックしておきましょう。
【多機能型】おすすめツール
チャットや情報共有だけでなく、タスク管理、ファイル共有、Web会議など、ビジネスに必要な機能がオールインワンで揃った多機能型の社内SNSです。部署を横断したプロジェクト管理や、テレワーク環境の整備にも役立ちます。
Slack
世界中で利用されているビジネスコラボレーションハブです。チャンネルベースのコミュニケーションが特徴で、トピックごとに会話を整理できます。非常に多くの外部サービスと連携でき、業務の自動化や効率化を強力に推進します。
| 特徴 | 料金プラン(税別) | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ・豊富な外部アプリ連携とカスタマイズ性 ・エンジニアやIT企業での利用実績多数 ・高度な検索機能 | ・フリー:無料 ・プロ:1,050円/ユーザー/月(月払い) ・ビジネスプラス:1,800円/ユーザー/月(月払い) | ・外部ツールを多用しており、情報集約したい企業 ・開発部門と他部門の連携をスムーズにしたい企業 |
Microsoft Teams
Microsoft 365(旧Office 365)に含まれるコミュニケーションツールです。WordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリとのシームレスな連携が最大の強みで、複数人での共同編集もスムーズに行えます。
| 特徴 | 料金プラン(税別) | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ・Officeアプリとの強力な連携 ・Web会議、チャット、ファイル共有を統合 ・Microsoft 365の高度なセキュリティ | ・無料版あり ・Microsoft 365 Business Basic:899円/ユーザー/月(年間契約) ・Microsoft 365 Business Standard:1,874円/ユーザー/月(年間契約) | ・既にMicrosoft 365を導入している、または導入予定の企業 ・Officeドキュメントの共有や共同編集を頻繁に行う企業 |
Workplace from Meta
Facebook(現Meta)社が提供するビジネス向けSNSです。Facebookとほぼ同じ操作性のため、多くの従業員が研修なしで直感的に利用を開始できます。タイムライン形式の投稿や「いいね!」などのリアクション機能で、オープンなコミュニケーション文化を醸成します。
| 特徴 | 料金プラン | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ・Facebookライクな親しみやすいUI ・動画ライブ配信や自動翻訳機能 ・組織図やアンケート機能も搭載 | ・Core Plan: 4USドル/ユーザー/月 | ・ITツールに不慣れな従業員が多い企業 ・トップからのメッセージ発信や企業文化の浸透を重視する企業 |
NotePM
「社内版Wikipedia」をコンセプトにしたナレッジ共有ツールです。強力な検索機能と柔軟な編集機能で、業務マニュアル、議事録、日報、企画書といった社内のあらゆる情報を蓄積し、属人化を防ぎます。
| 特徴 | 料金プラン(税込) | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ・強力な検索機能(全文検索、添付ファイル内検索) ・見やすいテンプレートと簡単な編集機能 ・チャットツールとの連携も可能 | ・プラン8(8名まで):月額4,800円 ・プラン15(15名まで):月額9,000円 ・プラン25(25名まで):月額15,000円 など | ・社内の知識やノウハウの属人化に課題を感じている企業 ・マニュアルや議事録の管理・検索に時間を要している企業 |
【コミュニケーション特化型】おすすめツール
従業員同士の交流を促し、組織の一体感やエンゲージメントを高めることに特化したツールです。称賛文化の醸成や、組織コンディションの可視化といったユニークな機能を備えています。
Talknote
コミュニケーションを活性化させ、組織の課題を可視化するカルチャーマネジメントツールです。AIが投稿内容や利用状況を分析し、従業員のエンゲージメント状態や離職リスクなどを把握できる点が大きな特徴です。
| 特徴 | 料金プラン | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ・AIによる組織コンディションの分析機能 ・サンクス機能やサークル機能で交流を促進 ・専任のコンサルタントによる手厚いサポート | ・要問い合わせ | ・従業員のエンゲージメントを高め、離職率を改善したい企業 ・データに基づいて組織課題を把握し、対策を打ちたい企業 |
gamba!
日報に特化した社内SNSです。テンプレート機能で日報作成の負担を軽減し、目標達成管理(KPI)機能で個人の成長をサポートします。「いいね!」やコメントで、ポジティブなフィードバック文化を醸成します。
| 特徴 | 料金プラン(税別) | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ・日報に特化したシンプルな機能 ・KPI管理機能で目標と実績を可視化 ・スマホアプリで外出先からも手軽に報告可能 | ・ビジネスプラン:980円/ユーザー/月 ・エンタープライズプラン:要問い合わせ | ・日報の提出・管理を効率化し、情報共有を活性化させたい企業 ・若手社員の育成や目標達成への意識を高めたい企業 |
Unipos
感謝や称賛の気持ちをポイントとともに送り合う「ピアボーナス®︎」の仕組みを通じて、組織の心理的安全性を高めるツールです。普段の業務では見えにくい「隠れた貢献」を可視化し、従業員のモチベーション向上に繋げます。
| 特徴 | 料金プラン | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ・「ピアボーナス®︎」で称賛文化を醸成 ・SlackやTeamsと連携して投稿可能 ・貢献度や関係性をAIが分析・可視化 | ・要問い合わせ | ・従業員同士の称賛文化を創り、エンゲージメントを高めたい企業 ・部門間の連携を強化し、一体感を醸成したい企業 |
【無料プランあり】おすすめツール
まずはコストを抑えてスモールスタートしたい企業に最適な、無料プランが用意されているツールです。無料プランの機能制限を確認した上で、自社の使い方に合うか検討しましょう。
Chatwork
純国産のビジネスチャットツールで、シンプルで分かりやすい操作性が特徴です。タスク管理機能が一体化しており、チャット内の会話からそのままタスクを作成・管理できるため、依頼漏れや対応忘れを防ぎます。
| 特徴 | 料金プラン(税別) | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ・シンプルで直感的な操作性 ・チャットと連携したタスク管理機能 ・国内の中小企業を中心に多くの導入実績 | ・フリー:無料 ・ビジネス:700円/ユーザー/月(年間契約) ・エンタープライズ:1,200円/ユーザー/月(年間契約) | ・初めてビジネスチャットを導入する企業 ・社内外のメンバーと手軽にやり取りを始めたい企業 |
LINE WORKS
多くの人が使い慣れている「LINE」の使いやすさをそのままに、ビジネスで必要なセキュリティと管理機能を加えたツールです。LINEのスタンプも利用でき、堅苦しくない円滑なコミュニケーションを促進します。
| 特徴 | 料金プラン(税別) | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ・LINEと同じ感覚で使える操作性 ・既読/未読機能で伝達状況を把握可能 ・カレンダー、掲示板、アンケート機能も搭載 | ・フリープラン:無料 ・スタンダードプラン:450円/ユーザー/月(年間契約) ・アドバンストプラン:800円/ユーザー/月(年間契約) | ・現場仕事や店舗スタッフなど、PCに不慣れな従業員が多い企業 ・迅速な情報伝達と確実な既読確認を重視する企業 |
TUNAG
会社の制度運用と活用を通じて、エンゲージメント向上を支援するプラットフォームです。サンクスカードや社内報、1on1ミーティングの記録など、企業の文化や理念を浸透させるための多様な施策をアプリ上で一元管理・運用できます。
| 特徴 | 料金プラン | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| ・企業の制度や施策をアプリで運用・可視化 ・サンクスカードや社内報など多彩な機能 ・専任の担当者による手厚い活用支援 | ・要問い合わせ ※一部機能は無料で利用可能 | ・企業理念やビジョンを浸透させ、組織の一体感を高めたい企業 ・様々な社内制度を効果的に運用し、定着させたい企業 |
まとめ
本記事では、社内SNSの導入メリットや失敗しないための進め方を解説しました。社内SNSは、コミュニケーションを活性化し、情報共有を迅速化することで、組織全体の生産性向上に大きく貢献します。
一方で、導入目的が曖昧なまま進めると、形骸化してしまうリスクも伴います。成功の鍵は、導入目的を明確にし、自社に合ったツールを選び、運用ルールを定めてスモールスタートすることです。この記事を参考に、貴社の組織課題を解決する最適な社内SNS導入を実現してください。




