IP電話のデメリット
IP電話のデメリットは、以下の通りです。
- 停電すると使えない
- 050の番号では緊急通報ができない
- インターネット回線が混雑すると通話品質に影響がでる
これらのデメリットを1つずつ解説します。
停電すると使えない
停電すると通話機本体に電力が供給されないため、IP電話が使えなくなります。これは、業務用と家庭用どちらにも共通するデメリットです。
停電すると使えなくなる理由は、IP電話の中継を行うVoIPゲートウェイと光信号、電気信号の交換を行うONUが同時にストップすることが原因です。特に、災害時に停電した場合に使えなくなってしまうため、事前に理解しておきましょう。
停電すると使えなくなる主なIP電話は以下の通りです。
- 光回線を使用したIP電話
- ADSL回線を使用したIP電話
- CATVを使用したIP電話・固定電話
- ISDN
- 加入電話(コンセントから商用電源を使用する電話機の場合)
050の電話番号では緊急通報ができない
IP電話の050は、110番や119番のような緊急通報をすることができません。
そもそも110番や119番のような緊急通報は、かけた人の位置情報が送信される仕組みになっています。スマートフォンであればGPSから、固定電話であれば市内の地図情報が、警察署や消防署で瞬時に分かります。これは、パトカーや消防車が通報された場所に迷わず行くために必要とされている機能です。
しかし、050番号やIP電話はインターネット回線を通じて音声のやり取りを行っているため、位置情報を相手に送るような仕組みが確立されていません。
インターネット回線が混雑すると通話品質に影響がでる
IP電話は、インターネット回線を使用して音声を通話を行うため、インターネット接続が不安定な時や回線が混雑した場合に、通話の音質が低下したり通話が途切れたりするデメリットがあります。
また、回線障害が発生した場合には、通話が出来なくなる可能性もあります。基本的には、通常時に通話できなくなってしまう等の問題は起こりませんが、通話に回線の状態による影響を受ける可能性がある点には、注意が必要です。
IP電話のデメリットを解決する方法
IP電話には、以下のようなデメリットがあります。
- 停電すると使えない
- 050の番号では緊急通報ができない
- インターネット回線が混雑すると通話品質に影響がでる
ここからは、これらのデメリットを解決する対策を解説します。
インターネット回線を見直す
IP電話を使用する場合、インターネット環境により通話品質が左右されます。
インターネット回線の速度や安定度を重視するのであれば、通信品質の安定した回線を選びましょう。
ADSLによってインターネット接続している場合には、通話品質が悪くなる場合があるため、インターネット回線そのものを見直す必要がないか確認しましょう。
IP電話のサービス提供会社をしっかり選ぶ
IP電話は、サービスによって通話品質に差があります。
ここでは、IP電話のサービス提供会社を選ぶ方法について解説します。
通話品質を確認する
IP電話の通話品質は総務省によってA、B、Cでランク付けされています。
通話品質のランクは、具体的に以下のように分けられています。
- Aクラス:固定電話並みの音声品質
- Bクラス:一般的な携帯電話並みの音声品質
- Cクラス:上位2クラスよりも劣る音声品質
昔は、BやCクラスに該当するサービスが多く、IP電話は品質が低いと言われていました。しかし現在では、通話品質の改善が進んでおり、Aクラスに該当するサービスが多くなっています。IP電話の導入を検討されている場合は、まず通話品質の確認を行いましょう。
必要な機能が搭載されているサービスを選ぶか
IP電話には、留守番電話やプッシュ通知などを受け取る事ができない、音声通話のみ提供しているなど、機能が制限されているサービスがあります。
基本的な機能は以下の通りです。
- 発信・着信:架電や受電ができる機能
- 留守番電話:留守や電話に出られなかった際に音声を流す機能
- パーク保留:保留後、部署内で別の担当者につなぐ機能
- 電話帳:連絡先を管理する機能
- 通話録音:通話の音声を録音する機能
- 転送:会社に掛かってきた電話を転送する機能
- 自動音声案内:時間外に電話を着信した際に音声を流す機能
- ワンタッチコール:頻繁に架電をかける電話番号にワンタッチで架電する機能
IP電話には、このような機能があるため、導入の目的や課題に合わせて必要な機能を洗い出しておきましょう。
アナログ回線も準備しておく
IP電話は110番や119番への緊急通報をすることができない、停電すると使えないデメリットがあります。これらのデメリットを解消する方法として、従来のアナログ回線も準備しておくことをおすすめします。
アナログ回線であれば、電力を必要とせずに電話することができます。
さらに、110番や119番への緊急通報をすることができるので、もしIP電話しか通話する手段がない場合は、アナログ回線もあわせて準備しておきましょう。
まとめ
IP電話のデメリットは、以下の通りです。
- 停電すると使えない
- 050の番号では緊急通報ができない
- インターネット回線が混雑すると通話品質に影響がでる
一方でIP電話には、デメリットもありますが通話料が安い、初期費用が掛からないなどのメリットもあります。上手く対策をしながら、自社に合うサービスを導入しましょう。