今回は従業員満足度が高い会社を5つご紹介します。従業員満足度を高めたい経営者や人事担当者にとって役立つ内容となっております。
どんな会社が従業員満足度が高いかのイメージを持っていただければと思います。
ここでは、
- 従業員満足度が高い会社5選
- 従業員満足度が高い会社の特徴
- 従業員満足度が低くなってしまっている会社の傾向
といった流れでご紹介します。
従業員満足度が高い会社5選
従業員満足度が高い会社は以下の5つです。
- 株式会社セールスフォース・ドットコム
- グーグル合同会社
- シスコシステムズ合同会社
- プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
- 株式会社ボストンコンサルティンググループ
それぞれの会社の特徴を踏まえて、なぜ満足度が高いのか見ていきましょう。
1:株式会社セールスフォース・ドットコム
株式会社セールスフォース・ドットコムは、世界シェアトップクラスの営業支援、顧客管理ツール「Salesforce」を手がける会社です。
従業員だけではなく、会社に関わる全ての人を「家族」として接する社風があります。困ったときに他の従業員が助けてくれることで、チームとして一体感が生まれます。
また、「chatter」という社内SNSを導入していることも特徴の一つです。従業員が書き込んだアイデアに対して別の従業員から意見が次々と書き込まれ、実現に向けて速やかに動き出せます。
このように、従業員が自分のスキルを存分に発揮でき、困ったときは助け合える風土があるため、従業員満足度が高くなっていると考えられます。
2:グーグル合同会社
グーグル合同会社は、検索エンジン「Google」や「Google ドライブ」などを手がける会社です。
「世界中の情報を整理して世界中からアクセスできるようにする」というミッションを社内でも意識しています。情報の積極的な公開、権限の積極的な付与などによって仕事をしやすい環境を整え、従業員のパフォーマンスを引き出していることが特徴です。
具体的には、仕事時間のうち20%を自分がやりたい仕事やプロジェクトに割り当てられます。例えば、営業担当であっても、広報の仕事をしたい場合は仕事時間の20%を広報の仕事につかえるのです。
このようにして、やりがいを感じられると同時に、個々の可能性を延ばすこともできるという環境が整っていることが従業員満足度を高くする一因となっていると考えられます。
3:シスコシステムズ合同会社
シスコシステムズ合同会社は、社員の成長をサポートし、従業員がお互いに助け合える体制を整えています。在宅勤務を採用しており、会社が求める成果が出れば、週5日の在宅勤務も可能です。成果を徹底的に追及する代わりに、従業員の自由度が高さが認められているため、働きがいを感じられるのでしょう。
また、現場の従業員がお互いに表彰しあえる制度があります。5,000円程度までの報奨金をマネージャーの承認をとらずに付与できるため、積極的に従業員同士でモチベーションを高めあえるのです。
4:プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社(P&G社)は、目標管理プロセスに力を入れています。会社の目標を各部門の目標に分解し、最終的にチーム、個人に目標が割り当てられます。その際には、個々のキャリアプランを考慮している旨を伝え、目標に対する納得感を与えていることが特徴です。
また、ライフワークバランスが充実した社員はパフォーマンスも高いことから、「フレックス・ワーク・アワー」という制度を導入しています。これは、勤務時間を月単位で管理して、コアタイムさえ働けば始業時間と就業時間を自由に調整できる制度です。例えば、子供の発表会を見に行くために早く帰宅する代わりに、翌日に長く働くといった働き方ができます。
5:株式会社ボストン・コンサルティング・グループ
株式会社ボストン・コンサルティング・グループは、世界48カ国に支社があり、全従業員数は14,000人以上が在籍しています。社会全体にインパクトを与えることを理念としており、それを実行する従業員の成長に力を入れています。
新入社員には、キャリアアドバイザーとしてシニアスタッフが担当につき、仕事に対するアドバイスや気づきを与えて成長をサポートします。また、基本トレーニングに3~5週間はかけるため、少しずつスキルやノウハウを身につけられることが特徴です。
従業員満足度が高い会社の特徴
従業員満足度が高い会社には、さまざまな共通点があります。それらの特徴をモデリングすれば、従業員満足度を効率的に高められるでしょう。
それでは従業員満足度が高い会社の特徴をご紹介します。
特徴①:待遇と労働時間のバランスがいい
労働時間と待遇は密接に関係しています。従業員満足度が高い会社は、従業員が納得できる給与を支給したり福利厚生を充実させたりしていることが特徴です。
また、ライフワークバランスをとりやすくなる制度を導入しています。ライフワークバランスが優れていると、従業員のモチベーションが上がり、高いパフォーマンスを発揮できるのです。
特徴②:職場環境が整っている
従業員満足度が高い会社は、業務効率化ツールの導入や情報管理のリスクヘッジ、ノウハウを共有できる仕組みづくりができていることが特徴です。
高いパフォーマンスを発揮するには、整った環境が欠かせません。
特徴③:福利厚生が充実している
一般的な福利厚生に加え、会社独自の福利厚生を導入していることが特徴としてあります。出産祝い金のような金銭的なものと、時短勤務制度やリフレッシュルームなど非金銭的なものがあります。
特徴④:従業員のやる気を引き出す施策・雰囲気
従業員満足度が高い会社は、従業員のやる気を引き出すために報奨金制度を導入していたり、成果を挙げた従業員を褒め称える雰囲気を作っていたりすることが特徴です。常に最高のパフォーマンスを発揮できるように、従業員の気持ちの面にアプローチします。
従業員満足度が低い会社の傾向
続いて、従業員満足度が低い会社の傾向をみていきましょう。従業員満足度が低い会社が共通の傾向がありますのであなたの会社がこれに該当していたら要注意です。
傾向①:情報インフラが整っていない
情報インフラが整っていないと、従業員のパフォーマンスを発揮できません。知りたい情報をすぐに入手できなかったり、他部署との連携がアナログであったりすると、従業員のモチベーションの低下にも繋がります。
傾向②:非生産的な会議が多い
会議の時間が無駄に長かったり、議題やゴールが明確化していない会議が多いと、従業員のモチベーションが低下します。業務時間を圧迫して残業が増えれば、会社に対して不満を感じてしまうでしょう。
傾向③:待遇が悪く労働時間が長い
労働時間が長いのに給与が低かったり福利厚生が少なかったりすると、従業員のモチベーションが低下します。給与は労働の対価のため、仕事内容に見合った額の支給が必要です。
また、給与が高くても、労働時間が長すぎるとモチベーションが低下します。そのほか、健康面に影響が出たり、パフォーマンスが低下したりするでしょう。
傾向④:従業員同士のコミュニケーションが少ない
従業員同士のコミュニケーションが少ない会社は、悩みを打ち明けられなかったり、助け合えなかったりして、結果的に会社の不利益に繋がりがちです。従業員同士のコミュニケーションの機会を設け、何でも気軽に話せる環境を作りましょう。
傾向⑤:成果を挙げても十分に評価されない
成果を挙げても十分に評価されない職場では、モチベーションが低下します。評価基準があいまいだと不信感を抱かれやすいため、明確な評価基準を設けることが大切です。
まとめ
従業員満足度が高い会社は、個人目標の根拠を伝えたり、福利厚生を充実させたりしています。また、待遇と労働時間のバランスに優れており、従業員が納得して働けることが大前提にあります。
従業員満足度の向上は、顧客満足度の向上や離職率の低下、世間からの信頼性の向上に繋がるため、事例を参考に積極的に取り組みたいところでしょう。
そのための第一歩として、まずは自社の「従業員満足度」の現状を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
記事執筆:加藤 良大
記事編集:中條 優