今回は従業員満足度を調査できるツールを4つに厳選してご紹介します。
ここでは、
- 従業員満足度を測るツール4選
- 自社に最適なツールの選び方
- ツールを導入する際の注意点
- ツールを導入した後のポイント
という流れで解説していきます。
従業員満足度を測るツール4選
それでは、従業員満足度を測るツールの特徴や強みを詳しくみていきましょう。
ラフールサーベイ|株式会社ラフール
まずはラフール社の「ラフールサーベイ」です。
従来のストレスチェックだけでは見えない組織の課題がたくさんあります
ラフール社の「ラフールサーベイ」は、エンゲージメントを高め、組織改善していくための「強み」と「課題」が見つかります。
直感的に課題がわかる分析結果
直感的なグラフや数値で課題を特定できます。企業全体の診断結果だけではなく、部署、性別、職種別に比較ができます。
さらに、テレワーク中の社員個々人の心身の健康状態やエンゲージメントも測ることができ、テレワーク導入前後の結果も比較が可能です。
分析結果から自動でフィードバック
分析結果は数値で表示され、瞬時に現状を認識できます。また、その分析結果に基づき、良い点・悪い点を抽出し、フィードバックコメントを自動で表示します。
重視したい項目もピックアップ可能となっており、ご担当者様が課題に対してまずなにを対策すればよいのか、というお悩みの一助となります。
このようにして、ラフールサーベイでは従来のストレスチェックではわからない「ストレスの原因」を的確に把握できます。さらには、ハラスメントリスク、離職リスク、エンゲージメントなど様々な自社の課題を可視化することができ、事前の対策が立てやすくなります。
jinjerワーク・バイタル|株式会社ネオキャリア
続いて、ネオキャリア社の「jinjerワーク・バイタル」です。
コンディション管理に必要な機能がオールインワン
ネオキャリア社の「jinjerワーク・バイタル」は、従業員のコンディションをモニタリングできるツールです。従業員が自らのコンディションを天気マークで回答することで、リアルタイムで部署ごとの推移や各種ランキングを表示できます。
コンディションをリアルタイムに察知
コンディションの変化をいち早く察知できるアラート機能がついているため、状況に応じて仕事量を変えたりフィードバックしたりでき、結果的に業務効率が高まります。定期的な従業員満足度調査とあわせて導入すれば、満足度の効率的な向上が期待できるでしょう。
※現在、「jinjerワーク・バイタル」は新型コロナ対策で1ヵ月間の 無償提供を実施しています。(受付締切:2020年4月30日)
モチベーションクラウド|株式会社リンクアンドモチベーション
続いて、リンクアンドモチベーション社が提供する「モチベーションクラウド」です。
組織にモノサシを
リンクアンドモチベーション社が提供する「モチベーションクラウド」は、回答結果の偏差値として「エンゲージメントスコア」が表示されることが大きな特徴です。
会社経営において、勘や経験に頼る組織マネジメントではなく、確かなデータによる本質的な組織診断が必要です。
様々な角度から組織状態を比較(現状把握)
5,950社、142万人の実績によるエンゲージメントスコアの他社比較、部門ごと階層ごとの属性比較、過去の数値との経年比較などができます。
実効性の高い改善項目の設定(目標設定)
5,950社、142万人以上、日本最大級の組織データベースを参考に、的確なアクションプランを策定します。
改善が必要な部署を特定(実行促進)
部署ごとのエンゲージメントスコアの比較が可能なため、注力して改善すべき箇所が把握できます。
改善状況をリアルタイムで把握(進捗確認)
設定した改善項目に絞ったサーベイを実施することができ、月次や週次で改善状況を把握できます。
結果の数値化や可視化ができるため、従業員満足度の状況がわかりやすいことがメリットです。さらに、結果に基づいた有効な改善策が自動で提案されるため、施策の立案にかかる時間を削減できます。
そのほか、経営層が施策の進捗状況をモニタリングしたりフィードバックしたりできるため、現場の状況をしっかり把握できることが特徴です。
Employee Tech|株式会社Emotion Tech
続いて、Emotion Tech社の「Employee Tech」です。
目的に最適化した独自のクラウドシステム
Emotion Tech社の「Employee Tech」は、従業員満足度調査の目的に応じた調査項目を設定できるツールです。離職率の低下やモチベーションの向上、業務効率化、働き方改革の方針など、さまざまな目的に応じた調査項目を設定できます。
現場の負担を最小限に
システムの設定や入力はEmotion Tech社のスタッフに任せられるため、現場に大きな負担がかかりません。そして、アンケート回答にかかる時間は約3分で、忙しい職場でも高い回答率が期待できます。結果には、従業員が考える重要なポイントと現状の評価がマッピング表示されるため、速やかに現状を把握できるでしょう。
アラート機能でモチベーション低下に即対応
あらかじめ設定しておいたアンケート回答内容パターンに応じて、該当する回答が入ったことのアラート設定ができます。
ネガティブな気持ちへの対応スピードを上げるなど、従業員のフォローアップに役立ちます。
分析専門スタッフによる高度なレポーティング
3ヶ月に1回の頻度でEmotion Tech社の分析専門スタッフから詳細なレポートが提供されます。調査結果の傾向や目的に応じた改善ポイントの提案、フィードバックを受けられるため、より的確な施策を立案できるようになります。
比較表
各ツールの特徴や価格を以下にまとめました。
名称 | 特徴 | 価格 |
モチベーションクラウド | ・様々な角度から組織状態を比較(現状把握) ・実効性の高い改善項目の設定(目標設定) ・改善が必要な部署を特定(実行促進) ・改善状況をリアルタイムで把握(進捗確認) ・新たな経営指標としてのエンゲージメントスコア | 要問い合わせ |
・精神の専門家監修の調査項目 ・直感的に課題がわかる ・分析結果から自動でフィードバック ・高ストレス者向けの対策プログラム ・複合的なデータのAI解析 | 初期費用:10万円 月額:1万4,800円~ | |
jinjerワーク・バイタル | ・コンディションの変化をリアルタイムに察知 ・状況に応じたフィードバックや業務量の調整が可能 | 1ユーザー月額:300円 |
Employee Tech | ・目的に応じた調査項目をスタッフが設定 ・従業員が考える改善ポイントをマッピング表示 ・アラート機能で問題に即対応可能 ・専門分析スタッフによるレポーティングとフィードバック | 初期費用:90万円 月額:10万円 |
この章では、4つの従業員満足度調査ツールを紹介してきました。
次の章では、どのようにツールを選んでいったらいいかを解説していきます。
自社に最適なツールの選び方
従業員満足度を調べるツールは、自社に合ったものを選ぶことが大切です。自社に合わないツールを選んでしまうと、必要以上にコストが高くなってしまったり、的確な改善活動ができなかったりするため、十分に検討するようにしましょう。
自社に最適なツールの選び方は次のとおりです。
選択基準①:目的に合わせて選ぶ
なんのために従業員満足度を高めていきたいかの目的に合わせてツールを選びましょう。その目的を達成するためにはどんな課題が解決すればいいのかを逆算し、その課題が的確に把握できる従業員満足度調査ツールを選ぶ必要があります。
さまざまな問題を抱えていたり、課題がそもそも見えない場合は、多角的に現状を把握し、高度な分析ができるツールを選ぶのが良いでしょう。
選択基準②:予算に合わせて選ぶ
従業員満足度調査に使えるツールは、基本的に月額料金制です。月度予算に合ったツールを選びましょう。コストが高すぎるツールを使用すると、予算の見直しがあったときに別のツールに切り替えることになり、現場に負担がかかります。
選択基準③:人事部の業務量に合わせて選ぶ
従業員満足度調査を手動するのは、人事部です。人事部の業務量に合わせてツールを選びましょう。すでに、人事部の業務量が多い場合には、自動で施策立案ができるツールがおすすめです。現場の従業員満足度が上がっても、人事部の従業員の満足度が低下しては元も子もないため、実施する側にも配慮してツールを選びましょう。
ツールを導入する際の注意点
従業員満足度調査のツールを導入する際には、次の注意点を守りましょう。
注意点①:導入するだけで満足しない
ツールを導入するだけで満足して、肝心の調査が遅れてしまうケースがあります。また、調査は行っても、結果に基づいた施策を実施しない場合もあるでしょう。最終目標は、施策の実施によって従業員満足度を高めることです。
ツールの導入後は速やかに調査を実施して、的確な施策を立案しましょう。
注意点②:定期的に調査を実施する
従業員満足度は、会社の状況や従業員の質などで変化します。そのため、定期的な調査が必要です。一度、従業員満足度を調査したことに満足して、ツールを解約すると、再びツールを導入するときに初期費用がかかります。
ツールを導入した後のポイント
従業員満足度調査のツールの効果を最大化させるために、導入後は次のポイントを押さえましょう。
ポイント①:従業員に理解を求める
従業員満足度調査への回答には、従業員の理解が必要です。回答率が高いほどに、問題を的確に捉えられるため、従業員満足度調査の目的を伝えて理解を求めましょう。調査をして終わるのではなく、従業員満足度を高めるために施策を実施する旨を伝えることが大切です。
ポイント②:アンケートの結果を従業員に伝える
アンケート結果は、必ず従業員に伝えましょう。その際に、結果に関する意見や考えなどを募集すれば、施策の精度がさらに高まり、主体的に考えてもらうことにより従業員のエンゲージメントは向上します。
また、アンケート結果を踏まえて、いつまでに改善施策を決定するのかしっかりと伝えることが大切です。
ポイント③:施策を実施するスケジュールを従業員に伝える
実施する施策が決まったら、実施のスケジュールを従業員に伝えましょう。情報を共有せずに施策を実施すると、従業員が効果を実感しにくくなります。また、本当に施策を実施しているのか今ひとつわからず、会社に不信感を抱く恐れもあるでしょう。
まとめ
今回は、従業員満足度調査ツールを4つに絞ってご紹介しました。
従業員満足度調査には、自社に合ったツールを使うことをおすすめしています。ツールを利用することで調査項目の設定や施策立案の時間を大きく削減できるため、人事部の業務負担を抑えられます。導入にはコストがかかるため、投資対効果を踏まえてじっくり検討したうえで選びましょう。
また、導入したら終わり、調査したら終わりではなく、従業員ロイヤルティの向上や従業員生産性の向上などの従業員満足度を高めた先の目的を達成するまでがゴールです。従業員満足度を一つの重要な経営指標として、効率的かつ速やかに取り組んでいきましょう。
記事執筆:加藤 良大
記事編集:中條 優