自社の営業組織を「インサイドセールス」と「フィールドセールス」に分業化したものの、人材育成に課題を感じている方も珍しくありません。
特に、インサイドセールスに初めて取り組んでいるという組織は、人材育成の方法やポイントがわからずに悩んでいる場合も多く見受けられます。
本記事ではインサイドセールス育成に関するメリットやポイントを踏まえ、人材育成に活用できるツール・サービスを紹介します。インサイドセールスの人材育成に課題を抱えている方は、ぜひご参考ください。
インサイドセールスの人材育成とは
インサイドセールスとは、端的に言うと「内勤型営業」を意味し、電話・メール・オンライン商談などを活用して非対面で営業活動を進める手法です。
非対面だからこそ、対面型営業のフィールドセールスとは異なるスキルやノウハウが必要となります。そのため、新たに人材を採用したり、社内の人材をインサイドセールスに配置転換したりして、インサイドセールスに特化した人材を育成しなければなりません。
またインサイドセールスの主な役割は、マーケティングからリードを引き継いで購買意欲を高めた段階で商談を創出してフィールドセールスへトスアップすることです。したがって、インサイドセールスは社内の他部門と連携して業務を進めるよう、スキルだけでなく意識も育成する必要があるでしょう。
インサイドセールスの人材育成のメリット
インサイドセールスの人材を育成することで、以下のメリットが期待できます。
【メリット】① 人材個人の能力がアップする
人材育成をすると、インサイドセールスを担当する個人個人の能力アップにつながります。
インサイドセールスは非対面の営業という特性上、相手の表情や温度感を読み取ったり、信頼関係を構築したりするのが難しい側面があります。また、商品を実際に手に取ってもらったり、サービスの使い方を面と向かって説明したりすることもできないため、非対面でも自社商材の魅力を伝えなければなりません。
そのため、フィールドセールスと同じように育成しても、思ったような成果を得ることは難しいでしょう。
そこで、インサイドセールス人材に特化した育成を行うことで、非対面でも相手とコミュニケーションを取ったり商材の魅力を伝えたりするスキルが身につきます。
【メリット】② 組織の営業力が底上げされる
人材育成によって個人個人の能力が最大化すれば、営業チーム全体の総合的な営業力も底上げされます。
インサイドセールスとフィールドセールスが適切な分業体制を整備でき、それぞれ自分の得意な業務で活躍できます。自身がやるべきことに時間や手間を集中投下できるため、組織全体の生産性も向上するでしょう。
また、インサイドセールスでの成功事例を共有したり、成功パターンを分析したりすることで、自社独自のインサイドセールスの標準的な営業プロセスを構築できます。全員が標準化された営業プロセス通りにインサイドセールスを進められれば、誰でもインサイドセールスで成果を出せるようになるでしょう。
【メリット】③ 失注率が低下する
人材育成をしてインサイドセールスを強化すると、失注率にも好影響を与えます。
従来の営業活動では手当たり次第に訪問して商談を行うことも多かったため、そもそもニーズのない相手や、購買意欲の低い相手でも訪問しなければなりませんでした。
また、一人の営業担当者がリードナーチャリング(リードの購買意欲を高めるために育成すること)からクロージング、既存顧客フォローまで担当していたため、負担が多きなりがちでした。取引金額の大きい既存顧客を優先するあまり、新規顧客へのフォローが手薄になって失注してしまう事態も珍しくなかったのです。
しかしインサイドセールスが強化されれば、リードの購買意欲を高めた段階で商談を創出できるため、確度の低い商談がなくなります。またリードナーチャリングやアポ獲得はインサイドセールスが担当するので、フィールドセールスは確度の高い商談に集中でき失注を防ぐことが可能です。
【メリット】④ 効率よく営業活動を進められる
インサイドセールスは非対面での営業活動なので、移動にかかる時間や費用も削減できます。
商材にもよりますが、オンライン商談が可能であればクロージングまでインサイドセールスで行うことも可能でしょう。移動時間がないぶん商談時間を増やすことができ、訪問するよりも多くの商談を実施できます。
また「SMB(中小企業)はインサイドセールスが商談をして、エンタープライズはフィールドセールスが商談する」などと分業すれば、取引金額の大きさに合わせて営業リソースを投入できるため効率的に営業活動ができるでしょう。
インサイドセールスに強い人材を育成するポイント
インサイドセールスの人材育成では、以下の5つのポイントを意識しましょう。
【ポイント】① 目標までの進捗を共有する
インサイドセールスの人材育成がうまくいっているか判断するためには、目標値としてKPIを設定して進捗度を数値として把握しましょう。目標値と現状値の差が大きすぎれば、まだ充分に育成できていないと言えます。
また、インサイドセールスは架電数やアポ獲得数などがKPIとして設定されることが多いですが、量だけでなく質も数値化して把握するために、最終的な受注数や受注金額などもKPIとして設定するとよいでしょう。
【ポイント】② 担当者間で情報共有ができる状態を整える
インサイドセールスは、主にリードナーチャリングを担当する役割のため、マーケティングとフィールドセールスとの橋渡し役とも言われます。そのため、他部門の担当者との情報連携は欠かせません。
情報共有ができるよう、グループウェアやビジネスチャットなどコミュニケーションを取れるツールを導入しましょう。また、過去の対応履歴を把握するために、MAツールやSFA、CRMなども有効です。
【ポイント】③ 役割を細分化する
インサイドセールス部門内でも、役割の細分化が可能です。たとえば、以下のような役割です。
- お問い合わせや資料請求などをしてきたリードに架電する係
- 展示会で名刺交換をしたリードに架電する係
- メールやSNSで情報発信をする係
- 電話やメールでリードにヒアリングする係
- アポイントを取る係
また、業種や商材によっては、クロージングまでインサイドセールスで進める場合もあるでしょう。その場合は「商材をプレゼンする係」「クロージングする係」「アフターフォローをする係」なども増える可能性があります。
ここまで細分化している組織は少ないかもしれませんが、ターゲット数が多い場合は細分化して業務を分業するほうが効率的です。
役割を細分化することで業務内容やタスクが明確になるため、集中して人材育成できます。
【ポイント】④ 従来の営業の穴埋めをする意識を持たせる
インサイドセールスの人材育成では、スキルだけでなく意識の育成も重要です。
インサイドセールスは、フィールドセールスのように受注獲得が役割ではなく、リードの課題をヒアリングしたり関心度を育成したりするのが主な役割です。そのため、自分の業務が売上につながっているという実感を持ちにくく、不満を感じるケースもまれに見られます。
そのようなことを避けるためにも、インサイドセールスは従来の営業では不十分だった「ヒアリング」や「ナーチャリング(育成)」を穴埋めするという意識を持たせましょう。
【ポイント】⑤ フィードバックを行う
人材育成の際には、適切なフィードバックによりインサイドセールスのスキルを伸ばせます。
たとえば電話システムやオンライン商談ツールなどを活用し、営業の内容を録画・録音しておけば、フィードバックの際に役立ちます。
さらに普段から日報などで情報共有をし、こまめにフィードバックするとよいでしょう。
インサイドセールスの人材育成に役立つ育成ツール5選
ここからは、インサイドセールスの人材育成をする際に活用できるツールやサービスを紹介します。
スケッターズ
「スケッターズ」は、インサイドセールスの人材育成を得意とするコンサルティングサービスを提供しています。また、インサイドセールスのアウトソーシングも可能です。
料金プラン
プラン名 | スケッターズ FOR SALES | スケッターズ IS FORMATION |
---|---|---|
初期費用 | ※別途相談 | ※別途相談 |
基本料金 | ※別途相談 | ※別途相談 |
従量料金 | ※別途相談 | ※別途相談 |
playse.ラーニング
「playse.ラーニング」は、eラーニングとオンライン集合研修を組み合わせて人材育成ができるツールです。3000種類以上ものeラーニング教材を学べるのが特徴です。
たとえば、
- コンプライアンス研修
- ハラスメント研修
- 情報セキュリティ研修
- IPO研修
など、今の時代には欠かせない研修が揃っています。
また、「playse.ラーニング」では有効化アカウントだけに費用請求がされるようになっていますので使っていないアカウントを無効化しておけば無駄な費用を支払う必要がありません。
料金プラン
プラン | 1~39 | 40~500 | 501~1000 | 1001~ |
---|---|---|---|---|
初期費用 | 100,000円 | 100,000円 | 100,000円 | 100,000円 |
基本料金 | 19,800円 | 500円/ID | 400円/ID | 300円/ID |
etudes(エチュード)
「etudes」は、人材育成に必要な機能が搭載されたLMS(学習管理システム)です。eラーニングとオンラインライブ研修を実施できます。
料金プラン
プラン名 | etudesシステム利用料金 | etudes Plus利用料金 |
---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 |
基本料金 | 月額~500円/1ID | 月額~1500円/1ID |
従量料金 | お問い合わせください | お問い合わせください |
グロース X マーケティング編(with コラーニングアプリ)
「グロース X マーケティング編」は、デジタルマーケティングに関するスキルを学べる人材育成サービスです。スマホアプリでも学習できるので、すきま時間を活用してスキルアップできます。
料金プラン
プラン名 | 〜10名 | 〜20名 | 〜30名 |
---|---|---|---|
初期費用 | 300,000円 | 300,000円 | 300,000円 |
基本料金 | 月額100,000円〜 | 月額160,000円 (@¥8,000) | 月額200,000円 (@¥6,666) |
従量料金 | – | – | – |
まとめ
インサイドセールスは欧米を中心に一般化している営業手法で、日本ではまだまだ認知されていないと思われがちです。しかし、少子高齢化による労働力不足やテレワークにひろがりなどにより、日本でもインサイドセールスを取り入れる企業が急増しています。
いち早くインサイドセールスを取り入れて成果を出すためには、人材育成が欠かせません。今回紹介した内容を参考に、インサイドセールスの育成に取り組んでみてはいかがでしょうか。
また、インサイドセールスの人材育成には、コンサルティングサービスやオンライン学習システムなどを活用するのも一案です。当メディア「kyozon」では、人材育成に役立つツールやサービスを多数掲載しています。資料ダウンロードも可能なので、ぜひご活用ください。
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