Web給与明細システムの選び方
Web給与明細システムの選び方は以下のとおりです。
- 予算に見合った料金であるか
- 既存給与計算システムと連携できるか
- 職場環境に適しているか
- セキュリティ対策は充実しているか
- サポート体制が整っているか
- 外国語に対応しているか
順に解説します。
予算に見合った料金であるか
Web給与明細システムの導入の際は、予算、料金についての確認が必要です。まず、自社が必要とする機能や利用人数にあわせて相場を調べ、システムの初期費用や月額費用などのトータル年間コストを算出し、予算を把握します。
各サービスの料金は、契約期間やオプションサービスの有無、ユーザー数によって変動するため、複数社から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
サービスによって固定料金と従量課金があり、従業員数の変動がよくある場合は従量課金を選択するとよいでしょう。
既存給与計算システムと連携できるか
Web給与明細システムをWeb給与計算システムとは別に導入する場合、既存の給与計算システムとの連携を考慮することが重要です。既存の給与計算システムとWeb給与明細システムを連携すれば、給与データを取り込めるようになり、入力ミスや手作業による作業時間の短縮が可能となります。
連携に必要なAPIやデータ形式を確認し、システム間の連携を円滑に行うために、システム提供会社に確認しましょう。
既存の給与計算システムとの連携を考慮せずWeb給与明細システムを導入すると、入退社した社員情報をWeb給与計算システムとWeb給与明細システムそれぞれで管理することになるため、ヒューマンエラーなどのリスクが生じる可能性があります。
そのため、Web給与明細システムを採用決定する前に、既存の給与計算システムとの連携について十分に検討する必要があります。
職場環境に適しているか
Web給与明細システムを検討する際は、対応デバイスが職場環境に適しているかの確認が必要です。
職場によって、パソコンやスマートフォン、タブレットなどさまざまなデバイスを利用して業務を行っています。そのため、Web給与明細システムが対応するデバイスやブラウザ、アプリについて確かめなければなりません。
スマートフォンやタブレットに対応しているシステムもあれば、パソコンのみに対応しているシステム、アプリのインストールが必要なシステムもあり、対応デバイスはサービスによって異なるため提供会社に確認が必要です。
また、Web給与明細を閲覧する方法として、「メールでの受け取り」「通知ありWebログイン」「通知なしWebログイン」の3パターンがあります。従業員の多い企業は、複数の閲覧設定が可能なシステムを選ぶと従業員の要望に対応しやすくなります。
セキュリティ対策は充実しているか
システムのセキュリティ対策についても確認することが重要です。給与明細という個人情報を扱うシステムであるため、万一、情報漏洩や不正アクセスが起きると、企業としての信頼を失うだけでなく、法的問題を引き起こす恐れもあります。
選定時は以下のセキュリティ面が施されているか確認しましょう。
- データの暗号化:第三者から情報を盗み見を防止
- アクセス制御:不正アクセスを防止
- バックアップ:情報漏洩やデータの消失を防止
- セキュリティ診断:定期的なセキュリティ診断でシステムの脆弱性を洗い出し、システムを強化
セキュリティ対策がしっかりと講じられているWeb給与明細システムを選定することで、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを抑えられます。
サポート体制が整っているか
Web給与明細システムを選定する際には、サポート体制の確認も重要です。万一、システムに問題が発生した場合に、迅速かつ正確なサポートを受けられるかを確認することが必要です。
サポート体制については、以下の点を確認しましょう。
- サポート体制の種類:メールやチャット、電話などの連絡手段について確認
- 対応時間:サポートの対応時間が、企業の業務時間と重なっているかどうか確認
- サポート内容:サポートで対応可能なトラブルの範囲や費用について確認
システムの初期設定時や運用開始後に不明点が出た際、迅速な対応ができなければ運用が停止してしまいます。サポート体制の整ったサービスを選びましょう。
外国語に対応しているか
外国籍の従業員がいる場合や採用予定がある場合は、外国語に対応したシステムを選ぶ配慮が必要です。
外国語表示、入力に加え、外国語でのサポートを受けられるか確かめてみましょう。これらを確認することで、外国籍の従業員がスムーズにシステムを利用できる環境を整備できます。
Web給与明細システムの基本機能
Web給与明細システムに備わる基本機能について解説します。
給与データの取り込み
給与計算システムや労務管理システム、勤怠管理システムなどと一体型となり外部取り込み不要なものと、CSVファイルで取り込みをしてWeb給与明細システム情報を反映させるものの2種類があります。
給与明細の作成
企業独自の様式を設定し、給与明細を作成できるものから、テンプレートで作成できるものまでさまざまです。
複雑な雇用形態の場合、複数のフォーマットから選べるシステムや豊富なテンプレートから様式を選べるサービスを選択するとよいでしょう。
給与明細を配信
Web上でログインし、給与明細を確認するサービスのほか、メールに添付されて給与明細が送られてくるサービスなどさまざまです。給与明細以外にも、賞与明細や源泉徴収票などの書類に対応したサービスもあります。
過去データの閲覧
過去の給与明細を見たい、ローン契約のために給与明細を印刷したいというニーズは高いです。Web給与明細システムであれば従業員がシステムにログインするだけで過去の給与明細を確認できます。
閲覧可能期限はサービスによって異なります。住宅ローンの場合、3〜6か月の給与明細および1年間の賞与明細の提出を求められる可能性が高いため、最低でも過去1年間のデータ閲覧できるサービスをおすすめします。
まとめ
Web給与明細システムを選ぶ際は予算に合うシステムを選ぶことも重要ですが、必要な機能とセキュリティが備わり、職場環境に合ったシステムを選択することが重要です。
Web給与明細システムは、紙や封筒などの消耗品の削減につながるだけでなく、作業時間の短縮や二重管理が不要となるメリットがあります。
本記事で紹介した選定ポイントをバランスよく考慮し、最適なシステムを選ぶことで、業務効率化や生産性向上が期待できるでしょう。