「マーケティング組織は必要?」「自社でマーケティング活動はしているけれど、他の業務と兼任している」
マーケティング活動は重要だと認識していても、人材やノウハウが不足していて組織化できていない企業も珍しくありません。
そこで本記事では、マーケティング組織を構築したい方や、既存の組織を整備したい方に向け、マーケティング組織の立ち上げや整備に関して詳しく解説します。
マーケティング組織が必要になる理由
「組織化する必要があるのか?」と感じている方もいるかもしれません。そもそも、マーケティング組織はなぜ必要なのでしょうか。その理由を、社内の機能との関係性から解説します。
事業全体組織との関係
事業全体で見たとき、マーケティング組織は重要な役割を担います。
一般的に、マーケティング部門が担当している業務は以下になります。
- リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)
- リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
- リードクオリフィケーション(見込み顧客の抽出)
つまり、何らかの施策によって獲得したリードの購買意欲を向上させるため育成し、充分に受注見込み度が高まった段階のリードを見極めて抽出することがマーケティング部門の業務です。
このように新規獲得のためのマーケティング活動が主体ですが、リテンションマーケティングと言って既存顧客との関係性維持のためのマーケティング活動もあります。
どのマーケティング業務も、事業の維持・成長には欠かせません。そのため、事業全体組織の中でも重要な役割と言えます。
なお、現代に合ったマーケティング組織の作り方はこちらの記事をご参考ください。
営業組織との関係
一般的に、マーケティング組織が獲得したリードは営業組織に引き継がれます。そのため、マーケティング組織と営業組織は切り離せない関係です。
かつては営業担当者がリード獲得業務まで行っていましたが、近年は分業化している企業が増えています。 マーケティング組織と営業組織が円滑に連携できる体制を構築するためには、役割分担を明確にした上で、それぞれのKPIを設計するとよいでしょう。
まずは自社のリード獲得から受注までの一連のプロセスを洗い出し、どのフェーズをどちらが担当するのか明確化します。そして「アポイント獲得件数」「商談件数」「受注率」などのKPIを具体的に設定し、協力し合える体制構築が重要です。
サービス組織との関係
マーケティング組織は、営業組織だけでなくサービス組織との連携も求められます。
顧客が継続して自社サービスを利用し続けるよう、セミナー(ウェビナー)開催や活用方法のコンテンツなど、既存顧客向けのアプローチをしなければなりません。そのために、顧客の利用状況や契約満了期などの情報をサービス組織から提示してもらう必要があります。
また、マーケティング組織が顧客満足度などのリサーチを行う場合もあります。リサーチで吸い上げた顧客からの不満や改善してほしい点を、サービス組織にフィードバックすることもマーケティング組織の役割です。
【フェーズ別】マーケティング組織体制の整え方
マーケティング組織は、組織の成長フェーズによって体制整備の方法が異なります。
開発
マーケティング組織は既存の製品・サービスを広める役割だと思っている人も多いですが、実は開発前から動き始める必要があります。
市場のニーズや傾向を分析し、自社ではどのような価値が提供できるかという段階から考えなければならないのです。
そのためには、まず自社のマーケティング戦略を立案します。マーケティング戦略については、こちらの記事をご参考ください。
定めたマーケティング戦略は、組織の軸となるものです。組織メンバーで共有し、方向性を統一しましょう。
立ち上げ
立ち上げたばかりのマーケティング組織は予算も人員も限られているので、自社でできる手軽なマーケティング施策から始めるとよいでしょう。製品・サービスがローンチされたばかりのため、新規獲得のための施策を重点的に行います。
- メルマガ(メールマガジン)
- SNS
- Web広告
これらのオンライン施策は、比較的コストがかからずに実行できます。ただしWeb広告はある程度の知識やスキルが必要になるため、専門知識を持った人材を採用することをおすすめします。
また、立ち上げ期にはオウンドメディアによるコンテンツマーケティングも始めたいところ。検索エンジンで上位を獲得して流入を増やすことを目的に、記事コンテンツで有益な情報を発信します。
場合によっては、マーケティング業務を外注したり、ツールを用いて効率化したりするなど、自社にとって最適な進め方を見つけましょう。
成長
事業の成長期は、マーケティング組織は実行できる施策の幅を広げていく時期です。
立ち上げ期のオンライン施策に加え、ホワイトペーパーや動画、アプリなどでリードとのタッチポイントを増やしましょう。各施策の成果を測定しながら、ブラッシュアップして成果を高めていきます。
オフライン施策も始めるとよいでしょう。展示会出展やセミナー開催など、オフラインで顧客と直接接する機会を設けます。
このように、実行する施策を増やしていくにあたり、人員も増やさなければなりません。マーケティングのスキルや経験を持つ人材を増やし、体制を強化しましょう。
円熟(成熟)
事業が成熟していくにつれ、市場でのシェアも伸びて新規リード獲得が難しくなってくるでしょう。今までやっていない施策や、今までターゲットとしていなかったユーザー層へのアプローチなどに挑戦し、さらなるシェア拡大を狙います。
また、既存顧客へのリテンションマーケティングも重要になります。解約率を引き下げるための施策や、アップセル・クロスセルを増やす施策なども行いましょう。
円熟期になると、どのようなマーケティング施策が成果につながりやすいか、自社に合っているか、把握している頃です。そのため、マーケティング施策を仕組み化し、ターゲット層や購買フェーズに合わせてどの施策を展開するか明確にしてマーケティングプロセスに落とし込みましょう。
マーケティング組織を立ち上げたらまずやるべきこと
立ち上げ期は、どのような施策が有効化わからずに手探りの時期です。まずは、すぐにでも始められる以下5つのことから行いましょう。
サービスサイトのチェック
まずは自社のサービスサイトをブラッシュアップします。
- 目的に合わせてページを分けられているか
- 機能をわかりやすく紹介できているか
- 強みや特徴を訴求できているか
- FAQでよくある質問に応えられているか
- お問い合わせフォームを設置しているか
このように、サービスサイトのページ構成や内容をチェックしてブラッシュアップしましょう。
CTAの設置
マーケティング施策の成果を高めるために、適切なCTA(Call To Action)の設置も欠かせません。
CTAとは、Webサイト上のユーザーの行動を促す工夫です。よくあるのが、資料請求や問い合わせ、予約や無料トライアル申し込みなどを促すボタンやバナーがあります。
つまりCTAとは、ユーザーの行動を促してコンバージョンへとつなげるための要素と言えます。
WebサイトやメルマガなどにCTAを設置していない場合は、内容にマッチしたCTAを設置しましょう。ボタンやバナーのデザインもクリック率に影響するので、ABテストなどでブラッシュアップすることをおすすめします。
導入事例の掲載
マーケティング組織は、リードの購買意欲を向上させて受注見込み度を高めることが役目です。自社製品・サービスの魅力をアピールするのも効果的ですが、一部には「宣伝色が強い」という印象を持たれることもあるでしょう。
そのようなときに有効な方法が導入事例です。既存顧客が自社製品・サービスを導入してどのような効果を得られたのか、取材形式の記事コンテンツにします。 第三者視点で製品・サービスが評価されているため、リードにとって有益な情報となり、購買意欲を高める要素となるでしょう。
リスト整理
最適なマーケティング施策を展開するためには、顧客リストの整理も重要です。
たとえば、顧客層に合わせてメルマガを配信したくても、充分な情報が整理できていないと顧客をセグメンテーション(分類)できません。
名刺交換をしたり、セミナーに参加してくれたりするなど、過去に自社と接点を持った顧客・リードの情報を整理してリスト化しておきましょう。
リストにする際には、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトだけでなく、CRM・SFA・名刺管理システムなどの顧客情報を管理できるツールを活用するのも一つの手です。
広告出稿
オンラインでのタッチポイントが増えている現代では、Web広告の出稿により、今まで接することのなかったユーザー層とも接点を持てるようになります。
Web広告で多いのは、検索エンジンの検索結果ページに表示される「リスティング広告(検索連動型広告)」と、Webサイトなどの広告枠に表示される「ディスプレイ広告」です。
ほかにもさまざまなWeb広告の種類があり、出稿方法やコストなどが異なります。自社に合った広告の種類を選びましょう。
広告出稿に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参考ください。
マーケティング組織体制を整えるために使いたいサービス3選
マーケティング組織の体制構築・整備には、さまざまなサービスを活用することも一案です。おすすめのサービスを3つ紹介します。
BowNow | MAツール
MAツールの「BowNow」を使えば、リード情報やアプローチ履歴などの一元管理が可能になります。Webサイト上の行動を把握できるため、リードごとの関心度も把握できます。
料金プラン
プラン名 | フリー | エントリー | ライト | スタンダード | ビジネス |
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初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
基本料金 | 0円 | 10,000円 | 20,000円 | 30,000円 | 問い合わせ |
従量料金 | PV数・リード数に よって課金あり | PV数・リード数に よって課金あり | PV数・リード数に よって課金あり | PV数・リード数に よって課金あり | PV数・リード数に よって課金あり |
DORIRU cloud(ドリルクラウド) | 体制構築
「DORIRU cloud」は、リスト作成や顧客情報管理ができるツールだけでなく、施策のアウトソーシングやコンサルティングもできるサービスです。
料金プラン
プラン名 | MMレギュラープラン(従業員100〜999名まで) |
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初期費用 | 30万円 |
基本料金 | 月額60万円〜 ※月額費用とは別にマネジメントフィー10%が発生します。詳細はお問い合わせください。 |
従量料金 |
スケッターズ | 体制構築
「スケッターズ」は営業業務のアウトソーシングと営業コンサルティングのサービスですが、マーケティング領域も担当してくれます。プロによる立ち上げ支援で、早期に成果を出せる仕組みを構築します。
料金プラン
プラン名 | スケッターズ FOR SALES |
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初期費用 | ※別途相談 |
基本料金 | ※別途相談 |
従量料金 | ※別途相談 |
まとめ
マーケティング組織は、安定的な収益を生み出すために重要な存在です。効率的に成果を出すためには、本記事を参考にして体制の構築と整備を目指してください。
マーケティング組織は多くのデータを扱うため、ツール活用は必須です。また、業務も複雑なのでサービスを活用することで効率化するでしょう。
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