採用ツールとは?なぜ採用ツールが必要なのか?
採用活動を行う際に求職者がなかなか集まらなかったり、せっかく採用してもすぐに離職されてしまったり、このような悩みを抱えている企業は少なくありません。採用活動を見直すうえで、採用ツールの導入を検討している企業もあるでしょう。
そもそも、採用ツールとはどのようなものなのでしょうか。
採用ツールとは
採用ツールとは、企業が採用活動を行う際に使うさまざまなツールのことです。
採用したい人材を獲得するために使われるのはもちろん、入社後の育成や業務管理の効率化・高度化のためにも使われます。
近年では、選考のための母集団形成から、選考、内定、そして入社と、それぞれの過程で採用ツールを導入する企業が増えています。
採用ツールが必要な理由
少子高齢化に伴い、日本の企業では採用難が続いています。特に、専門的な知識や技術を持った人材や若年層は、獲得が非常に難しい状況です。こうした背景で選考のための母集団形成や応募者を集めるには、求人募集をかけていることを広く認知してもらう必要があります。
重要なのは、複数の求人メディアに求人情報を掲載したり、SNSで採用情報を流したりと、さまざまな採用ツールを使って多くの求職者にアプローチすることです。
また、求職者側の仕事探しの方法も多様化しており、SNSや求人検索エンジンを使う求職者が増加。こうした求職者を逃がさないためには、採用ツールの活用は必須です。
さらに、インターネットの普及により企業情報も自分で集められるようになったことで、求職者は企業に対してより多くの詳細な情報を求めるようになっています。こうしたニーズに応えるためにも、動画やSNS、自社サイトなどの採用ツールを上手に使う必要があります。
コロナ禍による採用活動のオンライン化も、採用ツールが必要な理由のひとつです。面接をはじめとする選考プロセスでもオンライン化は進んでいます。地方の人材にアプローチできたり、学生の費用や時間的コストを軽減できたりと、さまざまな効果が期待できるため、今後も採用活動のオンライン化は続いていくと考えられます。
採用ツールを使って応募を集めるコツ
ただやみくもに採用ツールを使っても、応募者を集めるのは簡単ではありません。どのような採用ツールを使うにしても、重要なポイントを押さえておくことが大切です。
ターゲットを明確に
求める人材を得るには、どんな人材が欲しいのか、というターゲット像を明確にしておく必要があります。
まずは、採用したいポジションにはどんな業務内容があり、どんなスキルや経験があると役立つのかを洗い出しましょう。入社後すぐに必要になるスキルがあれば、それを必須条件に入れます。
ターゲットを明確にしたうえで、さらに採用したい人物像を設定しておくと、社員の間でも認識のズレが少なくなるため、ミスマッチが少ない採用ができます。
求職者が欲しがっている情報を見極めて開示
応募者が集まらない原因として、自社の魅力を求職者に十分に伝えられていない場合があります。
創業ストーリーやどんな社員がいるかなど、入社後のイメージがつかめるような情報を開示し、会社の思いを伝えましょう。求職者が会社の雰囲気を想像できるよう心掛けます。
会社の魅力が伝われば、求職者はもちろん、転職願望があるのにまだ動き出せていない層へもアピールでき、入社後のミスマッチも防止できます。
応募しやすくなるような工夫を
実際に応募するのは、少なからず勇気がいることです。その一歩を後押しするための取り組みも必要になります。
職場見学会や社員との公開雑談などを企画し、求職者との接点を増やすのもおすすめです。また、仕事内容や福利厚生などに対する疑問に回答できるカジュアルな面談を行うなど、本選考前にワンクッションあると、応募へのハードルを下げることができます。
採用ツールを選ぶ際のポイント
採用ツールを上手に活用することが、採用活動を成功させるカギになります。では、どのようにして採用ツールを選べばいいのでしょうか。
ターゲットに合わせたツールを選ぶ
採用ツールは、それぞれのツールにより利用者層が異なります。
たとえば、パンフレットなら就活生、折り込みチラシの求人広告なら新聞を購読している世帯のミドルシニアや主婦、YouTubeの採用動画なら若年層、といった利用者層が想定できます。
さらに、ターゲットの利用者層だけでなく、状況も考慮しなければなりません。自社を知らない求職者に対して、情報量の多いパンフレットを渡しても、しっかり見てもらうことは難しいでしょう。また、自社に対して興味を持ち、エントリーを迷っている求職者に求人チラシを配っても、求職者が欲しい情報は提供できません。
ターゲットに情報が届くようにするには、そのターゲットに合わせたツールを選ぶことが重要なのです。
目新しさで選ばない
話題のツールや新しいツールを使ってチャネルを増やすことも重要ですが、それだけを理由に採用ツールを選ぶのは避けましょう。
採用ツールにはそれぞれ特徴があります。特徴を把握したうえで、目的や課題を整理し、求職者にどの段階で何を伝えるのかを決めておかなければ、思うような効果を得ることはできません。
長い目で見て選ぶ
SNSや自社採用サイトなどの採用ツールを使う場合、継続的に情報を発信し続けていないと効果が出にくいため、効果を実感できるようになるまでには最低でも半年から1年程度はかかります。
しかし、SNSやブログで現場や社員の様子を発信している企業は、求職者からの信頼や共感を得やすく、理解度も高まります。また、動画や写真を使うことにより言語化の難しい情報を伝えることも可能です。
こうした採用ツールには即効性がないことを理解し、長い目で見て選びましょう。
比較表つき!採用ツール10選
トレンドの採用ツール10選をご紹介します。
採用ツール | 想定されるコスト | 利用目的 |
ダイレクトリクルーティング | 60万円~ | ターゲットとする人材の獲得 |
求人広告 | 5万円~ | ターゲットとする人材の獲得 |
求人検索エンジン | 無料/1クリック15円~ | ターゲットとする人材の獲得 |
自社採用サイト | 0円~/外注の場合は50万円~ | ブランディング |
SNS | 0円~ | ブランディング |
採用動画 | 65万円~ | ブランディング |
WEB面接ツール | 3000円~50000円/月 | 業務効率化 |
採用管理システム | 5000円~20000円/月 | 業務効率化 |
LINE | 無料プランあり 5000円~15000円/月 | 企業への理解度向上 |
パンフレット | 35万円~ | ブランディング |
ダイレクトリクルーティングサービス
ダイレクトリクルーティングサービスは、企業がデータベースに登録している求職者の中から、自社が求める人材を探し、直接スカウトをする採用方法です。
企業側は募集をして応募を待つのではなく、求職者へ積極的にアプローチすることが可能となるため、知名度の影響を受けずにターゲットとする人材にリーチすることができます。
求人サイトでは掲載社数が多く、他社との差別化が難しい場合や、他社の求人に埋もれてしまう場合も。求人サイトや自社サイトで募集をかけてもなかなか応募が集まらない場合には、ダイレクトリクルーティングサービスの利用を考えてみてもよいでしょう。
利用料金の相場は、前課金の先行投資型サービスなら年間100万円から400万円程度。成果報酬型のサービスなら、一人当たり60万円程度です。成功報酬型の場合は、求人サイトに募集広告を掲載する場合よりも比較的採用コストが抑えられる傾向にあります。
求人広告
求人広告とは、求人募集をかける際に使用する広告のことです。大きく「WEB媒体」と「紙媒体」に分類できます。
WEB媒体の就職情報サイト(求人サイト)は、最もよく使われている採用ツールといえるでしょう。若い世代の利用が多いですが、スマートフォンの普及によりミドル層やシニア層の利用も増えています。
求職者が就職情報サイトを利用するためには会員登録が必要となり、わざわざ会員登録をしてサイトを利用しているという点では、利用者には就職や転職に意欲がある人が多いといえます。
紙媒体の求人広告には、折り込みチラシや求人情報誌などがあります。掲載エリアを絞ることができるので、地域に密着した採用に適しています。
求人情報誌はフリーペーパーがほとんどのため、若い世代からシニア世代まで、幅広い世代で利用されています。アルバイトやパートの採用をメインに取り扱っているものが多く、駅、コンビニ、スーパーなどの生活に密着した場所に置かれています。
求人検索エンジン
求人検索エンジンは、求人情報のみを取り扱う検索エンジンのことです。Google検索やYahoo!検索と同様に、キーワードで検索すると、ネット上に公開されている求人の中からキーワードに連動した情報がヒットする仕組みです。就職情報サイトにログインする手間がなく、まとめて求人情報を閲覧できるため、利用者が増加しています。
基本的にほとんどの検索エンジンが無料で掲載が可能で、有料広告を利用すれば自社の求人の頻度を高めることもできます。
課金する場合の料金システムは、クリック数に応じて課金される「クリック課金型」が採用されており、採用コストを抑えられます。
ただし求人検索エンジンを利用する場合、掲載後にクリック金額にかかるコストや原稿内容の調整といった運用が必要になるため、適切な運用をするためには専門的な知識が必要です。
自社採用サイト
自社に興味や関心がある求職者を、説明会や応募に誘導するためのWEBサイトが自社採用サイトです。近年では、自社採用サイトや採用ブログなどを通じて情報発信を積極的に行う企業が増加しています。
採用サイトを閲覧する求職者は、「この企業について知りたい」と考えているため、求職者の知りたい情報を過不足がないように提示することが重要です。
閲覧者は就職活動が初期段階の人もいれば、本選考に進んでいる人など様々。また、同じ求職者でも新卒と中途では求める情報が異なります。「新卒採用サイト」や「中途採用サイト」のように、採用サイトを目的に応じて運用しましょう。採用サイトを制作しておくと、検索エンジンへ掲載することもできます。
また、転職潜在層に対してのブランディングや認知度向上の手段としても自社採用サイトは有効です。仕事内容や職場の雰囲気、ミッションやカルチャーなどの情報を発信することにより、応募者や候補者の企業理解度を深められ、ミスマッチ防止につながります。
SNS
SNSも、トレンドの採用ツールです。InstagramやTwitter、TikTokなどを使い、ブランディングを行います。SNSはコストをかけずに気軽に情報発信ができ、自社採用サイトや求人情報サイトなどだけでは伝わりづらい、企業の雰囲気がアピールできます。
求職者とつながりコミュニケーションを取ることもできるので、企業と求職者、双方の考え方や価値観を知ることも可能です。
ただし、SNSを有効活用するためには定期的な情報発信と一定数のフォロワーが必要になるため、すぐに結果を求めず長期的な運用を考えなければなりません。
有料のプロモーションを利用すれば、ユーザーの登録情報や、SNS上での行動データに基づいた細かいターゲット設定ができます。多くのユーザーの中から、転職潜在層を含めた自社の求める人材に対し、効率よくアプローチが可能です。
採用動画
企業情報を動画にまとめ、YouTubeや求人情報サイトなどにアップする採用動画。事業内容や企業説明会の様子などはもちろん、テキストではなかなか伝わらない社内の雰囲気や社風も発信できます。
採用活動のオンライン化に伴い、採用動画を使ってオンライン企業説明会を催す企業も増加。対面形式よりも参加のハードルが低いため、気軽に参加してもらえて応募の増加も期待できます。
動画を制作するためにコストと時間はかかりますが、一度制作しておけば説明会や求人情報サイト、SNSなど、さまざまなシーンで繰り返し活用できるため、ブランディングに効果的です。
WEB面接ツール
WEB面接ツールも、採用活動のオンライン化により導入する企業が増えてきている採用ツールです。
WEB面接ツールを使えば、感染症対策はもちろん、地方の学生や遠方の候補者も呼び込むことができます。面接会場の準備をしなくて済み、交通費を支給する必要もありません。
WEB面接ツールには、無料で使えるZoomやSkype、Google Meetなどのツールの他、日程管理や面接評価管理のサポートといった、機能が充実している有料のツールもあります。
ほとんどのツールには録画機能もついているため、面接の様子を録画しておけば、面接の担当者以外の意見も取り入れた公平な評価が可能になります。
採用管理システム
採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)とは、応募から採用までを一元管理できるシステムのこと。
求人情報の管理、応募者情報の取り込み、応募者との個別のやり取り、面接日程の調整、面接評価、内定者フォロー、リクルーターへの情報共有など、採用に関するさまざまな業務が同一システム上で行えるため、採用業務が効率化できます。
採用活動で時間を割かれていた事務作業の削減ができるため、その分を採用戦略の策定や面接などの採用業務の本質的な部分に注力することができます。
また、一元管理された情報は、採用活動の改善にも役立ちます。
LINE
連絡ツールとして幅広い世代に広く普及しているLINE。LINEの公式アカウントを作り、企業情報をメールマガジン形式で発信するといった活用方法もあります。
ユーザーの閲覧率が高く、候補者との連絡ツールとしても使えるLINEですが、「友だち」に追加していないとアプローチができないため、企業説明会やカジュアル面談など、最初に候補者に接触した際に必ず「友だち」に追加してもらうようにしましょう。
トーク画面下の「リッチメニュー」と呼ばれる項目をカスタマイズすれば、一番伝えたい情報を常に表示できます。
パンフレット
企業情報を求職者に伝える紙媒体のパンフレットは、企業説明会や採用イベントなどで配布することが多いです。求職者の興味や関心を引くことができる印象的なパンフレットを制作するために、多くの企業がデザイン、紙質、パンフレットの形状などに工夫を凝らしています。
パンフレットは求職者の手元に残るため、リマインド効果が高いのが特徴。説明会や面談から日にちが経っても、パンフレットを目にすれば会社のことを思い出してもらえます。
就職活動の初期、本選考、内定と、プロセスごとに配布目的や求職者が求める情報が異なるため、それぞれのフェーズに沿ったパンフレットを配布する必要があります。
まとめ:採用ツールのメリットを最大限に活用して欲しい人材を確保しよう
採用ツールを上手に使えば、求職者へのアピールをはじめ、採用活動の効率化や採用後のミスマッチの防止など、さまざまなメリットが得られます。
たくさんの採用ツールがあるのは喜ばしいことである反面、これまで以上に「どのツールを使い何を発信するか」が重要になってきます。
自社に必要なのはどんな人材なのか、その人材を確保するためにはどのツールをどう使うのが適切なのか、目的を明確にしたうえでポイントを踏まえ、自社に最適な採用ツールを選んで採用活動を成功させましょう。