プライベートブランドとは?
買い物するなかで「プライベートブランド」の表示が近年増えており、利用する方も増えてきたと感じます。
今や私たちの日常に欠かせない「プライベートブランド」ですが、メリットや他のブランドとの違いについていまいち理解できていない人も少なくありません。
また、「プライベートブランド」を導入するにあたって開発のコツを押さえておくことでより高い効果を得るためにもしっかり理解しておく必要があります。
この記事では「プライベートブランド」についてメリットや他のブランドの違いだけでなく、開発のコツや企業の成功事例についてなども詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
まずは下記の「プライベートブランド」について理解しておく必要があります。
- 本来自社では企画・生産していない業態の商品を独自に展開している
- すでに商品を提供しているメーカーと提携して行う場合もある
- プライベートブランドのほかにも「PB」「ストアブランド」と呼ばれている
プライベートブランドのメリット
まずは、プライベートブランドで商品を企画・生産を行うメリットについて見ていきましょう。
以下の3つのメリットについて詳しく解説していきます。
- 小売価格を抑えられる
- ブランディングができる
- 顧客ニーズにこたえられる
小売価格を抑えられる
プライベートブランドの商品は、ナショナルブランドと比べて下記のコストを削減できます。
- 製造
- 広告費
- 物流日
- 人件費
自社で企画・製造・販売を行うため、あらゆるコストが抑えられるだけでなく、商品に対する自由度も高いことがメリットであると言えます。
また、上記のようなコストが抑えられることで、販売価格もナショナルブランドより安く提供することができ、お客様の手が届きやすくなることから手にとってもらえる可能性も高まります。
ブランディングができる
プライベートブランドで商品を提供することで「このお店でしか買えない」「このお店だと安く買える」といったように自社のブランディングにもつながります。
また、ナショナルブランドでは実現できない「パッケージの統一性」も顧客のファン化ができるきっかけとなるでしょう。
また、プライベートブランドでさまざなま商品を展開する中で、オリジナル商品の開発アイデアも浮かんでくると思います。
プライベートブランドの商品企画で顧客分析を行う中で、顧客のニーズに合わせてオリジナル商品の開発も行っていくことでさらなる売上拡大となる可能性も高まります。
顧客ニーズにこたえられる
前述した「ブランディングができる」の中でも触れたオリジナル商品のように、顧客の声を直接聞くことができる小売業界ならではの特性を活かせるのも、プライベートブランドのメリットであると言えます。
顧客からの要望をそのまま商品開発に反映させることで、顧客ニーズに低コストで応えることができ、売上拡大や顧客満足度の向上にも効果的と言えるでしょう。
プライベートブランドとその他のブランドの違い
前述でプライベートブランドのメリットについて説明しましたが、近年下記のような他ブランドもよく耳にすると思います。
プライベートブランドとその他のブランドの違いについて、いまいち理解できていないと感じる人も少なくないでしょう。
ここからは、下記のそれぞれのブランドとの違いについて詳しく見ていきましょう。
- ナショナルブランド(NB)
- ストアブランド(SB)
- OEM
ナショナルブランド(NB)との違い
プライベートブランドは、商品の企画から製造に関して全て自社で行うことであることは最初に解説しました。
ナショナルブランド(NB)は、製品や商品に対して製造しているメーカーがつけたブランド名のことを指しています。
例としては以下が挙げられ、メーカーの自社ブランドとして全国的に販売されている商品です。
- カルビー「ポテトチップス」
- 日本ハム「シャウエッセン」
- Apple「iphone」
- コカ・コーラ「いろはす」
ストアブランド(SB)との違い
企画から製造までを行うプライベートブランドと似ているのが、ストアブランド(SB)です。
ストアブランド(SB)は、すでに販売している商品の改善から手がけることであり「品質や価格を改善して販売する」という意味を指します。
小売店や流通業者、卸売業者が行う手法であり、プライベートブランド同様顧客かのニーズに応えられる方法であると言えるでしょう。
OEMとの違い
OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の略であり、他社ブランドの商品を自社で製造することを意味します。
自動車業界や家電の分野でよく見かけられますが、近年では食品などさまざまな分野で普及している製造手法であると言えます。
プライベートブランドは、商品の製造までを行う手法とされており製造工場を持っていない場合難しいと感じる企業も少なくないでしょう。
そこで、OEMを活用することでプライベートブランドの開発が可能となり、実際にプライベートブランドの多くがOEMで生産されています。
プライベートブランド開発のコツ
実際にプライベートブランドの商品開発を行う上で、どのようなポイントを押さえておく必要があるのでしょうか。
ここからは、プライベートブランド開発のコツとして以下の3つについて詳しく見ていきましょう。
- 在庫リスクを踏まえて生産する
- 製造元を明記する
- サステナブル要素を盛り込む
在庫リスクを踏まえて生産する
小売価格を抑えたり、ブランディングできるというメリットがあるプライベートブランド商品の開発ですが、デメリットととして在庫を抱える可能性があるということが挙げられます。
そこで、在庫リスクを踏まえた上で少量から生産して顧客の反応を見てみることがプライベートブランドの開発におけるコツであると言えるでしょう。
在庫リスクを踏まえた上で生産を行うことを念頭に置き、あらかじめ対策を計画時に考えておくことが重要です。
また、プライベートブランドの商品開発の立案時に在庫管理方法も見直してみることもおすすめです。
以下の記事「【徹底比較】オススメ在庫管理アプリ|5選」では、おすすめの在庫管理アプリをそれぞれ詳しく説明している他、在庫管理アプリを提供している5社を徹底比較していますので、併せて参考にしてください。
製造元を明記する
2020年4月以降、すべてのプライベートブランド商品おいて製造元を明記する必要があることをしっかり理解しておく必要があります。
食品表示法の表示義務の見直しが2015年に施行され、以下の内容が定められています。
①外観における表示
まず、本制度で、特定保守製品の円滑な点検がなされるためには、消費者が 点検を要請する際に、コンタクトを取りやすいと考えられる事業者、すなわち、製 品本体や保証書、取扱説明書などに表示のあるブランド事業者が、消費者から の点検要請を受け付けて、点検を実施すべきであるとの要請がある。
製造番号ではなく、製造元が記載する必要があるため注意しましょう。
サステナブル要素を盛り込む
近年「SDGs」の言葉をよく耳にしますが、プライベートブランドにおいても地球環境に優しいサステナブル要素を盛り込むことが、商品の開発のコツであると言えるでしょう。
- パッケージの脱プラスチック化
- 環境にやさしい代替食材の使用
サステナブル要素を盛り込んだプライベートブランド商品を販売することで、社会貢献ができるだけでなく企業のイメージアップにもつながるなど、さまざまな効果を得られる可能性が高まります。
プライベートブランドの成功事例
ここからは、プライベートブランド商品を展開し成功した事例を紹介していきます。
プライベートブランドの成功事例を知っておくことで、自社の商品開発において役立てることができるでしょう。
ここでは、以下の3社について詳しく紹介していきます。
- セブンプレミアム
- 情熱価格
- HEDERA
セブンプレミアム
「セブンプレミアム」はセブンイレブンで提供されているプライベートブランドです。
全国展開されているコンビニであり、CMなどでもよく見かけます。
飲料・お菓子・お酒だけでなく、性格必需品や日常雑貨など高級志向の高い商品から普段使う商品までさまざまなラインナップを取り揃えています。
セブンプレミアム商品のファンも多く、人気ランキングにもラインクインしているなどプライベートブランドの成功事例と言えるでしょう。
また、24時間営業であり欲しいと思った時にすぐに立ち寄ることで商品を手にすることができるコンビニで、このようにプライベートブランド商品を提供することも成功した要因の一つであることが考えられます。
情熱価格
情熱価格は「ドン・キホーテ」のプライベートブランドです。
安い価格で商品を買えることができることから、ドン・キホーテを利用する人も多いでしょう。
情熱価格は、安いだけでなく品質も追求していることから、食品はもちろん洗剤やティッシュなどの消耗品などが人気商品となっています。
さらに、テレビや炊飯器、パソコンなど電化製品なども販売されていることから、生活におけるあらゆる商品・製品をドン・キホーテで買う人も少なくありません。
幅広い商品をプライベートブランドで提供できるのは、安さや高品質を追求したドン・キホーテならではの特徴であると言えます。
HEDERA
HEDERAは、DVDやCDなどのレンタル・購入で多くの顧客が利用するTSUTAYAが提供するプライベートブランドです。
「スタンダードをもっと輝かせる」をコンセプトとしており、落ち着いた色やデザインが特徴的です。
価格も100円から展開されているなど、デザイン性以外にも手に取りやすいことが特徴となっています。
DVDのレンタルや本の購入時に立ち寄ってつい購入してしまうという方が多いようです。
また、使いご心地にもこだわって商品の開発を行なっていることからも、リピートして利用する顧客も多いことからプライベートブランドの成功事例であると言えます。
まとめ
この記事では「プライベートブランド」についてメリットや他のブランドとの違い、開発時のコツについて詳しく解説しました。
プライベートブランドについて理解した上で、他の企業の成功事例も参考にしながらぜひ自社に取り入れてみてはいかがでしょうか。
販売価格を抑えながら高品質の商品を提供できることが醍醐味とも言えるプライベートブランドをぜひ検討してみてください。
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