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4つの要素がスピードを速める!経営支援のプロが語る適切な意思決定の進め方

投稿日:2023年9月7日 /

更新日:2023年10月30日

4つの要素がスピードを速める!経営支援のプロが語る適切な意思決定の進め方
● 対談● 組織運営

第3回ものすごいベンチャー展 Day4『圧倒的な生産性を実現せよ!』
セッション開催日時:2022年5月19日

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目次

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登壇者プロフィール

田岡 敬(たおか けい) 氏
株式会社office K 代表取締役

リクルート、ポケモン法務部長&US子会社SVP、マッキンゼー、ナチュラルローソン執行役員、IMJ常務執行役員、JIMOS代表取締役社長、ニトリホールディングス上席執行役員、エトヴォス取締役COO、日立グローバルライフソリューションズ常務取締役CDOなどを歴任。

現在は、office K 代表取締役としてさまざまな企業のマーケティング・経営支援を行う。

 

鈴木 章裕(すずき あきひろ) 氏
株式会社コミクス 代表取締役

1969年、大阪府生まれ。甲南大学法学部を卒業後、広告代理店の営業部長を経て、2000年にインターネット広告を手掛けるアイブリッジ株式会社へ入社。

2007年9月、アイブリッジ株式会社、アドデジタル株式会社、アカラ株式会社、ブランド総合研究所という4つの会社を束ねるグループ会社へと成長した同社の社長を辞し、株式会社コミクスを設立し、代表取締役社長に就任。

自己紹介とこれまでの経歴

早速なんですけど、自己紹介をお願いできますか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
株式会社office Kという個人の会社の代表をやってます、田岡です。今は、北の達人コーポレーションの社外取締役とか、コープさっぽろの顧問とか、個人でアドバイザーとか役員などをしています。色々な会社で役員を18年ほど務めてまして、そのうち代表は8年ほど経験しています。

簡単にどんなことをやってたのかご説明すると、IMJ社、今はアクセンチュア社の子会社になりましたが、そちらのほうで2つの子会社の代表や5つの事業を管掌して、創業以来4年間、赤字だった子会社を黒字化しました。
jimos社という100憶円くらいの通販化粧品会社では、社長をやってまして、セカンドブランドを立ち上げて売り上げを回復したりとか、ニトリ社では今で言うCDOみたいなものですが、デジタルに関わることは全部やっておりまして、よく記事にもなっていますがECの急成長などで貢献できたかなと思っています。

ETVOS社では取締役COOとして、最後はルイヴィトン系のファンドに売却しましたが、それまで踊り場だった会社を再生できたかなと思ってます。
直近は、HITACHIグローバルライフソリューションズ社という、HITACHIの家電メーカーで4,000憶円ほど売り上げのある会社の業務取締役を務め、LOVOTのGROOV X社への出資なども決めてきました。

HITACHIってBtoB系なんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
これはBtoCですね、まあBtoBtoCですけど。それこそ家電メーカーとか、家電量販店だったりしますので。
これどういう軸で変わってこられたんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
最初は、社長になりたくて転職してまして。あとは新しいことですね。同じ事をするのがあまり得意じゃないんで、まあできるだけ新しいことやりたいなって、転職しちゃいました。
なんか3人ぐらいの人の経歴が混ざったみたいな経歴なので恐ろしいなと思っています。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
いえいえ、とんでもないです。短期で結果を出してきたかなと思っているんですが、終業時間はだいたい18時、18時半でさっさと帰るタイプでして。

今振り返ると意思決定スキルが支えてきたのかなと思っていますので、その話をさせていただきたいと思っています。

僕も会社経営7社で、合計で20年ぐらいやってるんですけど、いまだに意思決定数が多くて。これいただいて意思決定数減らしたら結果が出たんですよね、いきなり。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
素晴らしい、わずか1週間くらいなのに。

意思決定が重要になる理由

田岡
田岡
まず「なんで意思決定が重要なのか」という話をさせてください。

生産性をどうやって高めるかにおいて意思決定が重要なんじゃないかという風に思っていますが、生産性というのは文章化すると「アウトプットに対してインプットがある」と。生産性=アウトプット/インプットですね。これが高ければ、生産性が高いってことなのかなと。

当然インプットとアウトプットの間にはプロセス(執行する)というものが挟まっているというものかなと思ってます。

プロセスについては今はSaaSであったり、非常にレベルの高いアウトソースであったり、兼任・兼業なんかも認められる時代になりましたので、非常に頼む相手も増えました。あとは非常にこうナレッジシェアが進んできたりとかで、執行の難易度というのは、実は昔より低下してるんじゃないかなという風に思っています。

たしかに依頼できたりするサービスはありますもんね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですそうです。今は私もそれで商売等をさせていただいてます。例えば「北欧、暮らしの道具店」を運営しているクラシコム社では、なんとSaaSを27個も使っているそうで。これはクラシコム社のnoteにあるパブリック情報なので、皆さんもぜひ見ていただければと思います。

やっぱり、それだけの数のSaaSが執行を支えているようです。まああとは、ecforceをやっているSUPER STUDIO社は、ECのシステムから始まりまして、今はもう何でもやってますね。フルサポートをやっていて、執行をサポートする体制はどんどん整ってるのかなと理解しています。

さっきのクラシコムのSaaS27種類とのことですが、僕らも考えてみたらもう30以上入れてるんですよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
おお、すごい、素晴らしい。
入れたほうが効率がよくなりますよね。本来、人が考えて判断してやるべきことに集中できるので。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
意味のない試行錯誤は飛ばせるというようなことですかね。もちろん僕もずっと執行やってきましたから、大変だという前提ではありますが、SaaSやアウトソースがなければそもそもそんなビジネスできてないですよね。

D2Cなんてまさにその例として挙げられるかと思います。それで執行に対する考え方が変わったのかと思っています。

SaaSとかアウトソースを選ぶときに、どういう基準で選んだらいいかというところを結構みなさん悩んでて。

例えば「過多なSaaSを選んでしまって、システムを買ったのに使いこなせない」とか「アウトソースで人を選んだけど思ったように活用してない、活用できてない」みたいなのもよく聞くんですけど、選定とかの基準ってどういう風にされていました?

鈴木
鈴木
田岡
田岡
まあそういう今おっしゃったとおり、アドバンスな最先端のものを求めるものと、ベーシックな機能とで両方をかけながら評価すると思うんですけど……。ベーシックなものさえ実装が難しかったり大変だったりで時間がかかって、そこでコケちゃうことが非常に多いですよね。ベーシックな機能をさっさと実装して、あとは運用ですよね。

クライアントがやるのか、BtoB側が助けてくれるのかというのも含めて、実装と運用についてまず確認するというのが一番かなと。アドバンスなことはその後かな?という風にいつも思っています。

経営者ってアドバンスもやりたがるから、実行部隊が未熟なのにアドバンスも入れちゃって、おかしくなってるところもいっぱいありますけどね、未だに。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、で、実際そのベーシックな機能を使いこなしてくる頃には、ECでいうとリニューアルのタイミングがくるので、またどうせ入れ直すことになるんじゃないのと思ってます。
そうですね、おっしゃるとおりですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
アウトプットというのは結果なのでコントロールできませんが、プロセス、考え方が少し変わってくると、インプットが重要になってくると。

VUCAの時代ってよく言われてますけど、先行きが見えないのでどういう方向へどういうリソースをいつ突っ込むのかという意思決定ですね、これが非常に重要になっていくのかなと思っています。あとはその、始めたら上手くいくことばっかりじゃなくて、トライ&エラーが非常に今増えてますので、意思決定の回数自体も増えていて、より重要になっているのではないかという風に考えております。

リーダーは意思決定をするということ自体が重要

意思決定でよく、なかなか決断できない経営者と、決断しちゃうけどすごく間違ってしまう経営者という2種類いるという話がありますが、どっちの方がマシなんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
どっちも嫌ですけど、後者のほうがまだいいんじゃないですかね。やっぱり意思決定するってことは何かが執行されて、経験が手に入って解像度が上がるという行為なので。

解像度が低いままやってるよりは、解像度が高まる方がいいんじゃないかなという風に思います。

意思決定しないでズルズルやるというのは、事業の責任者とか経営者はやらないほうがいいですよということですかね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
はい。そう思いますね。

意思決定の回数を減らす方法

田岡
田岡
で、VUCAというのは「不安定」とか「不確定、複雑性、曖昧性」など、こういう時代だということですよね。そのため、意思決定が生産性を左右するんじゃないかという風に考えております。意思決定が生産性を左右するだろうという前提で、じゃあどうやって生産性の高い意思決定をしていくかという話をさせていただければと思います。

ポイントは2つあると思っていますが、まずは「意思決定をどうやって減らすか」というところですね。

僕らみたいにベンチャーって、意思決定の機会がとにかくたくさんあるんですよね。渡しても渡しても増えてくるんで、意思決定をいかに減らすかってすごい大事ですよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、重要なことにフォーカスするということがいいかなと思っています。
例えば、何社が関わってきている中で、最初は意思決定の数が多いみたいなところからスタートなんですよね?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、はい。
その各社で意思決定が多い中で「これはもう、現場にKPI渡して意思決定者から自分を外そう」とか、そういうのを最初の段階で棚卸ししちゃって、どんどん意思決定数を減らすみたいなプロセスでやられてたんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、おっしゃるとおりでKPIをしっかり設定するとか、当然OJTからスタートするので、基準を設けてできるようになったらどんどんオートマチックに判断してもらうように進んでいくという風になりますね。
予算とかって、現場のこのレイヤーの人はいくらとか意思決定と一緒に決めていくんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
施策ごとに予算を決めて回っていくという風になると思います。
ありがとうございます。
鈴木
鈴木

より適切な意思決定をするには?

田岡
田岡
もう1つが「いかに適切な意思決定をするか」ということで、早く適切な意思決定をすると。

Newsweek等でも「決断疲れが生産性を奪う」なんて記事もあったりして、やっぱり意思決定の回数を減らして集中しないと良い決定ができないということかなと思ってまして。そのためには「意思決定だといわれている領域をいかに判断領域に変えていくか」ということが重要だと思っています。

意思決定と判断というキーワードをちょっとお出しさせていただきましたけれども、上位役職者と執行する担当者がいた時に、上位役職者って不確実なことを決めるというのが仕事で、担当の方の仕事は、高確実なことを執行していくというのが仕事だと思っています。

そうですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
なので、意思決定は上位役職者の仕事で、判断が担当者の仕事という風にいっているんですが、意思決定の「意思」って辞書引いていただくと「何かをしようとする時の元となる心持ち」って書いてあって、心の問題だと。
心がすごい健康じゃなかったら、なんか意思決定誤りそうで……。だから健康でいないと危ないですよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですよね。「経営者の方は真夜中に意思決定しちゃ駄目だ」とかってよく言いますけど。
実際そうだと思いますよね。変な方向にいきますよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
「夜中に意思決定すると、ほとんどネガティブな意思決定をする」というのも研究にもありますよね。
やめたほうがいいですよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
なのでまあ、心を使って消耗する仕事ってことですね。
なるほど。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
それで、「判断」というのは、まあ字の通り、「判って断じる、判って断じているので誰でも同じ結論だ」ということです。そのため、出来るだけ判断領域を増やしていくと、心を疲弊させずにオートマチックに仕事が進んでいくということですね。

判断領域が小さく意思決定の領域が大きいと、もう非常に大きく、多い回数の意思決定をしていて、本当に重要なことと重要じゃないことがごちゃごちゃになりながら意思決定しているのかなと思います。

Factをベースとした議論が大切

これ意思決定するときに、例えば現場の人はBがいいと思ってるのに、意思決定者がAだと判断したときに、反対とかってこないんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
別にきてもいいと思うんですけど、最後「思う」とか「感じる」って議論し始めると、基本的には上位役職者が決めるという仕事ですし、そこで今担当の方の熱い想いもありながらAだと思うみたいなことって、心を消耗しながら時間を取ってるので、意思決定時にはするべきじゃないなという風に思っています。

「思う」とか「感じる」って話ばかりしていると、感覚ベースの終わらない議論が続いちゃうというのと、最後決めの問題ってなると当然、上位役職者が決めるので。逆に言うとご選択とか指示待ちになってしまったりとか。あと部下からの「これやりたい」とか「信じてください」って言われることって、なかなかしんどいですよね。

「じゃあやってみろ今回は」みたいなことを毎回やってるのはしんどいなということです。

まあでも、「やらせてください、信じてください」って言ってくれる部下がいるのはまだマシですけどね。なかなか一般的にはそういうのすら言わず、できるだけ楽をして自分のポジショニングを上げたいというのがサラリーマンの本音な気はするので。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
だから結局、ご選択・指示待ちみたいなになるのかなと思いますね。なので、できるだけ判断領域を広げて、意思決定領域を縮めていこうと。

意思決定の回数を減らして、重要な意思決定に集中していけばいいのかなと思ってます。

選択・指示待ちの人が多い組織って、どういうところからメスを入れて変えていくんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
Factをベースに議論するのと、意見がないとか意志がないこと自体が自分の役割を全うしてないんだという、その仕事の定義の部分だと思うんですよね。

上司の前にお皿を並べるのが仕事ではないので。提案するのが仕事だったりとか、やっぱり自分の意思を乗せて「これやるべきだ」とか「これやりたい」とかというのを提案するのが仕事だと、仕事の定義を変えてもらうのが一番大事かなと思っています。

仕事の定義をちゃんと理解してないという方が大半だから、まずしっかり定義を明確化してあげたらいいということですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
上司の役割としても、相談に乗るという感じにどんどん近くなっていく、壁打ち合いだったり相談に乗るポジションであったり、当然重要なことは決定しますけど。
例えば上司がいるじゃないですか。上司を飛び越して現場から「上司がこう言ってる、こうなんですよ社長」みたいな、実際にそういうのきたときどう処理されてました?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
ちゃんと聞きますよ。その飛び越されてしまったミドルのコミュニケーションに問題なかったのか、あったのかというのを慎重に調べながら、ミドルも巻き込んで。
やっぱり巻き込みますよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
私はリクルート出身なので、そういうのを悪だって前提として思ってないってところはあります。
僕も思ってないですよ。だからもしかしたら現場のほうが正しいかもと思ってて。
でもなんかミドルを放置して、上がトップランしちゃったらミドル殺しちゃうので、いったん巻き込んで解決していくというのが大事なんですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
判断領域を増やすにはFactと、それに基づく判断基準をちゃんと作っておくということが重要かと思っています。

当然、未来のことを決めるので、Factなんて集めようがないとか、作りようがないみたいなことも沢山ありますから、そういうことにこそ議論を集中した方がいいんじゃないかと思っていまして。基準を決めて、執行者がどんどん判断して執行していく。そのためにKPI管理もあるはずだという風に思っております。
競合の全部の情報が内部の人だったら分かるけど、他社だったら分からないし、世の中がどう変わるかも分からないし、マーケットがどう変化するかも分からないから、ある程度集めたらフェルミ推定じゃないけど、しっかり議論して意思決定していくということが大事なんですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね。まあ実際マッキンゼー社とかGoogle社も、Factベースのディスカッションの重要さをよく語ってますけど、カルチャーとしては非常に重要なのかなと思ってます。

Factは仮説やアイデアを証明するために作るもの

田岡
田岡
私の経験からもひとつお話しすると、私がニトリ社に入った時ってデジタル投資とかをあまりしてなかったんです。店舗とネットで、いかにお客さんが行ったり来たりしてるかというのを、本当に簡単なアンケートを数十万レベルで集計したんですけど、これによってニトリホールディングスのデジタル投資が一気に進みました。

当然誰でも思ってるんですよね。「ネットと店舗を行ったり来たりしてるに違いない」と。「きっと○○だろう」というのはみんな思っているものの、意外とこれは意思決定に繋がらないんですね。

でもアンケート結果というFactが揃うと「やっぱり○○だったんだ」という風に、一気に判断領域になるので、Factを1つずつ積み重ねることによって、どんどん判断領域化していって、投資が得られたりとか、どんどん進んでいくという状態になるのかなと思います。

調査をしてFactを作っていくというのが重要だということですね。

「行き来しているからネットも強化しないといけないですよ」ということで、中にちゃんと訴えていって、こうだろうっていう結論に導かせるってことですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
はい、そうですね。で、Factは見つかるものではなく、仮説やアイデアを証明するために作ってくという姿勢が重要かなと思います。
これは格言ですね、僕は正直しびれました。正直、Factばっかり見つけようとしてたんですよ。なかなか見つからないから結局結論出ずに、ズルズル時間ばかりがいくという最悪の状況だったので。「このFactだろう」というところで証明するためにFactを作り出すんだというのでもうすごい腑に落ちました。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
よく調査で言われますよね。最初から結論が出ていて、それを裏付ける。もちろんその逆になることもあるんですが、それはそれで新たな仮説につながるのでいいんですよ。
そうですよね、真逆だったら逆に良い仮説で、反証仮説みたいなのができるからそれはそれでマルですよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
まあAだと思ってたら、not Aだったというのでも、解像度が一気に上がるので。
一気に上がりますよね。素晴らしい、すごいです、この言葉。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そのように意思決定回数を減らして頂ければと思います。

ROI計算と経営意思が意思決定スピードを速める

田岡
田岡
もう1個が、「適切な意思決定をいかに速く行うか」ということなんですけども。ちょっと意思決定の分解は僕なりにしてみるとですね、今みたいにFactを集めるとか作るというのがあって、それを元に仮説を作るというのがあって。その仮説についてROIを試算して、経営の意思も入って意思決定が行われるのかなと思います。で、当然Factと仮説は行ったり来たりなんで、ぐるぐる回ってるのかなという風に思います。
ROI計算と経営の意思というのがすごい斬新でした、僕の中で。仮説構築とFactはもうイメージはできてたんですけど。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
まあ最後はのちほど述べますけど、価値観とかカルチャーとかいろんなものも含めて意思決定ってされると思うので、所詮、将来のROI計算って「当たるも八卦、当たらぬも八卦」って大前提がありますから。そこには意思も当然入っていかないといけないという前提があります。
最後にミッション・ビジョン・バリューがくるんですね、ここで。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうだなという風に理解はしています。
素晴らしいです、ありがとうございます。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
Factの収集・作成はどこまで集めるとか、どこまで作るのかとかについて明確にしないといけないと思ってます。簡単に集まるもの、僕のニトリ社の例なんて簡単に集まるのでやればいいわけですよ、30万という数が1週間で集まりますから。

でも将来、例えばイーロン・マスクが火星に移住させようとしてますが、火星の調査なんてできないわけで。

行くのに時間かかりますね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
はい、コストが合わないということですよね。それで、準備不足もいけないし、揃えようのないFactを永遠に追求する、これは大企業によくあると思いますけれども、もうそれは意味ないので。

「どこまで集めたら議論して決めるのか」というのを決めることは重要かなと思います。意思決定に1回で済むのに3回会議することって、結構あると思うんですね、僕も「なんでこんなに意思決定に時間がかかるんだ」と思うことありますけれども。

それってよく考えたら会議時間が3倍になることですし、逆に言うと同じ会議時間で意思決定できる数が1/3になりますし。それが各週の会議だったら、意思決定が1カ月延びるわけですよ。

長引くわけですもんね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
ものすごくインパクトが大きいので、できるだけ1回で決めると。そのためには「Factどこまで」「議論どこから」っていうのを明確にしておくことが重要かなと思っています。
いや、これは大事ですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
で、もうひとつは「Factを作る」って話なんですけど、ユーザーテストによって解像度を上げていくということは非常に重要かなと思っています。「PDCA」ってよく言いますけど、「Plan」から始まる時点でやっぱりちょっと難しくって。新しいことをやろうとしてるので、10キロ先の対象物をおもちゃの双眼鏡で見ているような感じで事業解像度が異常に低いので、なかなか当たらないし、計画自体を作るのも時間かかるなという風に感じてます。
やりだしたら全然違うし、もう後戻りできないみたいなのはよくなりがちですよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
はい、それは「Do」ですよね。実際にDoしてみると1歩目から違ってたという感じでよくあります。でもリソース作って計画承認してもらっちゃったし、辞めるって言えないやみたいな。
あるあるですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
プランにも時間かかったし、間違ったとも言えなくなっちゃったみたいなことだと思うんです。それでOODA、観察するということによって解像度をアップしていくというのは重要なのかなと思っています。

Observe(観察する)
Orient(状況判断する)
Decide(決める)
Action(行動する)

例えばアプリだったらモックを作ってテストしてみるとか、まだ発売前の商品を調査として、作り込んだLPで「ドライテスト」といわれるものをしてみたりとか。あとは最近、クラウドファンディング自体をテストで使われている会社さんも多いと思うんですけど、まずはそういうユーザーテストをして、観察して、解像度を上げてからスタートするということが重要かなと思ってます。そのため、「PDCA」の「P」Planというのは、OODAの「A」Acutionが終わって初めてできるものかなと。OODAとPCDAが繋がると、いい循環が始まるという風に思っています。

いいですね。早く決められるってことで、時間という一番大事なものが短縮できるんですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、そう思います。
これOODAして決めて行動して、で、思ったように想定の結果が出なかったらもう1回ぐるっと回すという感じですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、またOODAをぐるぐる回しながらってことかなと思いますね。私も過去の経験からいってもいきなり計画を作ったことはなくてですね、やっぱり何回もテストしながら進んでるなという感覚があります。
実際そうですよね。計画がなにもないのにFactを作って、計画通りいった試しなんて絶対ないと思います。
鈴木
鈴木

エキスパートとのディスカッションから仮説を構築する

田岡
田岡
次は仮説構築ですね。これは情報ゼロからスタートする「情報のわらしべ長者」って僕は呼んでるんですけども。エキスパートにヒアリングをして、アイデアもらいながら仮説を作っていくというシーンってよくあると思います。

例えばAさんからAってアイデアをもらったら、それを違う人にぶつけてみると。そうすると、not AとかA’、Bみたいにまたアイデアをもらえるシーンって非常に多いですよね。

複数のアイデアが集まると、今度は自分で考えるようになるので、Cなんじゃないかという結論が出てきて、それをまた次の人にぶつけて新しいアイデアをもらう。

自分が経験したことのない新しいことでも、エキスパートとディスカッションしながら仮説を作っていく。新しいことをやるときに短期間で仮説まで作っていく際には、これが非常に重要なんじゃないかなと思っています。

A、 Bやってから自分のアイデアのCを考えるというところが肝ですね。それで、Cを出してからもまた別の方にぶつけて精査していくという。

A、Bと揃えることが大切ですよね。

鈴木
鈴木
田岡
田岡
このやり方が良いと思う背景として、やっぱり本とはディスカッションできないけど人とはできるという点ですよね。

本って2冊3冊読んでいくと、自分の都合のいいとこだけ「やっぱりそうだ」って取り入れ始めてるんですよね。実は持ってる考えが強化されるだけで、新しいことを取り入れなくなっちゃうことってよくあるんですけど、人間相手だと「そういう考え方ってこうじゃないの」ってことを言ってもらえるので、そっちの方が良いんじゃないかなって思います。

こっちのほうが全然いいですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
僕は事業を作るってことじゃなくて、転職回数が多いので、転職先では実際毎回これをやってます。

社内の人や部下と1on1インタビューやる時は、この方法で短期間に初期仮説を作るということをいつもやってますね。

いやー、これは素晴らしい。これは皆さんもぜひやった方がいいということですね、ありがとうございます。
鈴木
鈴木

施策の優先順位はROIによって決まる

田岡
田岡
仮説ができたら次はROIを試算していきます。ROIに基づいて、優先順位も決まると。その時にリソースの投入量と、ROIをどれくらいの期間で見るのかって非常に重要で、そこを変数として優先順位を決めていけば良いのかなと思っています。

その背景としては、競争プレーヤーが変わってきたというのが一番なんですけれども。
意思決定が遅くて資本がなければ当然淘汰されますが、昔は独立系自己資金企業が多かったので、お金はないけど意思決定は早いと。それに対して大企業も新規事業を始めるようになってきて、資本が大きいけど意思決定が遅いという、対になる人たちの戦いだったんですけれども。今はVCから投資を受けたベンチャーならお金はあるし、意思決定も速いと。

調達環境がいいから、立ち上げたばっかりのベンチャー企業でも20億円調達、30憶円調達とかはけっこうありますからね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そのため、競争のルールが変わってきているんじゃないかと思ってます。ベンチャーも大きな先行投資を前提とした意思決定、事業運営をしてるし、それによって競争が激化しているという風に思っております。

中長期的な目線で投資をしていく

田岡
田岡
昔はですね、本当に戦後まで戻っちゃえば、供給より需要が大きい時代だったので、手持ちと資金がなくても事業を立ち上げられました。利益でいうといきなり黒字というところもあったと思います。

だんだんそうもいかなくなり、先行投資が必要になって、赤字期間が一定あってようやく黒字化するという形になってきたのかなと思います。

私はよく、大企業とか新規事業の単年度黒字を「3年目安にしろ」ってよく言われてましたけど、そういう時代かなという風に思いますね。それが今さらに、長期利益最大化のための莫大な先行投資という形になってきてますので、先行投資が非常に大きくて長期的な利益を取りにいくという戦略が増えているのかと。

やっぱり、いつ利益を最大化させるのかという期間の概念が非常に大きく変わっていて、アメリカだけじゃなくて日本でも、赤字上場の会社が増えてきているのかなと思ってます。

イーロン・マスクが買収したって話題になってましたけど、Twitter社もしばらく赤字でやってましたし、私がエグゼクティブアドバイザーやってるディネット株式会社も創業5年で、シリーズBということで8億円の調達を発表してましたけど。そういう時代になっているのかなと思ってます。

そのため、先行投資いくらするのってことと、いつ黒字化するのという概念を2つ変数にしないと、ROIは変わってくるのかなと思います。

経営層の人たちは、経営の目線をもうちょっと長いスパンで、どう中長期で、自分たちが、例えばシェア世界ナンバーワンなのか日本ナンバーワンなどを取っていくのかみたいな、時間軸長く見てかっちり投資していくというやり方にしていかないと、なかなか上がってこないということなんでしょうね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、まあ競合がそういう視点で投資をする可能性があるということを、少なくとも考慮しないとってことだと思うんですね。

そのため、どうしても特に部長とか中間管理職とかは与えられたリソースで考えるというのが前提になってると思いますが、適切なリソースを考えるという形に意思決定を変えないとなかなか難しいですよね。

「それは会社が考えることですよ」というようなことを、よく話しますけどね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうなんですよ。与えられたリソースを前提としなくなると、かなり事業の考え方って変わるので、管理職の方も一歩上の経営者になってくるかなという風に思いますね。
またそこでリソースどう確保する、お金の問題、人の問題どうするのかというのは、また管理職の上のレイヤーが腕をふるうところなんで。今決まってるリソースはあまり考えない、というクセはつけたほうがいいんでしょうね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
前提としないことが重要かなと思いますね。あとは、ひとつの事業にリソースを集中してなんとかするとか、まあそもそもリソースを必要としないビジネスを考えるとか、そうやって合わせて考えるといいかなと思います。
例えば僕らでいうと、この2年ぐらいで事業を半分ぐらい売ったりとか辞めたりとかして、すっきりさせていってるんですけど。田岡さんが色々経営されていく中で、事業が多岐にわたるところってやっぱり「ここから一点集中でいこう」みたいな感じで、集中して変えていく感じなんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、はい。

例えばjimos社でいうと、サイバードホールディングス傘下で、それはもっと言うとファンド傘下だったので、当然事業資金の投資順位があって、それこそリソースの調達に限度があったので。

私がJimosの社長だったときは子会社だったコマース21を売却しました。

そういうことですね。そこで得た資金をもとに、注力商材のほうをテコ入れしていった感じですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、メインの通販事業に注力するということになります。

ROIを比較して優先順位を決める例

田岡
田岡
事業ってすごく大きい話ですが、皆さんの普段向かっている施策でも、ROIを比較して優先順位を決められるんじゃないかと思ってまして。

例えばBtoCだと、F2転換率、2回目購入率がどれくらいかとか、定期の解約率どれくらいかとか、平均単価どのくらいかというKPIを追ってやってるケースが非常に多いと思うんですが、最初のステップは、当然KGIをKPIに分解しましょうというところからスタートして。

その次に、各KPIごとのセグメント数を把握します。セグメントに何人いるのか?というのが分からないと、インパクトが分かりませんので、それを把握した上で各KPIが1ポイントとか1%変わった時、どれくらいインパクトあるのかと。

F2転換率だと30%が31%になるとか、定期解約率の15%が16%になるとか、平均単価が6,500円の場合、65円プラスされるとどうなるのかということですね。単位あたりの売上がどれくらい減るかとか、限界利益がどれくらい増えるかというのを把握するのが、まずスタートとして重要かなと思っています。

限界利益の出し方って、どう計算されてるんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
限界利益は固定費を引かないです。限界利益=売上ー変動費ですね。よく固定費まで引いちゃって、「売り上げ増えてもあんまり利益が増えない」なんて言ってる人もいますが、当然売り上げが増えても固定費は変わらないので。

例えばD2Cだと限界利益65%とか70%とかあると思いますし、SaaSビジネスだと80%とか90%とか特殊じゃないと思うんですけど。限界利益でシミュレーションするのは非常に重要ですね。

BtoCの通販とかだったら例えば、売上から変動費である広告費とかを引いて限界利益を見るみたいな考えで合ってますか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうです、あとは物流費とかですね。
そうですよね、ありがとうございます。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
それぞれのKPIが1ポイント、1%変わると、どれくらい利益が減るのか増えるのかというのを理解する。単位あたりどれくらい売上と利益が変わるのかということ。

そのうえで、じゃあ次にKPIに関する相場観によって、どれが伸びしろあるかを考えます。伸びしろあるのがどれか分からないと、実はあまり意味がないので。

「F2転換率30%って伸ばせるの?」とか「定期解約率15%って減らせるの?」とか「平均単価6,500円から上げられるの?」という相場観が非常に重要なので、1個ずつの単位でどれくらい利益が増えますかということと、本当に伸ばせるのかという相場観を持って優先順位を決めると。

例えばCPOが例えば5,000円するのか、8,000円するのか10,000円するのかで売り上げって変わってきますけど、最大利益ってどこが残るのかみたいなのを加味しながらCPOを取り入れることと同じような感じですよね?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、はい。今までの例で言うと、じゃあ「実際SEOで獲得増やせるの?」とか「リスティングのCPA下げるのを実現できるの?」とか、KPIをチューニングすることの難易度を加味して優先度を決めるということになります。
経営のインパクトで優先度を決めているって感じですかね?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね、あと期間の概念が必要になります。
1年にするか2年3年にするのかというのは、会社ごとで設定してやればいいってことですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
はい、改善対象に対して施策案を実際に出して、投下コストも。例えば製作費がかかるとか、システム投資がかかるとか、営業であったら営業コストかかるとか、いろいろあると思うので、施策のROIを評価して優先順位を決めるという風になるかなと思います。

だから事業間といったら大きな話になりますが、施策間でもROIで決めいくということの癖をつけて、これを並べて優先順位を決めていくと。システム改修なんかでもよくあるんですけど、じゃあいろんな部門からシステム改修をやりたいという要望が挙がってくるので、ROIに直して決めていくということが重要かなと思っています。

ありがとうございます。
鈴木
鈴木

機会損失とコストは両軸で見ていく必要がある

田岡
田岡
注意点としてこれはリソースに限りがある場合の相対評価なので、全部ROIが一定基準を満たしている場合、リソースがあるならできるだけ全部やれればいいですよね。

それはハンドリングする人がいるのかとか、お金があるのかとか、じゃあアウトソース使ってできるのかとか。
リソースが調達できるのであれば、絶対基準を満たしている限りにおいては全部やるというのが正解なので、できるだけ全部やってスピードを上げると。

よくシステムだと、基幹システムの刷新が控えているので今開始しません」みたいな議論がよくありますが、二重投資にROIがあってリソースがあるのならやればいいですよね。そこは気にせずやるというのは非常に大きいかなと。僕も今までの会社で「全社でBIツール入れるのでマーケティング部が勝手にBIツール入れられない」みたいな事をよく聞きましたが、別に二重投資でもROIが合うのであれば入れてしまえばよくて、合流を待つ必要はないですよね。

導入しないことでロスの方が大きいですよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうです、機会損失のほうが大きいので。機会損失とコストダウンって両方見ていかないといけない。

どうしてもコストの話ばっかりされてますけど、機会損失がないかというのを見ていただけたらいいかなって思います。

だから機会損失を見るという考え方は重要ですね。効率化というと、コストばっかり見る人が多いですよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
まあ小売業でも廃棄ロスに注目して、欠品による機会損失を見ないというケースも多かったりするんですけど、それを見ることは非常に重要かなと思います。
めちゃくちゃ重要ですね。
鈴木
鈴木

経営の意思とのフィットも非常に重要

田岡
田岡
最後に「経営の意思」が当然入ってきて、よくわからない未来のことを決める際に、わからなければわからないほどミッション・ビジョン・バリュー・カルチャーとのフィットが非常に重要かなと思いますし、きっとそういうのって測定不可能で困難なだけであって、長期的にはそっちにフィットするほうがROIは合ってるんじゃないかと。

逆に言うと、そういう風に意思決定すればROIが高くなるようなミッション・ビジョン・バリューを掲げていく必要があるのかな、という風に思ってます。

だからブランドパーパスとか、パーパスケールがずっとここ数年言われているけど、最終的な意思決定もそうだし、経営のところのFact作成、仮説設定、ROI計算してやる時も、「AもBも正解だ」みたいになった時に「僕らのミッションで考えたらこのAだよな」というところで、迷った時に経営の意思というところにたどり着くんですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですし、本当は計測不可能なだけで長期的にはROIがそっちの方が高くなるであろうものを掲げる必要があるのかなと思ってます。
社員さんの納得感も高いでしょうしね。自分たちのミッションに基づいた決定なんだという。
鈴木
鈴木

決裁者が持っている前提情報に沿って提案をする

田岡
田岡
最後にですね、全体として速い意思決定をするにはどうしたらいいのかというコツもちょっとお話させていただきたいと思います。

意思決定には起案者と決裁者がいるケースが多いので、この2人と常に同期を取っていきましょうという話です。

時々部下から唐突に提案されるケースってあると思うんですけれども、背景とか経緯がよく分からないみたいなのがありまして。これって本に例えると、1章から20章を読んでないのに、急に21章の話をされて決めろって言われるようなもんだなという風に思います。

どうやら背景と経緯があるらしいけど、僕は聞かされてないからわかりませんと。「じゃあ1章から20章を説明してよ」ってなると、今度は長い時間が必要になるんですよね。鈴木さんもそうだと思うんですけど「2時間くれ」って言われても、急に2時間取れないじゃないですか。

取れないし、結構聞いてるんですけど聞いたらやっぱすごい疲れるので、他の意思決定が弱くなるんですよ。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
なのでどうしても難しい。あと、そもそも1章から20章の説明はもう起案者の方のバイアスが入ってるので、正しいかどうかちょっとわからないんですよ。
また反証で別の人のも聞かないといけないから、また時間かかるんですよね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
なので、1章2章3章って同期を取っていくということは非常に重要だと思ってています。

別にそんな長い時間かかるわけじゃないので、定例ミーティングのときにネタを持ち出してお互いにディスカッションをするとか、コンセンサスを作っていくとか、まあよく英語で「on the same page」って言われますけれども、そういう感覚は非常に重要かなと思ってます。

大事ですね。そしたら定例評価の時とかも、普段から話してるから本質的なことだけ話せてすごいいいですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですね。よく「エレベーターピッチ」って「エレベーターが下りるまでに承認を取りましょう」みたいなこと言いますけど、でも背景の説明として、20章まで積み上げてなかったらそんなこと絶対にできないので。やっぱり早い意思決定のためには、同期を取っていく

これは頻度の方が重要なので、頻度を上げて1回の時間は短くてかまわないんですよ。1回の時間が長くて頻度が高かったら結局非効率なので。

推奨する頻度ってありますか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
週次ミーティングはすごく重要かなって思ってます。議題がないときは飛ばせばいいですし、1時間取っておきながら議題が短かったら5分で終わってもいいんですよ。そのキャッチアップする機会を作っておくということが重要かなと感じます。
絶えずお互いにキャッチアップして同じ方向を向きながら、最新アップデートですね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
もう1個利点があってですね、こう当然起案者は資料をしっかり作って決裁者に挑んで決裁もらおうと思うんですけど、事前に決裁者がその議題についてポジティブがネガティブかわかっていれば、資料の作りを最適化できるんですよね。

ポジティブであればもう短い資料でさっさと承認得て次いけばいいですし、ネガティブであったらしっかり説得しにいかなきゃいけないので、Factをしっかり作り込むとかが必要になりますね。「ネガティブだから提案しない」というのはやっちゃいけないことですから、提案はもちろんするんですけれども、ネガティブな人をより説得するためのものを作り込むので。

すごい徹夜で作ったら5分くらいでいいよって承認もらっちゃって、なんか肩透かしくらったり、逆にまさか引っかかると思わずにさらっと持っていったらとんでもない反対受けて却下みたいな。

ありますよね、全然仮説調べてなかったからアウトみたいな。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
そうですそうです。だからそんなことを繰り返していると、だんだんどの議題もめっちゃ資料作れるようになって非効率みたいになってくので、決裁者がポジティブがネガティブかをベースに資料も最適化できるのかなって。
これ社内も社外もあると思ってて、例えばプレゼンしてから決定するまでに、うまい営業担当はテストクロージングとかしてくるんですよ。実施できない前提ってどういうことが想定されるんですか?とか。

その前提潰して最後持ってくるので、「答え聞いてるやん」みたいな人が上手い人のに多いですけどね、似てますね。

鈴木
鈴木

質疑応答

ちょっとここから質疑応答なんですけど、例えば「意思決定の回数を減らしましょう」とか「Factに基づいて判断したほうがいいですよ」とか、 そのFact に基づく時も「Fact」「仮説」「ROI」「経営の意思」とがありましたが、仮にこの中で1つだけ持ち帰るとしたら、これが一番おすすめですよというのはありますか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
まずFactを集めるべきだというのが最低限ですし、それに合わせて仮説の精度が上がっていくわけですし、それはROIの算出に役に立ちますし、短期のROIだけじゃなくて経営の意思があっての意思決定ですよねって、こう初級、中級、上級という風に理解してます。
そういう感じだったんですね。なんか初級からやったら比較的難易度低くできるけど、いきなり上級から進めたら、できませんでしたで終わりそうなので。これは大事ですね。ちなみに、会社の規模とかリソースによって効率化って変わると思うんですけど、例えば大企業あるあるで効率化するときにそれを邪魔するものって、大きく2つ3つ挙げたらどういうことがあるんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
HITACHIグローバルライフソリューションズ社って4,000憶円ぐらいの大規模な会社なんですが、日立製作所の承認が必要で、かつ、レポートラインにない上務の方とかにもお話しに行かないといけないんですよ。
そんなの、その人たちがわかんないじゃないですか。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
だから分からない人に説明できるようにしなきゃいけないんですけど、それは本当にあるんだなぁというのは思いました。説明の資料がどんどん膨らんでいくんですけど。
膨らみますね。でもそれ分からないって言ったら、そうですかとしか言えないじゃないですか、相手も。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
それで言うと、さっきそれこそ1章から21章みたいな話させていただいたんですが、いつも「相手が第何章まで理解してるんだろう」というのを意識して資料を作ります。
そこ大事ですね。相手がちゃんと1章から21章まで知ってるのか、1章から10章までしか知らないのか、そもそも全然知らないのかで、全然資料の難易度が変わるし、作るボリュームも変わってきますね。
鈴木
鈴木
田岡
田岡
はい、だから話のスタート地点も変わるので、だから21章分作っておいて15章から説明するとか、21章だけのサマリだけ作るとか、相手によってこう変わってくるので、頭の相手の中を想像します。結局ギャップを埋めることが説得なので。相手は何章まで知っていて、何章分のギャップがあるのかということを、いつも意識しています。
もし、社員数の少ないベンチャー企業に要職者として田岡さんが行きました。その時にまだ組織も未熟で、ないものばっかり、でもみんなやる気はあるみたいなのが今まで行った中小規模のベンチャーとかであったと思うんですけど、そのときに最も生産性を上げた打ち手ってどういうところだったんですか?
鈴木
鈴木
田岡
田岡
これも意思決定のフェーズだと、やっぱりFact、ちゃんとベースとなるものを集めるというところは一気に生産性が上がると思っていて。デスクトップリサーチといわれるようなもの、ネットで調べてわかることだけでも一気に変わるじゃないですか。だから全然パブリックのものだけでも、一気に説得力とかFactが集まる時代で、それは生産性の高い行為だと思うので絶対やるべきですし、それが一番重要かなと思いますね。
ありがとうございます。
鈴木
鈴木

まとめ

今後もSaaSについてのお役立ち情報とかを配信していきますので、チャンネル登録と高評価をよろしくお願いします。ご視聴いただきありがとうございました。
kyozon編集部
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第3回ものすごいベンチャー展 Day4『圧倒的な生産性を実現せよ!』

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