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【人事必見】内定式オンライン開催の完全ガイド|準備から当日運営まで徹底解説

投稿日:2025年10月31日 /

更新日:2025年11月1日

【人事必見】内定式オンライン開催の完全ガイド|準備から当日運営まで徹底解説
● 採用

オンラインでの内定式開催を検討しているものの、「何から準備すればいいかわからない」「オンラインでは参加者の一体感を醸成するのが難しいのでは?」といった不安や課題を抱えていませんか。本記事は、そんな人事担当者の皆様のために、オンライン内定式の企画準備から当日の運営、開催後のフォローアップまで、成功に必要な全手順を網羅した完全ガイドです。具体的なプログラム例や参加者の満足度を高める工夫、ZoomやMicrosoft Teamsといったツール選定のポイント、さらには想定されるトラブルへの対処法まで、すぐに実践できるノウハウを徹底解説します。

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目次

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なぜ今内定式のオンライン開催が注目されるのか

近年、内定式をオンラインで開催する企業が急速に増加しています。その背景には、新型コロナウイルスの影響だけでなく、働き方の多様化やテクノロジーの進化といった、より本質的な社会の変化があります。かつては対面での開催が当たり前でしたが、今やオンライン開催は企業の採用戦略における重要な選択肢の一つとして定着しました。

オンライン内定式は、単なる「対面開催の代替案」ではありません。場所や時間の制約を超え、より多くの内定者に参加機会を提供し、企業の魅力を効果的に伝える新たな手法として注目されています。この章では、オンライン開催がなぜこれほどまでに支持されるのか、そのメリットと、見過ごされがちなデメリットへの対策を詳しく解説します。

オンライン開催のメリット

内定式をオンラインで開催することには、企業側・内定者側の双方にとって多くのメリットが存在します。コスト削減といった直接的な利点から、企業ブランディングへの貢献まで、その効果は多岐にわたります。

  • コストの大幅な削減
    対面開催で必要となる会場費、内定者の交通費・宿泊費、当日の飲食費、資料の印刷費などが不要になります。特に全国、あるいは海外から内定者を集める企業にとって、経費を大幅に圧縮できる点は最大のメリットと言えるでしょう。
  • 場所や時間の制約からの解放
    内定者がどこに住んでいても、インターネット環境さえあれば参加が可能です。これにより、地方在住の学生や海外留学生なども気軽に参加でき、地理的な格差なく全ての同期と顔を合わせる機会を提供できます。また、人事担当者の移動負担や準備時間も軽減されます。
  • 参加率の向上と内定者の負担軽減
    移動時間が不要になるため、内定者は学業やアルバイトなどのスケジュールを調整しやすくなります。参加へのハードルが下がることで、結果的に内定式の参加率向上が期待できます。心身の負担が少ないことも、内定者にとっては大きな利点です。
  • 企業の先進性をアピール
    オンラインツールを効果的に活用した内定式は、デジタルネイティブであるZ世代の内定者に対し、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、新しい働き方に対応している先進的な組織であるという印象を与えます。これは、入社後の働き方をイメージさせる上で強力なブランディングとなります。
  • コンテンツの二次利用が可能
    内定式の内容を録画しておくことで、当日やむを得ず欠席した内定者への共有が容易になります。さらに、役員メッセージや会社の紹介パートなどを編集し、次年度の採用活動におけるPR動画として活用するなど、一度きりで終わらない資産としてコンテンツを再利用できます。

オンライン開催のデメリットと対策

多くのメリットがある一方で、オンライン開催には特有の課題も存在します。しかし、これらのデメリットは事前の準備と工夫によって十分にカバーすることが可能です。起こりうる問題をあらかじめ想定し、対策を講じておくことが成功の鍵となります。

オンライン内定式のデメリットと対策
デメリット具体的な対策
一体感や特別感の醸成が難しい
  • 双方向性を意識し、チャットやリアクション機能を積極的に活用するよう促す。
  • アイスブレイクや参加型のクイズ企画などをプログラムに盛り込む。
  • お揃いのオリジナルグッズ(Tシャツ、マグカップなど)や背景画像を事前に送付し、画面上での統一感を演出する。
コミュニケーションが一方通行になりがち
  • 少人数のグループに分かれる「ブレイクアウトルーム」を活用し、内定者同士や先輩社員との座談会を実施する。
  • 内定式後に、希望者参加型のオンライン懇親会を企画する。
  • 司会者が意識的に参加者に話を振り、発言の機会を作る。
通信環境に左右される
  • 本番前に、使用する配信ツールでの接続テストを全員に依頼する。
  • 主催者側は、有線LAN接続を基本とし、予備の回線を用意しておく。
  • 当日のトラブルに備え、緊急連絡用のチャットグループ(例:LINEオープンチャット)などを開設しておく。
企業の雰囲気や社風が伝わりにくい
  • 実際のオフィスを撮影した「オフィスツアー動画」を放映する。
  • 様々な部署の先輩社員に登場してもらい、仕事の様子や職場の雰囲気をリアルに語ってもらう。
  • 経営層や役員から、企業のビジョンや内定者への期待を熱意をもって直接語りかける時間を設ける。
内定者の集中力が持続しにくい
  • 式典全体の時間を90分〜120分程度に設定し、長時間にならないよう配慮する。
  • 一つのコンテンツを15分〜20分程度の短い単位で区切り、プログラムに緩急をつける。
  • 適度に休憩時間を設け、体を動かす簡単なストレッチなどを促す。

内定式をオンライン開催するための事前準備完全ステップ

オンライン内定式の成功は、事前準備が9割を占めると言っても過言ではありません。対面とは異なる特有の課題をクリアし、内定者の満足度を高めるためには、計画的かつ入念な準備が不可欠です。ここでは、人事担当者が迷うことなく準備を進められるよう、具体的な5つのステップに分けて徹底解説します。

ステップ1|開催形式と日程の決定

まずはじめに、内定式の骨格となる「開催形式」と「日程」を決定します。この初期段階での決定が、以降のすべての準備の土台となります。

開催形式の選択

オンライン内定式の形式は、大きく分けて「完全オンライン形式」と「ハイブリッド形式」の2つがあります。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に最適な形式を選びましょう。

形式概要メリットデメリット
完全オンライン形式すべての参加者(内定者、役員、社員)が各自の場所からオンラインで参加する形式。・場所を問わず参加可能
・会場費や交通費を削減できる
・遠方の内定者も参加しやすい
・一体感が生まれにくい
・通信環境に左右される
・非言語的なコミュニケーションが難しい
ハイブリッド形式一部の参加者(役員や本社勤務の社員など)はオフィスに集まり、そこから配信。内定者はオンラインで参加する形式。・配信拠点があるため安定した配信が可能
・登壇者同士の連携が取りやすい
・式の厳粛な雰囲気を演出しやすい
・配信用の会場と機材が必要
・会場にいる社員と内定者の間に温度差が生まれる可能性がある

企業の拠点数、内定者の居住地、予算、そして何よりも「内定者にどのような体験を提供したいか」を軸に検討することが重要です。特に全国に内定者がいる場合は、公平性の観点から完全オンライン形式が推奨されます。

日程の調整

日程を決める際は、内定者である学生の学業を最優先に考慮する必要があります。以下の点に注意して調整を進めましょう。

  • 学事日程の確認:内定者の授業やゼミ、特に卒業研究や試験の期間と重ならないよう配慮します。10月1日は традиционноな日程ですが、こだわらず柔軟に検討しましょう。
  • 候補日の複数提示:事前に内定者へ複数の候補日を提示し、Webアンケートツール(Googleフォームなど)で参加可能な日時を調査するとスムーズです。
  • 社内関係者のスケジュール確保:社長や役員、参加する先輩社員など、社内関係者のスケジュールを早めに押さえることも忘れてはいけません。

ステップ2|プログラムとコンテンツの企画

オンラインの特性を理解し、内定者が「飽きずに、楽しく、そして会社への理解を深められる」ようなプログラムを企画することが成功の鍵です。一方的な情報伝達だけでなく、双方向のコミュニケーションを意識したコンテンツを盛り込みましょう。

オンライン内定式のコンテンツ例

オンラインでも実施可能で、満足度の高いコンテンツの例を目的別にご紹介します。

コンテンツ名目的ポイント・工夫
社長・役員からの祝辞歓迎の意を伝え、経営ビジョンを共有するライブ感を重視し、質疑応答の時間を設けるとエンゲージメントが高まります。事前に質問を募集しておくのも良いでしょう。
内定証書授与入社への自覚と特別感を醸成する事前に内定証書を郵送しておき、当日は名前を一人ひとり呼び上げ、画面越しに受け取ってもらう演出が人気です。背景を統一すると一体感が出ます。
先輩社員との座談会入社後の働き方を具体的にイメージさせ、不安を解消するWeb会議ツールのブレイクアウトルーム機能を活用し、少人数のグループに分かれることで、内定者が質問しやすくなります。部署や年齢の異なる多様な社員に参加してもらいましょう。
オンライン懇親会同期や社員との繋がりを形成し、リラックスした雰囲気を作る事前に食事や飲み物を内定者の自宅へ配送する「フードデリバリー」サービスを活用すると、特別感と一体感が生まれます。簡単な自己紹介ゲームなども有効です。
グループワーク同期との協調性や相互理解を深めるオンラインホワイトボードツール(Miroなど)を使い、「自社の魅力とは?」「入社後の目標」といったテーマでディスカッションと発表を行うことで、主体的な参加を促します。

ステップ3|配信ツールと機材の選定

コンテンツが決まったら、それを実現するための配信ツールと機材を選定します。映像や音声の品質は、オンラインイベントの満足度に直結する非常に重要な要素です。

配信ツールの選定

開催形式やコンテンツ内容に合わせて、最適なWeb会議ツールを選びましょう。多くの企業で利用されている代表的なツールは以下の通りです。

ツール名特徴選定のポイント
Zoom通信が安定しており、ブレイクアウトルーム機能が使いやすい。参加者の反応を示すリアクション機能も豊富。ウェビナープランなら最大10,000人まで参加可能。大人数での開催や、グループワーク・座談会を重視する場合におすすめ。
Microsoft TeamsOffice 365との連携が強力。多くの企業で日常的に使用されており、社員が操作に慣れている場合が多い。背景ぼかし機能や挙手機能も搭載。社内でMicrosoft製品をメインに利用している場合にスムーズに導入可能。
Google MeetGoogleアカウントがあれば手軽に利用開始できる。シンプルなインターフェースで直感的に操作可能。Google Workspaceとの連携もスムーズ。シンプルな進行で、ITツールに不慣れな参加者が多い場合に適している。

内定者がアカウント作成などの手間なく、気軽に参加できるかという視点も選定の重要なポイントです。

準備すべき機材

高品質な配信のためには、PC内蔵のカメラやマイクだけでなく、専用機材の導入を検討しましょう。

  • 必須機材:
    • PC(安定したスペックのもの)
    • Webカメラ(PC内蔵ではなく、高画質な外付け推奨)
    • マイク(クリアな音声を届けるための外部マイク推奨)
    • 安定したインターネット回線(有線LAN接続が望ましい)
  • 推奨機材:
    • 照明機材(リングライトなど。顔色を明るく見せる)
    • サブモニター(進行台本や参加者の顔を確認しながら話すために便利)
    • スイッチャー(複数の映像や音声をスムーズに切り替える場合)

特に音声は重要です。音声が聞き取りにくいと、参加者の集中力は著しく低下します。マイクには少し投資をしてでも、クリアな音声を届けられる環境を整えましょう。

ステップ4|内定者への事前案内と準備物送付

内定者が安心して当日を迎えられるよう、丁寧な事前案内と、モチベーションを高めるための準備物の送付を行います。

事前案内の徹底

開催日の1ヶ月〜2週間前を目安に、メール等で詳細な案内を送付します。案内に含めるべき項目は以下の通りです。

  • 開催日時
  • 当日の参加URLとアクセス方法
  • タイムスケジュール(プログラム)
  • 服装について(スーツ、オフィスカジュアルなど具体的に指定)
  • 事前に準備してほしいもの(筆記用具、郵送物など)
  • ツールの事前テストのお願い
  • 当日の緊急連絡先

特に、ツールの接続テストは必ず事前に案内しましょう。内定者側に簡単な操作(マイク・カメラのON/OFFなど)を試してもらう機会を設けることで、当日の「接続できない」「音声が聞こえない」といった基本的なトラブルを大幅に減らすことができます。

内定者ボックス(記念品)の送付

オンライン開催では物理的な接点が少ない分、記念品や資料を「内定者ボックス」として事前に送付することで、特別感を演出し、企業への帰属意識を高める効果が期待できます。

送付物の例:

  • 内定証書(授与式で使用)
  • 社章
  • 社長からのメッセージカード
  • 会社のパンフレットや社内報
  • オリジナルグッズ(クリアファイル、ボールペン、マグカップなど)
  • – オンライン懇親会で使うお菓子やドリンク

これらの品物が届くことで、内定者は「歓迎されている」という実感を得やすくなります。式の1週間〜3日前には内定者の手元に届くよう、余裕をもって発送しましょう。

ステップ5|社内調整とリハーサルの実施

最後のステップは、社内の運営体制を固め、万全の状態で本番に臨むためのリハーサルです。

社内での役割分担と台本作成

当日のスムーズな運営のためには、スタッフの役割分担が不可欠です。誰が何を担当するのかを明確にしましょう。

  • 司会進行役:全体の進行を担うメイン担当者。
  • タイムキーパー:各コンテンツの時間を管理し、進行役をサポート。
  • 機材・配信担当:映像・音声の切り替え、画面共有、BGM操作などを担当。
  • チャット・参加者対応担当:チャット欄の質問に回答したり、参加者の接続状況を確認したりする。
  • トラブル対応担当:予期せぬ機材トラブルや通信障害に対応する。

そして、秒単位で動きを記した詳細な進行台本を作成し、全スタッフで共有します。誰が、いつ、何を話すのか、どのタイミングで画面を切り替えるのかなどを具体的に書き出すことで、当日の混乱を防ぎます。

本番さながらのリハーサル

リハーサルは、単なる流れの確認ではありません。本番で起こりうるあらゆる事態を想定し、対処法を確認する重要な機会です。

    • 通しリハーサル:本番と全く同じ時間、同じ機材、同じメンバーで、最初から最後まで一通り行います。
    • 機材・通信チェック:音声の聞こえ方、映像の見え方、画面共有のスムーズさなどを入念にチェックします。

トラブルシューティング:

    「音声が出なくなった」「画面が固まった」などのトラブルを意図的に発生させ、対応手順を確認する練習も有効です。

登壇する役員や社員にも必ずリハーサルに参加してもらい、カメラ映りや声のトーン、背景などを確認してもらうことが、式全体のクオリティ向上に繋がります。

内定式オンライン開催の際の当日運営と進行のコツ

オンライン内定式を成功させるためには、入念な事前準備に加え、当日のスムーズな運営と進行が不可欠です。オフラインとは異なる環境だからこそ、参加者である内定者の集中力を維持し、一体感を醸成するための工夫が求められます。ここでは、当日の運営を成功に導くための具体的なコツを、タイムスケジュール例からトラブル対処法まで詳しく解説します。

当日のタイムスケジュール例

オンライン内定式は、長時間になると参加者の集中力が途切れやすくなります。全体の所要時間は1.5時間〜2時間程度に収め、適度に休憩を挟むのがおすすめです。以下に標準的なタイムスケジュール例をご紹介します。

時間(目安)プログラム内容ポイント
10分前開場・受付開始BGMを流し、接続テストを兼ねたアイスブレイクタイムとします。早めに入室した内定者同士がチャットで交流できるような雰囲気作りも有効です。
5分開会宣言・司会者挨拶本日の流れや注意事項(マイクのオンオフ、リアクション機能の利用方法など)を明確にアナウンスします。
10分役員挨拶・祝辞役員には、オンラインであることを意識し、カメラ目線で内定者に語りかけるように話してもらうよう事前に依頼しておきましょう。
15分内定証書授与事前に送付した内定証書を各自で開封してもらう、または画面共有で一人ひとりの名前を読み上げながらデジタル内定証書を授与するなど、オンラインならではの演出を工夫します。
20分内定者自己紹介一人あたりの時間を1分程度に設定します。ブレイクアウトルーム機能を活用し、少人数グループで実施すると、より話しやすくなります。
10分休憩参加者がリフレッシュできるよう、必ず休憩時間を設けます。画面から離れることを促すアナウンスをしましょう。
30分先輩社員との交流会(座談会)複数のブレイクアウトルームに先輩社員を配置し、内定者がルームを自由に行き来できる形式も人気です。Q&Aツール(Slidoなど)を活用し、質問しやすい環境を整えます。
5分閉会挨拶・事務連絡今後のスケジュールや提出物について、スライドを画面共有しながら明確に伝えます。アンケートへの協力も依頼しましょう。
10分~(任意)オンライン懇親会自由参加の形式で、リラックスした雰囲気で雑談できる時間を設けます。軽食や飲み物を事前に送付しておくと、より一体感が高まります。

司会進行をスムーズに行うポイント

オンライン内定式の成否は司会者の進行スキルに大きく左右されます。参加者の表情が読み取りにくいオンライン環境では、オフライン以上に丁寧な進行が求められます。

ポイント1:ハキハキとした口調と聞き取りやすい声のトーン

マイクを通した音声は、対面で話すよりも聞き取りにくい場合があります。普段よりも少しゆっくり、そして明確な発音を心がけましょう。また、単調なトーンにならないよう、抑揚をつけて話すことで、参加者の注意を引きつけやすくなります。

ポイント2:タイムキーピングの徹底とこまめなアナウンス

オンラインでは時間の感覚が曖昧になりがちです。司会者はタイムキーパーの役割も意識し、各プログラムの時間を厳守しましょう。「あと5分です」「それでは次のコンテンツに移ります」といったように、こまめに時間のアナウンスを入れることで、参加者は安心してプログラムに集中できます。

ポイント3:参加者の反応を引き出す積極的な働きかけ

オンラインでは受け身の参加者が増えがちです。司会者から積極的に「〇〇さん、いかがですか?」「この点について、チャットでご意見をいただけますか?」と名指しで問いかけたり、Zoomのリアクション機能(拍手、いいねなど)の利用を促したりすることで、双方向のコミュニケーションが生まれます。

ポイント4:運営チーム内での役割分担の明確化

司会者が一人ですべてをこなすのは困難です。司会進行役、機材・配信管理役、チャット監視・コメント対応役、タイムキーパー役など、運営チーム内で役割を明確に分担しておくことが、スムーズな進行とトラブル発生時の迅速な対応につながります。

参加者の一体感を高める工夫

オンライン開催で最も懸念されるのが「一体感の欠如」です。内定者同士や社員とのつながりを実感してもらうために、以下のような工夫を取り入れましょう。

工夫1:オリジナルグッズや飲食物の事前送付

会社のロゴ入りグッズ(Tシャツ、マグカップ、文房具など)や、懇親会用の軽食・ドリンクを事前に内定者の自宅へ送付します。全員が同じものを身につけたり、同じものを飲食したりすることで、物理的な距離を超えた一体感が生まれます。また、オリジナルのバーチャル背景を用意し、全員に設定してもらうのも効果的です。

工夫2:ブレイクアウトルームの戦略的活用

Web会議ツールのブレイクアウトルーム機能は、オンラインでの交流に欠かせません。内定者自己紹介や先輩社員との座談会など、少人数(4〜6名程度)に分かれる機会を設けることで、発言のハードルが下がり、密なコミュニケーションが促進されます。「入社後の目標」「学生時代に熱中したこと」など、話が広がりやすいテーマを設定すると良いでしょう。

工夫3:インタラクティブなコンテンツの導入

参加者がただ視聴するだけでなく、主体的に関われるコンテンツを企画しましょう。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 投票・アンケート機能の活用:「当社のイメージは?」といった簡単な質問で、リアルタイムに参加者の意見を集約・共有する。
  • オンラインクイズ大会:会社や社員に関するクイズを出題し、チーム対抗戦にすると盛り上がります。Kahoot!などの外部ツールを利用するのもおすすめです。
  • チャット機能の積極利用:登壇者への質問や感想を常にチャットで受け付け、司会者が適宜拾い上げて紹介することで、ライブ感を演出します。

よくあるトラブルと対処法

万全の準備をしていても、オンラインイベントにトラブルはつきものです。事前に想定されるトラブルとその対処法を準備し、運営チーム全員で共有しておくことが重要です。

よくあるトラブル具体的な対処法
機材・通信トラブル
(音声が聞こえない、映像が映らない、接続が切れるなど)
  • トラブル発生時の緊急連絡先(電話番号やチャット担当者)を事前に全員へ周知しておく。
  • 運営側は有線LAN接続を基本とし、予備のPCやモバイルWi-Fiルーターを用意する。
  • 内定者には、事前に接続テストの機会を設ける。
  • 万が一に備え、式の様子を録画し、後日共有できる体制を整えておく。
参加者の反応が薄い
(誰も発言しない、チャットの書き込みがないなど)
  • 司会者が積極的に参加者を指名して意見を求める。
  • 「質問がある方はチャットへどうぞ!」ではなく、「〇〇について、どう思いましたか?ぜひチャットで教えてください!」と具体的に促す。
  • 運営側(サクラ役)が率先してチャットに書き込み、発言しやすい雰囲気を作る。
  • ブレイクアウトルームで少人数での対話の時間を設ける。
プログラムの時間が押す/巻く
  • タイムキーパーが残り時間をチャットで登壇者や司会者に知らせる。
  • 時間が余った場合に備え、フリートークや追加のQ&Aなど、予備のコンテンツを準備しておく。
  • 質疑応答の時間を調整弁として活用できるよう、プログラムの最後に余裕を持たせておく。
登壇者(役員など)側のトラブル
  • 役員や来賓など、不慣れな登壇者とは必ず事前に接続リハーサルを行う。
  • 万が一、登壇者が接続できない場合に備え、プログラムの順番を柔軟に入れ替えられるよう、複数の進行パターンを想定しておく。
  • 司会者が会社の紹介VTRを流したり、内定者からの質問に答えたりして場をつなぐ準備をしておく。

内定式開催後のフォローアップで内定辞退を防ぐ

オンライン内定式を成功裏に終えても、それで終わりではありません。むしろ、内定式後から入社までの期間こそが、内定者の入社意欲を維持し、内定辞退を防ぐための最も重要な時期です。特にオンライン開催の場合、内定者同士や社員とのリアルな接点が少ないため、孤独感や不安を感じやすい傾向にあります。いわゆる「内定ブルー」に陥らせないためにも、計画的かつ継続的なフォローアップ施策が不可欠です。

内定者懇親会・座談会で横のつながりを強化

内定者にとって「同期」の存在は、入社後の大きな支えとなります。内定者同士のつながりを深めることは、帰属意識の向上と内定辞退率の低下に直結します。オンライン・オフラインを問わず、交流の機会を積極的に設けましょう。

オンライン懇親会の企画例

遠方の内定者も気軽に参加できるオンライン懇親会は有効な手段です。単なるフリートークだけでなく、参加者が一体感を持って楽しめるコンテンツを用意することが成功の秘訣です。

  • オンライン脱出ゲームやクイズ大会などのチームビルディングアクティビティ
  • 少人数のグループに分かれてじっくり話せる「ブレイクアウトルーム」機能の活用
  • 会社から食事や飲み物を事前に配送し、同じものを楽しみながら交流する「オンライングルメ懇親会」

先輩社員との座談会

人事担当者には聞きにくい、リアルな働き方やキャリアパスに関する疑問を解消する場として、先輩社員との座談会は非常に効果的です。内定者の不安を払拭し、入社後の働く姿を具体的にイメージしてもらうことを目指します。

  • 年齢の近い若手社員や、同じ職種の先輩社員など、内定者が親近感を抱きやすい社員をアサインする
  • 「NGなしの質問会」など、内定者が本音で質問しやすい心理的安全性の高い雰囲気を作る
  • キャリア、プライベート、会社のカルチャーなど、テーマを分けて複数回開催し、多様な疑問に答える

個別面談によるパーソナルな不安解消

集団の場では話しにくい悩みや不安を抱えている内定者も少なくありません。一人ひとりに寄り添う個別面談は、内定者のエンゲージメントを飛躍的に高め、信頼関係を構築する上で欠かせません。面談は人事担当者だけでなく、リクルーターや配属予定先の先輩社員など、複数の視点から行うことで、より多角的なサポートが可能になります。

面談担当者主な目的と役割面談のポイント
人事担当者入社手続き、福利厚生、制度面に関する質問対応。全体的な不安のヒアリングとケア。事務的な話だけでなく、内定者のコンディションや悩みを丁寧に傾聴する。
リクルーター選考時の評価ポイントや期待を伝え、内定者の自己肯定感を高める。入社への期待感を再醸成する。なぜあなたを採用したのか、という点を具体的に伝え、モチベーションを高める。
配属予定先の先輩・上司具体的な業務内容、チームの雰囲気、キャリアパスに関する相談。入社後の働くイメージを具体化させる。専門的な質問にも答えられるように準備し、歓迎している姿勢を明確に伝える。

定期的な情報発信で帰属意識を醸成

内定式から入社までの期間、会社からの連絡が途絶えると、内定者は「本当にこの会社で良いのだろうか」と不安になりがちです。定期的な情報発信で会社とのつながりを維持し、「自分はもうこの会社の一員なのだ」という帰属意識を高めてもらいましょう。

効果的な情報発信のチャネル

内定者の世代が日常的に利用し、気軽にアクセスできるツールを活用することがポイントです。複数のチャネルを組み合わせ、情報を見逃さない工夫も大切です。

  • 内定者専用SNSグループ(LINEオープンチャットなど): 気軽なコミュニケーションや情報共有、人事からのアナウンスに最適です。
  • ビジネスチャットツール(Slack, Microsoft Teamsなど): 入社後の利用を想定し、慣れてもらう目的も兼ねて導入。チャンネルを分けて情報整理がしやすいのが特徴です。
  • 社内報・Webマガジンの内定者版: 社内のイベントや社員紹介など、会社のポジティブなカルチャーが伝わるコンテンツを定期的に配信します。

発信するコンテンツの具体例

一方的な情報提供だけでなく、内定者が参加できるような双方向のコンテンツを企画することで、エンゲージメントはさらに高まります。

  • 社員インタビュー(仕事のやりがい、一日のスケジュール、休日の過ごし方など)
  • 部署紹介リレー(各部署の業務内容や雰囲気を動画や記事で紹介)
  • 内定者自己紹介リレー(趣味や特技などをテーマに内定者同士で投稿し合う)
  • 入社までに読んでおくと良い推薦図書の紹介
  • 社内イベントの様子(オンラインでの参加も促す)

内定者向け研修・eラーニングで入社準備をサポート

入社後の業務にスムーズに適応できるよう、スキルアップの機会を提供することも有効なフォローアップです。特に学習意欲の高い内定者にとっては、企業の育成に対する姿勢を示す絶好の機会となり、入社への期待感を高めます。

ただし、課題の量が多すぎると内定者の負担になるため、あくまで任意参加を基本とし、内定者の卒業論文やプライベートの時間を尊重する姿勢が大切です。

  • ビジネスマナー研修(オンライン完結型)
  • Excel、PowerPointなどの基本的なOAスキル講座
  • 業界知識や自社製品に関する基礎学習コンテンツ
  • プログラミングの基礎(IT企業の場合)
  • TOEICや簿記などの資格取得支援(推奨資格の案内や受験料補助など)

フォローアップ施策の年間スケジュール例

これらのフォローアップ施策を場当たり的に行うのではなく、年間を通じて計画的に実行することが成功の鍵です。以下に、10月に内定式を行った場合のスケジュール例を示します。内定者の不安が高まりやすい時期や、接触頻度が下がりがちな時期を意識して計画を立てましょう。

時期主な施策目的
10月(内定式直後)アンケート実施、個別面談(1回目)、オンライン懇親会内定式の熱量を維持し、初期の不安を払拭。同期とのつながりを構築。
11月~12月定期的な情報発信開始、先輩社員座談会、eラーニング提供開始会社への理解を深め、学習意欲をサポート。リアルな働き方のイメージを提供。
1月~2月個別面談(2回目)、内定者同士のグループワーク企画入社直前の不安を解消。同期との協働体験を通じてチームワークを醸成。
3月入社前研修、入社手続き最終案内、配属先からの歓迎メッセージ送付入社への最終準備。歓迎ムードを高め、スムーズなスタートを後押し。

まとめ

本記事では、内定式をオンラインで開催するための準備から当日の運営、開催後のフォローアップまで、人事担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説しました。

オンラインでの内定式は、場所や時間の制約を受けにくいという大きなメリットがある一方で、参加者の一体感を醸成しにくいという課題も抱えています。しかし、その課題は、事前の入念な準備と当日の工夫によって十分に乗り越えることが可能です。重要なのは、オンラインという形式を単なる代替手段と捉えるのではなく、その特性を最大限に活かしたプログラムを企画することです。

ご紹介した5つの準備ステップや、参加者のエンゲージメントを高める工夫を実践することで、内定者は企業への帰属意識を高め、入社への期待感を膨らませることができます。この記事を参考に、内定者にとって心に残る素晴らしいオンライン内定式を実現し、内定辞退の防止につなげてください。

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