1on1ミーティングの注意点
1on1ミーティングでは、下記4つの注意点があります。
- 話しすぎない
- アドバイスを押し付けすぎない
- 批判的な姿勢にならない
- 話題を無視しない
それぞれの注意点を理解し、1on1ミーティングに臨みましょう。1on1ミーティングの注意点を1つずつ解説していきます。
話しすぎない
1on1ミーティングは、上司と部下が1対1で話し合いをする機会です。上司は、部下が持っている問題や課題を聞き、アドバイスをしたりサポートをしたりすることが求められます。しかし、上司が話しすぎると、部下は自分の意見を言いにくくなってしまうことがあります。
上司は、部下の話をしっかり聞き、適度にアドバイスをしたり、質問をしたりすることが大切です。部下に十分な発言機会を与えましょう。
アドバイスを押し付けすぎない
部下が抱える問題や課題に対して、上司はアドバイスをすることが求められますが、上司が自分の意見を押し付けすぎると、部下は自分の意見を言いにくくなってしまいます。
部下の意見や考えを尊重し、共感しながら、適切なタイミングでアドバイスをするように心がけましょう。また、アドバイスをする際には、どのような理由でそのアドバイスをするのか、どのような経験や知識からそのアドバイスが生まれたのかを、わかりやすく説明することも大切です。
部下がアドバイスを受け入れやすくなるよう、上司が配慮することが求められます。
批判的な姿勢にならない
部下が抱える問題や課題に対して、上司が批判的な姿勢で接すると、部下は自分の意見を言いにくくなってしまいます。上司は、部下の意見を尊重し、共感することが大切です。
部下が抱える問題や課題について、上司が認めるべき点や改善できる点を共有することで、部下が自分の成長につながるようにサポートしましょう。上司と部下が共に問題を解決する姿勢で臨むことが、1on1ミーティングの目的である部下の成長につながると言えます。
話題を無視しない
部下から持ち出された話題に対して、上司が無関心な態度をとると、部下は話しづらさを感じてしまいます。上司は、部下が話したいことや抱えている問題に対して、真剣に向き合い、積極的にアドバイスやサポートをすることが大切です。
また、話題を逸らさずに、話し合いを進めることで、部下との信頼関係を構築し、1on1ミーティングの目的である部下の成長につなげることができます。
1on1ミーティングのNGワード
ここでは、1on1ミーティングで上司が部下に絶対に言ってはいけないNGワードを紹介します。
- 「それはできない」
- 「君はいつも…」
- 「正しいのは私だ」
- 「それはたり前だろう」
- 「君はできて当然」
それぞれ順に解説します。
「それはできない」
例えば、部下が上司に新しいプロジェクトのアイデアを提案したとします。
部下「このプロジェクトは、新しい市場に進出するためにとても重要だと思います。」
上司「それはできない。我々は現在の市場で成功しているし、新しい市場に進出する余裕はない。」
部下が新しいアイデアを提案したときに、「それはできない」と言ってしまうと、そのアイデアを否定されたと感じてしまい、モチベーションが下がってしまう可能性があります。
代わりに、
上司「それは優れたアイデアだが、現在の予算やスケジュールでは実現が難しいかもしれない。他にどのようなアイデアがあるか考えてみましょう」
というように、建設的なフィードバックを与えるようにしましょう。
「君はいつも…」
上司「君はいつも締め切りを守れない。」
「君はいつも」というフレーズは、否定的なニュアンスを含むため、部下の自信喪失に繋がってしまいます。また、部下が頑張っていることや、成果を出していることを完全に無視しているようにも受け取られてしまいかねません。
代わりに、
上司「今回締め切りに遅れてしまいましたが、今後はどうすれば改善できると思いますか?」
というように、具体的な改善点について話し合い、部下がどのように改善できるかを共に考えるようにすると良いでしょう。
「正しいのは私だ」
上司「君の提案は間違っている。正しいのは私だ」
「正しいのは私だ」という言葉は、部下の意見を無視していることと同等です。
このような言葉を避けるためには、例えば
上司「君の提案は良いと思いますが、もう少し改善が必要かもしれませんね。どうすればよいと思いますか?」
というように、部下の意見を尊重しつつ、改善のための提案をするように心がけましょう。
「それは当たり前だろう」
部下「期日までに必要なタスクはほぼ完了し、最終的な確認作業を行っています。」
上司「それは当たり前だろう。期日までにタスクを完了するのは基本中の基本だ。」
そもそも上司の当たり前は部下の当たり前ではありません。自分の行動基準で部下を評価してしまえば、部下がどんなに素晴らしいことをしたとしても物足りなさを感じてしまうでしょう。また、部下にとってもモチベーションの低下に繋がってしまいます。
代わりに、
上司「素晴らしい。よくできました。期日までにタスクを完了するのは基本中の基本なので今後も意識していきましょう。またもっと効率的にできる方法もあるかもしれないので一緒に探していきましょう。」
というように、まずは部下の取り組みを褒めることが大切です。その上でもし何か改善できる部分を伝えたければ、会話を重ねながら一緒に解決策を見つけていくスタンスが好ましいです。
「君はできて当然」
部下「依頼があったタスクを完了しました。確認をお願いします。」
上司「ありがとう。君はできて当然だよね。助かるよ。」
この言葉は、部下のそこに至るまでの努力を無視して、結果だけを見て判断されてしまっているように受け取られる可能性があります。また、このような言葉で部下を褒めることは、彼らにとっての達成感を損なうことに繋がってしまうでしょう。
但し、人によっては「できて当然だという評価は自分に最大の評価をしている」との解釈もできます。
大切な心がけは、解釈の違いを生ませないよう言葉に配慮することです。仮に、部下とのコミュニケーションがまだ十分でない状態であれば、なおのこと慎重に言葉選びをするようにしましょう。
まとめ
本記事では、1on1ミーティングを成功させるための注意点やNGワードについて解説しました。
1on1ミーティングでは、部下の成長をサポートするために、上司が適切な言葉選びと姿勢で接することが重要です。また部下の意見や考えを尊重し、共感しながら、適切なタイミングでアドバイスをすることが求められます。NGワードを避け、ポジティブな言葉を使って、部下が成長できる1on1ミーティングを実践しましょう。