今回は、オウンドメディアリクルーティングとはなにか、アフターコロナで生き残る採用戦略というテーマで解説しています。
本記事を読むことで、時代の変化に負けない採用戦略の手法がわかるようになります。
ここでは、
- オウンドメディアリクルーティングとは
- それが注目される背景と必要性
- オウンドメディアリクルーティングの始め方
という内容で解説していきます。
「求人サイトや転職エージェントだけでは優秀な人材を集められなくなった」
「求める人材からの応募率と自社への志望度を高めていきたい」
と考えている中小規模の事業者の方に役立つ内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
オウンドメディアリクルーティングとは
「オウンドメディアリクルーティング」とは、オウンドメディアを活用して自社の魅力を発信し、自社に合った人材を採用する一連の活動のことを指します。
「オウンドメディア」は、自社が所有(オウンド)するメディアのことを指します。
たとえば、自社が運営するWebサイト、ブログ、twitter、Facebook、Instagram、YouTubeアカウントなど、消費者や見込み客に向けて情報を発信できるメディアが当てはまります。
オウンドメディアリクルーティングの場合の「オウンドメディア」は、企業のサイトや自社の採用専門サイト(採用サイト)のことを指す場合が多いです。
このオウンドメディアを所有することによって、自社の採用力を強化し、求職者への強力なアピール力につながります。
オウンドメディアリクルーティングが注目されている背景
これまでは、「求人を出して待つだけ」というスタイルが主流でした。
最近では、「終身雇用・年功序列の見直し」や「情報の流通量の爆発的な拡大」や「働き方に関する価値観の多様化」といった潮流の変化を背景に、求職者の価値観が大きく変容してきています。
これまでのような求人媒体だけでの採用活動では求職者に情報不足で「イメージが湧かない企業」と判断されるため、多くの内定を獲得するような優秀な人材の採用は特に難しくなってきています。
さらに、最近ではIndeedなど、求人情報向けの検索エンジンが登場してきており、求人サイトに頼らずとも求職者は企業が運営するコーポレートサイトや採用サイトに直接訪問することができるようになりました。
また、求職者の9割は応募前に企業のWebサイトを閲覧しており、複数内定を獲得するような求職者は企業のWebサイトを隅々までチェックし、比較検討します。
このような状況でいま、能動的に求人応募者を獲得するオウンドメディアリクルーティングという手法に注目が集まっています。
オウンドメディアリクルーティングの必要性
オウンドメディアリクルーティングは、今や採用戦略において不可欠な手段となっています。
理由は次のとおりです。
- 従来の求人媒体のみでは差別化ができない
- 掲載期間、内容、デザインなどの制約を受けずに、自社の魅力を最大限にアピールできる
- 競合他社がオウンドメディアリクルーティングをしている場合、アピール力で負けてしまう
オウンドメディアリクルーティングのメリット
また、オウンドメディアリクルーティングには次のメリットがあります。
- 求職者からの応募率、内定承諾率が上がる
- ミスマッチの数を減らせる
- 採用コストを下げることができる
オウンドメディアリクルーティングの始め方
次に、オウンドメディアリクルーティングの始め方、特に、費用対効果の大きい「採用サイト」の始め方について解説していきます。
ここでは、おおまかな流れを理解していただければと思います。
手順①:メディア(「採用サイト」)を導入する目的を明確にする
メディア(「採用サイト」)を作成する前に、まずは目的を明確にする必要があります。
ここでゴール地点への方向性を定めます。
ここで手を抜いてしまうと、自社の目指したい方向性とは全く相容れないメディアができてしまうので、「目的(方向性)」は必ず言語化しましょう。
もちろん、自社に応募してくる人材を確保することが一つの目的なわけですが、それだけではまだ不十分です。
- ①-1:オウンドメディアでどんな課題を解決したいのか
- ①-2:具体的にどのような人材をターゲットにするのか
上記を明確にしましょう。
①-1:オウンドメディアでどんな課題を解決したいのか
たとえば、次のような解決したい課題を決めます。
- 応募者の母集団を拡大させたい
- 応募者の熱意を高めたい
- 説明会では伝えきれなかった情報も伝えたい
- 面接辞退や内定辞退を減らしたい
- 自社とのマッチング度の高い求人を獲得したい
- 即戦力となる人材からの求人を獲得したい
- 特定のスキルを持っている人材からの求人を獲得したい
- 採用コストを下げたい
①-2:具体的にどのような人材をターゲットにするのか
具体的にどのような人材を採用したいのかを明確にします。
それによってサイトの方向性や性質が変わってくるからです。
たとえば、
金融機関に向いていそうなきっちりとした堅めの人材が欲しいのか、
Webデザイナーに向いていそうな創造性と柔軟性を持った人材が欲しいのかで完成形となるサイトのかたちも変わってきますよね。
このようにして、
ゴール地点が明確になっていれば、おのずとサイト全体の方針が見えてくるようになります。
手順②:掲載する情報を決定する
次に、採用サイトに掲載する情報を決めます。
採用サイトに必要な情報を洗い出しましょう。
採用サイトは、求人サイトなどで自社の情報を知って興味を持った求職者に対して、より深い具体的なイメージができる形で掲載する必要があります。
まずは、求職者がどんな情報を求めているのかを知りましょう。
自社が掲載したい情報と、求職者が知りたい情報が一致しているとは限らないからです。
求職者のニーズの高い基本的な情報や、同業他社の採用サイトを調査したうえで掲載すべき情報を精査していくのが良いでしょう。
少なくとも求職者は同業他社とじっくりと比較しますから、そのなかで魅力の乏しい会社と判断されてしまわないように注意が必要です。
このようにして、
採用サイトに掲載する情報を決定します。
手順③:サイトマップを作成する
次に、採用サイトのサイトマップを作成します。
サイトマップとは、サイトのどんなページにどのようなコンテンツがあるのかを一覧でまとめたページのことです。
サイト内のそれぞれのページに含める情報とほかのページへのリンクをまとめたものとなります。
これが採用サイトの全体の地図であり、設計図になります。
これを作成しておくことで、サイト全体がどのように構成されているのかをすぐに把握できるため、サイトの制作をスムーズにできます。
手順②で精査した情報をサイトマップに落とし込みましょう。
手順④:サイトのデザインを決める
手順③までで、採用サイトの方向性と、そのために必要な情報、そしてその情報をどのように並べるかまで決まりました。
手順④では、その情報をどのように整え、求職者に見せるのかといったデザインを決めていきます。
まずは、競合他社のデザインをいくつか確認しておきましょう。
ここで、ざっくりとしたデザインのイメージができます。
どんなデザインがいいかは、担当者の好みで決めるのではなく、手順①で明確にしたターゲットとなる求職者が好みそうなデザインが良いでしょう。
実際の製作段階では、参考にしたいデザインをいくつかピックアップして、デザイナーさんにイメージを共有しましょう。
以上、ここまでが採用サイトを制作する流れです。
後半では、採用サイトを制作・運営していくうえでのポイントについてご紹介します。
採用サイトを制作・運営する際のポイント
採用サイトを制作する前に求職者の前提を抑えておく必要があります。
求職者の前提
ほとんどの求職者にとって「会社選び」は、自分のこれからの人生や直近の生活に確実に大きな影響を与えるような現状でもっとも重大な関心事であり、真剣に情報を精査します。
多くの求職者の一番知りたい情報は、給与や待遇、ブラック企業でないかどうか、カルチャーや価値観がマッチするかどうか、自身の求める成長できるかどうか、そして仕事のやりがいに直結するであろう現場の生々しい情報です。
複数社から内定が出ている求職者は、諸々の条件も含みますが、それぞれの採用サイトを隅々まで確認・比較して承諾する企業を決定しています。
これらを踏まえたうえで、採用サイトを制作・運営していくことが不可欠であり、それが以下のポイントにつながります。
ポイント①:求職者目線のコンテンツを作成する
採用サイトに掲載する情報やデザインなどのコンテンツは求職者目線で作成しましょう。
前述の「採用サイトの作り方」で設定した採用サイトの目的となる行動を、求職者が取るようにサイトを設計する必要があります。
そうするためには、「企業が知ってほしい情報」ではなく「求職者が知りたい情報」を掲載すべきとなります。
基本的に相手の目線に合わせていかないと刺さりません。
大切なことは、求職者が知りたい情報でかつ自社に入社したいと思えるような魅力を掲載することです。
具体的なコンテンツの例
求職者は、実際に働き始めたらどんな日々を送ることになるのかをイメージし、それで働きたいと思うからこそ応募してきます。
企業研究を行ううえで、知りたい情報の代表例は次のようなものがあります。
- 実際に働き始めるとどう変化するのか
- 実際の職場環境、一緒に働く人、社風
- 実際の仕事内容
- 事業の意義・命題
- キャリアパス
- 求める人材像
- 給与、残業、休日出勤の実態
- 研修、福利厚生
- 経営者の企業運営のビジョン
- 先輩社員の入社のきっかけ
- 一日の仕事の流れ
就職後の姿がイメージできるような情報など、ターゲットとなる求職者が知りたい情報だけを盛り込むことがポイントとなります。
デメリットも開示で信頼性を高める
また、デメリットとなる情報もあるならば公開すべきでしょう。
デメリットもしっかりと開示することで、ほかの情報の信頼性が高まります。
ポイント②:必要な情報を精査する
求職者への情報が多すぎても、それだけ情報1つ当たりの価値が希薄化してしまいます。
求職者は見ている企業が多岐に渡り、ひとつの企業に割ける時間が限られているためです。
短い時間で求職者の不安や疑問を解消し、そして自社の魅力を伝える必要があります。
ポイント①にも述べましたが、まずはターゲットの求職者はどんな人で、その人はどんな情報が欲しがるかを考える。ターゲットの求職者がほしい情報を精査し、必要なだけ掲載しましょう。
求職者にとって余計な情報や重要でない情報は削ぎ落しましょう。
ポイント③:リスティング広告や求人媒体との組み合わせ
採用サイトを作成しただけで突然応募数が飛躍的に増加するということ、残念ながらほぼありません。
採用サイトは、SEO対策しても「(会社名) 採用」などのワードで指名検索でもされない限り流入は難しいです。
採用サイトで現実的に狙うべきは、自然検索からの流入ではなく、説明会や求人媒体など、「採用サイトの外で行っている採用活動」の効果の最大化です。
そこで、リスティング広告や求人媒体と組み合わせることで、企業の求人情報の露出が増え、その結果として求人媒体に記載したリンクからの流入や、検索エンジンでの指名検索で採用サイトに訪れる求職者が増えることになります。
ポイント④:スムーズに応募できる導線を設計する
最後に重要なのはエントリーへの「導線」です。
せっかく素敵なビジュアル・良質なコンテンツで採用サイトを作っても「どこからエントリーするのか分からない」という状態では、求職者はエントリーに辿り着かず離脱してしまいます。
そのため、どこからでもわかりやすいエントリーボタンを作成しましょう。
どのページからでも「重要な情報にたどり着ける」「エントリーできる」ように導線を確保しておくことが重要です。
訪問してくれたユーザーがエントリーしやすいように、わかりやすいサイトの設計を心がけましょう。
ポイント⑤:PDCAをまわして改善を繰り返す
採用サイトを作成しただけでは当初の目的は果たせません。
当初の目的を採用サイトが満たせるように、PDCAを回して改善を繰り返す必要があります。
たとえば、次のような項目を数値化し、実施している施策の効果を定期的に測定します。
①:採用サイトのアクセス数
②:求職者のエントリー数、エントリー率
③:エントリーからの採用率
④:ほかの求人媒体から採用サイトへのアクセス数
⑤:④のエントリー数、エントリー率
⑥:説明会などのイベント直後のアクセス数
⑦:採用サイトの回遊率、離脱率
⑧:エントリーに進んだ人物像の分析
これらの相関関係をできるだけ紐解き、ボトルネックとなっている箇所があれば改善を試みましょう。
このようにして、細かく運用を見直すことで採用サイトの効果を高めていくことができます。
まとめ
今回は、オウンドメディアリクルーティングとはなにか、アフターコロナで生き残る採用戦略というテーマで解説してきました。
オウンドメディアは、うまく作成して運用していくことで、自社が採用したい人材を低コストで採用することができる優秀な採用マーケティングツールになります。
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記事執筆・編集:中條 優