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ジレンマとは?有名なジレンマの例や企業が抱える人材育成の課題についても

投稿日:2023年6月1日 /

更新日:2024年2月13日

ジレンマとは?有名なジレンマの例や企業が抱える人材育成の課題についても
● その他● チームワーク向上● 健康経営● 定着率向上● 理念浸透

仕事や恋愛、日常の中で使われる言葉として「ジレンマ」があります。よく耳にする言葉ではありますが、正しい意味を理解していない方も少なくないはず。そこで今回は、ジレンマの意味や有名なジレンマの例を紹介します。企業が人材育成で抱えているジレンマについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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ジレンマとは?

ジレンマとは?

ジレンマとは、特定の問題に対して2つの選択肢が存在し、どちらを選んでも何らかの不利益を被るため決断できない状態を指します。

ジレンマの語源は、ギリシャ語の「di」と「lemma」が組み合わせた言葉で、「2つの仮定」という意味です。

日常の中で見られるジレンマの例として、下記があります。

  • 仕事とプライベートの両立
  • お金を貯めるか趣味を楽しむか
  • 正直に気持ちを伝えるべきかどうか

ジレンマは心理的・倫理的な影響を及ぼすため、選択の迷いや葛藤からストレスや不安が生じる場合もあるでしょう。

仮にジレンマに陥った場合、どちらを選択しても良い結果につながる可能性は低いため、選ぶ際には慎重な判断が求められます。

また、優先順位の設定や第三者への相談などが解決策として有効といえるでしょう。

ジレンマに似た言葉

次に、ジレンマに似た言葉を紹介します。

  • 葛藤
  • 板挟み
  • 窮地

それぞれ紹介していきます。

葛藤

葛藤がジレンマと異なる点は、下記の通りです。

  • 2つ以上の間で生まれた衝突から感情的な悩みが生まれることを意味する
  • どちらを選んでも不利益を被る状況になるとは限らない

つまり葛藤は、内面の混乱や感情的な苦悩を引き起こします。

葛藤の解決には、内省と自己調整が必要になるでしょう。

板挟み

板挟みがジレンマと異なる点は、下記の通りです。

  • 2つのものに挟まれて動けない状態
  • 異なる対立や要求に挟まれており、どちらも選べない

板挟みの解決策はどちらかを選択して、一方を犠牲にするしかありません。

そのため要求する対立の苦悩とも捉えられるでしょう。

窮地

窮地がジレンマと異なる点は、下記の通りです。

  • すでに困難・危機的な状況に陥っている
  • 解決方法や打開策が存在しない状態

ジレンマは窮地と比べると、解決するための選択肢があります。

しかし、窮地は選択肢がないので助けを求めるしかできない状態といえるでしょう。

ジレンマの対義語

ジレンマの対義語と意味や詳細は、下記の通りです。

対義語意味・詳細
カタルシス
  • 心理的な圧力から解放されて浄化するプロセス
  • 不安や悩みから解消されるので、心が軽くなる
解決
  • 問題の本質を理解して、適切に良い方向へ取り組む方法
  • 問題や困難を分析して、可能性のある解決方法を探す
明快
  • 選択や判断の筋道がはっきり通っていること
  • まわりの人へ相談することで選択の迷いや葛藤をなくせる
単純
  • 複雑な構造・働き・要素がない状態
  • 物事が分解されると、問題解決に必要な判断が容易になる
単一
  • ひとつの選択肢・要素しか存在していない状態
  • 選択肢が絞られるので、最適解を求められる心配がない


上記の対義語では、明確な解決策や選択、単純な状態が表されています。

こちらの記事では、日常の生活に根付いている「リファレンス」の意味や活用例を解説しているので、ぜひ参考にしてください。



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有名なジレンマの例

有名なジレンマの例

ここまで、ジレンマの意味や類義語、対義語をお伝えしました。

続いて、有名なジレンマの例を紹介します。

  • 囚人のジレンマ
  • ヤマアラシのジレンマ
  • 安全保障のジレンマ
  • イノベーションのジレンマ

ひとつずつ紹介していきます。

囚人のジレンマ

囚人のジレンマとは、2人以上の関与者が自己の利益を最大化するために意思決定を行う際に生じるジレンマの一種です。

別名「社会的ジレンマ」や「ゲーム理論」とも呼ばれています。

2人の容疑者であるAとBが別々の部屋で取り調べを受けている設定で、それぞれの容疑者に下記の提案をしたと仮定しましょう。

  • A案:Aが自白してBが黙秘した場合、Bが全ての罪を被り、Aは釈放される
  • B案:AとBの両方が黙秘した場合、2人とも本来の刑期より短くなる
  • C案:AとBの両方が自白した場合、刑期の長さは変わらない

囚人のジレンマは経済学や政治学、社会学、社会心理学、倫理学、哲学などの幅広い分野で研究されています。

また、自身の利益を最大化するためには、相手との信頼や協力の構築が重要です。

囚人のジレンマを理解できれば、協力と競争のバランスへの知見を深められるでしょう。

ヤマアラシのジレンマ

ヤマアラシのジレンマとは、ドイツの哲学者アルトゥル・ショーペンハウアーが提唱した寓話です。

ヤマアラシは体にトゲを持っており、寒さに耐えようと近づきすぎてしまうと自身のトゲで相手を傷つける恐れがあります。

そのため近づいたり離れたりを繰り返す状態が、ヤマアラシのジレンマです。

この寓話は人間関係の縮図に類似しており、具体例として下記が挙げられます。

  • お互いに好意を持っているが、近づきすぎて嫌われたくないので一定の関係から発展できない
  • 仲間と協力して問題を解決したいが、大勢では気を使うので、あえてひとりで問題に取り組んでいる

ヤマアラシのジレンマを解決する方法は、お互いの違いを尊重して、適度な距離感を保つことが大切です。

安全保障のジレンマ

安全保障のジレンマとは、国家や地域間での軍備増強や安全保障条約などの相反する選択によって生じるジレンマです。

具体的な例として、下記が挙げられます。

  • 自国が核兵器や大量破壊兵器を保有した場合、ほかの国も自己防衛のために同様の兵器を保有する
  • 国家の領土保全を図るため軍事行動を行なった結果、他国の脅威や不安を引き起こしてしまう

また、軍備増強や同盟強化を止めれば敵対国家との緊張関係が緩和されるとは限りません。

理由は、自衛を辞めることで敵対国家から侵略・攻撃されるリスクがあるためです。

そのため両国の対話や協力を通して信頼関係を築きながら、共通する安全保障の枠組みを構築する必要があるでしょう。

イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマとは、有料企業が革新的な技術を軽視して衰退してしまう現象を指します。

ジレンマと呼ばれる理由は、既存事業を行なっている企業にとって新規事業の導入は非常に困難な意思決定をもたらすためです。

イノベーションのジレンマが発生する原因として、下記があります。

  • 革新的な技術を見過ごす
  • 市場のニーズより自社の技術向上ばかりに注目する

また、新興企業やスタートアップが革新的なアイデアを持って市場に参入した場合でも、既存企業の資金面や競争力で劣ってしまうでしょう。

そのため新興企業はイノベーションを追求する一方で、市場への浸透や生き残りを図るために既存の商品やサービス、ビジネスモデルに頼ることも必要です。

イノベーションのジレンマを解決するには、組織文化やリスクテイキングの促進、市場・顧客の変化に柔軟に対応しなければいけません。

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企業の人材育成に関するジレンマ

企業の人材育成に関するジレンマ

ここまで、有名なジレンマの例を紹介しました。

続いて、企業の人材育成に関するジレンマを解説します。

  • 人材育成が後回しになってしまう
  • 幹部候補者を早期選抜できない
  • 多種多様な人材育成ができない

ひとつずつ解説していきます。

人材育成が後回しになってしまう

人材育成におけるジレンマとして、人材育成が後回しになってしまう点です。

人材育成を後回しにしてしまう理由として、下記が挙げられます。

  • 緊急度の高いトラブルや課題解決を優先してしまい、緊急性を感じづらくなってしまうため
  • 限られた資源と時間を、目の前の業務だけに投下しているため

例えばプロジェクトの締切が近い場合、企業は全力でそのプロジェクトに取り組む必要があるでしょう。

しかし、人材育成の時間や予算確保が難しくなり、従業員の成長や能力向上を犠牲にする可能性があります。

そのため人材育成の重要性を理解したリーダーを配置して、時間やリソースの配分を行いましょう。

幹部候補者を早期選抜できない

企業の人材育成では、幹部候補者を早期選抜できない点がジレンマです。

仮に早期で幹部候補者を選抜してしまうと、下記の懸念点が考えられます。

  • 人材の流出
  • 従業員のモチベーションの低下

そのため、横並べでの選抜が余儀なくされてしまうでしょう。

早期選抜のジレンマを解決する方法は、下記の通りです。

  • 早期選抜の基準を明確にして、公平な選抜を行う。
  • 早期選抜された従業員に、適切な評価と待遇、成長機会を与える。

幹部候補者の早期選抜は、企業にとってリスクを伴う選択ですが、成功すれば将来の幹部候補を育成できます。

多種多様な人材育成ができない

人材育成を行う際に、多様性の重要さを理解しながらも従業員の能力や個性を考慮せずに選抜するため、特定の人材に偏ってしまうジレンマです。

多種多様な人材を育成できない理由として、下記が挙げられます。

  • 企業が従業員の多様性を理解していない
  • 企業が従業員の多様性を受け入れる体制が整っていない
  • 企業が従業員の多様性を活かすための育成プログラムを用意していない

解決策は、多種多様な人材をマイノリティ扱いせずに組織文化を創り出すことです。

企業にとって多種多様な人材育成には、コストがかかります。

しかし多種多様な人材を育成できれば、今よりイノベーションを生み出せる企業に変わるでしょう。

そのためにも幹部候補の同質性を高めず、個性的な人材を受け入れる器が求められています。


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企業がジレンマを克服する方法

企業がジレンマを克服する方法

企業がジレンマに陥った際に克服する方法として、下記の4つがあります。

  • 多角的な視点を導入する
  • フレキシブルな戦略を採用する
  • 小さく始めて試行錯誤を繰り返す
  • 既存顧客の意見だけを取り入れない

また、組織内におけるリーダーシップの役割も重要です。

リーダーは企業のビジョンを示し、困難な選択を行う上で倫理的な指針を提供する役割を果たす必要があります。

倫理的な意思決定のプロセスを強化して、組織全体に倫理と透明性を浸透させることで、企業のジレンマの克服につながるでしょう。

こちらの記事では、プロジェクトの責任者である「PM」の役割や求められるスキル、役立つ資格について解説しているので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

まとめ

今回は、ジレンマの意味や有名なジレンマの例、企業が人材育成で抱えているジレンマについて解説しました。

ジレンマとは、特定の問題に対して2つの選択肢が存在し、どちらを選んでも何らかの不利益を被るため決断できない状態を指します。

また、有名なジレンマの例として下記の4つをお伝えしました。

  • 囚人のジレンマ
  • ヤマアラシのジレンマ
  • 安全保障のジレンマ
  • イノベーションのジレンマ

「人材育成が後回しになってしまう」や「幹部候補者を早期選抜できない」など、人材育成に関するジレンマもさまざまです。

本記事でお伝えした企業がジレンマを克服する方法も参考にして、自社にあった情報収集や選択肢を選びましょう。


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