登壇者プロフィール 西江 肇司(にしえ けいじ) 氏
株式会社ベクトル 代表取締役会長兼社長
1993年:株式会社ベクトル設立、代表取締役 2011年:維酷公共関係諮問(上海)有限公司董事長 2012年:Vector Group International Limited Director(現任) 2014年:Vector Group Ltd.代表 2014年:VECTOR GROUP COMPANY LIMITED代表(現任) 2020年:株式会社ベクトル取締役会長 2021年:㈱ロングブレスオンラインスタジオ代表取締役(現任) 2022年:株式会社ベクトル代表取締役会長兼社長(現任)
鈴木 章裕(すずき あきひろ) 氏
株式会社コミクス 代表取締役
1969年、大阪府生まれ。甲南大学法学部を卒業後、広告代理店の営業部長を経て、2000年にインターネット広告を手掛けるアイブリッジ株式会社へ入社。
2007年9月、アイブリッジ株式会社、アドデジタル株式会社、アカラ株式会社、ブランド総合研究所という4つの会社を束ねるグループ会社へと成長した同社の社長を辞し、株式会社コミクスを設立し、代表取締役社長に就任。
ワンクリックでできるシンプルさを狙っていく 僕らはPR会社なので。アジアNo.1のPR会社になってて、次は何を狙っているか っていうと、これまた人それぞれ違うじゃないですか。
モノを広めるのに
昔は時間がかかりました 。だけど今は、雑誌や本を広めるのに、わざわざ聞いて文字に起こして、それに広告を作って。例えば、某有名な社長の雑誌を僕らがPRする場合、
その人が喋ってるインタビューを10分くらい撮ったやつを2~3分にまとめて、ニュース動画みたいなものを作ったり とか。僕らが狙ってる世界で企画書とかいらないんですよ。たまたまこの前、リクルートの社長がワンクリックで採用が行われるようにしましたよね。
今まで採用ってめっちゃ時間かかった じゃないですか。僕らもその方向を狙っていってる感じ。
例えば、テクノロジーが発達して、結構世の中はシンプルになる って僕は考えてる。僕らはシンプルを狙ってたりという感じなのかな。金融の業界では、例えば中国には銀行はあるけど使う人はほぼいなくて。店舗も要らない、ATMも要らない、財布も誰も持ってない 。スマホの画面の中で全部終わっちゃってるじゃないですか。
実際、そこに携わっている人がほとんどいなくなっているので、
遅かれ早かれモノを広める広告業界も、そっちの方向に行くだろう と僕らは思ってる感じ。
モノを広めるとき、大きなお金を使わないといけないというイメージ があると思います。広告代理店に頼むのがフランス料理だとすれば、僕らはマクドナルドの領域を狙っているんです。テクノロジーが発達してるから、逆に言うと動画をパッと撮ってすぐ伝える っていうのを僕らは狙っていってる。
すぐ伝えるっていうところで言うと、調達してから「ネーミングはこれに変えたほうがいいよ」 って言って西江さんがアドバイスしたものが大成長して、みんな成功をしていくじゃないですか。それも神がかってるなぁと、いつも驚いてるんですけど。
あれも一緒で、モノを広める時にみんな昔からの癖で複雑にするんですね。
フロントに設置した動画から必要情報を提供する 例えば最近だと「利回りくん」とか、僕がやったやつなんですけど、
あれを広めるのに企画書なんか作ってないんですよ。 利回り君でやるパターンみたいなのがあって、これほっといたらやっぱり200ページくらいの企画書があって、それを複雑にして。
広告業界は、複雑 なんです。
僕は反対の方向を狙ってて、利回りくんっていう一回聞いたら忘れないネーミングとタレントを覚えさせることによって、SEOキーワードはいらない じゃないですか。結論的に言うと、1回聞いたら忘れないネーミングが重要 になってきてて。それを覚えたら、一回聞いて忘れなかったら何十億円も広告する必要がなくて。SEOもやる必要はなくて。利回りくんっていう言葉で、商品の特性全部わかっちゃう じゃないですか。何%の商品しか売ってない。
短い間の、ミルクボーイの掛け合いの中でもう特性も簡単に伝えちゃってるんで。すごいできてるなぁと。
さらに、「利回りくん」って検索してホームページのフロントに行ったら、そこに
営業マンが営業する動画を掲載する んですよ。採用一括管理くんとかもそうなんだけど、最初のフロントに動画をつけるっていう感じですね。要は、
「採用一括管理くんとは」っていうのをタレントが話せば、多分パワーポイントで言うと50枚分くらい になっていますよ。で、これは放っておいて営業マンが説明する必要もない。
これを今の広告業界のスキームで提案するとなると、web業者は提案しない です。何でかというと、webのページを増やさないと儲からない。必ずwebページを増やす話になるんですよ。それで、基本的に動画はできないので提案も来ないんですね。日本の広告業界は、分業になりすぎててお金を取る構造 になってるんです。だけど僕らはユニクロ社とかZARA社を狙っていて。例えば1ページ目しかいらないし、1ページ目以外誰も見ないと。2ページ目は別にどっちでもいいよと。そこに動画貼り付けておけば、「あとはほとんど伝わっちゃいますよね」とかっていう提案する会社はほぼ皆無 。そういう、トータルで、客目線で一番良いことをシンプルに安くやるという会社がない んです。僕らが狙ってやっているのは、そういう方向です。今の時点では。
これ今狙ってるとかその狙いの定めって、主に西江さんが全部アイディア出されてるんですか?
そんなことはなく、会社ではパターン化 できてるので。それを最初に考えついてるっていうか。簡単に言うと、モノは広められるだろうと思っていて、あとは中立的な検索キーワードなどを食えるネーミングのほうが重要。資金調達できるくんとか、コモンバンクとか。障害者雇用クラウドとか。 ネーミングのほうが重要で、そこにタレントが出てきた瞬間に、動画つけておけばフロントだけでほぼ伝わっちゃう。
例えば、採用一括かんりくんも、3カ月ぐらいで人事業界全員知ってるはず なんです。人材業界とか、そこらへんもアドで当てながら。タクシー広告だと、ほぼ日本の意思決定者に渡っちゃう。それを2~3ヶ月くらいやれば、多分、人事業界全員に伝わっちゃってる っていう考え方なんですよ。
それをさらりと言って、それをさらりとやってのけてるのがすごいなと思います。
顧客側も複雑な仕様を求めない時代に変わっている 業界の構造上、PR会社はPRしかできないし、ネット広告はネット広告しかできない し、大手代理店はどちらかというとテレビに乗っていく構造 になっちゃってる。
あとは、そこにクリエイターがいたりすると、クリエイティブな方向にいったりする んですけど、僕らはそこは深く考えてないですね。「客目線で伝わったら」 みたいな。ユニクロとかそうじゃないですか。デザインがメインだよねっていう。そういう方向を今は狙っているという感じですかね。
半年ぐらい前にSaaSのサービスとか、アプリとかもそうだけど、スーパーアプリみたいな考え方 があって。どんどん安くいいモノを作れて、ユーザーがどんどん参加していって、発信していく世の中に代わっていくんだよね って西江さんおっしゃられたんですよ。
今、僕がベンチャー投資をしてて、時代が変わってる。 昔はシステム作るのにお金をかけようとする。何億円とかかかるんだけど。今はノーコードの時代 でできちゃうんですよね。僕の勘なんですけど、お客さんも複雑なことは望んでない。Netflixみたいなことをやりたいと思ったら、ノーコードのやつ捕まえてぱぱっとやったらできちゃう。 テレビも、4K、8K以上要らなかったりとか。そういう時代に変わってるという意味合いのことかな。ベンチャーでCTOをいっぱい、エンジニアばっかりとって。
エンジニア雇って開発コストあげたら、黒字化しにくくなるじゃないですか。
そうだし、もうできてるんですよ商品とか。客はそこまで複雑なものを望んでない時代 というか。テレビを作った時はテクノロジーの会話してたけど、今、テレビ見るときに誰もテクノロジーの会話してない。
Netflix見ているときに、誰もテクノロジー会話をしていない んですよ。中にはテクノロジーもあると思うんだけど、そこにテクノロジー志向はない。ボタンを押して見てるだけ。
どっちかといったら、僕らが狙ってるのはワンクリックのが重要ですね。「ワンクリックで全てが終わる方向」 を、僕らは狙ってます。
ワンクリックですべてが終わって、全て理解してて、消費行動にまでつながるという世界観 ですね。
でもNetflixは、ワンクリックじゃない 。深い意味はないですよ。ワンクリックしかしてない。
なんか、レコメンドエンジンとかすごい優秀だなーとか、僕らなんか見ながらすげーなーとか思っちゃうんですよ。一般の消費者はそんなこと考えないですね。
いや、レコメンドエンジンもAI使って誰でもできる。 10年前だったらすごいことかもしれないけど。
だってNetflix観たりして、テレビは誰も見てないじゃない ですか。あと、テレビに入っていっちゃいました。
じゃあ、今何が言いたいかといったら、パソコン見ているのと、スマホとNetflix見てるのとだと、Netflixの方が長い じゃないですか。
あとこの2~3年、YouTuberがすごい伸びているので。子どもたちみたいな人でもすごい稼いでる人たちも出てきてます もんね。
分かりやすくて素人参加型で簡単に作れて、コンテンツが面白ければ、要はもう今までプロって言ってた人たちが、素人から始まった人たちに抜かれていってる じゃないですか。プロはプロで残っていくとは思うんですけど。
ウケてるけど、その間ずっと、ちょっとした素人っぽいのも出てくるから。YouTuberもタレントが来たら一瞬で変わった じゃないですか。
タレントが来る前までは素人ばっかりだったじゃないですか。
そうそう。どんどん入ってきますよね。プロっぽくなってる。
プロっぽくなってるから、例えばとんねるずのタカさんがきた瞬間、テレビと同じレベルになってるじゃないですか。素人系だけじゃ弱いくらいの感覚 ですよね。
メジャーな人が入ってくることによって。一気にポジショニングが変わったりする瞬間があった ということですね。
時代が変わってるわけですよね。あとは、中国とかではライバーの時代 入っちゃってる。
ライバー投げ銭、1人あたりすごい出すみたいな、そういう。
いや、投げ銭がメインじゃない です。今はどちらかというと売るほう ですね。
投げ銭、中国でそこまで話題じゃない ですよね。Kuaisoというやつが、この前、日経で何十兆円になったじゃないですか。そこで、中国でちょっと有名な人は全員、ジャパネットたかた社状態になっちゃってるので。1日に2億円 とかいっちゃいますからね。
でも、1日に何十億円売るとかいっぱい ありますよ。そういう人達が、お金持ちになってますね。僕らはPR会社なので、モノを広めるのと売るのが一緒 ですね。僕らは、半分以上ライブイベント。すぐライブコマースになるし、という風に捉えているから境がなくなるんですよ。
PR会社っていうのが、事業会社の立ち位置に近くなってきますね。
PR会社自体にはこだわってる。モノを広めるのと、モノを売るのと、全部含めてやる。この、売るのと広めるのが一緒 なんです。だから、僕らはダイレクトもやってる。ほとんどの会社は時代の流れについていけないんじゃないですか。何でかというと、日本人のクセ なんですけど、例えば、映像制作に入ったらずっと制作会社 じゃないですか。
僕らは変わる会社。変わる能力を持ってるっていうのが大きい んですね。あとは変わる意志がある。
成功体験が大きければ大きいほど、変われないじゃないですか。
あと、成功体験以前に、日本人の場合ずっと同じことを演じちゃう癖 があります。中国人は結構現実的で、合理的なんで。例えば、ニュースリリース配信サイトってほぼサービスとして成立してない んですよ。大きい会社のニュースを見るけど、小さい会社のニュースは誰も見てないんですよね。
いや誰も投げないですよ。投げる癖がない 。俺らが、例えばプレス受けてやるっていっても、どんな会社もほとんど投げても誰も見ないじゃん という。
やったら仕事してる感があるので成り立ってる んですけど、これをグローバルでいくと買収されてたりとか。ソニー社がやったらみんな見るけど、小さい会社がニュースリリース投げたって誰も見てない んです。
だけど、日本は投げるのが当たり前 になっちゃってる。だから、もっと合理的なことをやろうとしてます。あとは、本当にPR会社なんだけど、PR会社がやっていること自体も境目がないっていうか。PRでNo.1になってるんですけど、それだけにこだわっていない。PR目線での何かモノを広めるやり方は全部共通している ので、PR会社がやるっていうのは目線がわかりやすいとは思います。
組織づくりと今後のSaaS領域の展望 1つ、組織論的なことを聞きたいんですけど。ずっと昔から大活躍されている人が、ずっと西江さんについてきてるじゃないですか。この強さって何なんですか。 西江マジックですよね、さすがだなぁと。
仲良いからだと思う んですけどね。結論でいうと、友達で仲良いって思っちゃったら「俺ら友達だよな」って言わない じゃないですか。そっちの世界ですかね。そこまで深く考えてないですよ。
定期的に定例会やらせてもらってますけど、やっぱりスタンスが自然 だから。西江さんとか偉い方なんで、圧かけようと思ったらかけれるじゃないですか。自然体なのでみんなが集まってくるのかな と思いますけどね。「このバランス感覚は天才だ」といつも思うんですが、これは長年の中で培ったものなんですかね。
自分のことなんでよくわからないけど、あんまり変わってはいないですよね昔から。
Saasとかサブスクって、これからどういう風に変わっていく と思いますか。今から2年、3年とかの間で。
僕らSaaSに投資してたりとか、いっぱいやってるじゃないですか。
まだ上場してないSaaS、半分ぐらいある じゃないですか。まだまだ増えていく感じですか。
いや、淘汰される と思いますけどね。延々とみんなSaaSに入らなくちゃいけなくなるので。ビジネスモデルとしてはすごくいい と思うんですけど。
計算できるし、投資家からしてもわかりやすい ですよね。トップラインいってて、ある一定のシェアとれば、ここから利益積みあがってるし、思案が少なければ投資する価値あるよね っていうのが判断しやすい。
投資する側からいったらそうですね。ビジネスモデルが変わっていく んじゃないですかね。副業で僕らが投資している会社も、人材で一人頭で取ってた会社が、月額で取ったりする会社になると、圧倒的になるじゃないですか。そうすると、ひとりひとりマージン取ってる会社が根こそぎやられちゃう じゃないですか。そういう価格、ある意味強いっちゃ強いですね。あとは、そもそもこれはシステムなんで、お金がかからない んですよ。従業員が要らない。DX化されてるので。
まとめ 今後もSaaSについてのお役立ち情報とかを配信していきますので、チャンネル登録と高評価をよろしくお願いします。ご視聴いただきありがとうございました。
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