バウンスメールとは?
バウンスメール(bounce mail)とは、送信メールが何らかの理由でエラーとなり、送信者に戻ってくるメールです。
正常に送信先にメールが届かないため、「未達メール」「エラーメール」「リターンメール」とも呼ばれています。
バウンスメールの本文に含まれている内容は、下記の通りです。
- 送信エラーの発生日時
- 送信エラーとなった理由
- エラー原因を表すコード
- 送信エラーが発生したサーバー情報
ちなみにエラーコードを表すコードは、英文メッセージと3桁の数字で表記されています。
コードと送信エラーの理由を確認することで、バウンスメールが送信された原因を把握できます。
またバウンスメール送信元は、「MAILER-DAEMON」もしくは「Postmaster」と表記されており、受信ボックスに配信されるので覚えておきましょう。
バウンスメールの種類
バウンスメールの種類は、下記の2つです。
- ソフトバウンス
- ハードバウンス
それぞれ解説していきます。
ソフトバウンス
ソフトバウンスとは、一時的なエラーで発生するバウンスメールです。
一時的な問題が原因のため、問題が解消されるとメールを送信できます。
ソフトバウンスが発生する原因は、下記の通りです。
- 受信側のサーバーがダウンしている
- 受信者のメールボックスが容量を超えている
- 受信サーバーの規定によって、一定のサイズを超えたメールは受信拒否している
そのためメールサービスでは、一定の期間でメールの再送を繰り返しています。
ハードバウンス
ハードバウンスとは、何らかの事情により恒久的にメールを送信できないバウンスメールです。
時間が経っても解決されないため、送信できない状態が続いてしまいます。
ハードバウンスが発生する原因は、下記の通りです。
- 受信側のメールアドレスが存在していない
- 入力したメールアドレスの一部が間違っている
- 受信側のサーバーがスパムメール・迷惑メールと判定された
- 受信側メールソフトの迷惑メール振り分け機能により、迷惑メールと判定された
特に企業の場合は送信相手が退職してしまい、メールアドレスが利用停止になるケースがあるので注意しましょう。
こちらの記事では、スパムメールの見分け方や被害事例、対策を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
バウンスメールを放置するリスクは?
ここまで、バウンスメールの特徴と種類をお伝えしました。
続いて、バウンスメールを放置するリスクを解説します。
- 受信拒否リスク
- 情報伝達遅延のリスク
- ブラックリスト登録のリスク
- レピュテーション低下のリスク
ひとつずつ解説していきます。
受信拒否リスク
バウンスメールを放置した場合、受信拒否のリスクが発生します。
受信拒否が発生する流れは、下記の通りです。
- バウンスメールが発生する
- 送信側サーバーが数日間にわたり、メールを送信し続ける
- 受信側メールサーバーは、スパムメール・迷惑メールと判定する
- 受信拒否されてしまう
受信側のサーバーが迷惑メールと判定してしまうとブロックされるだけでなく、解除に相応の時間と手間がかかるので注意しなければなりません。
情報伝達遅延のリスク
バウンスメールの放置を続けると、情報伝達遅延のリスクが発生します。
例えば、受信側のメール容量の関係でソフトバウンスされた場合、「メールは届いていない」「そういった話を聞いていない」といったトラブルに発展するかもしれません。
実際に受信側の原因であったとしても、原因に気がついていないケースは多いです。
そのためメールがバウンスされた場合は、早急に対策する必要があります。
ブラックリスト登録のリスク
バウンスメールの放置が続いた場合、ブラックリストに登録されるリスクがあります。
ブラックリストとは、不正メールを送信しているドメインやIPアドレスの一覧です。
ブラックリストに登録されるデメリットとして、下記の2つが挙げられます。
- 迷惑メール・受信拒否される可能性が高くなる
- ほかの送信先に対してもメールを送信できなくなる
そのためブラックリストに登録された場合は、原因の究明や改善、削除依頼が必要なので覚えておきましょう。
レピュテーション低下のリスク
バウンスメールの放置は、レピュテーションを低下させるリスクがあります。
レピュテーションとはIPアドレスを評価して、インターネット通信に制限を設ける仕組みです。
仮にエラーメールを送り続けた場合、IPアドレスのレピュテーションが低下します。
つまり迷惑メール・スパムメールと判定され、ブロックされる可能性が高くなるので注意しましょう。
バウンスメールへの対策方法は?
ここまで、バウンスメールを放置するリスクをお伝えしました。
続いて、バウンスメールへの対策方法を解説します。
- 送信先に受信ボックス容量の確認をしてもらう
- メールサイズを小さくする
- メールアドレス入力フォームを改善する
- 定期的なリスト調査を行う
- 迷惑メールと判定されないように設定する
- なりすましメールだと判定されないように設定する
- メール管理システムを導入する
ひとつずつ解説していきます。
送信先に受信ボックス容量の確認をしてもらう
バウンスメールへの対策方法として、送信先に受信ボックス容量を確認してもらいましょう。
またメールボックスの容量がいっぱいの場合は、「受信側のメールボックス容量を増やす」「受信側サーバに残っている不要なデータを削除する」なども有効です。
メールサイズを小さくする
バウンスメールの対策として、メールサイズを小さくする方法があります。
メールサイズを小さくする方法例は、下記の通りです。
- 添付ファイルを圧縮する
- 複数のファイルを送信する際は、何通かに分ける
メールサイズが大きく受信側サーバーも制限を設けていた場合、バウンスメールと判定されてしまいます。
特に添付ファイルのサイズが要因となるケースが多いため、注意しなければなりません。
メールアドレス入力フォームを改善する
バウンスメールの対策方法には、メールアドレス入力フォームの改善があります。
仮に入力フォームを活用して取引先や顧客のメールアドレスを収集する場合は、入力ミスに気づかず配信リストに登録されるケースが多いです。
そのためメールアドレス入力フォームを改善する方法として、下記が挙げられます。
- ダブルオプトインを活用する
- メールアドレスの入力を2回行わせる
- 入力したメールアドレスに確認メッセージを送信する
ちなみにダブルオプトインとは、入力したメールアドレスを登録する際の確認作業を、2段階で実施する方法です。
ダブルオプトインを活用することで、スパムメール・迷惑メールと判定される可能性を下げるだけでなく、いたずら目的の登録を減らす効果があります。
定期的なリスト調査を行う
バウンスメールを減らす方法として、定期的なリスト調査があります。
「登録メールアドレスが正しくない」「メールアドレスが存在していない」といった状態は、ハードバウンスの原因です。
そのため下記の作業によって、原因を改善できるでしょう。
- ドメイン名のスペル間違いがないか確認する
- バウンスメールと判定されたメールアドレスを削除する
メール配信リストは常にアップデートして、最新の状態を保つ必要があります。
迷惑メールと判定されないように設定する
バウンスメールを減らすには、迷惑メールと判定されないようにする設定が必要です。
仮に迷惑メールと判定された状態で送信を続けていると、受信側にドメインやIPアドレスの受け取りを拒否されてしまう恐れがあります。
迷惑メールと判定されないための施策例は、下記の3つです。
- IPアドレスのレピュテーションを下げない
- ブラックリストの登録された場合は、削除依頼を行う
- 事前に迷惑メールに振り分けられる可能性と、解除方法を受信側に伝えておく
「受信側に届いていない=読まれていない」可能性が高いので、迷惑メールと判定されない設定は行いましょう。
なりすましメールだと判定されないように設定する
バウンスメールへの対策として、なりすましメールと判定されないためにDKIMやSPFなどを設定します。
DKIMとSPFの特徴は、下記の通りです。
特徴 | |
DKIM |
|
SPF |
|
それぞれを設定するには、「DNSサーバーへSPFレコードを追加する」「DKIMツールを導入して、DNSサーバーへ公開鍵を配置する」といった作業が必要なので覚えておきましょう。
メール管理システムを導入する
バウンスメールの原因に対処する方法として、メール管理システムの導入が挙げられます。
メール管理システムを導入するメリットは、下記の通りです。
- 配信状況をモニタリングできる
- メールアドレスのリストを精査できる
- エラーの種類に合わせて、適切に対処できる
特に配信エラーの対処やリストの管理で困っている場合は、メール管理システムの導入を検討しましょう。
こちらの記事では、メール配信システムの選び方や目的、おすすめのシステムを20個紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、バウンスメールの特徴や種類、放置するリスク・対策方法を解説しました。
バウンスメール(bounce mail)とは、送信メールが何らかの理由でエラーとなり、送信者に戻ってくるメールです。
種類には、ソフトバウンスとハードバウンスがあります。
また放置するリスクとして、下記の4つがあるとお伝えしました。
- 受信拒否リスク
- 情報伝達遅延のリスク
- ブラックリスト登録のリスク
- レピュテーション低下のリスク
本記事でお伝えした「送信先に受信ボックス容量の確認をしてもらう」「メールサイズを小さくする」「メールアドレス入力フォームを改善する」などの対策方法も参考にして、メールを配信する際の参考にしてください。
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こちらの記事では、メールセキュリティ製品の正しい選び方や、おすすめの製品を10個紹介しているので、ぜひ参考にしてください。