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従業員満足度(ES)とは?メリットや高めるための方法を解説

投稿日:2023年10月6日 /

更新日:2023年10月6日

従業員満足度(ES)とは?メリットや高めるための方法を解説
● 従業員満足度向上● 従業員満足度調査

従業員満足度(ES)とは、従業員がどれだけ今の労働環境に満足しているかを表す指標です。従業員満足度(ES)を高めることで、従業員の定着率が高まったり採用に対する応募数が増えたりします。この記事では、従業員満足度(ES)のメリットや含まれる要素から調べる方法・高める方法まで、詳しく解説しています。

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従業員満足度(ES)とは

従業員満足度(ES)は、従業員がどれだけ満足しているかを表す指標です。報酬や業務内容、人間関係、労働環境、福利厚生などさまざまな要素が含まれます。

例えば、報酬はやや低くても自分がスキルアップできる環境であれば従業員満足度が高くなる可能性があります。逆に、報酬が高くても労働環境が劣悪だと満足度は低くなりやすいでしょう。

近年は経済的な報酬以外の要素も勤務先を考える際の重要なポイントになっているため、企業も社会の変化に合わせて変わっていく必要があります。

従業員満足度(ES)における5つの要素

従業員満足度(ES)には、以下の5つの要素が含まれます。

  • 理念への共感
  • 業務内容
  • 自分が会社に貢献できているという実感ややりがい
  • 評価に対する納得感
  • 労働環境

上記のポイントを理解することは、従業員満足度(ES)を調べたり高めたりするのに役立ちます。

理念への共感

企業理念とは、企業として成し遂げたいことやその会社が最も重視していることを表した言葉です。

従業員の中にはその想いに共感して入社してくる人もいます。もしも理念がお飾りになっていたら、理念に共感して入ってきた従業員は不満に思い、満足度が下がってしまうでしょう。

業務内容

業務内容も従業員が重視するポイントの1つです。自分の得意なことを活かせる業務を任せるのも大事ですが、求人のうたい文句と矛盾しないようにするのも大切なことです。

例えば「裁量度が高い」とうたっているのに実際は上司の指示通り動かないといけなかったり、「専門的なスキルが身につく」とうたっているのに単純作業ばかりやらされていたりしたら従業員満足度は下がってしまうでしょう。

自分が会社に貢献できているという実感ややりがい

特にチームプレーの多い会社やプロジェクトにおいては「チームに貢献できているかどうか」も、満足度を決める大事なポイントです。「貢献できている」という実感が強いほど、チームへの帰属意識や満足度は高くなります。

最初のうちは難しいかもしれませんが、従業員に裁量度の高い仕事や責任感の伴う仕事などを任せ「自分はこの会社に貢献できている」という実感を持たせるのも大切なことです。

評価に対する納得感

会社では、定期的に人事評価を実施します。そのときの評価内容や評価理由が納得できるものであればあるほど、満足度は高くなります。

たとえば、評価理由が厳しいもの、自分が思っていたのとは違うものであったとしても、合理的で納得できるものであれば問題ありません。しかし、評価者の主観によるところが大きいと、納得できず、不満が出てしまいます。

労働環境

従業員満足度(ES)を考えるうえでは、勤務時間や人間関係、報酬、福利厚生、職場の衛生状況などの労働環境も重要です。一般的に、労働環境が整備されているほど、満足度は高くなります。

常にベストな状態を維持するのは難しいかもしれませんが、従業員からの不満が出ないよう、最低限の整備はしておきましょう。

従業員満足度(ES)を上げる4つのメリット

従業員満足度(ES)を高めると、たくさんの良い影響があります。ここでは、主なメリットを4つ紹介します。

  • 新卒採用で人材を集めやすくなる
  • 従業員の定着率が上がる
  • 生産性が上がる
  • 顧客満足度(CS)が上がる

優秀な人材を集めやすくなる

従業員満足度(ES)が高いということは、従業員が働きやすい環境が整っているということです。自社で実施した従業員満足度(ES)の結果が良いものであれば、ホームページや求人を出しているサイトなどに公開することで求職者にアピールできます。

従業員満足度(ES)が高いと、応募する企業の候補になりやすく、企業にとっても人材を集めやすくなります。応募数の増加は、より優秀な人材の採用にもつながります。

従業員の定着率が上がる

従業員が満足できる環境だと、離退職する従業員が減り、定着率が高くなりやすい傾向にあります。新しく採用した際の研修等にかかる教育コストが抑えられたり、職場の人間関係が良くなったりすることにもつながるでしょう。

また、メンバーの入れ替わりが少ないと、チームワークも取りやすくなり、結果的に生産性の向上などにもつながります。

生産性が上がる

厚生労働省によると、従業員と顧客両方の満足度を重視している企業は、 顧客満足度だけを重視している企業と比べて、売上高営業利益率や売上高が増加傾向にあるとする割合が高くなっていることがわかっています。

すなわち労働環境を整えて従業員満足度(ES)を高められれば、業績アップにつながる可能性があるということです。

顧客満足度(CS)が上がる 

従業員満足度(ES)や会社への帰属意識が高くなると、自社の商品やサービスを分析したり見つめ直したりする機会が多くなります。

そうすると顧客のニーズの変化に敏感になり、細かなニーズに合ったサービスを提供できるようになり、顧客満足度(CS)の向上にもつながります。

従業員満足度(ES)を調べる方法

従業員満足度(ES)の調べ方は、大きく以下の2つに分けられます。

  • アンケート式:紙やWeb上でアンケートを取る方法。全員同時に行えるため、短時間で実施できるが、個人に合わせた深堀りはできない。
  • インタビュー式:1対1、1対複数での対話形式の調査方法。個別にインタビューするため膨大な時間がかかる。しかし、1人1人の現状を深く知ることができる。

調査目的によって使い分けたり、両方を組み合わせたりすることが大切です。

自社の従業員満足度を調査する時の手順

アンケート式、インタビュー式のいずれにおいても、従業員満足度の調査について基本的な流れは同じです。

  1. 目的の決定:なんのために調査をするのか、目的を明確にします
  2. 設問の設定:目的を達成するためには「誰に」「どんな」質問をするかを考えます
  3. 調査の実施:調査の概要がまとまったら、周知し、実施します
  4. 結果の分析:全員分の調査が完了したら、結果を分析します
  5. 改善策の考案:分析結果をもとに、何を改善すべきか、策を考えます

一回だけではなく、何回も繰り返して徐々に改善していくことが大切です。

従業員満足度(ES)を高める方法

従業員満足度(ES)を高める具体的な方法を解説します。調査の分析結果に基づいて行うのはもちろんですが、従業員の気持ちになって考えることが大切です。

多くの従業員が重視するのは以下の5つです。

  • 企業理念やビジョン
  • 人事配置・異動
  • 職場環境
  • 評価・報酬制度
  • 福利厚生

特に、評価や福利厚生などの「制度」については5つの中では比較的容易に変更できるものです。まずは制度の見直しから始めてみるのが良いでしょう。

理念やビジョンの浸透

企業理念がお飾りになっていないこと、経営陣だけでなく全従業員にまで浸透していることが大切です。

企業理念がお飾りになっているのは、新入社員からしてみればせっかく企業理念や社長の強い想いに共感して入社したのに、全く達成できないということです。それでは、不満も出てくるでしょう。

まずは経営陣が理念に基づいた言動を取ること、理念=目的を達成するための業務になっていることなどが重要になってきます。

希望や適性を考慮した配置・人事異動

従業員の希望や特性を考慮した人事配置にすることも、満足度を高めるポイントです。従業員の一人ひとりに、得意なことと苦手なこと、やりたいこととやりたくないことがあります。

自分のできることや得意なこと、スキルを活かせることを任せられればうれしいですし、反対にできないことや苦手なことばかりをさせられていたら不満が出やすくなります。全員の希望通りにするのは難しいかもしれませんが、できる限り対応できれば満足度も高まるでしょう。

職場環境の改善

職場というのは、1日の大半を過ごす場所であるため、職場の環境は従業員にとっては最も重要な要素の1つと言えます。ここでいう職場環境は、業務内容や勤務時間、人間関係、衛生環境など、さまざまな要素を含みます。

いじめやハラスメントを見逃さない、許さないのはもちろんのこと、トイレやデスクを綺麗にしておく、無理な残業はさせないなど、当たり前のことを当たり前にやるだけでも、従業員にとっては前向きに映るでしょう。

評価・報酬などの制度の見直し

従業員の努力や出している結果を適切に評価し、報酬に反映させられるような制度になっているか、見直してみることも大切です。

特に近年は、従業員は自分のことを適切に評価してくれる企業を探す傾向にあります。そのため、評価や昇給・昇進の仕組みが良くないと、長期的に見たときに従業員の離職率が高くなってしまう恐れがあります。従業員に長く働いてもらうためにも、制度を今一度見直してみましょう。

福利厚生の充実

評価・報酬制度と同様、福利厚生も重要な要素です。従業員にとってみれば、賃金以外の報酬もチェックすべきポイントです。

特に住居や健康、出産や育児など多くの人に関わる福利厚生を充実させておくことは、従業員を大切にしていることの証明にもなり得ます。

まとめ

従業員が働きやすい環境を整えるのは、従業員のためでもあり、会社のためでもあります。従業員から不満が出続ける会社は顧客や社会からも信頼されません。社外からの信頼度を測るのは難しいですが、社内の声は従業員満足度(ES)である程度測れます。

そのため、従業員満足度(ES)は、ただ測るだけでは意味がありません。働き方や制度を見直して、改善してこそ意味があるのです。社内からも社外からも信頼される会社になるために、従業員満足度(ES)を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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