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バイアスとは
バイアスとは、人の行動や思考に偏りが生じている状態です。
自身の経験や固定概念、先入観、思い込みなどが原因で、合理的な思考ができない心理現象を指します。
バイアスが研究対象とされている分野は、下記の3つです。
- 論理学
- 認知科学
- 社会心理学
集団の中でのコミュニケーションや、人と社会の相互関係について考える際に、バイアスは研究されています。
また、バイアスは人の判断によって発生するため、ビジネス分野でも注目されています。
まずは、様々なシーンで活用されているバイアスの種類を見てみましょう。
- 確証バイアス
- 正常性バイアス
- 自己奉仕バイアス
- ジェンダーバイアス
- 生存者バイアス
ひとつずつ解説していきます。
確証バイアス
確証バイアスとは、自分に都合の良い情報ばかりを無意識に集めて、都合が悪い情報は無視したり集めなかったりする状態を指します。
人はだれでも「自分は正しい」と思いたい心理を持っており、自分の考えが否定される情報は無視してしまいます。
確証バイアスの最たる例は、下記の3つです。
- 血液型占い
- 高齢者の運転の危険性
- 「自分は好かれない」といった思い込み
確証バイアスが発生する原因として、人は直感を頼りに生きる方が楽だからといわれています。
人は、直感に反する事柄に対して考える動作を嫌うため、直感的に生きようとする心理から確証バイアスが起こります。
また、自分に対する評価は他人の評価より高い傾向にあるため、反証する情報を信じず、確証バイアスが生まれることも原因のひつです。
正常性バイアス
正常性バイアスとは、危険や脅威などの悪い情報に対して、過小評価もしくは無視してしまう状態です。
本来であれば様々なストレスに対して反応するのですが、天災などの異常事態の場合は適切な判断ができなくなり、悪い事態をさらに大きくしてしまいます。
「自分には関係ないだろう」といった心理も、正常性バイアスの一種です。
正常性バイアスが与える悪影響として、下記の4つがあげられます。
- ハラスメントにつながる
- ルールが守られなくなる
- 企業の成長が阻害される
- 公正な評価ができなくなる
正常性バイアスに陥らないためには、物事を批判的に見る「クリティカルシンキング」を身につけておきましょう。
クリティカルシンキングができるようになると、物事を客観的に把握できるようになり、正常性バイアスに陥りにくくなります。
自己奉仕バイアス
自己奉仕バイアスとは、何かに成功した際は自分自身の能力が原因と考え、失敗した際は周りの環境が原因と思い込んでしまう状態です。
成功時は自信につながるといったプラス面がありますが、失敗時には環境や要因ばかりに目がいってしまい、反省しないまま同じ失敗を繰り返すマイナス面があります。
自己奉仕バイアスが発生する理由は、下記の3つです。
- 自尊心を保ちたい
- 自分の気持ちをポジティブに保ちたい
- 自分のことをどう思われているかコントロールしたい
つまり人として根源的な欲求なので、簡単に抜け出せるものではありません。
自己奉仕バイアスとの向き合い方は、自分自身を冷静かつ適切に判断して、何が原因でその結果に至ったのか分析する習慣をつけましょう。
ジェンダーバイアス
ジェンダーバイアスとは、男女の役割に固定概念を持ち、社会への評価や扱いが偏っている状態です。
現代でも、男性は女性よりも優位であるといった偏見から、女性は男性よりジェンダーバイアスの影響を受けやすくなっています。
ジェンダーバイアスの例は、下記の通りです。
- 色のジェンダーバイアス:男性=青、女性=赤
- 形のジェンダーバイアス:男性=星、女性=ハート、リボン
- 言葉のジェンダーバイアス:イクメン、女子力
「男性はこうあるべき」「女性はこうあるべき」といったバイアスがかかってしまうと、個人の可能性や仕事の選択肢を狭めてしまうでしょう。
つまり、ジェンダーバイアスは男女の修学や執行に不平等を生み、結果として社会に大きな損失を起こす可能性があります。
なので自分自身が性役割の意識を持っていないか、まずは考えることから始めてみましょう。
生存者バイアス
生存者バイアスとは、何か成功を遂げた一部の人や企業、事象のみを基準として、誤った判断をしてしまう状態です。
成功事例にスポットが当たりやすいため、生存バイアスは仕方のないこと状態ともいえます。
しかし、成功者の裏には、何千何万もの失敗者の存在を忘れてはいけません。
生存者バイアスでは、判断が間違っていないか客観的な振り返りが重要です。
そのため成功体験を学ぶ際は、その事例が特殊である可能性を考慮して、批判的な観点を持つ必要があります。
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バイアスとの正しい向き合い方
ここまで、バイアスの概要についてお伝えしました。
続いて、バイアスとの正しい向き合い方を解説します。
- バイアスは生じてしまうものと考える
- バイアスが生じにくい環境づくりを徹底する
ひとつずつ解説していきます。
バイアスは生じてしまうものと考える
まず、バイアスは自然に生じてしまうものと考えましょう。
アンコンシャス・バイアスといった言葉があるように、人の性質やこれまでの経験、情報をもとに価値を判断するため、無意識で偏見や先入観を持ってしまいます。
日常で無意識的に発生するバイアスの例は、下記の通りです。
- 血液型で性格を想像する
- 出身地でお酒が強いかどうか想像する
- 単身赴任中と言う言葉から父親を想像する
- 「普通は」「たいていは」といった言葉を使う
バイアスは自分で気づきにくいですが、無意識的に生じてしまうものと覚えておきましょう。
バイアスが生じにくい環境づくりを徹底する
企業の中で、バイアスが生じにくい環境作りを徹底していきましょう。
具体的なバイアスへの対策として、下記の3つがあげられます。
- 研修を行う
- ダイバーシティゲームなどを取り入れる
- 公平な人事評価制度を採り入れる
ひとつずつ紹介していきます。
研修を行う
バイアスに関する研修を行うと、偏見や先入観にとらわれず、多様な見方や考え方が出来るようになるでしょう。
これまでの自分の偏った価値観に気づいたり、他者を尊重する気持ちを養えたりする可能性が高くなります。
研修を通して、下記のようなバイアスがもたらす負の連鎖についても学べるはずです。
- 活力低下
- 相互不信
- 離職率の増加
- 職場の停滞感
- ハラスメントの増加
- コミュニケーション不全
- 個人や組織のパフォーマンス低下
- イノベーションが生まれにくくなる
バイアスは個人だけでなく、組織全体に悪影響を及ぼします。
そのため、表面的な研修で終わるのではなく、「具体的な解決策」「安心して本音を出せる」環境作りを工夫しましょう。
ダイバーシティゲームなどを取り入れる
バイアスが生じにくい環境作りとして、ダイバーシティゲームの活用があります。
ダイバーシティーゲームとは、多様性のある環境で発生する深刻になりやすい問題に対して、深く対話できる機会を作るカードゲームです。
ゲームを活用してバイアスを考えるメリットには、下記の5つがあります。
- 人や場所を選ばない
- 誰でも意見を言える
- 当事者意識の醸成される
- 少数派の意見を聞きやすい
- 多様な視点への気づきがある
ダイバーシティーゲームなどを取り入れることで、自分自身のバイアスに気づくだけでなく、共感や想像、理解する力が身に付くでしょう。
公平な人事評価制度を採り入れる
公平な人事評価制度の採用は、組織内でバイアスが生じにくい環境作りとして必要です。
人事評価制度とは、会社への貢献度や社員のスキルを評価して、給料や東急といった待遇に反映させる仕組みを指します。
しかし自分だけで判断してしまうと、偏った評価を下してしまうでしょう。
偏った人事評価制度を防ぐ方法は、下記の通りです。
- 評価者を変える
- 1人で評価しない
- 評価基準を数値化して明確にする
- 同僚や上司など多くの人が評価する
こういった方法は、バイアスの少ない人事評価を目指せるだけでなく、評価された側の不満も少なくなります。
考課者の主観が多く入っていたり、終身雇用や年功序列が前提となっていたりする場合は、見直しを図りましょう。
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バイアスを改善する方法
ここまで、バイアスとの正しい向き合い方をお伝えしました。
続いて、バイアスを改善する方法を紹介します。
- 対になる意見を積極的に取り入れる
- 事実と客観的意見を分けて考える
- 業界の前提・常識を疑う
- 自分だけの判断軸を明確にする
ひとつずつ紹介していきます。
対になる意見を積極的に取り入れる
自分の考えだけではバイアスの生じる可能性が高くなるので、対になる意見を積極的に取り入れましょう。
対になる意見を取り入れるメリットは、下記の2つです。
- 物事を客観的に見れるようになる
- 正しい検討を行うための材料が得られる
取り入れ方には、自分と反対意見の本や動画を見るといった方法があります。
ただし、自分と同じ考えや意見の情報だけ集めると、バイアスが強くなるだけです。
反対意見を取り入れることで、バイアスが改善されるだけでなく、今まで気づかなかった考え方に出会えるでしょう。
事実と客観的意見を分けて考える
バイアスを改善するには、事実と客観的意見を分けて考えましょう。
日本人は明確な判断を下さずに、曖昧な部分を好む傾向があります。
会話の中で使用される曖昧な表現の例は、下記の通りです。
- 大丈夫です
- 精一杯努力する
- 前向きに検討する
曖昧な表現は、バイアスがかかりやすくなるとされています。
そのため数字や固有名詞を活用して、具体性を持たせましょう。
簡単に客観的な意見は受け入れずに、具体的な数字や固有名詞から正しい判断を下す必要があります。
業界の前提・常識を疑う
バイアスは、業界の前提・常識に自分の先入観が入っていないか疑うことで防げます。
前提・常識を疑う際は、因果関係を分析しましょう。
例えば、自社商品の売り上げが減少して、「競合商品の影響が理由である」と分析したと仮定します。
しかしバイアスの影響で、実際は自社の商品が市場に合っていなかった可能性も考えられるでしょう。
業界の前提・知識を疑って、最初の考えに先入観が混じっていないか検討する必要があります。
自分だけの判断軸を明確にする
バイアスを改善するためには、自分だけの判断軸を明確にする必要があります。
自分だけの判断軸を持つ際のポイントは、下記の2つです。
- 客観的な情報を分析する
- 今までの経験や直感に頼らない
例えば、商品を購入する際に、「人気だから」「注目されているから」といった他人の判断基準で決めることは得策ではありません。
その際は、下記のような判断軸を持つようにしましょう。
- 他社の類似商品と比較検討する
- 自分にとって有用であるかどうか
バイアスの改善に向けて、他人の評価を鵜呑みにするのではなく、自分だけの判断軸を明確にする必要があります。
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まとめ
今回は、バイアスの概要や種類・対策、バイアスへの正しい考え方を解説しました。
バイアスとは、人の行動や思考に偏りが生じている状態を指します。
正しくバイアスと向き合うには、下記の2つに注意が必要です。
- バイアスは生じてしまうものと考える
- バイアスが生じにくい環境づくりを徹底する
バイアスは自然に生じてしまうものなので、本記事でお伝えした向き合い方や改善方法などを活用して、今まで前提・常識にとらわれず、自分だけの判断軸を明確にしましょう。
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