カーブアウトとは？
カーブアウト（carve out）とは、企業が特定の部門や事業を切り出して、新設企業として独立させる経営手法です。
欧米においては、事業ポートフォリオをスピーディーに入れ替える手段として用いられます。最近の日本では、スタートアップ企業を創立する手法としてのカーブアウトの事例が増えています。
同一企業の中で中核から外れた技術やノウハウなどを切り話して、親会社からの出資と外部資本を組み合わせることで、新規事業の立ち上げをスピーディーに進めることが可能です。
なお、当サイトの読者のみなさんが携わっていると思われる、サブスク型ビジネス、とりわけSaaSビジネスにとっての最重要課題は「カスタマーサクセス」です。
そんな「カスタマーサクセス」について、以下の特集記事『カスタマーサクセスとは？サブスク型SaaSビジネスの生命線を完全解説！』で特集しています。ぜひご一読ください。
また、SaaSを含むBtoB企業における、マーケティング組織の類型と作り方や、営業部門との関係性に関して以下の特集記事『現代のマーケティング組織の類型と作り方とは？営業部門との関係性も解説』で解説しています。ぜひ、そちらも参考にご覧ください。
【当サイト「kyozon」とは？】
当サイト「kyozon」とは、読者のみなさんの日々の業務に役立つ情報群を発信し、ユーザーとベンダーのコミュニケーションを大いに活性化させるWebサービスです。
ご提供する情報はデジタルトレンド情報や専門家のインタビューおよび対談、最新ワードや基本情報のわかりやすく解説、ビジネスに役立つイベント情報など盛りだくさんとなっています。
ほかにもマーケティングの成功・失敗事例やビジネスツール・サービス導入検討に役立つ他のユーザーの事例やツールの感想、話題となったイベントのレポートな多岐にわたるラインナップです。
なによりも、読者のみなさんにとって関心があるサービスの資料を、無料でダウンロードできます。そしてダウンロードした資料をマイページでいつでも確認でき、ツール・サービスの検討や活用のお役立ち資料として、ご活用いただけます。
カーブアウトと類似の言葉
なお、カーブアウトと混同されやすいビジネス用語に、スピンアウト（spin out）やスピンオフ（spin off）があります。
スピンアウトは、親会社の資本関係から離れ、独立した状態で新企業を立ち上げる手法です。カーブアウトと異なり、親会社からの資金注入を受けません。
一方、スピンオフとは親会社の資本を維持した状態で、独立企業を立ち上げる手法となります。カーブアウトとは異なり、外部からの資金注入を受けません。
なお、現代ビジネスにおいてメディアリテラシーを発揮できるマーケティング手法は、有益な情報の発信で見込み客を獲得して育ててゆくコンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングに関する詳細に関しては、以下の特集記事『コンテンツマーケティングとは？情報の資産効果で顧客拡大を図ろう！』で詳しく取り上げて解説していますので、ぜひそちらも参考にご覧ください。
また、そのコンテンツマーケティングでユーザーの行動や反応を解析するのに活用する、膨大な情報の収集と分析・解析に欠かせないのがマーケティングオートメーション（MA）です。
マーケティングオートメーション（MA）については、以下の特集記事『マーケティングオートメーションとは？ツールの選び方と運用の注意点』で包括的に詳しく解説しています。ぜひ、そちらも参考にご一読ください。
カーブアウトを実施するための2つのスキーム
カーブアウトを実施するためのスキームには、以下の2つがあります。
- 会社分割
- 事業譲渡
それぞれを見ていきましょう。
〜【おすすめ記事】「疑問ワードを日本一わかりやすく解説」シリーズのご紹介 〜
「デジタル通貨」については、以下の特集記事『デジタル通貨とは何か？メリット＆デメリットも含め日本一わかりやすく解説！』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
会社分割
会社分割はM&Aの手法のひとつで、既存企業の一部の事業部門を別会社として分割する手法です。カーブアウトにおいては、既存企業の一部の権利義務を新設会社に移転するのが一般的です。
会社分割では、既存企業の権利や契約、許認可関係などをまとめて移転できます。そのため、新設会社は許認可取得のやり直しや、個別の取引先との契約の巻き直しなどを行う必要はありません。
〜【おすすめ記事】「疑問ワードを日本一わかりやすく解説」シリーズのご紹介 〜
「ジャストアイデア」については、以下の特集記事『ジャストアイデアとは？意味と適切な使い方を日本一わかりやすく解説！』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
事業譲渡
こちらもM&Aの手法のひとつで、企業が事業の全部または一部を他の企業に譲渡する手法です。カーブアウトでは、不採算事業や中核ではない事業などを譲渡するのが一般的です。
会社分割とは異なり、事業譲渡の場合は権利義務の一部が包括的に譲渡されるわけではありません。そのため、譲受側企業は許認可の取り直しや個別の取引先との契約の巻き直し、そして従業員との雇用契約の蒔き直しなどが求められます。
加えて、転籍に不満な従業員が退職する人材流出リスクが伴います。
なお、働き方の価値観が多様化する現代において、企業は従業員のワークワイフバランスやウェルビーイングの実現を考慮する必要があります。
ワークライフバランスについては以下の特集記事『「ワークライフバランス」の使い方はもう間違わない！例文付き解説で完全マスター』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
また、同じく従業員にとって大切な「ウェルビーイングの実現」については、以下の特集記事『ウェルビーイングとは？社会・福祉・健康・経営等の視点からみた重要性』で詳しく解説しています。ぜひ、そちらも参考にご一読ください。
カーブアウトのメリット＆デメリット
企業がカーブアウトを行うことで生じるメリットとデメリットを、それぞれ見ていきましょう。
なお、現代企業にとって今後欠かせない要素はDX（デジタルトランスフォーメーション）です。DXを成功させるためには、その前段階の「デジタライゼーション」が重要となります。
「デジタライゼーション」については、以下の特集記事『デジタライゼーションとは？DX等との関係性も含め日本一わかりやすく解説！』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
カーブアウトのメリット
まずは、カーブアウトの実施によって得られるメリットの主なものとしては、以下の3つがあります。
- 外部から資金調達がしやすい
- 選択と集中ができる
- 親会社の経営リソースを活用できる
個別に見ていきましょう。
〜【おすすめ記事】「疑問ワードを日本一わかりやすく解説」シリーズのご紹介 〜
「デジタライゼーション」については、以下の特集記事『デジタライゼーションとは？DX等との関係性も含め日本一わかりやすく解説！』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
外部から資金調達ができる
カーブアウトにより生まれた会社では、融資や資金援助などを外部から受けることが可能です。また、資金面以外においても、企業経営に必要不可欠な人材や技術などの経営リソースを外部から確保できます。
カーブアウトにより設立された企業が将来有望であればあるほど、多くの資金を外部から集められます。そうなれば親会社の一事業部門にとどめていたよりも、遥かに成長させられる可能性が生まれます。
〜【おすすめ記事】「疑問ワードを日本一わかりやすく解説」シリーズのご紹介 〜
「ジョブローテーション」については、以下の特集記事『ジョブローテーションとは？その概要とメリット＆デメリットを日本一わかりやすく解説！』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
選択と集中ができる
カーブアウトにより切り離される事業の多くは、大きな成長が将来的には見込まれるものの、現状においてはコア事業として扱えない事業です。
カーブアウトによってノンコア事業を切り離せるので、親会社はコア事業に経営リソースを集中投下できます。その結果、親会社の事業の成長が促進され、利益の増加や企業価値の向上が期待できます。
また、カーブアウトによって生まれた会社側も、自社の事業ドメインに専念できるので、成長しやすい環境となります。
〜【人事系おすすめ記事】「疑問ワードを日本一わかりやすく解説」シリーズのご紹介 〜
「シェアードサービス」については、以下の特集記事『シェアードサービスとは？企業の成功事例を交え日本一わかりやすく解説！』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
親会社の経営リソースを活用できる
スピンアウトとは異なり、新設企業は親会社との資本関係を維持できます。そのため、親会社の経営リソースを最大限に活用しながら、事業の進展を図ることが可能です。
なお、今日のようなコンテンツビジネスがデジタルシフトした時代のマーケティング戦術について、戦略との違いも含め以下の記事『デジタル時代のマーケティング戦術とは？戦略との違いもわかりやすく解説』で取り上げています。ぜひ、参考にしてください。
また、従来のマスマーケティングの神通力が弱まっている今日の市場では、「One to Oneマーケティング」の考え方を軸にマーケティングを推進しなければなりません。
「One to Oneマーケティング」については、以下の特集記事『One to Oneマーケティングとは？成功事例も交えてその重要性を日本一わかりやすく解説！』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
カーブアウトのデメリット
次に、カーブアウトの実施によって生じるデメリットの主なものとしては、以下の2つがあります。
- 経営の自由度が下がる
- 人材が流出する
それぞれを見ていきましょう。
〜【人事系おすすめ記事】「疑問ワードを日本一わかりやすく解説」シリーズのご紹介 〜
「人材マネジメント」については、以下の特集記事『人材マネジメントとは？人事システムによって企業価値を高める方法を日本一わかりやすく解説！』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
経営の自由度が下がる
カーブアウトによって設立された企業では、資金調達がしやすい一方で、外部の資本比率が増えるほど経営に介入される傾向が出てくるのは否めません。外部からの介入が強くなると、事業の推進にダイナミックさが欠けるおそれがあります。
〜【おすすめ記事】「疑問ワードを日本一わかりやすく解説」シリーズのご紹介 〜
「セクショナリズム」については、以下の特集記事『セクショナリズムとは？その特徴と対策を日本一わかりやすく解説！』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
人材が流出する
カーブアウトで新設企業に投入される人材は、基本的には親会社からの転籍者です。カーブアウトでは親会社の資本が入っていても、新設企業は完全な独立法人であり、転籍を望んでいないにもかかわらずそれを余儀なくされた人材もいるでしょう。
彼らは、これまで想定してきたキャリアプランが破綻に陥るため、離職するケースも珍しくありません。
つまり、カーブアウト実施により人材流出のリスクが上昇する可能性があります。リスクを抑えるために、転籍する人材のモチベーションを向上させる（インセンティブなどの）施策を講じることが望ましいでしょう。
なお、現代企業にとって業務改善やコスト削減とともに、大きな経営課題となっているのが「ブランディング」です。この包括的戦略は、残念なことに抽象的、あるいは表層的な理解で行われがちな側面があります。
それをデータや事例などを参照しつつ体系的、現実的に推進するリテラシーが、企業ブランドの認知拡大に必要です。そしてブランディングにおいて、ひとつの基準となるのが「他社が模倣できない独自の強み」を表現した「USP」です。
このUSPについて、以下の特集記事『マーケティングにおけるUSPとは？独自の強みを活かした提案の作り方』で取り上げ、総合的に解説しています。ぜひ参考にしてください。
また、別の角度（顧客視点・顧客心理の理解）から、ブランディング政策を進めるために貴重な示唆を与えてくれるのは、「顧客エンゲージメント」です。
顧客エンゲージメントの概念について、以下の特集記事『マーケティング施策で高めるべき顧客エンゲージメントとは？事例付きで徹底解説』で詳しく解説しています。ぜひ、参考にご覧ください。
まとめ
カーブアウトとは親会社が事業の一部を切り出し、新会社として設立させる経営手法であり、メリットとデメリットが存在します。実施するかどうかは、あくまでも親会社の状況とビジネス環境との兼ね合いで慎重に検討しなければなりません。
企業の経営者や経営幹部、決裁者のみなさんは、ここでご紹介した情報をカーブアウトの検討の際に参考にしていただければ幸いです。
なお、当メディア「kyozon」のメインテーマのひとつが「マーケティング」です。当サイトにて、マーケティングに役立つ、さまざまなサービスの資料が無料でダウンロードできます。マーケティング担当者や責任職のみなさんは、ぜひご利用ください。
また、ビジネススキルの中でも高度な部類に入るのが「マーケティングスキル」です。
マーケティングスキルはビジネスにおける自分の最強のリソース（資源）であることを、以下の特集記事『マーケティングスキルは身につけて損がないビジネス上の最強の自己資源』で総合的に詳しく解説しています。ぜひそちらも、参考にご覧ください。
ちなみに、そもそもマーケティングとは一体どういうものなのかについて知りたいみなさんのためには、以下の特集記事『マーケティングとはなにか？その意味や定義を日本一わかりやすく解説』において、掘り下げつつわかりやすく解説しています。
基礎的情報として、ぜひ参考にご一読ください。
【SNSフォローのお願い】
kyozonは日常のビジネスをスマートにする情報を、毎日お届けしています。
今回の記事が「役に立った！」という方は、twitterとfacebookもフォローいただければ幸いです。
twitter：https://twitter.com/kyozon_comix
facebook：https://www.facebook.com/kyozon.comix
※2023年以降のマーケティング戦略構築に参考になる、マーケティングトレンドについて、以下の特集記事『マーケティングトレンドを徹底解剖！2022年までの考察と2023年の展望』で総合的かつ詳細に解説しています。ぜひとも、参考にご一読ください。
※マーケティングを実践するにあたって、消費者の購買行動を可視化するマーケティングモデルというものがあります。マーケティングモデルとは何かについて、以下の記事『マーケティングモデルとは？認知から購買の消費者行動を分析した仮説』でわかりやすく解説しています。そちらも、参考にご一読ください。
※マーケティング活動は幅広い領域にまたがるため、全体を統括するスキル「マーケティング・マネジメント」が求められます。
「マーケティングマネジメント」について、そのプロセスと業界別成功例を以下の特集記事『マーケティングマネジメントとは？プロセスと業界別成功例を徹底解説』で詳細に解説しています。そちら、ぜひ参考にご覧ください。
