登壇者プロフィール
1985年生まれ、神奈川県横浜市出身。2004年に私立浅野高校を卒業し、2005年東京大学経済学部へ入学。
仕事にやりがいを感じる日本人が18%しかいないという状況に危機感を覚え、在学中の2008年1月に株式会社istを起業。2011年9月に社名を株式会社リーディングマークに改名し、キャリア支援プラットフォーム「ミキワメ」を中心とした就職・採用活動支援サービスを展開中。
1983年生まれ 東京都出身
日本大学法学部卒業
2006年 不動産フランチャイズ事業のAPAMAN株式会社に新卒入社 不動産仲介営業職に従事。
2007年 国内最大手ヘッドハンティング会社にて転職エージェント・ヘッドハンティング業務に従事。
2009年 株式会社オルガロ創業
神戸市外国語大学を卒業後、2016年株式会社あつまるに入社。
1969年、大阪府生まれ。甲南大学法学部を卒業後、広告代理店の営業部長を経て、2000年にインターネット広告を手掛けるアイブリッジ株式会社へ入社。
2007年9月、アイブリッジ株式会社、アドデジタル株式会社、アカラ株式会社、ブランド総合研究所という4つの会社を束ねるグループ会社へと成長した同社の社長を辞し、株式会社コミクスを設立し、代表取締役社長に就任。
自己紹介
本日はよろしくお願いします。
今日は働き方改革のお話なのですが、まずは皆様の自己紹介をお願いします。
日本企業の90%は中小企業になります。そのため、中小企業向けに成果報酬とリーズナブルな料金形態サービスで貢献したいという思いでサービスを展開しています。
また、性格に加えて、従業員の心の状態の変化を見ていくことによって、求職・離職のリスクがある人が誰なのかということを特定したり、心と性格の情報をもとにその人の状態を改善していく方法を提示できたりします。要は、人の内面を明らかにして、健康とかマネジメントをよくできるというのが、弊社が運営しているミキワメというサービスです。
そのプロジェクトの社内での責任者をさせていただいてるので、今日は皆さんとお話しいただく機会をいただきました。事業内容とは大きく2つあり、1つはお客様に新規顧客が集まるようにする集客のサービス。もう1つは、企業様に新卒の学生が集まるようにする新卒採用のサービスです。
新しいもの・新たなチーム構築がリモート環境の課題
しかし、引き続き課題となっていることもあります。例えば、決まったことを決まった通りやっていくということは、むしろオンラインのほうが効果が高いという結論に達した会社も多いです。一方で、新しいものを生み出していく、新しく入ってきたメンバーをオンボードしてチームを作っていくということは、依然オンラインでは難しいです。
弊社は2,000社のお客様がいますが、その中の半分以上は、私が対話したことのあるお客様です。
ただ、オンラインの一見効率化されたコミュニケーションの中で、どう新しいものを作っていくのか、そしてチーム作りをどう深めていくのかということに対する明確な解を持っている方は、まだ会ったことがないという印象です。ここは大きな変化かつ、皆さんが困っているポイントではないでしょうか。
集客でお客様を集める仕事ばかりしていましたが、新卒採用において大手の方たちがコロナ禍で採用活動を自粛してる間に、新卒採用事業のほうを伸ばしていきました。これで、業績的には1回落ちたもののすぐにV字回復できました。
弊社ではリアルをすごく大事にしていて、基本的に集まるようにしていました。リモートワークも、社員一人一人の状況に合わせて進めていましたが、原則出社して仕事をしています。弊社は理念や熱意を大事にしてる会社なので、オフラインのほうが伝わりやすいということで、社員は出社のリアルを重視しているのが特徴的です。
リモート環境に合わせるために視点そのものを変えた
ただ、コールセンターの事業には、年齢層の高い方達や派遣社員など色々な属性の方たちがいるので、オンライン化しないといけないという状況もありました。そうなるとアフィリエイト1本だと難しいなという話になり、ビジネスモデルをガラッと変えました。弊社の場合はそこが功を奏して、結果的にはすごくよかったという状況です。
そのためにはそのアフィリエイトではなくて、少し市場調査的な要素を入れたテレマーケティングのサービスを作ろうと思いました。そうすると絶対にハズレがないような状態になります。それをクライアントさんに説明していくと「確かにね」という形で結構移行できたので、結果的にはとてもよかったです。
少し発想の転換ができたというのはコロナ禍のおかげです。
ベンチャーとかスタートアップとか「少しまた違う存在意義があるよな」というところは原点回復しています。売り上げや粗利と労働分配率を適切に保てれば、従業員は自身の待遇に関しては良いほうが良いので、そこを追求できたのがよかったです。
従業員が企業理念に理解・共感することが大切
それが理念とかと繋がっていくと思いますが、社内で「こういう存在意義が世の中にあるよね」というのを伝えることはすごく重要です。そこに共感してくれた人たちと、「理想の世界作りに行こうよ」というところをまず打ち出さないとダメだというのは、今このコロナで結構経験というか体感をしました。
そこに共感してくれる方、お客満足度も提供できるような方という軸で見ています。
私たちの会社の存在意義を「企業理念」という風に言っていますが、この企業理念は、先日お亡くなりになられた稲盛和男さんから一部いただいてるものです。
全従業員の物資両面の幸福を追求するとともに、出会った人たちに無限な可能性をお伝えするスキル集団であるというのが、私たちあつまるの理念です。実際に「実現していくために」というので、本当に一人一人の社員の幸福に向き合ってくれるリーダーたちがいる会社だからこそ、働きがいがある会社というふうに評価いただけたのかなと思っています。
弊社は、今は離職率が4%。モチベーションクラウドでのモチベーションの偏差値も73強と、かなりいい状態ですが、以前はモチベーション偏差値50以下で離職率が3割超えという時期もありました。
ただ、組織に対するケアや従業員との向き合い方は、過去のほうがやっていました。要はどうしても対応したいじゃないですか。よく人事の4Pというフレームワークで例えたりしますが、「フィロソフィー」「プロフェッション」「ピープル」「プリヴィレッジ」。要は、理念、仕事内容、それから人、文化、待遇という。
大きく4つの軸があった時に、例えば待遇がそこまでよくなくても給料上がってる事例もありますよね。どうしてもこの候補者の方の思いに応じて、相場的にアピールをしてしまうということがよくあると思います。そうすると、事業に一人一人の求めるものというのが違うし、満たせないものも満たしてあげないといけない。こういう状況になってしまうので、うまくいかなくなります。
例えば、昔iPhoneというプロダクトがあった時に、Felicaが使えないからSuica対応じゃないし、ワンセグも見れないし、画素数もそこまでいいわけじゃない。ないない尽くしでした。
実は僕、iPhoneが発売された日に見たNHKのニュースをすごい覚えてるのですけど。日本の家電メーカーの方が出てきて、「スペック的には劣っているから、ガラケーが普及した日本ではiPhoneは流行らないんじゃないか」という風に言っていました。今考えれば何を言っているのかって話になりますが。
会社の価値や存在意義を理解することで従業員満足度が上がる
具体的にどうやって社員の働きがいというか幸福を追求してるかというのは、個人ビジョン経営という経営手法をやってます。
全部話すと3時間以上必要なので簡単に説明しますが、従業員一人一人が、ビジョンシートというのを書きます。人生において、自分がどういうビジョンを達成したいかという最終ビジョンを作った後に、それを月次だったり細かいビジョンに落とし込みます。
その結果、例えば、2025年までに海外に行きたいという社員がいるとします。
そうしたら、会社としても2025年までに海外展開できるように経営計画を作るから、それを達成するためにあなたはこの目標を達成しましょう、何年までにというのを決めていく。会社のビジョンが連動できたら、「やらされ仕事」ではなくて、自分自身のために目の前の仕事をしなきゃいけないんだというのがつながると思います。全従業員のビジョンと、会社の経営計画を連動させる個人ビジョン系というのをやってます。
社員が幸福であるほど業績が上がる
ポイントは大きく2つあって、1つはちゃんと努力をして結果が出る、そして自分を褒めてあげるということ。いわゆる自己効力感をきちんと増していくということは、ウェルビーイングの向上と非常に関係性があるということです。
あとは、多すぎてもダメで少なすぎてもダメではありますが、適切な数の選択肢があるということも、実はウェルビーイングとすごく相関が高かったりします。そういう意味では、先ほどの話とすごく重なってくる部分もありますが、自分がそのやりたいことというのを、会社なので限りはあるとしても、ある程度ちゃんと選べるような環境を作ってあげるということです。
そこに向けてちゃんと努力して、成果が出せるように、周りの人がサポートをしていくこと。これを実践できると、幸福度が上がりやすくなり、幸福度が上がると生産性も上がるという、この正のスパイラルを回していけるようになります。
それでリファラルに繋げたという話を聞いてて、なんか成功してる会社ってその一人一人に向き合って、面談の時間を確保して……。先ほど飯田社長がおっしゃったように、本人がやりたいことを尊重しつつも、会社の成長と個を紐付けるような作業をやっている会社は、大体成功しています。
その上で、その2社とも、IPOなど、社会的にインパクトを起こす事業をやってらっしゃって。そのために、売り上げ、社会的な影響度とか、もちろん雇用を増やすということで、社会貢献などにもつながりますよね。
従業員に負担をかけすぎず、最大限の生産性を狙うには
僕のお客様が、まさにそうです。そして、僕はそれはそれでいいとも思います。
ただその中で、「現状に甘んじて適当にやってればいいよ」というのはNGだと思っています。従業員最大限満足化というか、従業員の幸福度というのは、今後の日本の中小零細企業にとって重要だと思っています。そして、その中の1つの手法として、生産性を可視化することかな、と。
業種にもよりますが、労働分配率というのは、例えば我々のようなサービスコンサルタントの場合、45~50%ぐらいは給料として出せるわけで、理論上では。会社が、粗利に対して45~50%を人権費として設けられるように設計する。ビジネスモデルやサービスの時点で、そういう設計にしています。
あとは、「ここに向けて頑張りましょう」という取り組みだけでも、だいぶ違うと思います。
そういう失敗も過去にはあったので、負担をかけない形で最大限生産性を追うというスタンスが、中小零細企業には特に重要だと感じます。でも、100人ぐらいの会社になると、これは1人ずつのPLを見ることになるので、かなり大変じゃないですか。
まとめ
働き方改革サミット2022 働きがいのある組織にする人材改革 Day3 アーカイブ
YouTube:https://youtu.be/Pa_eIJ6tNBs?t=7793
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