ここでは、
- 「Messenger Rooms」とは
- 「Messenger Rooms」の3つのポイント
- 現時点での懸念点
という流れで解説していきます。
【Messenger Roomsの公式動画】
「Messenger Rooms」とは
「Messenger Rooms」は、Facebookが4月27日にリリースしたビデオ通話サービスです。
まずは英語圏でスタートし、5月13日に日本国内でも利用できるようになりました。
知名度では、zoomなどに後れを取っていますが、無料で利用できるということもあって、FaceBookユーザーを中心に世間の関心を集めているサービスです。
基本機能
「Messenger Rooms」は、他のビデオ通話サービスとどのような違いがあるのでしょうか。
まずは、4つの基本機能についてご紹介します。
簡単につながる
「Messenger」または「Facebook」からルームを作成し、Facebookアカウントを持っていない人でも誰でも招待することができます。
無料、時間制限なし、最大50人まで参加可能
「Messenger Rooms」は、だれでも無料で利用でき、最大50人まで参加することができます。
また、制限時間がないので時間がたってからもう一度ルームを作り直す必要がありません。
専用アプリのインストール不要
zoomやSkypeなどのように専用アプリをインストールする必要がなく、PC端末とモバイル端末のどちらからも手軽に参加できるビデオチャットです。
画面共有可能
画面共有機能(PC端末のみ)があるため、通常のWeb会議システムと同等のミーティングをすることができます。
ただし、今のところレコーディング機能は実装されていないようです。
3つのポイント
次に「Messenger Rooms」独自の3つのポイントについてご紹介します。
他のビデオ通話サービスとの違いを比較するうえでも重要なポイントなので、確認しておきましょう。
ポイント①:顔認識技術を使ったエフェクト機能が使えること
「Messenger Rooms」では、背景を加工したり、場を盛り上げたりするエフェクト機能が盛りだくさんです。
※現状、モバイル端末のみ対応。
使用可能なエフェクト機能は次の3つです。
- ARエフェクト
- 360度バーチャル背景
- ムードライティング
「Messenger」でも使用できる「うさぎの耳」や「エイリアン」をはじめ、AIを搭載した新しいエフェクトなどのARエフェクトを搭載しています。
また、水辺の豪華なアパートや王宮やビーチなど、360度の没入型の背景にする機能を搭載しており、背景を気にせずミーティングをすることができます。
ポイント②:Facebook社のプロダクトであること
Facebook社のプロダクトであることであることも大きなポイントです。
なぜなら、既存プロダクトの親和性が高いので安心してサービスを利用することができるからです。
また、Facebookならではの機能も備わっているため、他のビデオ通話サービスとの差別化を図ることができます。
既存プロダクトの親和性が高い
Facebook社のプロダクトということもあり、全世界25億人もの巨大プラットフォームであるFacebookや他の既存プロダクトとの親和性が非常に高いです。
「Messenger Rooms」だけでなく、「Instagram Direct」、「WhatsApp」、「Portal」でもRoomを開くことができます。
新しいアプリのダウンロード不要
「Facebook」のニュースフィード、グループ、イベントからRoomを開始およびシェアでき、新しいアプリをダウンロードすることなく簡単に参加することができます。
Facebookでの親しい友達だけに開始を通知
Facebookには膨大なソーシャルグラフの蓄積があり、これに基づいて「選定した親しい友達だけにRoomsが開始されたことを通知できる」という機能があります。
この機能は他のビデオ通話サービスにはない、Facebookならではの機能です。
ポイント③:カジュアルに参加できる
他のWeb会議サービスのように主催者が日時を設定して予約したり、メンバーに通知して参加を要請したりするのではなく、友達がRoomsしているのを自然に見つけて参加するといった使い方ができ、能動的な努力を必要としません。
「Messenger Rooms」はビジネス寄りのビデオ通話サービスというよりは、ここは人と人をつなぐSNS会社が運営するサービスらしく、プライベートのカジュアルなコミュニケーションに寄せた利用に重点をおいているところが特徴的です。
PC端末とモバイル端末との機能の違い
現状では、PC端末とモバイル端末で利用できる機能が異なります。
PC端末のみ実施可能な機能
- レイアウトの変更
- 画面共有
モバイル端末のみ実施可能な機能
- 顔認識技術を使ったフィルター、ARエフェクト、360度バーチャル背景
- ゲーム機能
セキュリティとプライバシー
「Messenger Rooms」では、次のようなセキュリティとプライバシーの機能を実装しています。
- 開催者は参加者を細かく設定できる
- 管理権限を持つ参加者に承認されると入室可能
- 誰も入れなくする「ロック」機能
- 管理者による強制退室
- 会話内容はサーバー間で暗号化
- Facebookが利用者の通話を聞くことはない
ただし、今のところRoomにパスワードを設定する機能はありませんので、招待用URLを全世界に公開しないように注意が必要です。
使い方
使い方はシンプルで次のとおりです。
主催者
ルームを作成
1:「ルームを作成」をタップ
2:「発見・参加できる人」などの項目を指定
ルームを開始
1:「Roomを開く」をタップ
2:URLを参加予定者に共有
3:招待者の入室を許可
招待者
1:URLをタップ、または「参加」をタップ
現時点での懸念点
懸念点①:テキストチャット機能がない
これまでの「Messenger」のビデオ通話機能ではテキストチャット機能はありますが、「Messenger Rooms」ではまだ実装されておりません。
「Messenger Rooms」では、アカウントを持っていない人でも参加ができるため、チャット機能が使えないと思われます。
テキストだけでなくファイル共有などができないのは残念な点です。
懸念点②:特定のユーザーをミュートする機能がない
管理者が特定のユーザーを強制的にミュートする機能はありません。
※それぞれの参加者が自分でミュートする機能はあります。
管理者による強制退出機能もありますし、そもそも口頭でミュートにするように依頼すればいいだけですのでそこまで重大な懸念点ではないとは思います。
懸念点③:参加する直前にカメラと音声をチェックする機能がない
参加する直前にカメラと音声をチェックする機能はなく、[利用承諾]を押すとすぐにビデオ会議に入ります。
事前に自分の服装や背景には気を配った方がいいかもしれません。
機能は順次追加される予定
とはいえ、Facebookは4月27日に発表したMessengerルームに関するプレスリリースで、「今後数か月間にわたって機能も順次追加される予定」としており、今後も新しい機能や改善が施される可能性は十分にあります。
まとめ:ソーシャル寄りのビデオ会議システム
今回は、Facebookがリリースしたビデオ通話サービスの「Messenger Rooms」についてご紹介しました。
現状の結論としては次のとおりです。
結論:「Messenger Rooms」は、会議をするうえで必要な機能は備わっている。ただし、今のところビジネス向けではなく、あくまでもプライベートでの利用を想定したサービスである。
「Messenger Rooms」は、仲間や家族とワイワイするにはいいのですが、ビジネス用途として設計されていないように思われます。
あくまでターゲット層は既存のFacebookユーザーやその他サービスのユーザーです。
様々なエフェクト機能も標準で使えたり、親しい友人がカジュアルに参加してくるような場面が想定され、オンライン飲み会では盛り上がりそうです。
現在は、オンライン飲み会もビジネスの会議もZoomなどが用いられていますが、これからはプライベートな場面では有力な代替手段となりそうですね。
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記事執筆・編集:中條 優
画像・動画出典元:「Facebook」公式HP