サンクスカードとは?
サンクスカードとは、社員同士が日頃の感謝を伝えるために、紙やデジタルカードに気持ちを書いて伝え合うカードです。
カードを渡して仲間を称え合う制度は、ザ・リッツカールトンや東京ディズニーリゾートなど、さまざまな業界で行われています。
特に近年では、テレワークにより下記を懸念する企業が増えています。
- 社員同士のコミュニケーション不足
- オンラインでのやり取りが増えたことによる、信頼構築への不安
しかし、感謝の言葉をサンクスカードに残すことにより、社内の雰囲気や職場環境の改善につながるでしょう。
サンクスカードを導入して成功した企業例
続いて、サンクスカードを導入して成功した企業例を3社紹介します。
- 株式会社アワーズ
- 株式会社ファミリー
- コクー株式会社
ひとつずつ紹介していきます。
株式会社アワーズ
株式会社アワーズは、和歌山県にあるテーマパーク「アドベンチャーワールド」を経営する企業です。
「こころでときを創るSmileカンパニー」といった理念に掲げて経営に取り組んでいます。
実際にサンクスカードを活用した事例は、下記の通りです。
- 全社で運用するために、サンクスカードを紙からアプリに移行
- アプリで社員同士の投稿やプロフィールを見て、会話のきっかけを構築している
「Smileを創れるもの」を投稿するといったルールでサンクスカードを活用することにより、理念の浸透に貢献しています。
株式会社ファミリー
株式会社ファミリーとは、岐阜県で自動車販売や車検整備、自動車保険事業を展開する企業です。
サンクスカードを導入した経緯として、下記の理由が挙げられます。
- 社員の離職対策を行いたい
- 絆やつながりのある組織をつくるにあたり、業務報告だけでなく、社員の「感情」のやり取りも促進したい
もともとはサンクスカードを紙で運用していましたが、アプリに移行した結果、サンクスカードの数が年間約5,000通から約8,000通の1.6倍に増加しました。
また、社内全体で社員のよい行動が共有できるようになり、今まで見えなかった活動の視える化に成功しています。
コクー株式会社
コクー株式会社とは、人材とデジタル領域でデジタルマーケティングやITインフラ、RPA事業などを展開している企業です。
同社は褒める・感謝する文化を大切にしており、サンクスカードの運用によって、社員同士で「実はこういったことに感謝してます」といった姿が、アプリを通じて見えるようになりました。
そのため、今までより「褒める・感謝する文化」が浸透した事例といえるでしょう。
こちらの記事では、企業と従業員の心のつながりをスコアリングするための調査「エンゲージメントサーベイ」の目的や選び方、活用する流れを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
サンクスカード導入のメリット・デメリットは?
ここまで、サンクスカードの概要や成功事例をお伝えしました。
続いて、サンクスカード導入のメリット・デメリットを解説します。
- サンクスカード導入のメリット
- サンクスカード導入のデメリット
それぞれ解説していきます。
サンクスカード導入のメリット
サンクスカードを導入するメリットは、下記の4つです。
- 社員同士を知ることができる
- 部署・役職の壁を超えられる
- 会社の雰囲気が良くなる
- エンゲージメントが高まる
ひとつずつ解説していきます。
社員同士を知ることができる
サンクスカード導入のメリットは、社員同士を知ることができる点です。
感謝されて嬉しさを感じるだけでなく、気持ちを具体的に表現することで、まわりの社員にどういった仕事をしている人なのか伝わりやすくなります。
サンクスカードでのやり取りは、よいコミュニケーションを生むだけでなく、周囲を巻き込んでスパイラルを構築できるでしょう。
部署・役職の壁を超えられる
サンクスカードの導入には、部署・役職の壁を越えられるメリットがあります。
今までも部署内の社員同士で感謝を伝えたり、上司から褒められる機会はありました。
しかしサンクスカードが導入されるメリットとして、下記の2つが挙げられます。
- 部署・役職を超えて感謝を伝える機会が増える
- 社員同士のつながりが増えて、部署間の壁がなくなる
つまり部署間のコミュニケーションを、今までよりカジュアルに取れる点がメリットといえるでしょう。
会社の雰囲気が良くなる
サンクスカードの導入には、会社の雰囲気をよくするメリットがあります。
積極的にサンクスカードを送り合う文化や風土が構築されれば、下記の効果が生まれるでしょう。
- 離職率が改善される
- 働きがいを感じる社員が増える
- 社員の定着率によい影響を与える
また上記のように行動様式が変化すれば、企業イメージやブランド力によい影響をもたらします。
エンゲージメントが高まる
サンクスカードを導入するメリットは、エンゲージメントが高まる点です。
「ありがとう」という言葉を伝えられて、不快に感じる人はいないでしょう。
さらに普段から人知れず行っていた業務が褒められたり、認められたりした場合に、社員のエンゲージメントは今より向上するはずです。
また社員のエンゲージメント向上は、離職率の低減や人材定着に効果をもたらします。
サンクスカード導入のデメリット
続いて、サンクスカードを導入するデメリットを3つ解説します。
- いらないと感じる社員もいる
- マンネリ化する可能性がある
- 本業務に支障が出る可能性がある
ひとつずつ解説していきます。
いらないと感じる社員もいる
サンクスカードを導入するデメリットは、いらないと感じる社員もいる点です。
企業側に多くのメリットがあるサンクスカードですが、積極的に社員が活用するとは限りません。
例えば下記のケースでは、期待通りの結果は得られないでしょう。
- 社員が、上司から「やらされている」と感じた場合
- そもそもサンクスカードに対して「必要ない」「気持ち悪い」と感じている場合
特にコミュニケーションに苦手意識を持っている社員は、やり取り自体をノルマと感じてしまう可能性もあります。
社員の負担を減らすためにも、運用ルールと目的を明確にしてから社内に通知しましょう。
マンネリ化する可能性がある
サンクスカードは、導入後にマンネリ化してしまう可能性のある点がデメリットです。
実際に導入から習慣化まで時間がかかるため、社内認知度が低い場合、下記のリスクがあります。
- 活用する社員に偏りが発生する
- 同じ社員しか、サンクスカードを送らなくなる
最悪の場合、企業文化として周知される前に無駄に終わってしまう恐れもあります。
特に導入目的が共有されておらず、初期段階で問題が発生するケースが多いので、マンネリ化を防ぐために導入初期の行動を注意しましょう。
本業務に支障が出る可能性がある
サンクスカード導入のデメリットは、本業務に支障が出る可能性のある点です。
社員同士の気持ちを伝え合えるカードですが、紙の運用の場合、気軽に事前準備できる反面、集計時に工数が発生します。
特に社員数の多い企業が運用する際は、本業務に支障が出る可能性を認識しておきましょう。
そのため従業員一人ひとりの負担を増やさないためにも、Webツールやアプリを活用したサンクスカードのオンライン化が推奨されています。
サンクスカード導入のコツは?
ここまで、サンクスカード導入のメリット・デメリットをお伝えしました。
続いて、サンクスカード導入のコツを解説します。
- ルールを明確にする
- 経営層が積極的に参加する
- ピアボーナスを導入する
- 利用状況を可視化する
- インセンティブをつける
ひとつずつ解説していきます。
ルールを明確にする
サンクスカードを導入する際は、ルールを明確にしましょう。
例えば、紙でサンクスカードをやり取りする際には、下記のステップを確認する必要があります。
- 集計日を設定する
- 目標枚数を設定する
- 社内で共有する
またサンクスカード導入後は、定着に向けた定期的な見直しが必要です。
「社員への負担が増えていないか」「利用状況はどのように変化しているか」「期待する効果が得られているか」などをモニタリングしましょう。
経営層が積極的に参加する
サンクスカードの導入にあたっては、経営層の積極的な参加が欠かせません。
前述したように、社員によってはサンクスカードのやり取りをいらないと感じている社員もいます。
そのため経営層やリーダー、導入推進者が活用している場面を見せることが重要です。
経営層の参加によって社員は活用イメージが持てるので、少しずつ活用機会を増やしていけるでしょう。
ピアボーナスを導入する
サンクスカードを導入する際は、ピアボーナスを活用する方法があります。
ピアボーナスとは、社員同士で報酬を送り合える仕組みです。
主な特徴として、下記が挙げられます。
- 社内のチャットツールやアプリから送れる
- メッセージやポイントを送信して、一定のタイミングでインセンティブが支給される
ピアボーナスではさまざまなサービスが提供されていて、ポイントを金銭・商品と交換できるものもあります。
貢献度が視える化されるため、企業が理想とする行動を社員に促せるでしょう。
利用状況を可視化する
サンクスカードを定着させるにあたって、利用状況を可視化できるWebツールの導入も有効です。
例えば紙に感謝の言葉を書いて渡す場合、時間と手間がかかるため、面倒に感じてしまい活用されなくなるケースが考えられます。
そのため、送りたいタイミングで手軽に送れるWebツールの導入を検討しましょう。
ツールによっては利用状況を可視化できるものもあるので、改善点を発見できたり、定着化に役立てたりできます。
インセンティブをつける
サンクスカードを認知させるコツとしては、インセンティブの付与が挙げられます。
例えば、定期的にMVPや表彰式を設けることで、活用率の向上が見込めるでしょう。
インセンティブの付与によって、社員のモチベーションアップに寄与できるはずです。
こちらの記事では、社員同士の連携をスムーズにして、情報共有を効率的に行うツール「グループウェア」の基本機能と比較・選定する際のポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、サンクスカードの概要や企業が導入するメリット・デメリット、導入する際のコツを解説しました。
サンクスカードとは、社員同士が日頃の感謝を伝えるために、紙やデジタルカードに気持ちを書いて伝え合うカードです。
企業が導入するメリット・デメリットとして、下記があるとお伝えしました。
- 社員同士を知ることができる
- 部署・役職の壁を超えられる
- 会社の雰囲気が良くなる
- エンゲージメントが高まる
- いらないと感じる社員もいる
- マンネリ化する可能性がある
- 本業務に支障が出る可能性がある
本記事でお伝えした「ルールを明確にする」「経営層が積極的に参加する」「ピアボーナスを導入する」といった導入時のコツも参考にして、サンクスカードを導入してみましょう。
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さらにこちらの記事では、社内コミュニケーションを円滑に進めるためのおすすめツールや導入メリット、注意点を解説しているので、ぜひ参考にしてください。