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EDIとは?仕組みや導入メリットをわかりやすく解説!

投稿日:2023年1月24日 /

更新日:2023年7月21日

EDIとは?仕組みや導入メリットをわかりやすく解説!
● 業務効率化

EDI(Electronic Data Interchange)は、ネットワーク上で電子データを自動的に交換するシステムを指します。

これまで、EDIは小売業や製造業など取引量が多い大手企業を中心に、主に受発注業務で導入されてきました。

しかし、昨今、企業の取引が迅速化・膨大化したことにより、その業務処理のために中小企業でもEDIを導入する企業が増えてきています。

本記事では、EDI導入を検討している企業に向けて、EDIの概要や導入のメリットや注意点をわかりやすく解説します。

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目次

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EDIとは「電子データ交換システム」

電子データ交換システム

EDIとは、ネットワークで繋がったパソコンを通して、企業間で電子データを自動的に交換するシステムです。「Electronic Data Interchange」の各単語の頭文字を取って、EDIと呼ばれています。経済産業省(旧通商産業省)はEDIを次のように定義しています。

「異なる組織間で、取引のためのメッセージを、通信回線を介して標準的な規約(可能な限り広く合意された各種規約)を用いて、コンピュータ(端末を含む)間で交換すること」(平成元年通商産業省「電子計算機相互運用環境整備委員会」)

引用:EDIとは|一般財団法人日本情報経済社会推進協会

 

EDIは、小売業や物流業、製造業、金融業を中心に幅広い業界で普及しています。交換する内容は、主に受発注業務に関する注文書、注文請書、発注書、見積書や請求書などのデータでしたが、最近では他の業務にも広がっています。

 

EDI導入の背景

毎日、大量の物品や取引を扱う小売業などの業界は、取引が拡大するにつれ、年々増え続ける業務の処理に悩まされてきました。

そこで、大手企業では、人の手でデータを処理するのではなく、機械で自動的に処理する専用システムと専用回線を使ったEDIを開発しました。これが初期のEDIです。

その後、その企業の専用システムのみならず、その業界独自で使える業界VAN、さまざまな企業で使える標準EDIが開発されました。

近年、デジタル技術革新は凄まじく、企業の取り扱う電子データの量がさらに膨大となっています。最近になって、インターネット回線とパソコンがあれば導入できるWeb-EDIが登場しました。

大手企業だけでなく、人手に限りがある中小企業でもEDIを導入する企業は増えています。Web-EDIの登場により、中小企業でもEDIを導入するハードルが低くなったため、EDIの導入が加速しています。

 

EDIの仕組みをわかりやすく解説

EDIの仕組み

各企業の基幹情報システムにインプットされた社内システム固有のデータ形式は、トランスレーターで、標準のデータ形式に自動的に変換されます。

送信側は、どの取引先に送るときも社内システムにデータをインプットするだけで外部の取引先に標準形式のデータを送信できます。

受信側も、どの取引先からデータを受けるときも、標準形式から社内システムの形式への変換が自動的にされ、社内システムにアクセスするだけでデータの受け取りが可能です。

Web-EDIは、パソコンと通信環境さえあれば、送信側・受信側ともにいつでもどこでも受信・発信できます。

 

EDIの4つの種類

EDIは、初期の段階からさまざまなEDIが開発され、各企業で導入されてきました。

EDIの4つの種類は次の通りです。

  1. 個別EDI
  2. 業界VAN
  3. 標準EDI
  4. Web-EDI

順に見ていきましょう。

 

個別EDI

EDIが開発された初期の頃からあるEDIです。

専用回線と専用のシステムでデータ交換し、電子データは通信の形式や識別コードを取引先ごとに決め、そのシステム独自のものを使用します。

専用回線を用意した上で、専用システムをインストールする必要があるため、導入に手間やコストがかかりますが、自社や取引先に合わせた仕様にできます。

 

業界VAN

小売業や卸売業、製造業や金融業などで普及している業界独自のEDIです。

共通の商品コード、企業コードを使用しています。

 

標準EDI

標準EDIは、業界に関係なくEDI取引規約・運用ルール・フォーマット・データ交換形式を中立的な機関によって、標準化しています。代表的な標準EDIは、「標準企業コード」です。

標準企業コード(12桁)は、EDIデータを送受信する際に企業を特定するコードで、各企業に1つのみ割り当てられ、幅広い業界で使用されています。

標準EDIは、個別EDIと比較して、汎用性が高く、システム変更にも対応しやすいのが特徴です。

 

Web-EDI

Web-EDIは、インターネット回線とWebブラウザで利用できるEDIです。

導入する手間やコストが抑えられるため、中小企業でも導入しやすく、最近、導入されるEDIは、Web-EDIが主流となっています。

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EDIの活用場面

EDIの活用場面

従来、EDIは大量の物品を扱い、膨大な取引量が発生する小売業界や製造業、金融業を中心に使われてきました。実際、どのような業務でEDIは使われているのでしょうか。

以下、企業における代表的な活用場面をご紹介します。

 

資材調達

製造業では、資材の受発注業務で使われています。最終製品を製造するいわゆる完成品メーカーの生産計画が、社内システムで処理されると、EDIで自動的に取引先の部品メーカーへの注文データ(EDIデータ)が生成され、自動的に送信されます。

部品メーカーはこのデータに基づいて部品の生産・納入をします。EDIは、ジャストインタイムの納品に不可欠なシステムです。

 

仕入れ

小売業では、商品の仕入れで使われています。

いつも店舗に置いてある定番商品の販売の情報は、POS(商品が販売された時点でいつ・どの商品が・どのような価格で・いくつ売れたかを商品単位で記録し、集計するシステム)によって在庫がリアルタイムで把握されています。

在庫がなくなると、それを基に補充発注のEDIデータを自動的に生成し、送信します。EDIは、欠品による販売機会の損失を限りなく少なくする上で、欠かせないシステムです。

 

売掛金の消込

売掛金の消込にはZEDI(全銀EDIシステム)が使われます。ZEDI(全銀EDIシステム)は、他の商用EDIに付加して利用するEDIです。

企業が未払金や買掛金などを支払う際に、Web上のインターネットバンキングで総合振込をすると、入金とともに支払通知番号・請求書番号など、入金に関するさまざまなEDI情報が付加できます。

販売管理を行う企業は、銀行の入金データとともにそのEDIデータを受信します。販売管理データと入金データが自動的に紐づき、売掛金の入金消込業務が自動的に処理できるようになります。

今後、膨大な売掛金の販売管理が必要な小売業や製造業などで活用が進んでいくでしょう。

 

EDI導入のメリット3選

これからEDIを導入しようと検討している企業にとって、導入するメリットは次の通りです。

  1. 人的ミスの削減
  2. 業務フローの効率化
  3. 人件費や関連経費の削減

一つずつ解説していきます。

 

メリット①人的ミスの削減

最初に、メリットとしてあげられるのが「人的ミスの削減」です。人による処理は、連絡ミスや入力・記入ミスによる事務のミスをどうしても招いてしまいます。

EDIは人手を介さず、システムにより自動的に処理できるため、人的ミスの削減になります。

 

メリット②業務フローの効率化

2つ目に、EDIに合わせた「効率的かつ合理的な業務フローが構築」できます。業務によっては、現場による長年の慣習や独自のルール、処理方法ができあがり、その業務が属人化されがちです。

EDIは、どの業務でも同じ工程、処理方法で処理するため、効率的な処理が可能です。

 

メリット③人件費や関連経費の削減

最後に、「人件費の削減」が可能です。人手を介さず、膨大なデータ量を自動的に処理するため、業務にかかる労力や手間が削減でき、少ない人員で業務が遂行できます。

また、システムは一定の動作環境があれば、他の外部環境に左右されにくく、常に一定の業務量・質を維持できるため、追加で費用がかかることが少なく、関連経費の削減にもつながります。

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EDI導入時の注意点3つ

EDI導入の注意点は次の通りです。

  1. 取引先とやり取りできないと使えない
  2. 自社に合わないと業務フローの改善は見込めない
  3. 電子データの取り扱いに注意

順番に解説していきます。

 

注意点①取引先とやり取りできないと使えない

EDIは、取引先と相互に電子データを交換するシステムのため、取引先が導入していないと利用できません。自社や取引先に適したEDIシステムを選択し、取引先と双方向でデータを送受信できるようにしましょう。

また、EDIデータの互換性にも注意が必要です。自社と取引先で違うシステムを採用している場合に、互換性がないとデータ交換ができません。

自社と取引先とで連携を図りながら、EDI導入を進めていく必要があります。

 

注意点②自社に合わないと業務フローの改善は見込めない

業務処理が自社に合わずEDIだけで完結できないと、その業務を補完するために別の業務が発生し、EDIによる処理と他の処理が混在するため、業務が煩雑化します。

その結果、業務の負担が増え、人件費や経費の負担が増えることになりかねません。EDI導入にあたっては、業務フローの見直しは必須といえるでしょう。

 

注意点③電子データの取り扱いに注意

EDIは、電子帳簿保存法では「電子取引」となります。電子帳簿保存法が、2022年1月に改正され、電子取引の紙保存が禁止されました。電子取引を行うすべての企業は、データによる保存が義務化されています。電子取引データ保存には、データの読み取り装置の設置や検索機能の確保などが法令により定められています。

EDIシステム自体はこれらに対応していますが、不随する販売管理システムは対応していない場合があるため、ご注意ください。なお、EDIデータの保存期間は、法令に定められている通り「その事業年度の確定申告の提出期限の翌日から7年間(赤字の場合は10年間)」となっています。

 

まとめ

EDIは、ネットワーク上で企業同士が電子データを自動的に交換するシステムです。

大量のデータを自動的に処理するので、受発注業務など毎日、定型的な処理が必要となるデータを処理するのに使われます。WEB-EDIの登場により、EDIは大手企業のみならず、近年、中小企業にも広がってきています。

今後の業務効率や生産性の向上、DX化を鑑みると、EDIを導入する企業は業界を問わず、ますます増えていくでしょう。また、企業がEDIを導入するには、業務フローをEDIに適したものにする必要があり、業務フローの見直しが必須となります。

EDI導入にあたっては、「コストの削減や業務フロー効率化をいかに進めていけるか」が最大のポイントとなるのではないでしょうか。

 

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