アクセス解析を行う手順
サイトを訪れた人の情報を分析できるアクセス解析を適切に実施するためには、むやみに情報を集めても意味がありません。
解析する目的や達成したい目標、狙うターゲットなどをあらかじめ決めておき、解析後に施策の実行、再検証、他の部署への共有などをすることで初めて意味のあるものになります。
ここでは、アクセス解析を適切に行うための手順を紹介します。
1.アクセス解析を行う目的を決める
アクセス解析を行う前に目的を決めることが大切です。なぜなら、目的によって重要視する指標や使うべきツールが異なるためです。
アクセス解析を行う主な目的としては「現状を把握したい」「広告などの効果検証をしたい」「サイトを見ているユーザーがどんな人か知りたい」などが挙げられます。これらの目的によって、達成すべき目標や重要視する指標が異なります。必ず最初に目的を明確にしましょう。
アクセス解析はサイト運用の一環であり、そのサイトを運営する目的を達成する手段です。「もっと集客したい」「もっと売上を上げたい」と思ってサイトを立ち上げたはずです。そのため、アクセス解析を行う目的は、サイトを立ち上げた理由などから逆算して決めることが大切です。
2.重要視する指標を決める
アクセス解析をする目的、サイトを運用する目的が明確になったら、その目的を達成するための段階的な目標や重要視する指標を決めます。目的と対応する重要視する指標としては、以下のようなものがあります。
サイトを運用する目的 | 重要視する指標 |
もっと集客・認知拡大したい |
|
売上をUPしたい |
|
費用対効果を高めたい |
|
3.必要なツールを導入し、環境を整える
目的や目標を定め、重要視する指標まで絞り込めたら、必要なツールを準備して環境を整えます。さまざまな解析ツールが公開されていますが、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールは必須です。
その他、必要に応じてタグマネージャーやヒートマップなどのツールも導入しましょう。
4.アクセス解析とレポーティングを定期的に行う
ツールを導入して準備ができたらアクセス解析を行っていきます。Googleアナリティクスなどのツールを使って各指標を調べます。このとき、実際にツールを活用してアクセス解析を行うのはマーケティング担当が受け持つケースが多いですが、経営陣や他の部署にもデータを共有することが大切です。
そのため、定期的なレポーティングやプレゼンテーションを実施しましょう。
アクセス解析をうまく活用するコツ
アクセス解析はむやみにやっていてもうまくいきません。項目やデータの数が膨大で、結果だけを見ていても次の施策につながらないためです。
アクセス解析をうまく行うには、目的や目標、ターゲットを定めておいたり、変化を見たりすることが重要になります。
サイトの運用目的や目標を決めておく
アクセス解析を実施する前に、実施する目的や目標を決めておくことは重要です。目標を数値として決めておくと「達成できたかどうか」「どの程度効果があったか」が明確になります。そうすると、次に進めるべき施策を決めやすくなり、変化を見る際にも役立ちます。
アクセス解析を実施する目的が明確になったら、その目的を達成するために必要な要素を洗い出します。次に、それぞれの要素における段階的な目標やスケジュールを決めます。
ターゲットを決めておく
サイトを運営する上で狙うターゲット、つまりそのサイトは誰に向けたサイト(あるいは商品・サービス)なのかを明確にすることが大切です。年齢や性別、居住地域、職業、収入、家族構成、興味関心など複数の要素を決めてアクセス解析を行うことによって、本当に狙ったターゲットに訴求できているか、詳細に分析できます。
ターゲットというと難しく聞こえるかもしれませんが、その商品を誰に一番使ってもらいたいか、をイメージすると良いでしょう。
例えば、服といってもカジュアルな私服と硬派なスーツとでは狙う人が違います。化粧品やメイクでも、10代・20代を狙っているのか、50代以上を狙っているのかによって訴求が変わります。サイトだけを考えるよりも、商品やサービスから考えるとやりやすいでしょう。
マクロの視点とミクロの視点で解析する
社会情勢や業界全体の動きなど、マクロな視点と自社内の動き(ミクロな視点)の両方を考慮することが大切です。なぜなら、思うような結果が得られないからといって、必ずしも自社内に問題があるとは限らないからです。社会の動きによっては自社の分析・努力だけでは改善が難しい場合もあります。
もちろん、何もせず全てを社会のせいにするということではなく、根本的な原因を見極め、それに合った対策をすることが大切です。
変化を見る
長期にわたってアクセス解析を続ける場合、過去と比べてどう変化しているのかを見るようにしましょう。今の状態を見ることも必要ですが、それだけでは不十分です。
特に、前回の分析を踏まえて新たな施策を打ち出した場合、検証するには前回のデータと比較する必要があります。そうしなければ、PVやCVが上がったのか下がったのかがわからず、施策の良し悪しを判断できません。アクセス解析では必ず、変化を見るようにしましょう。
PDCAを回す
前項の「変化を見る」とも共通しているところもありますが、アクセス解析ではPDCAサイクルを回すことが大切です。PDCAとは、以下の英語の略です。
P:Plan:計画
D:Do:実行
C:Check:測定・評価
A:Action:改善行動
つまり分析して終わり、ではなく「分析」と「改善」を繰り返していくことが大切、ということです。
特にサイト運営の場合は、
P:目的やターゲットを明確にする
D:SEO対策や広告運用などの施策を行う
C:アクセス解析、期待通りの結果が出ているかチェックする
A:課題に対する改善策を打ち出していく。
数値だけを追ってしまうと、本来の目的とは違う方向に進んでしまうことがあります。出された解決策が目的に沿っているかを毎回確認することが重要です。
まとめ
Webサイトを運営する企業が増えた今、無計画にサイトを運営していても集客や販促につながりにくいです。そこで、より効果的にサイトを運営するためにアクセス解析を行う企業が増えています。
アクセス解析では、長期的な目線で計画を立ててから実施することが大切です。次の施策を考え実行し、検証まで行って、意味のある解析にしましょう。