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ブルーオーシャンとは?メリットと注意点、企業の成功事例を解説

投稿日:2023年6月20日 /

更新日:2024年9月30日

ブルーオーシャンとは?メリットと注意点、企業の成功事例を解説
● マーケティング● マーケティング戦略● 経営・戦略

ブルーオーシャンとは、競合他社がいない、未開拓の市場です。ブルーオーシャンで事業を展開することをブルーオーシャン戦略と言い、自社のブランドを確立して大きなシェアを獲得できます。
本記事では、ブルーオーシャンとはどのようなものか解説したうえで、ブルーオーシャン戦略を採択するメリット・注意点、さらには企業の事例を紹介します。

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ブルーオーシャンとは?

ブルーオーシャン戦略イメージ

ブルーオーシャンとは、未開拓で競合企業がいないが、今後の成長が見込める市場です。

そして、競合企業がいない市場、つまりブルーオーシャンで事業を展開していくことを、ブルーオーシャン戦略と言います。また、競合企業が少ない既存市場において今まで誰も取り組んでいなかったアプローチをしたり新たな付加価値をつけたりすることなども、ブルーオーシャン戦略と言われることもあります。

  • 競合企業がいない市場のため、青々とした海が良く見渡せる様子に似ている
  • 競合企業と争って血を流すことがない

こうした意味合いから、「青い海」つまりブルーオーシャンと言われます。

「ブルーオーシャン」という言葉が初めて登場したのは、2005年に刊行されたW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏のよる著書「ブルー・オーシャン戦略」です。それからビジネス界隈に言葉が広まり、今では広く使われるようになっています。

ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する

なお、企業経営で欠かせないのが経営管理。以下の記事では経営管理ツールを紹介しているので、あわせてご参考ください。

レッドオーシャンとの違い

ブルーオーシャンと対になる意味合いで使われる言葉が「レッドオーシャン」です。

レッドオーシャンとは、競合企業がひしめき合っている市場を指し、激しい戦いを繰り広げて血を流しあっているような市場のことを言います。

レッドオーシャンはすでに確立された市場のためすでに一定の需要があり、市場内で優位に立てれば大きな売上が見込めます。しかし、多数の競合企業が存在しているため、オリジナリティを出すだけでは優位に立つことは難しく、価格競争に陥ったりブランド力に左右されたりする傾向があるでしょう。

ニッチ戦略との違い

ブルーオーシャン戦略と混同されやすい言葉が「ニッチ戦略」です。

ニッチとは「すき間」を意味し、いわゆる「すき間産業」とも言われます。ニッチ戦略とは、既存の大きな市場のすき間にある小規模で専門的な市場を対象に事業を展開する戦略です。

大企業はすでに大きな市場で競争をしているため、そのすき間をつくような商品・サービスを提供します。 ニッチな市場は、少ないながらも一定のニーズがあり、成功すると安定した収益を確保できます。ニッチな市場で成長し、市場を大きく拡大した企業も少なくありません。

既存市場のすき間を対象とするニッチ戦略に対し、ブルーオーシャン戦略は、主に未開拓の市場を対象にします。ブルーオーシャン戦略はまだニーズのない市場を対象にして一からニーズを作り上げていくと言えるため、ニッチ市場とは異なります。

企業がブルーオーシャン戦略を採択するメリット

ブルーオーシャン戦略イメージ

これから起業する方や、新たな事業の開始を検討している方のなかには、ブルーオーシャンでの事業展開を考えている方も多いのではないでしょうか。ブルーオーシャン戦略を採択すると、以下のようなメリットが見込めます。

柔軟な価格設定ができる

ブルーオーシャンではまだ競合他社がいないために、自社で柔軟に価格設定ができる点がメリットです。

すでに成熟している市場は価格競争に陥りやすく、周りに合わせるように価格を設定することが多くなり、自社の商品・サービスに見合った価格を設定できないことも珍しくありません。その結果、赤字になる可能性も高まるでしょう。

しかしブルーオーシャンでは、自社の商品・サービスに対して柔軟に価格を設定できるため、赤字になるリスクを避けることが可能です。

ただし、ブルーオーシャンは未開拓の市場のため、消費者も初めて購入する商品・サービスに対して高額な価格を支払うことは躊躇するでしょう。また、後から新規参入してきた競合企業が低価格を設定すると、たちまち顧客を奪われかねません。

そのため、適正な価格設定を見極めることが重要となります。これは、ブルーオーシャン戦略で重要視される、低価格・高品質を意味する「バリューイノベーション」という考え方です。

価格競争が起きにくい

競合が少ないため価格競争が起きにくく、自社の商品・サービスの適正な価格を維持できる点もメリットでしょう。

レッドオーシャンでは、すでに市場が成熟しているため差別化が難しく、より手頃な価格帯のものが好まれる市場もあります。せっかく良い商品・サービスを作っても、価格競争に巻き込まれてしまっては、市場のなかで淘汰される可能性もあるでしょう。

一方のブルーオーシャンでは、そもそも競合がいない、もしくは少ない状況のため、価格競争が起きにくく利益を確保できるのです。

ブランドを確立できる

ブルーオーシャンで自社の商品・サービスが「オンリーワン、ナンバーワン」と認知されれば、多くのファンがついてブランドとして確立できます。

ブランド化ができれば、以下のようなことも実現します。

  • リピート購入してくれる
  • 後続モデルを発表すると多くのファンが買い替えてくれる
  • 契約を解約せずに継続利用してくれる
  • プランをアップグレードしてくれる
  • 関連商品も購入してくれる

このように、ファンが多くなるほど利益を向上していくことができ、事業が大きく成長するでしょう。

 

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企業がブルーオーシャン戦略を採択するときの注意点

ブルーオーシャン戦略イメージ

ブルーオーシャン戦略は、うまくいけば事業成長につながります。しかし、ブルーオーシャン戦略はメリットばかりではありません。

以下の注意点も理解したうえで、どのような戦略をとるか検討しましょう。

市場を見つけることが難しい

そもそも、日本はあらゆる市場が成熟していると言われているため、未開拓の市場を見つけることが難しい場合もあります。

未開拓の市場を見つけても、ニーズがなければ成功できません。本当にニーズがある市場なのか見極めなければ、せっかく投資しても失敗に終わるリスクが高いのです。

新規参入の可能性が高い

最初は競合企業がいない市場でも、自社の商品・サービスが市場で受け入れられるようになれば、後から多くの企業が新規参入してくる可能性も高くなります。

新規参入してきた企業が、自社の商品・サービスよりも高品質なものを提供したり、より低価格を設定したりすると、今までの顧客が奪われる可能性もゼロではありません。

こうしたリスクを回避するためにも、ブランドとして確立して多くのファンを獲得しておくことが重要です。

また、他社には真似できない付加価値をつけたり、自社独自の技術を開発したりして、新規参入に負けない工夫が必要でしょう。

事業計画を綿密に立てる必要がある

新たな市場を開拓するため、思いつきで行動しても成果は得られないでしょう。細かな市場分析やペルソナ設定を行ったうえで、綿密に事業計画を立てて戦略的に取り組んでいく必要があります。

まずは「本当にニーズがある市場なのか」「今まで参入した企業がいなかったのはなぜか」などの分析から始め、どのような商品・サービスであれば受け入れられるのか詳細に分析しましょう。また、商品・サービスの認知をどのように高めていくか、どの販路(チャネル)で売っていくか、なども重要な戦略です。

ブルーオーシャン戦略を採択している企業事例

ブルーオーシャン戦略イメージ

国内でもブルーオーシャン戦略を実行して成功している企業は多数あります。ここでは、いくつかの企業事例を紹介します。

任天堂

任天堂は言わずと知れたゲームメーカーとして、国内外でも高い人気を誇っています。

任天堂はゲームのハード(ゲーム機)とソフトを開発していますが、かつてのハードの市場はプレイステーションやXboxなどがひしめき合うレッドオーシャンでした。

そこで、任天堂は「これまでゲームで遊ばなかった層はどういう人たちか」を徹底的に分析し、新たな市場を開拓することに。簡易的な操作性と手頃な価格帯で、今までゲームで遊ぶ機会の少なかった小さな子どもや親世代なども遊べるゲーム機「Wii」を開発しました。

その後、任天堂は「Nintendo Switch」を開発し、大画面でもポータブルでも遊べるという画期的なハードを開発し、大きな成功をおさめています。

ユニクロ

ファストファッションブランドとして地位を確立しているユニクロも、ブルーオーシャン戦略を採択しています。

ユニクロは、高品質な下着や肌着のブルーオーシャンに参入し、「ヒートテック」「エアリズム」などの付加価値をつけた商品を低価格で提供することで成功しました。

製造から販売まで一貫して自社で行うことで、低コスト・高品質のバリューイノベーションが実現しています。

クックパッド

従来、レシピ本やレシピサイトでは、プロの料理人や料理研究家によるレシピが紹介されていました。

しかし、毎日料理を作っている主婦層をはじめとする一般ユーザーは、日々の生活のなかでさまざまな料理を作ったり料理のノウハウを覚えたりしています。こうした一般ユーザーが自分のレシピを投稿できるようにしたのがクックパッドです。

日々の生活で取り入れやすいコツが盛り込まれたレシピが参照できると、クックパッドは多くのユーザーを獲得しました。

QBハウス

格安ヘアカット店として知名度の高いQBハウスも、ブルーオーシャン戦略を採択しています。

従来のヘアカットは、カットの他にもシャンプーやドライヤー、マッサージなどがセットになっているため、時間がかかっていました。また、サービスが多いため価格も高い傾向で、毎月散髪したいユーザーにとっては負担になっている状況でした。

そこでQBハウスでは、ヘアカットに特化することで短時間・低価格のサービスを提供することに成功。

さらに、スーパーマーケットやショッピングセンターなどに併設することで、便利な立地のため多くのユーザーが利用するようになっています。

また、こちらの記事も参考になります。併せてご覧ください。

参考:【マーケティングに必見】ブルーオーシャン戦略の事例を解説!|楽々edit

レッドオーシャンでも生き残ることができる

ブルーオーシャン戦略イメージ

今までブルーオーシャン戦略について詳しく解説してきましたが、レッドオーシャン戦略でも生き残ることは可能です。レッドオーシャンでも後発企業が成功している事例は少なくありません。

市場のニーズや競合他社の商品・サービスを分析し、今までとは違うアプローチで事業を展開することで、レッドオーシャンでの成功につながります。自社の商品・サービスを他社と差別化し、ブランドを確立することが重要です。

まとめ

ブルーオーシャン戦略イメージ

ブルーオーシャンとは未開拓の市場のため、消費者に受け入れられれば大きなシェアを確保できます。しかし、そもそも市場を見つけることが困難だったり、後から新規参入されたりするリスクもあるため、事前に綿密な事業計画を立てて対策を取っておくことが重要です。

ブルーオーシャンで新たに事業を始める場合には、専門的なコンサルタントに相談するなど、戦略的に進めるよう意識しましょう。

 

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