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BLE(Bluetooth Low Energy)とは?
近年「Bluetooth」という規格が浸透し、イヤホンやキーボード、マウスなどをBluetoothでパソコンやスマホに繋いで使う人が増えています。
BLE(Bluetooth Low Energy)はBluetoothのひとつですが、仕様やBluetoothとの違いを理解できている人は少なくないでしょう。
また、BLEを使うメリットや活用例などもいまいち理解できておらずBluetoothと混同してしまう人も多いです。
まずは、BLEの定義やBluetoothについて理解しておく必要がありますので、ぜひ参考にしてください。
BLEの仕様定義
BLEの最大の特徴は消費電力の低さであり、仕様定義には以下の3つがあります。
- プロトコル
- プロファイル
- チャンネル
ここからは、それぞれの仕様の意味や使用されるケースについて解説していきます。
定義1:プロトコル
プロトコルの定義には、下記のようにあらゆるBLEデバイスが利用する定義が含まれています。
- ペアリングの実施(デバイス間)
- 通信周波数の定義
- 制御などのハードウェアの定義
- データ送受信の方法
プロトコルをわかりやすく説明すると、コンピュータとネットワークを通じて通信する際に決められた約束事や決まり事のことです。
大きく分けて「コントローラ」「ホスト」「アプリケーション」の3層で構成されています。
- コントローラ:実際にやり取りを行う物理層と制御するリンク層から構成されており、命令・イベントをホストとのやり取りの部分で活躍します。
- ホスト:通信の多重化やBluetoothの標準的な機能を実装しています。
- アプリケーション:開発者が個別に実装・定義している部分であり、アプリケーション・ソフトウェアを用いてホストと命令・イベントのやり取りを行います。
定義2:プロファイル
プロファイルを簡単に表すと、標準化された規格などで定められた共通の技術使用や前述したプロトコルをまとめたものです。デバイスに関する仕様書となることから、基本的にはデバイスによって定義が異なることを理解しておきましょう。
しかし、プロファイルの中には「GAP」と「GATT」があり、この2つはプロトコルに含まれる特殊なプロファイルであることから、他のプロファイルとは別に定義されています。
- GPA:通信における役割および接続確立までの手順に関する仕様を定義したプロファイル
- GATT:データの送受信やデータの構造などプロファイルについての全てのデータ定義の基本
また、もともと策定されているプロファイル以外にも、メーカーが独自にプロファイルを作成することもできます。例えば、マウスやキーボードにはHOGP(HID over GATT Profile)、アラームやバイブレーションを用いてデバイス位置の特定にはFMP(Find Me Profile)が用いられています。
定義3:チャンネル
BLE通信では、2.4GHz帯の電波が利用されています。しかし、電波の干渉や混信による通信能力の低下につながる可能性があるため、電波をそのまま利用せずに周波数帯を複数のチャンネルに分け切り替えることで通信を行うことで、通信能力の安定化を図っています。
BLEでは、2MHz幅で40チャンネルに分割されており、その中で以下の2つの用途があります。
- アドバタイズメントチャンネル:BLEデバイスの発見や接続を行う
- データチャンネル:データのやり取りを行う
40チャンネルのうち、主に使われているのは「データチャンネル」であり、「アドバタイズメントチャンネル」は特殊チャンネルとも言われています。
Bluetoothとは
ここまで、BLEの仕様定義について説明しましたが、そもそもBluetoothとはどのようなものなのか説明していきたいと思います。
Bluetoothとは、近距離で無線通信を行える規格のひとつであり、キーボードやマウス、ヘッドフォンで利用している方が多いでしょう。
Bluetoothの特徴には以下がありますので、併せて理解しておきましょう。
- 省電力
- 近距離(約10m程度まで)
- 通信速度が速い
- 音楽系に強い
- パーソナルユースの機器に強い
また、Bluetoothは通信量がかからないことも特徴であり、コードレスでイヤホンやマウスが利用でき便利なことから需要が増えています。
BLEとBluetoothの違いは、消費電力でありBluetoothに比べBLEは低電力消費・低コストに特化しています。そのため、Bluetoothはオーディオ分野で主に使用されていますが、一方のBLEはスマートloTデバイスやフィットネスモニター機器などのバッテリー駆動のアクセサリーで主に使用されています。
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BLE(Bluetooth Low Energy)のメリット
前述でBLEの仕様定義やBluetoothとBLEの違いについて説明しましたが、BLEを使用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。以下の3つのメリットについて詳しく紹介していきます。
- 消費電力が少ない
- ペアリングが簡単
- 汎用性が高い
また、上記のようなメリットから、すでにビジネスシーンで活用されているBLE機能を用いたセンサーには以下があり、私たちの生活を便利なものにするにあたってなくてはならない存在となっていると言えます。
- 開閉センサー:ドアや窓の開閉状況を検知でき、トイレなど空き状況確認に活用
- 人感センサー:人のいる・いないを検出でき、会議室などの空き状況に活用
- 加速度センサー:物が動いたことを検出でき、インフラ整備の安全管理や自動運転に活用
- 遮断センサー:液体や物の残量を検出でき、液体石鹸などの残量検知に活用
- CO2センサー:部屋内のCO2濃度を測定でき、火災報知器や自動車の排ガス測定に活用
メリット1:消費電力が少ない
BLEは、以下の観点から電力量を減らすことで超低消費を実現しています。
- 通信データ量
- 速度
- 距離
- 通信頻度
- 待機モード
BluetoothとBLEのそれぞれを比べると以下の表となります。
方式 | 通信速度 | チャンネル数 | 通信方式 | 送信電力 | 送信時 消費電力 |
Bluetooth | 1Mbps (3Mbps) | 79 | GFSK/ QPSK | 2.5/1/ 100mW | 35mA |
BLE | 1Mbps | 40 | GFSK | 1(10)mW | 15mA |
消費電力が少ないことで、電池寿命が数年のものが多くビジネス用途には最適と言えるでしょう。
メリット2:ペアリングが簡単
Bluetooth同様、BLEもペアリングの際複雑な設定が不要で利用することができます。また、一度ペアリングするとその後は自動接続されます。
また、ペアリングされていない機器からは利用することができないため、意図しない利用をブロックすることができることもメリットであると言えるでしょう。
メリット3:汎用性が高い
BLEは、世界標準基準で製品数が圧倒的に多く、汎用性が高いこともメリットのひとつです。
2020年のBluetoothデバイス年間出荷台数が約40億台であり、2026年にはの出荷数が70億台を超える見込みであることが以下のように発表されています。
2022年には、当初予想されていたよりも早くパンデミックから回復するとアナリストは予測しています。 アナリストは、Bluetooth 対応デバイスの年間出荷台数が、2021年から2026年にかけて1.5倍、年平均成長率 (CAGR) で 9% 増加すると予想しています。
近年、リモートワークやオンライン会議の利用が増えたことから今後さらに活用されていくのはもちろん、変化するビジネスシーンにおいてもその便利さや特徴から注目が高まる可能性が高いでしょう。
BLE(Bluetooth Low Energy)の通信方法
ここからはBLEの通信方法について以下の内容について詳しくみていきましょう。
- BLEの通信方法
- BLE通信の流れ
Bluetoothの特徴である「ペアリング」のセキュリティー面で理解する上でもここから説明する内容は重要となってきますので、ぜひ参考にしてください。
セントラル・ペリフェラル
BLE通信には親機の役割である「セントラル」と子機の役割である「ペリフェラル」の2種類が存在し、この2つの間でやり取りが行われます。BLEのような無線通信は大抵親機と子機に分かれていることも理解しておきましょう。
ここからはそれぞれの種類について詳しく解説していきます。
セントラル(親機)
親機の役割となる「セントラル」の機器になることが多いのは以下のような高機能デバイスです。
- スマートフォン
- パソコン
- ゲートウェイ
セントラルはマスタとも呼ばれており、通信の制御を行う役割を持っています。セントラルが後述で紹介するペリフェラルに要求を出すことでデータ通信が行われます。
また、一台のセントラル機器には1台のペリフェラルにしか接続できない場合もあれば、複数台のペリフェラルと接続できる場合があるなどさまざまであり、同時に接続できる台数はセントラル機器の能力によって変化します。
ペリフェラル(子機)
一方でペリフェラルとは、子機の役割となる機器を指します。ペリフェラルとして利用できるのは、BLE機能が備わっている以下のような機器です。
- センサ機器
- 健康機器
- スマートウォッチ
- ビーコン発信機
- 忘れ物タグ
ペリフェラルは、セントラルからの要求に応える形で通信を行うため、通信の制御機能は持ち合わせていません。また、機能単位を表す「サービス」の中に実際のやり取りを行うデータである「キャラクタリスティク」が含まれており、この2つで定義されています。
BLE通信の流れ
要求を出す「セントラル(親機)」とセントラルからの要求に応える「ペリフェラル(子機)」について理解ができたところで、BLE通信の流れについて見ていきましょう。
- ペリフェラルからセントラルへブロードキャスト通信を行う
- ブロードキャスト通信で送られたデータからセントラルがペリフェラルを認識
- セントラルがペリフェラルを選択し接続を要求
- 要求を受けたペリフェラルはブロードキャスト通信を終了し、セントラルとの接続を確立
- データ通信を行い、やり取りが終了したらセントラルが接続を切断
- ペリフェラルが再度ブロードキャスト通信を実施
BLEは上記の流れで通信を行います。「ブロードキャスト通信」とは、ペリフェラル機器が「私はここです」とセントラルへ伝えるための無線信号のことであり、セントラルはペリフェラルからの無線信号をキャッチし、認識・接続を行っていきます。
上記の中で、1〜2の手順を第1段階、3〜6を第2段階として定義しており、第1段階をペリフェラルをセントラルへ認識させる段階、第2段階は接続が確立し実際にデータチャンネルを通じてデータのやり取りが行われることと理解しておくとわかりやすいでしょう。
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まとめ
この記事では「BLE(Bluetooth Low Energy)」について、定義やメリット、通信方法などを詳しく解説しました。
働き方改革が進み、テレワークや時差通勤など働き方が大きく変化していく近代のビジネスシーンで今後BLEはさらに活躍の幅を広げていくことが予想されます。
さまざまなビジネスシーンでBLEを導入し、より効果的に使うためにもBLEに対して理解を深めていくことが重要であると言えるでしょう。
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