ヒートマップとは?
ヒートマップは、データを視覚化した手法の一つであり、図形で表現するのが特徴です。色や濃淡のグラデーションなどを使って分かりやすく表現し、データのパターンや傾向を見やすくすることができます。
主に、インターネット上で出稿されている広告やwebメディアなどにアクセスしたユーザーの行動を見やすくする際に使うことが多いです。「どのページが見られやすいのか」「何がクリックされたのか」などの情報は、webサイトやページ、広告を作成するにあたって重要なヒントとなるでしょう。
分かりやすくデータをまとめることができるため、科学、統計、データ解析、ビジネス分析などのあらゆる領域で広く使用されています。
ヒートマップを導入するメリット
ヒートマップを導入するにあたって、どのようなメリットがあるのかは気になるところではないでしょうか。
ここからは、ヒートマップを導入することで、期待できるメリットを解説していきます。
視覚的に分析できる
視覚的にデータを分析できる点は、ヒートマップを導入するメリットとして挙げられるポイントです。
一般的なアクセス解析の手法は、どれくらいのアクセスがあるのかといった数値的な分析が得意としていますが、数値に上下の動きがある要因についての分析は難しいのが現状です。
ヒートマップであれば、視覚的にユーザーの動きを探ることができるので、直感で分かりやすいと言えます。
離脱箇所が分かる
ヒートマップのもう1つのメリットが、離脱箇所が分かることです。
サイトやページにアクセスしたユーザーが、どこで離脱してしまったのか、どこまで見たのかなどを直感的に確認することができます。
具体的な離脱箇所が分かることは、自社のサイトやページに問題があるか否かの判断基準にもなるので、ヒートマップの導入はメリットが大きいと考えられます。
ページ改善のヒントが得られる
ヒートマップで取得した情報をもとに、どのようにページ改善を進めていくべきかを考えることができます。
前項でも触れた通り、ヒートマップではアクセスの要因や離脱箇所などを分析できるので、よりユーザーを集めたり、離脱を防ぐための対処法を考えやすくなるでしょう。
「読んでほしい箇所が読まれていない」「想定していなかった場所のアクセスが伸びている」など、思わぬ発見につながることもあります。
ちなみに、数値よりも直感的に理解できるヒートマップは、解析に慣れていない方や、戦略を立てることに苦手意識を感じている方でも内容を把握しやすいので、業務の経験年数を問わず取り入れやすいといったメリットもあります。
無料で使えるヒートマップツールおすすめ5選
ヒートマップツールは、無料・有料いずれも展開されていますが、近年は無料でも十分に活用できるツールが多数登場しています。
なるべくコストをかけずにヒートマップを使ってみたいと考えている方は、以下のツールを参考にしてみてください。
ミエルカヒートマップ
内容 | |
運営会社 | 株式会社 Faber Company |
費用プラン | 無料プラン/ミニマム 月額9,800円/ビジネス 月額19,800円/ファースト 月額49,800円/エキスパート 月額99,800円/スーパー 月額149,800円 |
対応デバイス | PC/スマートフォン/タブレット |
主な機能 | アテンションヒートマップ/スクロールヒートマップ/クリックヒートマップ |
公式URL | https://mieru-ca.com/heatmap/ |
ミエルカヒートマップは、基本的なヒートマップ機能を完備したオーソドックスなヒートマップツールです。
無料プランを利用する場合は、月間のページビュー数が3,000まで、1ドメインのみといった制限内であれば可能です。
サイトの認知が広がってページビュー数が増えると予想される際には、有料プランに切り替える必要があるでしょう。
とはいえ、これから初めてヒートマップを使ってみるといった方であれば、まずは無料プランから始める形でも問題はありません。
Microsoft Clarity
内容 | |
運営会社 | Microsoft |
費用プラン | 無料 |
対応デバイス | PC/スマートフォン/タブレット |
主な機能 | クリックヒートマップ/スクロールヒートマップ |
公式URL | https://clarity.microsoft.com/pricing |
Microsoft Clarityは、Microsoftが提供しているヒートマップツールです。無料で登録してすぐに利用できるだけでなく、無料版でありながらセッションレコーディング機能を使えることから人気を集めています。そのうえ、セッション数は無制限なので、大規模なwebサイトにも対応しています。
マスキング機能も搭載されているので、情報漏洩のリスク対策も可能です。
ちなみに、対応デバイスはPCのほか、スマホやタブレットなども該当するので、マルチデバイスの分析をしたい方にもおすすめできます。
ただ、ヒートマップの機能は「クリックヒートマップ」「スクロールヒートマップ」の2つのみなので、「アテンションヒートマップ」を使いたい方は、別のツールと併用する必要があるでしょう。
QA Analytics
内容 | |
運営会社 | 株式会社ウェブジョブズ |
費用プラン | 無料プラン/ライト 月額1,650円~/プロ 月額2,750円~/プロ+(プロプラス)月額7,700円~ |
対応デバイス | PC/スマートフォン/タブレット |
主な機能 | アテンションヒートマップ/スクロールヒートマップ/クリックヒートマップ |
公式URL | https://ja.wordpress.org/plugins/qa-heatmap-analytics/ |
QA Analyticsは、ワードプレスの公式プラグインとして提供されているヒートマップツールです。導入方法はインストールするだけなので、ワードプレスの基本機能を理解していれば、実装のハードルは高くありません。
クリックヒートマップ、スクロールヒートマップ、アテンションヒートマップの3つに対応しているので、QA Analyticsだけで分析を完結できます。
また、ヒートマップ機能だけではなく、ユーザーの行動履歴を動画で確認できる「録画再生機能」も使えるので、ヒートマップと合わせてより直感的にサイトの状況を把握しやすいのがメリットです。
ちなみに、有料版は月額税込1,650円~なので、仮に有料版を利用することとなっても、比較的コストを抑えた導入ができます。
Ptengine
内容 | |
運営会社 | 株式会社Ptmind |
費用プラン | 無料プラン/Growth 月額4,980円/Premium 従量課金 |
対応デバイス | PC/スマートフォン/タブレット |
主な機能 | アテンションヒートマップ/スクロールヒートマップ/クリックヒートマップ |
公式URL | https://www.ptengine.jp/ |
国内外で多くの導入実績を持つヒートマップツールである「Ptengine」。シンプルな操作感で「使いやすい」といった声が多く挙がっているヒートマップツールです。
Ptengineは、広告の出稿先別にヒートマップ分析をしたり、ランディングページの区分ごとに分析を行ったりするなど、さまざまな使い方ができるのが特徴です。A/Bテストやコンバージョン、ファネル分析もでき、より幅広い分析情報を獲得することができます。
ただし、無料プランには制限があり、1つのページ尚且つページビューは3,000までなので、規模が大きいサイトや、多くのページを解析したいときには有料プランに切り替える必要があります。
User Heat
内容 | |
運営会社 | 株式会社ユーザーローカル |
費用プラン | 無料プラン/企業向け 金額は要問合せ |
対応デバイス | |
主な機能 | |
公式URL | https://userheat.com/ |
User Heatは、数あるヒートマップツールの中でも珍しい「すべての機能を無料で使えるツール」です。
無料でありながら、「終了エリアの分析」「熟読エリア分析対応」など基本的な機能は一通り揃っています。また、無料プランの制限も「1ヶ月30万ページビューまで」とゆとりがあるので、有料版(企業向け)に変更しなくても活用し続けやすいでしょう。
ちなみに、ヒートマップ以外の機能としては、SEO分析や広告分析などが使用できます。ヒートマップとそのほかの機能を組み合わせて使うことで、より効果の高い対策ヒントを得られるでしょう。
ヒートマップツールの正しい選び方
ヒートマップツールは、有料版・無料版とあるだけでなく、前項のように無料版一つとってもさまざまな種類があります。そのうえ、ツールごとに特徴や魅力が異なるので、どんなツールを選んだらいいのか分からない・・・と悩む方が少なくありません。
ヒートマップを導入してから「別のツールにすれば良かった」と後悔しないためにも、正しい選び方を把握しておきましょう。
目的の機能が搭載されているか
ヒートマップツールを選ぶ際には、目的の機能が搭載されているかを確認しましょう。
ツールによって搭載された機能が異なるので、導入前に「何をヒートマップで可視化したいのか」「何を分析したいのか」などをきちんと明確にしてツールを選ばないと、使用したかった機能が未搭載のツールを導入するリスクがあります。時間や手間の無駄になってしまうので、注意しましょう。
なお、ヒートマップツールの機能は、主に以下の3つが挙げられます。
■クリックヒートマップ
クリックヒートマップは、ウェブページなどでユーザーのクリックやタッチのパターンを可視化するための機能です。ユーザーが画面上でどの領域をクリックしたりタッチしたりするのかを分析することができます。
とくに、リンクが複数ある場合には、クリックされやすいリンクが分かるので便利です。ABテストで活用できるほか、ユーザーにアプローチしやすいデザイン、レイアウトなどのヒントとして情報収集できます。
■スクロールヒートマップ
スクロールヒートマップは、サイトに訪問したユーザーがどこまでスクロールして閲覧したのかが分かる機能です。見せたいコンテンツをどの位置に配置するのか、どのようなコンテンツならユーザーの興味を引けるのか、といったヒントを得ることができます。
■アテンションヒートマップ
アテンションヒートマップとは、サイトに訪問したユーザーがどのあたりでスクロールをストップしたのかが分かる機能です。あわせて、ページの滞在時間も解析できることから、「何のコンテンツが見られているのか」を調べやすいといえます。
一般的には、スクロールヒートマップと合わせて使用されることが多い機能です。
データの分析・保存可能な数は多いか
データの分析・保存可能な数は、ヒートマップツールを選ぶうえで必ずチェックしておくべき部分です。
無料版はもちろんのこと、有料版でも一定の制限が設けられているので、サイトのページ数や、データとして保存しておきたい期間などと照らし合わせながら、ヒートマップツールを選ぶ必要があります。
また、ヒートマップツールを選ぶ際には、自社のサイトの現状のみを判断基準にするのではなく、今後のサイト運用も視野に入れる必要があります。どれくらいのコンテンツを増やす予定なのか、サイトの規模がどの程度大きくなる予定なのか、なども視野に入れて必要な条件を満たすヒートマップツールを探してみてください。
マルチデバイスに対応しているか
ヒートマップツールを導入する際には、マルチデバイスに対応しているか否かを判断材料とすることをおすすめします。
基本的にPCには対応していますが、ツールによってはスマホ・タブレットには対応していない場合があります。サイトのユーザーの行動は、PCとスマホ・タブレットなどの端末によって異なることもあるので、あらゆるデバイスに対応したヒートマップツールで分析することがおすすめです。
また、デバイスごとに異なる傾向が見られるようであれば、PC向け、スマホ向けといったようにデバイス別の効果的な対策も検討しやすくなるでしょう。
まとめ
ヒートマップツールは、webサイトやwebメディアなどを運営・制作している方にとって、大きな味方となる便利なツールです。無料版を提供しているヒートマップツールも多いので、まずは試してみてから本格的に導入したい、といった使い方も可能です。
まずは、どのような機能が欲しいのか、どの程度の規模のサイト分析を検討しているのか、などを明確にしてヒートマップを導入するか否かを考えてみてください。
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