SQLはデータベース言語の1つ
SQLはデータベースを操作する言語の1つであり、プログラミング言語とは異なります。
SQLはISOで規格化されており、「Oracle Database」「Microsoft SQL Server」「Access」で使用可能となっています。オープンソースの「MySQL」や「PostgreSQL」にも対応し、汎用性の高い言語です。
2023年1月時点、データベースのシェアは「Oracle Database」「MySQL」「Microsoft SQL Server」の3社が全体の約46%を占めています。
データベースへの指示方法
データベースを作成したり操作したりするにはSQL文での指示が必要です。指示方法は2つあり、一つは「対話型」で、もう一つは「埋め込み型」です。
対話型は、データベースに「この作業をしなさい」と指示を出します。1つの指示文に対し、1つの作業が行われる対話型はSQL文の基本形といえます。
データ検索や抽出を効率よく進めるポイントは、作業の流れがわかるように紙に書きだしておくことです。データ結果が間違っていたときに、どこで間違えたのか見返さなければなりません。
とくに、複数のデータベースを使用する場合は作業履歴を残しておきましょう。
そして、2つ目は「埋め込み型」です。こちらは連続した操作、複雑化した作業の指示を出す際に使用します。他のプログラミング言語を書いた中にSQL文を書きこむため、上級者向きといえます。
データベース言語とプログラミング言語の違い
SQL初心者やプログラミング学習予定の方は、データベース言語とプログラミング言語の違いを明確に理解する必要があります。
以下、データベース言語とプログラミング言語の違いをわかりやすく解説していきます。
順番に見ていきましょう。
データベース言語
データベース言語を学ぶ前に、まずデータベースについて知ることが必要です。データベースとは、ルールに基づいて入力・蓄積された情報を指します。住所録や在庫管理表、商品管理情報一覧などをイメージするとよいでしょう。
データベースはユーザーの指示によって必要な情報を検索するものであり、プログラムの処理はできません。必要な情報を検索するには、データベースを管理するおおもとのシステムが必要です。
このシステムは「データベース管理システム(DBMS)」と呼ばれます。なお、データベースには以下の3種類があります。
- リレーショナル型
- 階層型
- ネットワーク型
これらデータベースに指示をする言語がデータベース言語です。ユーザーはデータベース言語でデータベースに問い合わせ(クエリ送信)し、返ってきた値をユーザーに返します。
もっとも使われているデータベースはリレーショナル型であり、仕事を効率化する際はリレーショナル型が便利です。
SQL文で指示した結果、システムは再確認で質問してくる場合があります。たとえば、社員データベースに新入社員のデータを加えるときです。
50件の新入社員データを追加する場合、システムはこちらに「50件のレコードを追加しますか」と質問してきます。
このように、用語の意味を理解しておくことで処理がスムーズに行えるため、指示文以外の用語も覚えましょう。
プログラミング言語
プログラミング言語は、コンピュータを操作する言語です。コンピュータは「0と1の二進法」で操作されており、数字の5を二進法で表現すると101となります。
数字の11は1011となり、人が二進法でコンピュータを扱うのは困難だと理解できるでしょう。そこで、人がコンピュータを操作できるように作られたのがプログラミング言語です。
おもにWebサイトやアプリケーションの作成に用いられます。JavaScriptやPHPといったプログラミング言語を聞いたことはありますよね。
これらプログラミング言語は200種類以上と言われ、コンピュータの性能向上により種類が増えていきました。しかし、実際に使われているプログラミング言語は全体の10%ほどと言われています。
SQLでできる処理
SQLでは以下の処理が可能です。
- データの条件検索:条件を指定し、データの検索が可能
- データの取得・登録・更新・削除:複数条件で検索した結果を取得、他にもデータ登録や更新、削除も可能
- 表(テーブル)の作成・削除・変更:行と列を自分で作って必要なデータを入れ込むテーブルを作成、テーブルの削除・変更が可能
人によっては、Excelの関数を使って同様の作業ができるため、データベースの必要性を感じないこともあるでしょう。
しかし、データ件数が数十万、数百万件となればExcelが重くなり、パソコンがフリーズすることもあります。
データベースでは膨大なデータを取り扱えるため、重たいExcelからデータベースへ移行し、SQL操作すれば作業向上できます。
SQL操作に必要な3つの言語種類
データベースに指示を出すSQLには、以下3つの言語があります。
- データ定義言語(DDL)
- データ操作言語(DML)
- データ制御言語(DCL)
データベースを取り扱う上では必要な言語ですので、しっかりと学習しましょう。
データ定義言語(DDL)
データ定義言語はデータベースとなる表(テーブル)の作成や削除などを指示する言語です。
create tableの後に続く「販売実績」は表(テーブル)の名前、「商品CD,商品名,年月,販売数」は項目名です。項目名の後にある「int,char,datetime」は項目名のデータ型を表しています。
データ型の後は「,」で区切りますが、最後のデータ型の後は「,」が不要です。もし入力すると構文エラーとなりますので注意してください。そして指示文の最後は「 ; 」を記載します。
データ操作言語(DML)
データ操作言語は、データベースにデータを追加・更新・削除を行う言語です。データを追加していく場合、使用するデータ操作言語は「INSERT」となります。
INSERTを使用した指示文の書き方は以下の通りです。
- INSERT INTO user (商品CD, 商品名, 年月, 販売数) VALUES (‘12345’, ‘リンゴ’,’ 202201′,’ 763′);
表内に入れ込みたいデータは、VALUESの後に記載します。このとき「 ‘ 」で文字を挟みましょう。
複数入力は「 , 」で区切ります。文末には「 ; 」を忘れないようにしてください。
データ操作言語はSQL文の中で使用頻度の高い言語のため、覚えておくと作業効率が上がります。
データ制御言語(DCL)
データ制御言語はデータ使用者の制限をかけるための言語で、種類は以下の通りです。
- GRANT:権限付与
- REVOKE:権限はく奪
- ROLLBACK:データの前の状態まで戻すこと
使用者1にデータ操作言語の「UPDATE」と「INSERT」の権限を付与するとします。
指示文の書き方は以下の通りです。
- GRANT update, insert ON 販売実績 TO 使用者1;
データベースの管理者はデータ制御言語を覚えておくとよいでしょう。
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まとめ
SQLはデータベースに指示を出す言語です。SQL文を書くことで表の作成、表内のデータ挿入・削除等や表を扱う権限者の設定などができます。
日々、仕事で使っているシステムには必ずといっていいほどデータベースが入っています。しかし、仕事で使うすべてのデータをデータベース化できているとは限りません。
Excelのままであったり、紙で管理していたりする場合もあるでしょう。IT化、DX化が求められる現代では、SQLを使ってデータベースを作る人材は必要不可欠です。
本記事をお読みの方は、ぜひ、SQLを学習して仕事に活かしてみてください。