リファレンスチェック(Reference Check)とは?
リファレンスチェック(Reference Check)とは、中途採用の過程において候補者が選考書類や面接を通じて申告している、能力や性格などが合っているかを確認する作業です。
さらには書類に書かれたスペックだけではわからない、候補者の人となりを知る意図もあります。ミスマッチを避けるために行われるので、企業だけでなく候補者のためでもあるといえるでしょう。
外資系企業の文化だったリファレンスチェックが日本企業にも普及
候補者の了解を得た上で、現職あるいは前職の上司や同僚にヒアリングするのが一般的です。
リファレンスチェックは外資系企業においては従来から採用時に実施されてきたものですが、日本の企業においても導入する企業が最近増えています。
特にパンデミックによってオンライン面接が増えたため、人物像の見極めが対面の面接よりも難しくなったという事情も関係があるでしょう。第三者の目線からの意見も参考にして、候補者を多角的に判断する材料を得る方法として注目されています。
なお、問い合わせ先へのヒアリングは電話が一般的でしたが、Zoomなどのオンラインツールが普及したので、それらを使うケースも増えています。
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リファレンスチェックはほぼ内定レベルの候補者に行う確認作業
リファレンスチェックは、主にほぼ内定が決まっている候補者に対し、内定を通知する直前に実施される事が多いです。
一般的なリファレンスチェックの流れ
一般的なリファレンスチェックの流れは、以下のとおりです。
- リファレンスチェックの実施を候補者に伝えて承諾を得る
- 推薦者(問い合わせ先)を候補者に選んでもらう
- 推薦者をヒアリングしてリファレンスチェックが実施される
推薦者は候補者に選んでもらうのが一般的ですが、なかには企業が選ぶケースもあります。
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リファレンスチェックと前職調査は内容と目的が異なる
リファレンスチェックと一見似ているものに前職調査があります。しかし、このふたつは調査内容が異なります。
リファレンスチェックは候補者のスキルや性格、人となり、仕事に向き合う姿勢などを確認する作業です。それに対して、前職調査は申告された学歴や職歴に偽りはないか、あるいは金銭問題などのトラブルを抱えていないかなどの経歴調査・身辺調査が主となります。
人事部の担当者が前職調査を実施する場合もありますが、調査会社に依頼することも多いです。外部の専門家のほうが、費用は掛かりますが詳細な情報が得られます。
ただし、今日では個人情報保護法によってプライバシーの扱い方には厳格さを求められるため、前職調査によって個人情報を入手することが難しくなり、実施する企業は徐々に減っていく傾向にあります。
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リファレンスチェックにおける2つの違法行為
リファレンスチェックにおいては、以下の2つが違法行為とされます。
- 候補者の承諾なしにリファレンスチェックを実施すること
- リファレンスチェックの拒否を理由に内定を取り消すこと
それぞれを詳しく見ていきましょう。
候補者の承諾なしにリファレンスチェックを実施すること
候補者がリファレンスチェックを承諾しない場合に、本人の意向を無視して内緒でリファレンスチェックを強行することは、法律違反となります。リファレンスチェックから得られる情報は「個人情報保護法」で規定されている「個人情報」に該当します。
個人情報保護法第23条において、本人の同意なしに第三者が個人情報を提供してはならないという趣旨が記載されています。そのため、リファレンスチェックを実施するなら、必ず候補者自身の同意を得ていなければ個人情報保護法違反を犯すことになります。
コンプライアンスの面からも、リファレンスチェックは慎重かつ適切に進めなければなりません。
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リファレンスチェックの拒否を理由に内定を取り消すこと
法的には内定を通知した時点で、企業と候補者の間で労使間の雇用契約が成立していると判断されます。そのため、正当な理由のない内定の取り消しは、解雇に該当します。
過去の判例においては、正当な理由のない解雇は「解雇権濫用」に当たり、違法と判断されています。そのため、リファレンスチェックの拒否を理由に採用内定を取り消すと、法律違反となるおそれがあります。
そのように内定を出してからの取り消しは難しくなるので、内定を出す前にリファレンスチェックの実施を候補者に打診するケースが多いです。
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「リファレンスチェックで落ちた」のはどういうケース?
求職者が「リファレンスチェックで落ちた」というケースをまれに耳にします。しかし多くの場合、リファレンスチェックが行われるのはほぼ内定に近い候補者なので、基本的にはその結果で落ちることはまれです。
では、一体どういうケースで落とされるのでしょうか?
リファレンスチェックは、候補者のネガティブチェックをする目的の調査ではありません。あくまでも採用のミスマッチを防ぐための事実確認であり、念押しの意味合いが強いといえるでしょう。
そのため、リファレンスチェックの結果で不採用になるケースは非常にまれとされています。とはいえ、リファレンスチェックがひとつの選考プロセスであることには間違いありません。
そのため、リファレンスチェックで不採用になる場合も皆無とはいえないでしょう。ここではどのようなケースで不採用となるのかを、チェックしておきましょう。
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リファレンスチェックで落ちる代表的なケース
内定に近い候補者がリファレンスチェックで落ちる代表的なケースは、以下の2つです。
- 申告内容が事実と相違している場合
- 企業文化とマッチしないと想定される場合
それぞれを補足しておきましょう。
申告内容が事実と相違している場合
候補者が選考書類や面接において申告した内容が事実と著しく異なる場合には、その候補者の採用を見合わせる企業がほとんどでしょう。
候補者の中にはまれに、少しでも内定獲得に有利に働くように保有スキルや実績を誇張したり、偽ったりするケースもなかにはあります。本人は詐称するつもりではなく、よく見られたいためについつい誇張してしまうことも少なくありません。
自己アピールも行き過ぎた誇張になるとリファレンスチェックで発覚する
多少の誇張は採用担当者も理解できるとしても、リファレンスチェックで大きなギャップが確認できるほどの行き過ぎた申告は、信頼を損なう行為となります。不採用になったとしても、それは自己責任と言わざるをえません。
リファレンスチェックの目的は飾らない事実の確認であるため、選考書類の記載や面接でのアピールは、できるだけ等身大であるべきでしょう。
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企業文化とマッチしないと想定される場合
今日の企業の採用活動は、人材の定着率を高めるために「カルチャーマッチ」を意識した採用が行われるようになってきています。カルチャーマッチとは、その企業の文化やビジョンに候補者が無理なく馴染める状態のことです。
リファレンスチェックの結果、候補者が自社の文化やビジョンに馴染める人物でないと判断された場合は、企業は採用を見合わせる可能性があります。
カルチャーマッチの見極めのポイント
企業は以下のような点を確認した上で、「カルチャーマッチ」の点で適合しないと判断することがあります。
- 周囲とのコミュニケーションの取り方
- 職務遂行能力のレベルの周囲からの評価
- 周囲が認識している実績や成果
また、候補者の長所・短所、コミュニケーションスキルなどの、人柄に直結する内容の確認が重視されます。ほかにはリーダーシップの有無や課題解決能力、トラブルへの対応力なども確認されるでしょう。
加えて、周囲の人にとって「ともに働きたいと思える人物かどうか」という点も大切なポイントです。
以上のような問い合わせ内容により、候補者の人物像や勤務状況が、自社の求めるものと乖離している場合は、採用が見送られるケースもあります。
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リファレンスチェックが拒否されるケースと対処法
リファレンスチェックが候補者に拒否されるケースや、候補者が指定した推薦者がヒアリングを拒否するケースなどがまれにあります。ここではその問題について、触れておきましょう。
リファレンスチェックは誰に頼むもの?
そもそもリファレンスチェックは誰に頼むものでしょうか?一般的には直属上司と同僚3人程度に、協力を依頼することが多いです。その合計4人にヒアリングを行った内容を精査すれば、ある程度正しく人物像を理解できるでしょう。
リファレンスチェックが頼めない3つのケース
リファレンスチェックが頼めないケースとしては、以下の3つが挙げられます。
- 候補者本人が拒否(転職活動がばれるのを恐れる)
- 頼まれた相手が拒否
- 在籍(前職)企業が拒否
それぞれのケースを見ていきましょう。
候補者本人が拒否(転職活動がばれるのを恐れる)
前職の場合は問題ないでしょうが、現職、つまり在職中である場合はリファレンスチェックを実施することで転職活動を行っていることが勤務先に知られる可能性は高いです。
それによって社内の立場が悪くなったり、人事評価に影響したりするのを恐れて、候補者がリファレンスチェックの実施を承諾しないことがあります。
頼まれた相手が拒否
候補者がリファレンスチェックの実施を承諾したものの、選んだ推薦者がヒアリングを受けてくれない場合もあります。その主な理由は以下のとおりです。
- 転職の合否に関わるような情報の提供に関わりたくない
- 候補者を快く思っていないため協力したくない
- 候補者に辞めてほしくない
- 多忙でヒアリングに協力する時間が取れない
在籍(前職)企業が拒否
推薦者は協力する意思があっても、勤務先が協力を認めないケースもまれにあります。その主な理由は以下のとおりです。
- 候補者の転職に心外であり協力したくない
- 多忙なので社員にそういうことへの対応をさせたくない
- 個人情報保護法を理解せず法的に問題があると思いこんでいる
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プログラミング言語として現在注目を集めているPythonについては、以下の特集記事『Pythonとは?右肩上がりの人気プログラミング言語を日本一わかりやすく解説』で、学び方も含めて詳しく解説しています。ぜひ、参考にご一読ください。
リファレンスチェックが拒否された場合の対処法
リファレンスチェックがひとまず拒否された場合には、以下のような対処法があります。
- 候補者が依頼しやすい人を推薦してもらう
- 別の方法でチェックを行う
それぞれを見ていきましょう。
候補者が依頼しやすい人を推薦してもらう
候補者がどうしても承諾しない場合には、候補者にとってリスクがない推薦者(勤務先以外の知人や秘密を守ってくれる懇意な取引先)を指定してもらうことで、柔軟に対処することができます。
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カードを使う現代人は要注意の「スキミング」については、以下の特集記事『スキミングとはなに?3つのカテゴリー別に日本一わかりやすく解説!』で取り上げて詳しく解説しています。そちらの記事もぜひ、参考にご一読ください。
別の方法でチェックを行う
企業がリファレンスチェックを採用の条件としている場合は、候補者が拒否すれば採用を見送ることになります。しかし、必須条件でない場合にはリファレンスチェック以外の方法によって、候補者の人物チェックを行う考え方もできます。
体験入社やワークサンプルテストによって、候補者の人物像を確認している企業もあります。ワークサンプルテストとは、入社後に担当するであろう業務に類似した仕事を、テストとして実施してもらうことで、業務遂行能力をチェックする方法です。
ワークサンプルテストや体験入社で候補者の人物像をリアルに確認
ワークサンプルテストや体験入社を行えば、企業はリアルに候補者の職務遂行能力や人となりを確認できます。候補者も実際に担当する予定の業務を体験できるため、お互いにミスマッチを回避することができます。
【おすすめ記事】
なお、当サイトの重要テーマのひとつ、マーケティング戦略を学ぶためやマーケティング業務の実践に役立つおすすめ本を厳選し、以下の特集記事『マーケティング戦略の実践に役立つ本おすすめ20選!初心者向け教科書から名著まで網羅』にてご紹介しています。
ぜひ、そちらも参考にご一読ください。
また、当サイトの読者の方に多いSaaS企業に携わる皆さんに向け、カスタマーサクセスが学べる本を、以下の特集記事『カスタマーサクセス(CS)が学べるおすすめ本10選!【レビュー星4つ以上限定】』にてご紹介していますので、ぜひチェックを!
まとめ
企業の採用プロセスにおけるリファレンスチェックについて、前職調査との違いや拒否された際の対処法も含めてわかりやすく解説しました。
企業の人事担当のみなさんは、コンプライアンスに配慮しながら、慎重にリファレンスチェックを行ってミスマッチを回避し、企業と候補者がともに得るところがある採用活動に励まれることを望んでいます。
なお、現代の企業やその人事部門には、福利厚生の観点から「ウェルビーイング」の実現の努力が求められています。ウェルビーイングについては以下の特集記事『ウェルビーイングとは?社会・福祉・健康・経営等の視点からみた重要性』で詳しく解説しています。
ぜひ、そちらも参考にご一読ください。
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※マーケティング活動は幅広い領域にまたがるため、全体を統括するスキル「マーケティング・マネジメント」が求められます。
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