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クラスター分析とは?活用例や進め方・注意点を解説します

投稿日:2023年6月2日 /

更新日:2023年6月2日

クラスター分析とは?活用例や進め方・注意点を解説します
● データ活用● マーケティング● 経営・戦略

ビジネスでクラスター分析を活用したくても、定義や方法がわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで、本記事では「クラスター分析とは何か?」という基礎的な内容から、クラスター分析の活用例、さらには方法を紹介します。

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クラスター分析とは?

クラスター分析イメージ

クラスター(Cluster)とは「集団」「群れ」などを意味する言葉です。クラスター分析とは、母体となる集団の中から、類似しているものや共通点のあるものを分類していくつかのクラスターを作る分析手法です。

クラスターに分類する際には、年齢・性別・居住地など、簡単かつ明確に分類できるデモグラフィックなデータは用いりません。価値観や趣味・嗜好・得意・不得意など、分類基準が明確に定まっていないデータで分類する際に、クラスター分析が活用されます。

 

なお「クラスター」にはいくつかの意味があります。こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

また、クラスター分析以外にもマーケティングで活用される分析方法があります。以下の記事で「SWOT分析」と「ABC分析」について紹介しているので、あわせてご確認ください。

クラスター分析の種類

クラスター分析は、大きく分けて2種類あります。

  • 階層クラスター分析
  • 非階層クラスター分析

それぞれ、どのような分析手法なのか解説します。

階層クラスター分析

階層クラスター分析とは、最も似通ったデータからクラスターとしてまとめていき、複数のクラスター同士で似通っているものがあればさらに統合していきながら、最終的には1つのクラスターとして整理する手法です。階層クラスター分析の際には、デンドログラムという樹形図を使い、視覚的にわかりやすいよう整理していきます。

階層クラスター分析

データが似通っているほど下層でまとめるため

  • 低いところで統合されているデータ同士は似ている
  • 高いところで統合されているデータ同士は共通点がほぼない

と、直感的に把握できます。

デンドログラムができあがってから、いくつのクラスターに分類するか決められる点もメリットでしょう。 ただし分析対象となるデータ量が多すぎると、計算が膨大かつ複雑になるため、階層クラスター分析は向いていません。

非階層クラスター分析

データ量が多いときに向いているのが、非階層クラスター分析です。

非階層クラスター分析とは、事前にいくつのクラスターに分類するか決めておき、そのクラスターに分類できるよう各データを調整して整理する手法です。

非階層クラスター分析

似通ったデータを近くに配置していくと整理しやすいでしょう。

非階層クラスター分析は、階層クラスター分析のようにデンドログラムを用いることがありません。

そのため、計算が完了する速度は比較的早いと言えるでしょう。 計算速度が速いため、ビッグデータなどサンプルデータの数が多い場合に向いています。

クラスター分析の活用例

クラスター分析イメージ

クラスター分析はどのような場面で活用できるのでしょうか。具体的な活用例を紹介します。

顧客をグルーピングする

顧客の趣味嗜好や価値観、購買履歴の傾向などによりクラスター分析を行い、顧客をグルーピングすることが可能です。グループごとにマーケティング施策や提案内容などを変えることができるでしょう。

たとえば、請求システムを開発している企業が、顧客が自社システムを導入した理由に基づいてクラスター分析をしたとします。その結果、「業界Aの顧客の多くは、経理部門の人手不足を解消するために導入している」「業界Bの顧客は、リモートワークの開始をきっかけに導入している」などの傾向がつかめます。

そのデータを基にして、業界Aの企業のテレアポする際のセールストークの内容を考えたり、業界Bの顧客にメルマガで配信する内容を考案したりできるでしょう。

価値観や課題の異なるクラスターごとにグルーピングすることで、それぞれのクラスターが求めている情報をピンポイントで提供でき、より成果の高いアプローチができるのです。

アンケートや市場調査などのデータを分析する

アンケートや市場調査などを行った際にも、結果を分析するためにクラスター分析を活用できます。

たとえば、食器用洗剤を購入する基準を調査したところ、「20代は価格を重視している」「30代は洗浄力を重視している」といった傾向をつかめます。さらに細分化して分析することで、「30代の主婦は、洗浄力と無添加にこだわっている」などの傾向もつかめるでしょう。

こうした分析結果を、マーケティング施策に活用したり、新商品開発に役立てたりすることが可能です。

 

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クラスター分析の進め方

クラスター分析イメージ

クラスター分析の進め方は、大きく分けると以下の5つのステップになります。

  • 調査背景を明確にする
  • クラスター分析の種類を決める
  • クラスター分析を実行する
  • 各クラスターをプロファイリングする
  • 分析結果を活用する

それぞれ、具体的にどのような内容なのか説明します。

分析する目的を明確にする

まずは、なぜクラスター分析を行うのか、目的を明確にしましょう。目的によって集めるデータや分析する軸が異なるため、目的を明確化することが重要です。

そもそもクラスター分析は、性別や年齢などのデモグラフィックなデータだけでは分析できない場合に適している分析手法と言えます。購買履歴やアンケート調査結果などを軸にして分析したい際に向いています。 そのため、たとえば「年齢別にメルマガを送っているが、配信停止が増えている」「学生・主婦・会社員などで分類してキャンペーンを実施しているが、効果が出ない」といった場合、クラスター分析を取り入れて購買履歴や価値観などで分類してアプローチすることで、効果が見込めるでしょう。

また、目的に合ったデータが社内に存在しているか確認することも重要です。購買履歴を分析したくても、顧客の購買データが蓄積されていなければ分析できません。社内にデータがない場合は、データベースにデータを入力したりアンケートを実施したりするところから始めなければならないため、注意が必要です。

クラスター分析の種類を決める

次は、クラスター分析の種類を決めます。 先述の通り、クラスター分析には階層型と非階層型があり、さらに階層クラスター分析のなかにも「ウォード法」「重心法」などに分かれます。

分析対象となるサンプル数が100以下であれば、階層クラスター分析が使われることが一般的です。しかしサンプル数が少なくても、分析速度を上げたかったり、事前にクラスターの数が決められていたりする場合は、非階層クラスター分析を用いることもあります。

どのような分析を行いたいのか事前に明確にしたうえで、適した分析方法を選びましょう。

クラスター分析を実行する

データを収集してサンプル数が集まったら、クラスター分析を実行します。

クラスター分析はExcelで行うこともできますが、データ分析用のソフトにクラスター分析機能が搭載されている場合もあります。

データが多すぎるとExcelでの分析は困難なので、ソフトを活用して自動化することがおすすめです。

各クラスターをプロファイリングする

共通点を持つサンプル同士でクラスターができたら、各クラスターがどのような特徴を持っているのか、どのような傾向なのか、詳しく分析していきます。この作業は「プロファイリング」と言い、各クラスターをより詳しく知るために必要な作業です。

たとえば購入履歴だけでなく、デモグラフィックデータなどのデータもあわせて分析することで

  • クラスターAはブランド志向。関連商品も一緒に購入する傾向がある。年配者が多い
  • クラスターBはリーズナブル志向。割引キャンペーンの反応が良い。主婦や子育て層が多い
  • クラスターCは品質志向。SNSで口コミを発信してくれる。役職者や都内在住者が多い

など、クラスターごとの特徴がさらに詳しくプロファイリングできます。

もちろん、BtoBビジネスでもクラスターをプロファイリングすることが可能です。

  • クラスターAは○○の課題を抱えている。金融業界や不動産業界が多い
  • クラスターBは□□のニーズがある。建設業界が多い。従業員数10~50名の企業が多い

このようにBtoBでも、課題や購買傾向ごとにクラスターを分類し、さらに業界や従業員数などの特徴でプロファイリングできます。

分析結果を活用する

各クラスターの詳しいプロファイリングの結果を、さまざまな用途に活用していきます。

  • メルマガを配信する際、クラスターごとにキャンペーン内容を変える
  • クラスターに該当する業界や属性のターゲットにテレアポをする際、セールストークの内容を変える
  • 単価が高いクラスターのニーズにマッチする機能を追加する
  • 解約率の高いクラスターに対し、サポートを手厚くする

このようにクラスター分析の結果は、さまざまなアプローチに役立てることができます。分析結果からヒントを得て、自社のビジネスを成長させていきましょう。

クラスター分析を行うときの注意点

クラスター分析イメージ

クラスター分析を行う際には、いくつかの注意点があります。

これらを頭に入れておくことで、分析がうまくいかなかった場合にも、適切に対応できるでしょう。

直感や勘で類似度を判断しない

直感や勘で、サンプルデータ同士が似ているかどうか(共通点が近いかどうか)を判断する人は珍しくありません。しかし、直感や勘で「似ている」「似ていない」を判断しても、正確な結果は出ないでしょう。

各サンプルの類似度は数量的に判断することで、客観的に分析できます。

類似度を判断する方法は複数ありますが、主な方法は以下の通りです。

  • ユークリッド距離
  • マンハッタン距離
  • チェビシェフ距離
  • ミンコフスキー距離

それぞれの方法で結果が異なる場合もあります。分類したクラスター数が多すぎたり、類似性の低いサンプル同士が同じクラスターになってしまったりした際には、別の方法を試してみましょう。

完璧に分類できるとは限らない

クラスター分析をしても、完璧にデータを分けられるとは限りません。

事前に決めていたクラスター数よりも多くなったり、クラスターに属するのが難しいデータがあったりする場合もあります。また、クラスターのプロファイリングをしても、それぞれのデータに共通点が見つからない場合もあるでしょう。

必ず分析がうまくいくわけではないため、クラスター分析以外の分析方法も覚えておくと良いでしょう。

まとめ

クラスター分析イメージ

クラスター分析とは、似通ったもの同士をクラスターとして分類し、それぞれの特徴を把握する分析方法です。クラスターごとの特徴を分析すると、ビジネスのヒントがたくさん見つかるでしょう。

ただし、クラスター分析を行うにはExcelなどでは限界があります。専用の分析ソフトなどを活用し、効率的に分析を行いましょう。

 

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