非対面で営業活動を行うインサイドセールス。インサイドセールスは電話やメール、オンライン商談でのアプローチが主流ですが、ウェビナーをうまく活用することでリードナーチャリング(育成)が可能です。
ウェビナーとはWebセミナーの略称で、オンライン上で開催されるセミナーを指します。対面でのセミナーと比較して手軽なので、近年インサイドセールスやマーケティングの施策として取り入れる企業が増加傾向にあります。
そこで本記事では、インサイドセールスにウェビナーを活用するメリットや成功させるコツ、ウェビナー開催時の注意点などを詳しく解説します。また、役立つツールも紹介するので、ウェビナー開催を検討している方はぜひご参考ください。
インサイドセールスをウェビナーで行うメリット
インサイドセールスの手法としてウェビナーを活用することで、以下のメリットが見込めます。
リードナーチャリングを効率的に実践できる
ウェビナーは、リードナーチャリングに非常に有効な方法です。
リードナーチャリングとは「見込み顧客の育成」を意味し、リードの購買意欲を向上させて見込み度を高める取組みを指します。
ウェビナーでは、リードにとって有益な情報を提供できるため、リードの関心度を刺激することができます。
また、電話やオンライン商談などでは、1人から3人ほどの少人数を相手にした営業しかできません。しかしウェビナーであれば、より多くの人数に対して営業ができるため、効率的にインサイドセールスができるでしょう。
移動費などのコストを削減できる
ウェビナーは、コストの観点でもメリットがあります。
会場で行うセミナーの場合、移動にかかる交通費や会場を利用する料金などがかかります。また、セミナー資料を印刷して綴じたり、会場に机や椅子を並べたりするなど、人件費の面でもコストがかかるでしょう。
しかしウェビナーはオンライン上で開催できるため、交通費は必要ありません。社内の会議室で開催すれば会場費も不要ですし、参加者用の準備もないため人件費も削減できます。
また、ウェビナーは参加者にとってもメリットがあります。
セミナーだと、参加者は会場まで行かなければならないため、交通費が発生します。遠方のセミナーの場合には、宿泊費もかかる場合もあるでしょう。
一方、ウェビナーであれば参加者は自宅やカフェなどから参加でき、移動にかかるコストや時間が不要です。
遠方でも参加できるため、今までは物理的に営業範囲が限られていても、ウェビナーであれば全国に営業範囲を拡大できます。
動画を再利用できる
ウェビナーの内容を録画しておけば、動画の再利用が可能です。
動画コンテンツとして自社サイトやYouTubeなどに載せておけば、リードはいつでもウェビナーの内容を確認できます。また、有料コンテンツとして提供したり、SNSで配信したりすることもできるでしょう。
ウェビナーの内容によっては、動画コンテンツをリードジェネレーション(獲得)や既存顧客フォローなどにも活用できる場合があります。
質の高いウェビナーを開催できれば、録画を動画コンテンツとして上記のように多用途に再利用できます。
ウェビナーでのインサイドセールスを成功させるコツ
ウェビナーは、ただ開催すればよいというわけではありません。成功させるコツがあるので、以下のポイントを意識しましょう。
ターゲット層を明確にする
ウェビナーを開催する際には、まずはターゲット層を明確にしましょう。ターゲットとする層により、ウェビナーの内容も異なるからです。
たとえば、まだ自社商材について深く知らない層をターゲットとする場合は、まずはリードが抱えていると思われる問題を提起し、自社商材がどのようにその問題を解決できるか提示することで、関心度を高められます。
一方、自社商材に関心度が高い層をターゲットとする場合は、導入の成功事例や他社製品・サービスとの比較などを織り交ぜ、自社商材のベネフィットを伝えて購買の後押しにつなげます。
また、専門家やプロフェッショナルの対談形式のウェビナーも、リードの関心度を高めるのに効果的です。
このように、ターゲット層によりウェビナーの内容や目的が変わるため、ターゲット層を明確にすることが重要です。
ウェビナー専用のツールを用いる
円滑なウェビナー開催では、ウェビナーに特化して開発されたツール活用もポイントです。
無料で利用できるオンライン会議ツールや、グループウェアに搭載されたオンライン会議機能などをウェビナーで使っている事例も見受けられます。しかし、音声や映像の品質が悪かったり、機能が不足していたりするため、ある程度の規模のウェビナー開催には向いていないと言えます。
その点、ウェビナー専用のツールは、音声や映像の品質にこだわっているものが多く、参加者はストレスなく受講できます。
また、ツールによっては録画やチャット、参加者管理などの機能が搭載されているため、円滑にウェビナーを進行できるでしょう。
マーケティング専用のツールを活用する
ウェビナーを開催して終わりではなく、その後の営業活動につなげるためにも、マーケティングツールを活用しましょう。
おすすめなのはMA(マーケティングオートメーション)ツールです。MAツール自体にはウェビナー開催機能が搭載されていませんが、参加者情報や、参加者ごとの関心度を管理できます。
だれが、いつ、どのような内容のウェビナーに参加したか。ウェビナー後のアンケートでは、内容に満足していたか。などの情報をMAツールで一元管理していれば、自社が行うべきネクストアクションを判断しやすくなります。
ウェビナー開催時の注意点
円滑にウェビナーを開催するためには、いくつかの注意点があります。以下のポイントを見逃すと、せっかく獲得できたリードを手放してしまうリスクもあるので、留意しておきましょう。
通信環境を整える
ウェビナーはオンラインで開催されているという性質上、主催者・参加者の通信環境は重要です。
インターネットにつながりいくい状況だと、音声が途切れたり映像が乱れたりして、参加者のストレスになり離脱を招きかねません。
対策としては、以下の方法が挙げられます。
- 無線LANの通信速度を見直す
- 有線LANを使用する
- 講師はマイクを使用して音声を拾いやすくする
- 回線速度に合わせて柔軟に画質を変えられるウェビナーツールを導入する
参加者側の通信環境をコントロールすることは難しいため、せめて主催者側は万全に準備しておきましょう。
参加者が離脱しやすい
ウェビナーはボタン1つで退室できるため、対面のセミナーよりも参加者が離脱しやすい点も注意が必要です。
離脱を防ぐためには、参加者が最後まで興味を持って視聴できる工夫が求められます。
たとえば、資料に沿って説明するだけでなく、自社商材を紹介する動画を織り交ぜたり、サービスのデモ画面を操作して共有したりして、参加者の興味を維持します。また、ウェビナー中にチャットで質問を受け付けるなど、双方向のコミュニケーションを取ることも有効です。
内容が流出する恐れがある
オンラインで開催されるため、悪意ある人物がウェビナー内容を録画したり、ウェビナー画面のスクリーンショットを撮影したりして、流出させる可能性もゼロではありません。
ウェビナーでは社外に出て困る情報を出さないことは大前提です。しかし、ウェビナーでは自社のノウハウや技術などを紹介する場面もあるため、すべての情報を隠してしまうと参加者に不満が生まれることもあるでしょう。
そのため、事前に対策を講じてからウェビナーに臨むことをおすすめします。
ウェビナー内容の流出を防ぐ対策の一例を紹介します。
- 参加者にはウェビナー内容の取り扱いに関するルールに事前に同意してもらう
- パスワードがなければウェビナーに入室できないようにする
- スライドにクレジットをつける
あらかじめ流出対策を講じ、不測の事態を防ぎましょう。
ウェビナーでのインサイドセールスを成功へ導くMAツールをご紹介
インサイドセールスにウェビナーを導入する際には、MAツールの活用が効果的です。そこで、おすすめのMAツールを3製品紹介します。
BowNow
「BowNow(バウナウ)」は、無料でも利用できる国産MAツールです。1万社以上の導入実績、98%以上の継続率が、機能性の高さを裏付けています。
料金プラン
プラン名 | フリー | エントリー | ライト | スタンダード | ビジネス |
---|---|---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
基本料金 | 0円 | 10,000円 | 20,000円 | 30,000円 | 問い合わせ |
従量料金 | PV数・リード数に よって課金あり | PV数・リード数に よって課金あり | PV数・リード数に よって課金あり | PV数・リード数に よって課金あり | PV数・リード数に よって課金あり |
GINIEE MA
国産MAツール「GINIEE MA(ジーニーMA)」(旧名称:MAJIN)は、シンプルなインターフェースで直感的な操作ができます。
メール、LINE、ポップアップ表示などに対応しているので、リード一人ひとりにパーソナライズした施策が可能です。スコアリング機能があり、リードの関心度を数値化して把握できる点も特徴。
BtoB向け機能・BtoC向け機能それぞれ充実しているため、自社のビジネスモデルに合わせて活用できるでしょう。
さらに有料にてオンボーディングのサポートやコンサルティングも受けられ、運用定着が期待できます。
料金プラン
プラン名 | スタンダードプラン |
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初期費用 | 別途見積もり |
基本料金 | 10万円~ |
従量料金 | その他オプションあり |
b→dash
「b→dash(ビーダッシュ)」は、データを活用したマーケティングを得意とするMAツールです。データドリブンマーケティングを取り入れたい企業におすすめ。
料金プラン
プラン名 | b→dash |
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初期費用 | 要問い合わせ |
基本料金 | 300,000円~ |
内容 | データの取得・統合・取り込みなど |
まとめ
ウェビナーは効率的にリードナーチャリングができるため、インサイドセールスに取り入れることで大きな成果が見込めます。
また、移動にかかる時間や費用がかからないので、参加者にとってもメリットがあります。うまく集客できれば全国のリードにアプローチできるでしょう。
ただし、単にウェビナーを開催するだけでは成果にはつながりにくいです。今回紹介した成功ポイントや注意点などを参考に、成果につながる方法を見つけてください。
また、MAツールを導入して、ウェビナー後のネクストアクションにつなげることも重要です。当メディア「kyozon」では、インサイドセールスに役立つツールを多数紹介しています。気になるツールがあれば資料ダウンロードも可能なので、ぜひお役立てください。
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