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マーケティングモデルとは?認知から購買の消費者行動を分析した仮説

投稿日:2023年1月7日 /

更新日:2023年7月3日

マーケティングモデルとは?認知から購買の消費者行動を分析した仮説
● マーケティング

マーケティングモデルはマーケティングの実務において活用される、消費者の認知から購買に至るまでの行動を分析した仮説です。仮説とはいえ、実際に傾向が明らかなものがほとんどで、消費行動の法則といってもよいでしょう。今回の記事では、そんなマーケティングモデルについて、詳しく解説します。

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目次

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マーケティングにおける人の行動モデルとは?

マーケティングイメージ

マーケティングモデルはマーケティングの実践において、消費者行動の指標として使われることが多く、さまざまなモデルがあります。まずは、そのマーケティングにおける人の行動モデルとはどういうものかについて、見ていきましょう。

多くの消費者行動モデルの論文が存在

マーケティングの世界においては、当然ながら消費者の行動が極めて重要ですが、学術の世界においても多くの消費者行動モデルの論文が存在しています。海外のみならず、日本国内においても消費者行動の研究は盛んです。

顧客の購買行動を可視化したモデル

消費者行動モデルは一般的な消費者の購買行動の平均値的なものです。企業からすれば、いわば顧客の購買行動を「可視化」した「購買行動モデル」と言えるでしょう。

マーケティングにおける購買行動モデルの重要性

マーケティングにおいての消費者行動モデル、すなわち購買行動モデルは、マーケティング活動にとって極めて重要です。なぜなら購買行動モデルはマーケティング上のカスタマージャーニー(法人営業ならバイヤーズジャーニー)の土台となるものだからです。

購買行動モデルは、消費者がプロダクトを購入するまでの心理および行動の変化の経緯を指し示すものです。マーケティングにおいては、昔から消費者の行動パターンを理解するために、さまざまな仮説に基づいたモデルが作られてきました。

購買行動モデルに沿って戦略と施策を検討することにより、ターゲット像にマッチした有効な広告プロモーションの展開が可能になり、ブランディングや認知度向上に大きな影響を及ぼします。購買行動モデルは時代の流れとともに変化しており、常に現在進行形と言えるでしょう。

 

なお、マーケティングとは広大な領域を持つ分野です。「マーケティングとは何か」について、以下の記事で総合的に詳しく解説していますので、ぜひそちらも参考にご一読ください。

 

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マーケティングモデルの例

ツールイメージ

ここでは時代とともに打ち立てられてきた、マーケティングモデルの代表的なものを解説します。

Web普及前(マスマーケティング時代)の購買行動モデル

メディアといえば今日ではWebメディアの存在が大きいですが、インターネットが普及する以前は違います。メディアといえば新聞・ラジオ・TV・雑誌などを意味しました。

その当時に確立された以下の3つの購買行動モデルを見ていきましょう。

  • AIDA(アイダ)
  • AIDMA(アイドマ)
  • AIDCAS(アイドカス

AIDA(アイダ)

AIDA(アイダ)は最も古典的な購買行動モデルです。消費者の購買行動を、以下のように極めてシンプルに示したものとなっています。

  • Attention/認知・注意:TVCMや広告、店頭などでプロダクトを知る
  • Interest/興味・関心:プロダクトに対して興味を持つ
  • Desire/欲求:プロダクトを欲しくなる
  • Action/行動:プロダクトを購入する

これらの4つの段階の頭文字をとって、このモデルはAIDAと呼ばれています。

AIDMA(アイドマ)

AIDMA(アイドマ)は、おそらく最も知名度の高い購買行動モデルでしょう。これは前述のAIDAの「Desire」と「Action」の間に「Memory」、つまり覚えたり思い出したりするプロセスを加えたものです。

  • Attention/認知・注意:TVCMや広告、店頭などでプロダクトを知る
  • Interest/興味・関心:プロダクトに対して興味を持つ
  • Desire/欲求:プロダクトを欲しくなる
  • Memory/記憶:覚えたり思い出したりする
  • Action/行動:プロダクトを購入する

日本国内においても、非常に長い間にわたって購買行動モデルとして活用されてきました。関心を惹いたプロダクトが消費者に忘れられないよう、プロダクトを強く印象付けることが重要視されます。

AIDCAS(アイドカス)

AIDCAS(アイドカス)はAIDMA(アイドマ)によく似たモデルですが、「Memory(記憶)」が「Conviction(確信)」に置き換わり、「Action(行動)」の後に「Satisfaction(評価)」が加わっています。

日常的に購入する一般消費財にはAIDMAが有効で、自動車や住宅設備、建物などの高価な耐久消費財には、AIDCASがよりマッチするとされています。

  • Attention/認知・注意:TVCMや広告、店頭などでプロダクトを知る
  • Interest/興味・関心:プロダクトに対して興味を持つ
  • Desire/欲求:プロダクトを欲しくなる
  • Conviction/確信:自分に必要だと確信する
  • Action/行動:プロダクトを購入する
  • Satisfaction/満足:プロダクトを購入した結果に満足する

最終段階で満足度が低ければそこまでですが、高ければリピーターや継続利用客となってもらえます。

Web普及後(Webマーケティング時代)のモデル

インターネットが普及してからは、消費者の行動パターンにネット検索や情報の共有拡散という新たな選択肢が増えました。消費者はプロダクトの情報を自ら検索して収集できるようになり、使用後の感想や評価を世間に向けて情報発信する立場にもなったのです。

それによって消費者の購買行動も変化を遂げました。それに対応して生まれたのが、以下の7つの購買行動モデルです。

  • AISAS(アイサス)
  • AISCEAS(アイシーズ)
  • ZMOT(ズィーモット)
  • FMOT(エフモット)
  • SMOT(エスモット)
  • LOOP(ループ)
  • MIICRIO MOMENT(マイクロモーメント)

それぞれを見ていきましょう。

AISAS(アイサス)

AISAS(アイサス)はAIDMA(アイドマ)に「Search(検索」や「Share(共有)」といった、Web特有の購買行動を組み合わせていることです。

  • Attention/認知・注意:TVCMや広告、店頭などでプロダクトを知る
  • Interest/興味・関心:プロダクトに対して興味を持つ
  • Search/検索:プロダクトについて情報を検索する
  • Action/行動:プロダクトを購入する
  • Share/共有:SNSなどにレビューを投稿しプロダクトのレビューを共有する

AISCEAS(アイシーズ)

AISCEAS(アイシーズ)は、AISAS(アイサス)に「Comparison(比較)」と「Examination(検討)」を加えたもので、購買行動をより細かくリアルに表現したマーケティングモデルとなっています。

インターネットに膨大な量の情報が集まり、消費者がブログや比較サイトなどで積極的に情報収集して比較検討するのがデフォルトになった状態を表しています。

  • Attention/認知・注意:TVCMや広告、店頭などでプロダクトを知る
  • Interest/興味・関心:プロダクトに対して興味を持つ
  • Search/検索:プロダクトについて情報を検索する
  • Comparison/比較:プロダクトを比較する
  • Examination/検討:購入候補のプロダクトを検討する
  • Action/行動:プロダクトを購入する
  • Share/共有:SNSなどにレビューを投稿しプロダクトのレビューを共有する

ZMOT(ズィーモット)

ZMOT(ズィーモット)は “Zero Moment Of Truth” の頭文字をとったもので、店舗やECサイトを訪問する前に、消費者は購入するものをすでに決めていることを表現した購買行動モデルです。

Googleが2010年に提唱した購買行動モデルで、スマホの普及により信憑性と存在感が高まっています。

ZMOT(ズィーモット)を意識したアプローチ施策を実施するためには、いかにWeb上で自社の広告やオウンドメディア、HPを閲覧してもらうかが重要です。

FMOT(エフモット)

FMOT(エフモット)は “First Moment of Truth” の頭文字をとったもので、前出のZMOT(ズィーモット)の前提となったモデルです。店頭やECサイトにおいて消費者が購入を決定する瞬間についての考え方です。

FMOTにおいては「消費者は陳列された商品を3〜7秒見て、魅力的かどうかを見極める」と仮定されています。そして、この一瞬に魅力を伝えられるかどうかによって売上が左右されます。

消費財メーカーのP&Gが広告予算を減らし、その分で店頭でのプロモーションやパッケージのクオリティに注力したことで、売上を大幅に伸ばした実例があります。

SMOT(エスモット)

SMOT(エスモット)は “Second Moment of Truth” の頭文字をとったもので、実際にプロダクトを購入した消費者が、クオリティや使用感などを評価し、リピートするかどうか判断することを表現した購買行動モデルです。

LOOP(ループ)

消費者の一様ではない行動様式を、「LOOP(ループ)」という概念で理解できる購買行動モデルです。

たとえば決めかねていて、判断できない局面は、購入の段階に向かいません。その代わりに、競合しているプロダクト同士を比較検討するフェーズに踏みとどまることがあります。

そういった認知と購入の中間で足踏みするように模索する状態を「ループ」という概念で表現しています。

購入後に発売元の企業から適切なサポートを受けて成功体験(カスタマーサクセス)を得ることで、迷うループを経ずにリピートを決める場合もあります。

このLOOPモデルの強みは、顧客が迷って足踏みするループや購入後のサポートによる成功体験でリピートを決める段階までリアルにカバーでき、消費者の複雑な行動を可視化できる点にあります。

MIICRIO MOMENT(マイクロモーメント)

MIICRIO MOMENT(マイクロモーメント)とは、Googleが2015年に提唱した、スマホ時代の購買行動モデルです。

消費者は「知りたい」「食べたい」「行きたい」などの願望を持った時、瞬時にスマホで検索を行います。メインデバイスがPCからスマホに変わったことで、思いついた瞬間に検索されるようになったのです。

 

なお、マーケティングモデルと密接に関係するマーケティンファネルについては、以下の記事でWeb系のビジネスやBtoBビジネスにおける重要性と活用事例を含めて詳細に解説しています。ぜひ参考にご覧ください。

SNS普及後(デジタルマーケティング時代)のモデル

スマホの普及と連動して、SNSが隆盛を極めています。SNS普及後、すなわちデジタルマーケティング時代のモデルとして、以下の3つをご紹介します。

  • SIPS(シップス)
  • ULSSAS(ウルサス)
  • VISAS(ヴィサス

SIPS(シップス)

SIPS(シップス)はSNSによるレビューや「いいね」などの効果による共感が、購買意欲に影響を与えることを表現しています。SIPSの特徴は、必ずしも購買がゴールではなく購買に至らない「参加」についても効果を重視している点です。

SIPSは以下のようなプロセスとなります。

  • Sympathize/共感:企業や友人・知人からの情報に共感する
  • Identify/確認:共感した内容についてネット検索で確認する
  • Participate/参加:共感したことで「いいね」や購買しなどの行動をとる
  • Share&Spread/共有・拡散:プロダクトの情報を拡散する

ULSSAS(ウルサス)

ULSSAS(ウルサス)は、SNSを基本とした購買行動モデルです。プロダクトの認知や検索についてもスタートはSNSからという特徴があり、SNSマーケティングに適用できるモデルです。

ULSSASは以下のようなプロセスとなります。

  • User Generated Contents/認知:SNS上の投稿や広告から商品を認知する
  • Like/好印象:「いいね!」や賞賛コメントなどのポジティブな反応をする
  • Search1/検索1:SNS内において情報検索する
  • Search2/検索2:GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索する
  • Action/購買:プロダクトを購入する
  • Spread/拡散:SNSで情報を共有拡散する

VISAS(ヴィサス

VISAS(ヴィサス)は、口コミの影響による購買行動を示すモデルです。VISASの特徴は、本来は欲していなかったものでも、口コミの影響によって認知から購買につながる可能性があることです。

VISASは以下のようなプロセスとなります。

  • Viral/口コミ:Web上の口コミによって商品を認知する
  • Influence/影響:口コミ主のインフルエンサーに影響を受ける
  • Sympathy/共感:インフルエンサーに影響を受けたことで共感する
  • Acthion/購買:プロダクトを購入する
  • Shere/情報共有:情報をSNSなどで共有する

【2022最新】インバウンドマーケティング時代のモデル

現在マーケティングの潮流は、従来のアウトバウンド型(企業側から攻める)マーケティングから、インバウンド型(顧客側からのアプローチを促進する)マーケティングにシフトしつつあります。

今回の記事の最後に、インバウンドマーケティング時代のモデルとして有望なDECAX(デキャックス)について触れておきます。

DECAX(デキャックス)

企業はオウンドメディアのブログやコラム、動画などを活用したコンテンツマーケティングによって、マス広告ほどは予算をかけずに、確度の高い見込み客(リード)を獲得しようとしています。

コンテンツマーケティングは、リードの潜在ニーズに向けて訴求できるという新たな側面があります。一方で、企業がリードのニーズを捉え切れていない場合も多々あるでしょう。

そこでコンテンツマーケティングの購買行動を表すモデルとして、DECAX(デキャックス)が登場しました。DECAX(デキャックス)は、コンテンツマーケティングで自社の領域に入ってきたユーザーが、どのような購買行動をとるのかを示すモデルです。

DECAXは以下のようなプロセスとなります。

  • Discoverery/発見:リードに自社のコンテンツやメディア商品を発見してもらう
  • Engage/関係:リードにとって有益なコンテンツを通じて関係性を構築する
  • Check/確認:リードがコンテンツの信頼性・中立性・有益度をチェックする
  • Action/購買:リードがプロダクトを購入する
  • Experience/経験:購入後の使用体験をシェアする

 

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まとめ

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マーケティングモデルとは何かを紐解き、時代の変化によって進化したマーケティングモデルの例を詳しく解説しました。今日はいやが上にもWebの要素が影響するマーケティング環境となっています。

従来のマーケティングモデルは知っておくべき基本知識として押さえつつ、Web時代、SNS時代に対応したマーケティングモデルを活用して、有効なマーケティング戦略を構築しましょう。

また、当メディア「kyozon」ではマーケティングに役立つ、さまざまなサービスの資料が無料でダウンロードできます。マーケティング担当者や責任職のみなさんは、ぜひご利用ください。

 

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※当サイトの読者のみなさんが携わっていると思われるサブスク型ビジネス、とりわけSaaSビジネスにとって最重要課題ともいえる「カスタマーサクセス」を以下の記事で特集しています。ぜひご一読ください。

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※マーケティングスキルこそ、身につけて損がないビジネス上の最強の自己資源であることを、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

 

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