ABテストツールのメリット・デメリット
ABテストツールを導入する際のメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
・CV数やクリック率などの成果や数値が一目で確認できる
・パターン毎に自動でデータを振り分けられる
・工数が削減できる
デメリット
・ユーザー分析は期待できない
ABテストツールの特徴として、「数値を分析すること」には優れていますが「ユーザーを分析すること」は期待できません。
ユーザー分析も行いたい場合は、ユーザーテストやヒートマップなどを活用することをお勧めします。
ABテストツールの選定ポイント
ABテストツールでは、HTMLなどの専門知識がなくても設定が可能です。
具体的には、ABテスト行いたいwebサイト内のソースに「javascriptタグ」を挿入し、管理画面上で操作を行うことでABテストの設定ができます。
ABテストツールとはどういうものか確認したい場合は、以下の章で紹介する無料ABテストツールを使用してみることをおすすめします。
費用はツールごとに様々です。
例えば、自社サイトの構造、テストを実施したいドメイン数、ページ数などに応じて費用が変わってきます。
もし金額面で不安があるのであればまずは提供しているベンダーに見積もりを依頼してみましょう。
webの知識がない担当者の方ために、サポート対応をしてくれるツールもあります。
「ツールを導入したけど、設定の仕方がわからず時間が掛かってしまう」とならないように、「サポートが充実しているかどうか」も大事な選定ポイントの一つです。
無料ABテストツールの紹介
無料ツールをご紹介します。
まずはお手軽に利用できる無料のツールから始めてみましょう。
Google Optimize(グーグルオプティマイズ)
「Google Optimize」はGoogleが無料で提供しているABテストツールです。
無料版では一部機能に制限はありますが、テスト対象となるユーザーを選択することができます。
Google Analytics(グーグルアナリティクス)との連携が可能で無料版でも十分テストが可能です。
また、ビジュアルエディタというブラウザ上で直観的にパターンを作成できる機能を利用すれば、簡単な作業であればデザイナーやエンジニアの力を借りずにテストを実施することもできます。
Juicer(ジューサー)
株式会社PLAN-Bが提供するDMPツールの「Juicer」の機能でABテストを行うことができます。
こちらもシンプルな設定でテストパターンが作成可能となっており、デザイナーやエンジニアの方でなくてもソースコードに触れることなく、画像もドラック&ドロップで実施が可能になっています。
そのほか、アクセスのあった企業の分析機能やユーザーに最適化されたポップアップ表示機能があります。
自社内にWeb専門の部署がない場合、「Juicer」にて手軽にABテストを始めることができます。
無料版のABテストツール比較表
「Google Optimize」と「Juicer」の比較表は以下のとおりです。
| Google Optimize | Juicer |
価格 | 無料 有料版あり | 基本無料 有料オプション有り |
同時テスト | 5件 | 1件 |
ドメイン制限 | なし | なし |
解析機能 | △ | 〇 |
初めて試みで気軽に行いたい方は、Google Analyticsと連携できる「Google Optimize」がおすすめです。
施策はもちろん分析も詳細にされたい方は、ABテストも行える「Juicer」がおすすめです。
有料版ABテストツールの紹介
Gyro-n(ジャイロン)ABテスト
「Gyro-n」のABテストツールは作成したクリエイティブを登録するだけで簡単にテストが開始できます。
また、ターゲットを絞った状態でABテストが可能であり、訪問回数(初回orリピーター)や曜日/時間別、広告ごとなど条件を詳細な設定を行うことができます。
さらに、A案とB案でどちらが良かったかを自動で判別することが可能なため、テスト中に有意な差がついた場合は予定していたテスト期間を前倒して進めるという選択も可能となっております。
DLPO(ディーエルピーオー)
「DLPO」は、ABテストとLPO機能を持つツールで、延べ700社以上利用さている国産のツールです。
多変量テストの際の自動改善機能が特徴的であり、ビジュアルやアクションボタン、流入元などを自動で組み合わせ、高速にテストを繰り返すことが可能です。
また、セグメント別のチャンピオン自動発見機能によりユーザーだけのテスト結果だけではなく、セグメントごともわかり各セグメント毎に最適化することが可能です。
Adobe Target(アドビ ターゲット)
Adobeが提供するマーケティングツール群のうち、ABテストの機能を担うのが「Adobe Target」です。
他のABテストツールにはない最大の特徴として、Adobe Analyticsで作成したユーザーセグメントを「Adobe Target」でも利用できるという点があります。
Adobe Analyticsは高度なアクセス解析ツールであり、サイト内のユーザー行動をデータとして取得しています。
そのため、ユーザーがどのページをどれくらい閲覧したのか、どんなアクション(会員登録や購入、ログインなど)を何回行ったのか、など通常のABテストツールでは取得できない情報を利用したユーザーセグメントを作成することができます。
「Adobe Target」なら、そのAdobe Analytics内のセグメントをターゲティングで利用できます。
そのため、他のABテストツールでは難しいターゲティングが可能になり、サイト内での行動分析結果からのコンバージョン確率の高いユーザーパターンを見つけてターゲティングすることでより多くの成果を得ることができます。
Optimizely(オプティマイズリ)
「Optimizely」は、世界no.1シェアのアメリカ産のABテストツールです。導入企業は世界中を合わせて9,000社を超え多くの企業に導入されています。
多変量テストや複数ページわたるテストができるなどの機能も充実しています。
訪問者を絞り込むことやヒートマップを使用できるのでユーザーの行動を詳細に把握することができます。
多彩なテスト機能を備えているほか、多くの外部ツールと連携可能な点も特徴的です。
また、Webサイトのみならずモバイルアプリなど、数多くのデバイスでのテストが可能です。
VWO(Visual Website Optimizer)
「VWO」は、インドで開発されたABテストツールです。世界4,000社で利用されており、日本でも400社以上の導入実績があります。
デザインの変更がブラウザ上で可能なため、Webサイト知識がない方でも簡単にテストパターンが作成できます。
また、非同期タグのためタグの読み込みはページのみ込みと並行に行われテストページの読み込みに影響がでません。
価格は月額10万円~と比較的安価なプランであっても、テスト可能のドメイン数やサブアカウント数、月間サポートも無制限で実施することが可能です。
Kaizen Platform
「Kaizen Platform」は、改善活動のインフラを目指したABテストツールです。一番の特徴は、ABテストツールとクラウドソーシングを組み合わせていることです。
テスト案を考えるのが苦手な方や時間がないWeb担当者であっても、「Kaizen Platform」では独自のクラウドソーシングで外部のデザイナー(グロースハッカー)と繋げることで、B案を外注することが可能です。
担当者はクラウドソーシング側で提出されたテスト案を選別するだけでテストを開始できるという仕組みです。ツールというよりはサービスに近いと言えるでしょう。
SiTest(サイテスト)
「SiTest」は、ABテストはもちろんヒートマップ解析やEFOなどの機能を搭載したウェブサイト解析・改善ASPです。
ヒートマップとセットなっているという事が魅力的で、解析の種類がクリック解析はもちろんスクロール解析やマウスグラフィなどのユーザーの行動もテストページで確認できるため、テストのスピード感が早くなります。
さらに、AI(人工知能)による解析レポートも受け取ることができるため、導入サイトのWeb行動データを解析し、様々な視点で分析結果を出してくれます。
Butterfly(バタフライ)
「Butterfly」は既存のWebサイトにおいて流入からCVまでのプロセスで分析・ABテストができるツールです。
従来のABテストツールでは1ページを対象としてABテストを行うという仕組みが多いですが、「Butterfly」では、ユーザーが遷移可能なすべてのページで同時にABテストの実施が可能です。これにより最適なパターンを効率よく見つけることが可能になります。
それぞれのページに対してテストを繰り返し行う必要がなくなり、大きな工数削減に期待できます。
有料版ABテストール比較表
有料版のABテストツールの比較表は次のとおりです。
| Gyro-n ABテスト | DLPO | Adobe Target | Optimizely
| VWO | Kaizen Platform | SiTest | butterfly |
無料トライアル | 要相談 | 要相談 | 要相談 | あり | あり | 要相談 | あり | 要相談 |
ご利用料金 | 月額16,200円~/月 ※税別金額 | 要相談 | 要相談 | 要相談 | 月額10万円~ | 要相談 | 月額5万円~ | 要相談 |
多変量テスト | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ |
エディター機能 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
サポート | ◯ | ◯ | △ | △ | ◯ | ◯ | × | ◯ |
マルチユーザー対応 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
外部ツール連携 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | △ | ◯ | × | ◯ |
有料のABテストツールは機能面や分析面、使いやすさなどを考慮した上で、目的に合ったツールを選択しましょう。
まとめ
今回は、無料版のABテストツールから有料版のテストツールまでをご紹介していきました。
もちろん、いくらABテストツールを導入したからといっても必ず成果が上がるわけではありません。
そのため、成果につながるABテストを行う際には現状の課題の洗い出し、仮説を立てていかなければ成果につながないでしょう。
したがって、ABテストツールで選定の前に自社で運営しているサイトの課題を洗い出してからABテストにのぞみましょう。