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営業のKPIとは?目標を達成するための重要指標と具体例を徹底解説

投稿日:2026年4月14日 /

更新日:2026年6月28日

営業のKPIとは?目標を達成するための重要指標と具体例を徹底解説
● 営業

営業活動で目標を安定して達成するために欠かせない「KPI(重要業績評価指標)」。本記事では、KPIの基礎知識やKGIとの違い、設定するメリットを分かりやすく解説します。さらに、新規開拓やルート営業、インサイドセールスといった営業スタイル別の具体例や、SFA・CRMを活用した形骸化させない運用手順まで徹底網羅。結論として、適切なKPI設定は営業プロセスのボトルネックを可視化し、売上を最大化するための最善策です。この記事を読めば、自社に最適な指標の選び方と、成果に直結する運用の秘訣がすべて分かります。

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営業活動におけるKPIの基礎知識

営業活動において、目標を達成し続ける組織を作るためには、KPIの正しい理解と活用が欠かせません。ここでは、営業部門におけるKPIの基本的な定義や、関連する重要指標との違い、なぜ営業活動においてKPIの設定が必要不可欠なのかを分かりやすく解説します。

KPIとは何か

KPIとは「Key Performance Indicator」の略称で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。組織や個人が最終的な目標を達成するプロセスにおいて、その進捗状況が順調であるかどうかを測定するための中間指標です。

営業活動におけるKPIは、最終的な売上目標(結果)に到達するための「行動」や「プロセスの質」を数値化したものです。例えば、「新規アポイント獲得件数」「商談化率」「提案書提出件数」などがこれに該当します。目標を達成するためのロードマップにおける現在地を客観的に把握するための道標としての役割を果たします。

KPIとKGIの違い

KPIと混同されやすい言葉に「KGI」があります。KGIとは「Key Goal Indicator」の略称で、日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれます。これは組織やビジネスにおける最終的な到達目標(ゴール)を数値化したものです。営業活動においては、一般的に「売上高」や「契約件数」「利益額」などがKGIに設定されます。

KPIとKGIは、目的と手段(プロセスと結果)の関係にあります。KGIが「最終的な目的地」であるのに対し、KPIは「目的地にたどり着くためのチェックポイント」です。この2つの指標の違いを整理すると、以下のようになります。

項目KGI(重要目標達成指標)KPI(重要業績評価指標)
意味最終的に達成すべき目標値目標達成に向けたプロセスの進捗指標
視点結果(売上、契約数、利益など)プロセス(行動量、効率、質など)
具体例「今期の売上1億円達成」「月間訪問件数50件」「新規商談化率30%」
管理の頻度四半期や年度ごと週次や月次など、高頻度で確認・修正

このように、KGIを達成するために、どのようなKPIをクリアしていくべきかという逆算の思考で設計することが、営業マネジメントにおいて極めて重要です。

営業部門でKPI設定が必要とされる理由

営業部門においてKPIの設定が強く求められる背景には、現代の営業活動における複雑化と、属人化からの脱却という課題があります。具体的な理由は以下の通りです。

1. 営業活動のブラックボックス化を防ぐため

従来の営業スタイルでは、個々の営業担当者がどのような動きをして成果を上げているかが不透明になりがちでした。KPIを設定し、アプローチ件数や商談化率などの行動・プロセスを数値化することで、誰が・どこで・どのような課題を抱えているのかを客観的に可視化できるようになります。

2. 根拠のある営業マネジメントを行うため

精神論や感覚的な指導では、営業メンバーのパフォーマンスは向上しません。KPIという具体的な数値を基準にすることで、マネージャーは「今週はアポイント数が不足しているから、架電数を増やそう」「成約率が低いから、商談のロールプレイングを実施しよう」といった、具体的かつ論理的な改善アクションを指示できるようになります。

3. 変化する市場環境へ迅速に対応するため

売上という結果だけを見ていると、目標未達が確定する期末まで問題に気づけません。KPIを日常的に追跡していれば、「商談数が減少傾向にある」といった異常を早期に察知し、期中での迅速な軌道修正が可能になります。これにより、目標未達のリスクを最小限に抑えることができます。

営業KPIを設定する具体的なメリット

営業活動においてKPI(重要業績評価指標)を設定することは、単に目標数値を管理するだけにとどまりません。営業組織が抱える課題をクリアにし、持続的に業績を向上させるための強力なマネジメント手法となります。ここでは、営業KPIを設定することで得られる具体的な3つのメリットを詳しく解説します。

営業プロセスの可視化と課題の早期発見

営業KPIを設定する最大のメリットは、ブラックボックス化しがちな営業プロセスを可視化し、ボトルネックとなっている課題を早期に発見できる点にあります。個々の営業担当者が「どのプロセスで躓いているのか」を数値で把握できるため、的外れな指導を避けることができます。

例えば、アポイント獲得数、商談化率、成約率などのプロセスごとにKPIを設定することで、以下のように課題の所在が明確になります。

プロセスの状況明確になる課題具体的な改善アクション
アプローチ数は多いが、商談化率が低いターゲット選定の誤り、またはアプローチ時の訴求力不足ターゲットリストの見直し、トークスクリプトの改善
商談数は確保できているが、成約率が低い提案内容のミスマッチ、またはクロージング力の不足提案書のブラッシュアップ、同行営業によるOJTの実施

このように、営業プロセスを数値化して追跡することで、感覚に頼った精神論の指導から脱却し、データに基づいた的確な改善策を迅速に打つことが可能になります。

メンバーのモチベーション向上と評価の公平性

KPIの設定は、営業メンバーのモチベーション向上と、人事評価における公平性の担保にも大きく寄与します。最終的な売上目標(KGI)の達成だけを評価基準にすると、市場環境の変化や運に左右される部分が大きくなり、メンバーの不満に繋がりかねません。

KPIを導入することで、具体的に以下のメリットが生まれます。

行動プロセスへの正当な評価

売上という「結果」だけでなく、新規架電数や提案書提出数といった「結果に至るまでのプロセス(行動量や質)」が正当に評価される仕組みを作ることができます。これにより、結果がすぐに出ない時期であっても、正しい努力をしているメンバーのモチベーションを維持できます。

個人の目標と役割の明確化

「今月何をどれだけやればよいのか」という日々の行動指針が明確になるため、メンバーが迷いなく自発的に営業活動に取り組めるようになります。評価基準が数値としてオープンになることで、評価に対する納得感が高まり、組織全体のエンゲージメント向上に繋がります。

営業活動の効率化と売上の最大化

限られたリソースの中で売上を最大化するためには、営業活動の無駄を省き、効率性を極限まで高める必要があります。KPIを設定することで、「どの活動に注力すべきか」の優先順位が明確になり、組織全体の生産性が向上します。

具体的には、以下のような効率化が期待できます。

  • 無駄なアプローチの削減:成約率の高いアプローチ手法や顧客属性が数値で明らかになるため、見込みの薄い層へのアプローチを減らし、優良顧客へのアプローチにリソースを集中できます。
  • 営業活動の標準化(ナレッジ共有):ハイパフォーマー(売れる営業職)の行動プロセスをKPIとして数値化し、組織全体に横展開することで、属人化しがちな営業ノウハウを標準化し、組織全体の底上げを図ることができます。

営業KPIの適切な設定と運用は、個人のスキルに依存しない「売れる仕組み」を構築し、最終的な売上の最大化を実現するための基盤となります。

営業目標を達成するための代表的なKPI指標

営業活動におけるKPIは、その性質によって大きく「行動量」「質・効率」「結果」の3つのカテゴリに分類されます。これらをバランスよく組み合わせて設定することで、目標達成までのプロセスを正確に管理できるようになります。ここでは、それぞれのカテゴリにおける代表的なKPI指標を詳しく解説します。

行動量に関するKPI

行動量に関するKPIは、営業担当者が目標達成のためにどれだけの活動を行ったかを測定する指標です。営業活動の土台となる数値であり、個人の努力が直接反映されやすいという特徴があります。特に新規開拓営業や、営業プロセスの初期段階において重視されます。

架電数(コール数)

架電数は、電話によるアプローチを行った回数です。インサイドセールスやテレアポ主体の営業において、アプローチの母数を確保するための最重要指標となります。単に件数を追うだけでなく、時間帯ごとの通電率などもあわせて分析することが一般的です。

訪問件数・商談実施数

顧客と実際に面談(対面またはオンライン)した件数です。商談の機会をどれだけ創出できたかを測る指標であり、売上に直結する前段階の重要行動として位置づけられます。

送付メール件数・提案書提出数

顧客に対してアプローチメールを送信した件数や、具体的な提案書・見積書を提出した件数です。行動の「量」だけでなく、次のステップに進むための具体的なアクションが行われたかを測定します。

指標名定義・概要主な対象セクション
架電数(コール数)電話をかけた総回数インサイドセールス、新規開拓営業
商談実施数顧客と商談(対面・オンライン)を行った件数フィールドセールス、既存営業
提案書提出数見積書や提案書を顧客に提示した件数フィールドセールス全般

質や効率に関するKPI

質や効率に関するKPIは、行った行動がどれだけ成果に結びついているかという「歩留まり(割合)」や「効率性」を測定する指標です。行動量が多くても成果が出ない場合、この「質や効率」の指標に課題がある可能性が高くなります。

アポ獲得率(アポイント率)

架電数やメール送信数などのアプローチ総数のうち、実際にアポイント(商談約束)を獲得できた割合です。ターゲット選定の精度や、トークスクリプトの有効性を評価するために用いられます。

案件化率(商談化率)

アプローチや初回商談から、具体的な検討フェーズ(案件化)に移行した割合です。ヒアリングの質や、顧客の課題を適切に捉えられているかを測る指標となります。

成約率(受注率)

商談を実施した件数のうち、最終的に受注(成約)に至った割合です。営業担当者のクロージング力や提案の説得力をダイレクトに示す指標であり、営業組織全体の営業力を測る上でも欠かせません。

指標名計算式改善のポイント
アポ獲得率アポイント獲得数 ÷ アプローチ総数 × 100リストの精度向上、トークスクリプトの見直し
案件化率案件化数 ÷ 初回商談数 × 100ヒアリング項目の標準化、BANT情報の回収徹底
成約率(受注率)受注件数 ÷ 商談実施数 × 100提案内容のパーソナライズ、クロージング技術の向上

結果に関するKPI

結果に関するKPIは、営業活動の最終的な成果を示す指標です。多くの場合、これらは最終目標であるKGI(重要目標達成指標)に直結、あるいはKGIそのものとなりますが、月次や週次などのマイルストーンとしてKPIに落とし込んで管理されます。

受注件数・契約社数

一定期間内に獲得した新規または既存顧客からの受注・契約の総数です。顧客基盤の拡大や市場シェアの獲得状況を測るために不可欠な指標です。

売上高・粗利益額

営業活動によってもたらされた金銭的な成果です。企業の存続と成長に直結する最も代表的な結果指標であり、予算達成率を評価する基準となります。

平均客単価(受注単価)

1契約または1社あたりの平均的な取引金額です。売上高を拡大するために、アップセル(上位モデルの提案)やクロスセル(関連商品の提案)が機能しているかを判断する材料になります。

指標名主な目的関連する経営指標(KGI)
受注件数新規顧客の獲得ペース、取引社数の推移を把握する市場シェア、顧客獲得目標
売上高・粗利益額営業部門全体の業績および収益性を評価する年間・四半期売上目標、利益目標
平均客単価1顧客あたりのLTV(顧客生涯価値)向上を図る売上効率、収益性改善

営業スタイル別におけるKPIの具体例

営業活動と一口に言っても、そのアプローチ手法や顧客との関係性によって追うべき指標は大きく異なります。自社の営業スタイルに合致していないKPIを設定してしまうと、現場のモチベーション低下や、売上に直結しない無駄な行動の増加を招きかねません。ここでは、代表的な3つの営業スタイルにおける具体的なKPIの設定例と運用のポイントを詳しく解説します。

新規開拓営業のKPI設定例

新規開拓営業は、まだ自社との取引がない見込み顧客(リード)にアプローチし、新たな契約を獲得する営業スタイルです。分母となるアプローチ数を十分に確保しながら、いかに効率よく商談へ繋げ、成約率を高めるかが成功の鍵となります。

新規開拓営業におけるKPI設定のポイント

新規開拓では、プロセスごとの「転換率(コンバージョンレート)」を意識することが重要です。単に架電数や訪問数といった行動量だけを追うのではなく、そこから何件の有効な商談が生まれ、最終的に何件の受注に至ったのかを細かく測定します。これにより、営業プロセスのどこにボトルネックがあるのかを明確に特定できます。

新規開拓営業のKPI一覧表

KPI項目指標の定義と目的具体的な目標例
新規アプローチ数テレアポや飛び込み、メール送信などの総アプローチ回数。行動量を担保するために設定します。月間500件の架電
アポイント獲得率アプローチ数に対して、商談の約束(アポイント)が取れた割合。トークスクリプトの改善度を測ります。アポイント獲得率 5%以上
有効商談数アポイントのうち、予算や導入時期、決裁権限などの条件が合致した質の高い商談の数です。月間15件の有効商談獲得
新規成約率(受注率)実施した商談数のうち、最終的に受注に至った割合。提案書やクロージングの質を評価します。新規商談からの成約率 20%

ルート営業や既存顧客向け営業のKPI設定例

ルート営業や既存顧客向け営業は、すでに取引のある顧客との関係を維持・深耕し、継続的な売上を確保する営業スタイルです。顧客の離脱(チャーン)を防ぎつつ、アップセルやクロスセルによって顧客生涯価値(LTV)を最大化することが求められます。

既存営業におけるKPI設定のポイント

新規開拓のように「件数」だけを追い求めると、既存顧客へのフォローが疎かになり、競合他社への乗り換えを許してしまうリスクがあります。そのため、顧客との接触頻度や満足度、さらには顧客単価の向上につながる提案活動の質を重視したKPI設計が必要です。

ルート営業・既存営業のKPI一覧表

KPI項目指標の定義と目的具体的な目標例
定期訪問・接触カバー率担当する既存顧客のうち、一定期間内に最低1回以上接触(訪問・Web面談)できた割合です。既存顧客の月間カバー率 95%以上
アップセル・クロスセル提案数上位プランへの移行(アップセル)や、別製品の追加購入(クロスセル)を提案した件数です。月間20件の追加提案実施
顧客維持率(リテンションレート)契約を継続している顧客の割合。サービスの満足度や営業のフォロー体制をダイレクトに反映します。年間顧客維持率 98%以上
顧客単価向上率既存顧客1社あたりの平均売上高が、前年比や前月比でどの程度増加したかを示す指標です。既存顧客の平均単価 前年比110%

インサイドセールスのKPI設定例

インサイドセールスは、電話やメール、Web会議システムなどを用いて非対面で顧客とコミュニケーションを取る営業スタイルです。マーケティング部門が獲得したリードを育成(リードナーチャリング)し、確度の高い商談を創出してフィールドセールス(訪問営業)へ引き渡すことが主なミッションとなります。

インサイドセールスにおけるKPI設定のポイント

インサイドセールスでは、フィールドセールスにパスした商談の「質」が極めて重要です。単にアポイントの数を量産しても、受注に繋がらない質の低い商談ばかりではフィールドセールスが疲弊してしまいます。そのため、商談化数だけでなく「フィールドセールスが受託した商談数(有効商談化数)」や「その後の受注件数」を連動させたKPIを設定することが推奨されます。

インサイドセールスのKPI一覧表

KPI項目指標の定義と目的具体的な目標例
リード架電・アプローチ数獲得した見込み顧客に対して、電話やメールでアプローチを試みた回数。行動の絶対量を管理します。1日あたり60件のアプローチ
リード接続率(コネクト率)アプローチした回数のうち、担当者本人と直接会話ができた割合。架電する時間帯の最適化などに役立ちます。架電に対する接続率 30%以上
商談化率(アポイント獲得率)接続できたリードのうち、フィールドセールスへの商談(アポイント)を設定できた割合です。接続リードからの商談化率 15%
フィールドセールス受託率インサイドセールスが設定した商談のうち、フィールドセールスが「提案価値あり」と認めて引き受けた割合です。商談設定数のうち受託率 90%以上

成果につながる営業KPIの設定手順

営業活動において、ただ闇雲にKPI(重要業績評価指標)を設定しても、現場が混乱したり形骸化したりするリスクがあります。成果に直結するKPIを構築するためには、論理的かつ具体的な手順に沿って設計することが不可欠です。ここでは、売上目標を確実に達成するための営業KPI設定の4ステップを詳しく解説します。

最終目標であるKGIを明確にする

営業KPIを設定する最初のステップは、最終的なゴールであるKGI(重要目標達成指標)を明確にすることです。KGIは営業部門全体が目指す最終目的地であり、これが曖昧な状態では適切なKPIを導き出すことはできません。

一般的に営業部門におけるKGIには、「売上高」「利益額」「新規契約獲得件数」など、企業の経営戦略に直結する定量的な数値が設定されます。KGIを設定する際は、単に「売上を伸ばす」といった抽象的なものではなく、「今期中に新規売上高1億円を達成する」のように、期限と数値を具体的に定めることが重要です。

営業プロセスを細分化して分解する

KGIが決定したら、次にそのゴールに至るまでの営業活動(プロセス)を細分化して分解します。営業活動は一連の流れ(ファネル)で構成されており、どのフェーズでどのようなアクションが発生しているかを可視化する必要があるためです。

例えば、一般的なBtoB営業におけるプロセスは以下のように分解できます。各プロセスを明確にすることで、ボトルネックとなっている課題がどこにあるのかを特定しやすくなります。

営業フェーズ具体的な営業活動内容
1. アプローチテレアポ、メール送信、展示会での名刺獲得などによる新規接点の創出
2. ヒアリング初回訪問やオンライン商談による、顧客の課題やニーズのヒアリング
3. 提案・見積顧客の課題解決に向けた具体的な提案書の提示、および見積書の提出
4. クロージング契約条件の調整、最終的な意思決定の促し、および受注契約の締結

数値化できる適切な指標を選定する

営業プロセスを分解した後は、それぞれのプロセスに対して客観的に測定可能で、数値化できる適切な指標を選定します。この際、目標設定のフレームワークである「SMARTの法則」を意識することが有効です。特に「測定可能であること(Measurable)」と「行動に結びつくこと(Action-oriented)」の2点は、営業KPIにおいて極めて重要です。

例えば、アプローチフェーズであれば「新規架電件数」や「アポイント獲得率」、提案フェーズであれば「提案書提出件数」や「案件化率」などが適切なKPI候補となります。主観に左右される曖昧な指標ではなく、誰が見ても一目で進捗が判断できる定量的な指標を選びましょう。

目標値を算出して各メンバーに落とし込む

最後に、設定したKPIの具体的な目標値を算出し、営業組織の各メンバーにブレイクダウン(落とし込み)を行います。目標値の算出は、最終目標であるKGIから逆算して設計するのが基本原則です。

例えば、KGIが「月間受注件数10件」で、提案から受注への転換率(成約率)が20%の場合、必要な提案件数は50件となります。さらに、訪問から提案への移行率が50%であれば、必要な訪問件数は100件です。このように逆算して算出した数値を、メンバーのスキルや経験、稼働状況に応じて適切に分配し、個人ごとの「日次・週次・月次の行動目標」として落とし込みます。メンバー全員が「今日何をすべきか」を明確に理解できるレベルまで落とし込むことで、日々の営業活動の迷いがなくなり、組織全体の生産性向上につながります。

営業KPIを形骸化させずに運用するポイント

営業KPIは、一度設定しただけで満足してしまっては意味がありません。日々の営業活動に定着させ、目標達成に向けた「動く指標」として機能させなければ、形骸化して絵に描いた餅になってしまいます。KPIを組織の共通言語として定着させ、成果に結びつけるための具体的な運用ポイントを解説します。

PDCAサイクルを高速で回す

KPIを達成するためには、計画(Plan)を立てて実行(Do)するだけでなく、測定・評価(Check)し、改善(Action)するPDCAサイクルを素早く回すことが不可欠です。特に、週次や月次での振り返りミーティングを定例化し、目標と実績の乖離(ギャップ)を早期に特定して対策を講じる必要があります。

PDCAサイクルにおける具体的なアクション

フェーズ具体的な実施内容意識すべきポイント
Plan(計画)KGIから逆算したKPIの数値目標と、それを達成するための具体的な行動計画を策定する現実的でありながら、挑戦意欲を掻き立てる数値を設定する
Do(実行)策定した計画に基づいて日々の営業活動を実行し、活動データを漏れなく記録するデータの入力漏れを防ぎ、活動内容をリアルタイムで蓄積する
Check(評価)週次や月次の定例会議でKPIの達成状況を確認し、目標に届かなかった原因を分析する未達成の原因を個人のスキルのせいにせず、プロセスや行動量の観点から客観的に分析する
Action(改善)分析結果をもとに、アプローチ手法の見直しや、リソースの再配分などの改善策を実行する最も効果が高いと考えられるボトルネックの解消にリソースを集中させる

PDCAサイクルが機能しなくなる最大の要因は、Check(評価)とAction(改善)のプロセスが形式的になってしまうことです。単に「目標を達成できたか・できなかったか」を確認するだけで終わらせず、なぜその結果になったのかという要因をデータに基づいて突き詰めることで、次の具体的な改善アクションへとつなげることができます。

SFAやCRMなどのツールを活用して管理する

営業KPIの進捗状況をExcelやスプレッドシートで手動管理していると、データの入力や集計に多大な工数がかかり、リアルタイムな状況把握が困難になります。営業活動のデータを自動で集計・可視化できるSFA(営業支援ツール)やCRM(顧客関係管理ツール)を活用することが、管理の効率化と形骸化防止に直結します。

SFA/CRMツールを活用する主なメリット

導入メリット具体的な効果
リアルタイムでの進捗可視化ダッシュボードを確認するだけで、チーム全体や個人のKPI達成率がリアルタイムで把握できる
ボトルネックの早期発見「商談から提案への移行率」や「提案から成約への確度」など、どのプロセスで案件が滞留しているかが一目でわかる
営業活動の標準化成果を出しているハイパフォーマーの行動プロセスを数値化し、組織全体にノウハウを共有できる

日本国内で広く普及している「Salesforce」や「kintone」、「Senses(Mazrica Sales)」などのツールを導入することで、営業担当者の入力負荷を軽減しながら、正確なデータを蓄積できます。現場の営業担当者が「入力しやすい環境」を整え、日々の営業活動のログが自然と蓄積される仕組みを作ることが、ツール運用を成功させる鍵です。

定期的な見直しと柔軟な軌道修正を行う

一度設定したKPIは、市場環境の変化、競合他社の動向、自社の組織体制や取扱商材の変更などによって、実態に合わなくなることがあります。実態とかけ離れたKPIをそのまま放置すると、現場のモチベーション低下を招き、形骸化の原因となります。そのため、KPIが現在も有効に機能しているかを定期的に見直し、必要に応じて柔軟に軌道修正するプロセスが重要です。

KPI見直しのタイミングと主なチェックポイント

見直しのタイミング主なチェックポイント
四半期(クォーター)の節目市場トレンドや競合状況に大きな変化はなく、現在のKPIがKGI達成に直結しているか
新規事業や新商材の立ち上げ時従来の営業プロセスやKPIモデルが、新しい商材のターゲットや購買プロセスに合致しているか
営業メンバーの増減・体制変更時組織の営業リソースに対して、割り振られたKPIの目標値(行動量など)が適切であるか

KPIは「一度決めたら絶対に変更してはいけないもの」ではありません。実態に合わないKPIを無理に追い続けさせるのではなく、状況の変化に応じて指標や目標値をチューニングする柔軟性を持つことで、現場の納得感を保ちながら、常に形骸化しない実用的なKPI運用を維持することができます。

まとめ:適切な営業KPIの設定と運用で売上最大化を目指そう

営業活動におけるKPIは、最終目標であるKGIを達成するためのロードマップであり、営業プロセスの可視化や課題の早期発見に不可欠な指標です。新規開拓やルート営業など、自社の営業スタイルに合わせた適切な指標を選定し、メンバー全員に落とし込むことが成功の鍵となります。さらに、KPIを形骸化させないためには、SFAやCRMなどのツールを活用した可視化と、PDCAサイクルによる定期的な見直しが重要です。適切なKPI設計と柔軟な運用により、営業活動を効率化し、組織全体の売上最大化を実現しましょう。

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