テレワークの環境構築が必要な理由
テレワークとは、「離れて(Tel)」と「働く(Work)」が組み合わさって構築された造語です。
近年は、働き方の多様化や業務の効率化が進むに従って、多くの企業でテレワークの導入が進んでいます。
しかし、全ての社員が自宅やコワーキングスペース、サテライトオフィスの中で業務に必要なものが揃っているわけではありません。
とはいえ企業側としては、下記の理由でテレワークの環境を構築する必要があります。
- 理由1:業務をスムーズに行うため
- 理由2:生産性を維持するため
ひとつずつ解説していきます。
理由1:業務をスムーズに行うため
テレワークの環境構築が必要な理由は、業務をスムーズに行うためです。
これまでのオフィスと同じ環境で仕事をするには、意図的に環境を整えなくてはなりません。
特にテレワークの場合、自宅の一室が職場環境になるため集中力が切れやすくなる可能性があります。
ほかにも、下記の懸念点があげられるでしょう。
- ワークスペースを確保できず、周囲の雑音や家族の声が気になる
- ビジネス用の机や椅子がないことで、長時間の作業で腰や首を痛める
環境や設備が整っていなければ、仕事に集中することは難しくなってしまうでしょう。
業務がスムーズに行えないことで仕事にミスが増えてしまい、社内での心証が悪くなるかもしれません。
そのため、できるだけ今までのオフィスと同じ環境を構築してスムーズに業務を行えるように取り組みましょう。
理由2:生産性を維持するため
テレワークの環境を構築する際には、生産性の維持も重要な理由です。
企業側がテレワークを取り入れるにあたって注意しているポイントは、今までと同じ生産性を保てるかどうかです。
オフィスと自宅で作業する際の違いとして、下記があげられます。
- 上司や同僚とコミュニケーションが取れない
- すべての業務を自己責任で遂行する必要がある
多くの方にとって自宅はオフタイムの時間を過ごす空間なので、集中力と程よい緊張感の維持が難しいでしょう。
またテレワークの遠隔で働く特性から、社員と直接話す機会が減り、人によってはストレスの原因になるかもしれません。
コミュニケーションの低下は緊張感の欠如につながるので、テレワークに適した環境を構築して、オフィスと同じレベルの生産性を維持する必要があります。
こちらの記事では、社内コミュニケーションツールを導入するメリットや注意点、主要ツール10選を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
テレワークに必要な基本的環境整備
ここまで、テレワークの環境構築が必要な理由をお伝えしました。
続いて、テレワークに必要な基本的環境整備を解説します。
- Web会議ツール
- テレビ会議システム
- ビジネスチャットツール
- 勤怠管理システム
- 社内情報共有ツール
ひとつずつ解説していきます。
Web会議ツール
Web会議ツールとは、インターネット回線を活用してパソコンやスマートフォンなどを介してリアルタイムで対話するためのツールです。
離れた場所にいる相手とすぐに話し合いを始められる点が、メリットといえるでしょう。
Web会議ツールは、無料・有料とさまざまなツールが存在しています。
サービス例は、下記の通りです。
- Zoom
- Skype
- Google Meet
ダウンロードするだけで簡単んい利用できるので、コストの低さが魅力です。
電話やメールだけでは伝えづらい細かなニュアンスを、ジェスチャーを交えながらやりとりできるでしょう。
ただし、通信環境によって音声や映像が安定せず途切れる可能性があるので、使用前にネット環境の確認が必要です。
こちらの記事では、Web会議システムを選び際のコツやポイント、最新版のツール7選を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
テレビ会議システム
テレビ会議システムはWeb会議ツールと似たシステムですが、専用の回線を使用しているので安定した接続が可能です。
Web会議ツールよりも高音質・高画質で、音声や映像が途切れる心配がありません。
同時接続人が100人を超えても、安定して会議を行えるでしょう。
テレビ会議システムの例は、下記の通りです。
- LoopGate
- Poly Studio
- Arcstar TV Conferencing
営業拠点が複数ある会議や、オンライン講演会の際に活用できます。
ただし、初期費用やランニングコストがかかるため、自社の企業規模や利用する場面を想定してから導入を検討しましょう。
ビジネスチャットツール
ビジネスチャットツールとは、テキストや画像、スタンプを用いてリアルタイムでコミュニケーションが行えるツールです。
メールより手軽にやりとりできるので、円滑にコミュニケーションを行う目的が活用されています。
ビジネスチャットツールの例は、下記の通りです。
- Slack
- Chatwork
- LINE WORKS
ビジネスチャットはメールのような挨拶文や長文を打つ必要はなく、聞きたいことを要約して相手に伝えます。
また、デジタルファイルを複数人で共有することも可能です。
さらに、ビジネスチャットツールには、自社サーバーにシステムを構築する「オンプレミス型」と、ネット上に構築されたシステムを利用する「クラウド型」があるので覚えておきましょう。
勤怠管理システム
勤怠管理システムとは、仕事の開始・終了時刻をオフィスから離れた場所でも管理して、労働時間を管理してくれるツールです。
手作業で行っていた労働時間の給与計算や集計にかかる工数を大幅に削減できるので、労務担当者のコストを減らす効果があります。
特にテレワークでは、社員一人ひとりの勤務時間の把握が難しいので、過重労働や不正申請といったリスクを防げるでしょう️。
勤怠管理システムの例は、下記の通りです。
- タイムスケジュール
- 勤怠365
- 勤怠の達人
社員規模や状況によって異なりますが、実際の導入から運用まで1〜3ヶ月ほどの期間を想定しておきましょう。
また、勤怠管理システムは給与管理や時間管理などが併せて活用できるツールがあるので、自社の目的にあったものを選ぶのがおすすめです。
▼勤怠管理ツールを一斉比較!組織にあったツールがわかる!
社内情報共有ツール
社内情報共有ツールとは、業務を進めるにあたって必要な情報を社内で共有するためのツールです。
オンラインストレージ機能やマニュアル作成などが備わっているので、効率的に業務を進めるためのノウハウや自社の情報資産を蓄積できます。
社内情報共有ツールの例は、下記の通りです。
- kintone
- Talknote
- Backlog
また、情報によっては内容の公開範囲を限定したい場合もあるでしょう。
社内情報共有ツールは最小で1対1、もしくは全社員に通知すべき情報の一斉送信が可能です。
さらにセキュリティ性を確保するために、ITツール活用と社員へのルールを徹底しておきましょう。
こちらの記事では、情報共有ツールを導入するメリットや選び方、おすすめのツールを20個紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
生産性を向上させるテレワークにおすすめな環境整備アイテム
ここまで、テレワークに必要な基本的環境整備をお伝えしました。
続いて、生産性を向上させるテレワークにおすすめな環境整備アイテムを紹介します。
- アイテム1:昇降式パソコンデスク
- アイテム2:高機能チェア
- アイテム3:チェア用座布団
- アイテム4:サイドテーブル
- アイテム5:Webカメラ
- アイテム6:単一指向性のマイク
- アイテム7:キーライト
ひとつずつ紹介していきます。
アイテム1:昇降式パソコンデスク
昇降式パソコンデスクは、自分の身長に合わせて最適な高さに設定できるデスクです。
これまで海外のオフィスで広く利用されていましたが、近年はテレワークの普及により多くの企業でも導入されています。
厚生労働省の調査によると、日本人が1日に座っている時間は「平均7時間」とされており、心筋梗塞や生活習慣病を誘発するリスクがあることが分かっています。
昇降式パソコンデスクを活用するメリットは、下記の通りです。
- 首や肩こり、腰痛の予防・改善
- 消費カロリーが高まり運動不足につながる
- 仕事の集中力が高まり、生産性アップにつながる
立ち姿勢と座り姿勢を繰り返すことで、心身がリフレッシュできるでしょう。
また、昇降式パソコンデスクには「手動式」「ガス圧式」「電動式」の3種類があり、それぞれ使い勝手や価格帯が異なるので、事前の確認が必要です。
出典:座位行動
アイテム2:高機能チェア
高機能チェアとは、長時間の業務でも集中力を維持して業務効率をあげるためのアイテムです。
サイズ感や素材、デザインが多岐に渡るので、座り心地のよい1台を選ぶ必要があります。
高機能チェアを選ぶ際のポイントは、下記の通りです。
- リクライニングできるかどうか
- 背もたれの高さが自分に合っているか
- 見た目もしくは機能性のどちらを重視するのか
- 部屋の雰囲気を損なわないデザイン性であるか
- 座面の高さ調整やロッキングなどの機能が必要かどうか
背もたれであれば「ローバック」「ハイバック」、固定肘の有無など、自身にとって必要な機能を確認しておきましょう。
テレワークで使用するチェアの価格帯は、2,000円台から100,000円以上と幅広いですが、長時間使用することを考慮して選ばなければいけません。
アイテム3:チェア用座布団
チェア用座布団は、腰痛対策として長時間座っても疲れないためのアイテムです。
椅子に長時間座り作業することで、腰痛以外には目の疲れや首の痛み、肩こり、足の冷えなどの弊害が生じてしまいます。
そういった身体への負担を軽減してくれるアイテムがチェア用座布団です。
テレワークにおいて、チェア用座布団を選ぶポイントは下記の通りです。
- 形状や機能を確認してから購入する
- どんな椅子の上に置くのか考慮する
- 猫背や腰痛など解決したい問題を明確にする
テンピュールクッションやジェル素材、パウダービーズのクッションなど、さまざまな種類があるので、座り心地を確認して購入を検討してみましょう。
アイテム4:サイドテーブル
サイドテーブルは、自宅のデスクが狭く仕事がやりにくいという方におすすめのアイテムです。
仕事でメインに使用するパソコン以外にスマートフォンやタブレット、資料などが手に届く範囲に置けると便利ですよね。
使用しているデスクの横のサブデスクとしてひとつ追加するだけで、いまよりテレワーク環境を快適にできるでしょう。
また、ソファへ座った際に身体の前まで引き寄せられるサイドテーブルもあるので、パソコン作業をする場合に役立ちます。
それ以外の時は飲み物やお菓子を置いて、くつろぐ際に活用しましょう。
アイテム5:Webカメラ
Webカメラとは、ライブ配信やオンライン会議で撮影した映像をそのままネット配信できるカメラです。
特にカメラが搭載されていないデスクトップ型のパソコンを使用する場合は、Webカメラを用意しましょう。
インターネットを介して、相手とコミュニケーションを円滑に取れるようになります。
Webカメラを選ぶ際のポイントは、下記の通りです。
- 設置タイプを確認する
- リングライトが付いているかどうか
- マイクスピーカーが内蔵されているか確認する
- 画素数の多さ・解像度の高さ・高画質タイプを選ぶ
- フレームレートの高いカメラを選ぶ(録画・配信する場合)
ちなみにWebカメラの解像度は「480P」「720P」「1080P」といった表記がされています。
用途によって必要な数値は異なりますが、Webカメラの場合は「720P」以上のHD画質があれば問題ありません。
アイテム6:単一指向性のマイク
単一指向性のマイクとは、まわりの音は拾わずに一方向からの音だけを集音するマイクです。
テレワークでは良い音質で相手と話すのはもちろんですが、その際にまわりの雑音も拾ってしまうとストレスになります。
パソコンに内蔵されているマイクも、顔を近づけて話す必要があったり音質が悪かったりするのでおすすめしません。
単一指向性以外に「双指向性」「無指向性」のマイクもありますが、どちらも多くの音を集めてしまうのでテレワークには不向きです。
そのため一方向からの音だけを捉えられる単一指向性のマイクを活用して、ストレスなく円滑なコミュニケーションを実現できるでしょう。
アイテム7:LEDライト
LEDライトとは、電圧をかけると光るライト(半導体)です。
自宅で仕事をする際に室内灯だけでは、表情が暗く映ってしまいます。
理想は自然光を顔全体に当てることですが、机の位置や窓の有無によって設置が難しいでしょう。
その際に活躍するアイテムがLEDライトです。
LEDライトを使用するメリットとして、下記があります。
- 寿命が長い
- 環境にやさしい
- 瞬時に明るくなる
顔全体に満遍なく光を照らしてくれるので、テレビ会議の際に生き生きとして表情を演出できるでしょう。
テレワークに必要な環境整備を行うコツ
ここまで、生産性を向上させるテレワークにおすすめな環境整備アイテムをお伝えしました。
続いて、テレワークに必要な環境整備を行うコツを解説します。
- コツ1:部屋の明るさを意識する
- コツ2:デスクを壁につけないようにする
ひとつずつ解説していきます。
コツ1:部屋の明るさを意識する
テレワークに必要な環境を整備する際には、部屋の明るさを意識することが重要です。
多くの企業がテレワークを導入するなかで、「部屋の照明が薄暗いため、パソコンの画面が見づらい」といった問題が発生しています。
部屋の明るさは、眼精疲労や体調不良を招く要因になるので、きちんとした対策が必要です。
厚生労働省によると、テレワークに適した部屋の照度を以下のように提示しています。
- ディスプレイ:500ルクス以下
- キーボードや書類を置くデスク周辺:300ルクス以上
また、ディスプレイに太陽光が入社する場合は窓にブラインドやカーテンを設けましょう。
照度は照度計を使えば調べられますが、スマートフォンアプリでも簡単に調べられるので、気になる方は活用を検討ください。
コツ2:デスクを壁につけないようにする
テレワークに適した環境を整備するには、デスクを壁につけないようにしましょう。
デスクを壁につけないようにする理由は、下記の3つです。
- 背後が気になって落ち着かない
- 部屋全体が見えないので不安になる
- 前方が圧迫されるためストレスを感じる
デスクを壁につけることで、背後に広いスペースができてしまいます。
人は広い空間が背後にあると心が落ち着かなくなり、注意力も散漫になるため集中力を維持できません。
また、部屋全体のレイアウトが見えないことで不安を感じる場合もあるでしょう。
ストレスを感じにくいテレワーク環境を作るためには、デスクを壁に付けないレイアウトが好ましいです。
まとめ
今回は、テレワークの環境整備におすすめのアイテム7選と環境整備のコツを解説しました。
テレワークとは、「離れて(Tel)」と「働く(Work)」が組み合わさって構築された造語です。
基本的な環境を整えるとして、Web会議ツールやテレビ会議システムなどのツール・アイテムがあります。
生産性を向上させるためにおすすめのアイテムとして、下記の7つを紹介しました。
- 昇降式パソコンデスク
- 高機能チェア
- チェア用座布団
- サイドテーブル
- Webカメラ
- 単一指向性のマイク
- LEDライト
本記事でお伝えした「部屋の明るさを意識する」「デスクを壁につけない」といったコツも参考にして、テレワークの環境を整えてください。
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