ヒートマップとは?
ヒートマップとは、二次元データのエリアごとの数値の強弱を、色分けや色の濃淡で可視化したものです。
よく見かけるのが、地図上のエリアごとの気温の高さを色分けしたヒートマップでしょう。その日の最高気温の高さに応じて、赤・オレンジ・黄色・緑・青といった色分けをすることで、どのエリアがどれだけ気温が高いのか・低いのかが直感的に把握できます。
ほかにも株価や遺伝子解析などでヒートマップは活用されていますが、特に多く使われているのがWebサイトの解析です。
Web解析にヒートマップを用いると、特定のWebページで「どの部分が多く閲覧されているか」「どの部分がクリックされているか」といったデータが、色で可視化されます。
各Webページのアクセス数や離脱率などはGoogleアナリティクスなどの解析ツールで解析できますが、多く閲覧されている部分やじっくり読まれている部分などは、解析ツールでは数値として出てきません。そこでヒートマップを用いることで、ページ内でユーザーが興味を持っている部分を一目で把握できるのです。
ヒートマップの仕組み
ヒートマップを使うために、まずはWebページを細かく分割します。
そして、分割されたエリアごとに、ユーザーのマウスの動きに応じて数値が計測され、数値に対応した色が付けられます。
たとえば、複数回クリックされたエリアは赤色、1回もクリックされなかったエリアは青色、というようにクリック数に応じて色分けします。
また、ヒートマップではクリックだけでなく、よく読まれた部分もわかります。熟読したい部分があると、ユーザーはマウスを動かす手を止めるでしょう。そのため、ユーザーのマウスの動きによって、どこがよく読まれているのかわかるのです。
スマートフォンの場合は、マウスよりも動きの種類が多くなります。タップやスワイプ、フリックやピンチアウト・ピンチインなどがあるため、Webページで発生したそれぞれの指の動きの回数に応じて色分けします。
ヒートマップの機能
ヒートマップではどのようなことがわかるのでしょうか。主な機能を紹介します。
熟読されているエリアの可視化(アテンションヒートマップ)
Webページ内には、さまざまな情報やコンテンツが集まっています。しかし、ユーザーがすべての情報を気にしているわけではなく、自身の興味のある部分しか熟読しません。
「アテンションヒートマップ」という機能では、ユーザーがスクロールを止めた部分を「熟読している」と判断して色分けします。 ユーザーがWebページ上のどの部分を熟読しているのか把握できれば、ユーザーのニーズを把握したり、ユーザーが関心の高いテーマを分析したりできます。
離脱したエリアの可視化(スクロールヒートマップ)
ユーザーはWebページの途中で離脱してしまうことも少なくありません。オウンドメディアや企業ブログなどを運営している場合、せっかく長文の記事コンテンツを作成しても、最後まで読まれていなければ、自社がユーザーに伝えたい情報を伝えきれていないことになります。
「スクロールヒートマップ」という機能では、ユーザーがどこまでスクロールして離脱したのかがわかります。どのくらいのユーザーが、どこまでWebページを読んでくれているのか把握できるため、情報を執筆する順番やWebページのデザインなどを改善できます。
クリックされた部分の可視化(クリックヒートマップ)
Webページには、問い合わせフォームや資料請求ボタンなどのCTA、内部リンク、外部リンクなど、ユーザーのクリックを促すポイントをいくつか設置していることでしょう。それぞれのポイントでクリックにつながっているのか把握するには「クリックヒートマップ」を使います。
クリックされた回数に応じて色分けされるため、コンバージョンにつながっているかどうか分析できます。 また、間違ってクリックしたものも計測されるため、ユーザーが間違えやすいポイントを把握してデザインを改善することも可能です。
ヒートマップツールの正しい選び方
Webサイトの改善に効果的なヒートマップ。ツールを活用すると簡単に運用でき、分析が効率化します。 ヒートマップツールはさまざまな種類が提供されているため、自社のニーズや業務内容に合ったツールを選定しましょう。
ツール選定の際のポイントをお伝えします。
種類で選ぶ
ヒートマップツールには、以下のように複数の種類があります。
- アテンションヒートマップ:熟読エリアの可視化
- スクロールヒートマップ:離脱エリアの可視化
- クリックヒートマップ:クリックエリアの可視化
また、パソコンユーザーの解析に特化した「マウスフローヒートマップ」は、マウスの動きを可視化できます。スマートフォン画面の指の動きを可視化する、スマホユーザーの解析に特化した「タッチアクションヒートマップ」もあります。
1つのツールに複数種類のヒートマップ機能が搭載されているものもあれば、1つのヒートマップ機能に特化したツールもあります。
Webサイトをよりよく改善するためには、複数のヒートマップをまじえて多角的に分析しなければなりません。したがって、そのツールにどのヒートマップ機能が搭載されているのか、それぞれのヒートマップはどのように可視化されるのか、など、細かく確認しましょう。
搭載している機能で選ぶ
ヒートマップツールのなかには、ヒートマップ機能以外にもさまざまな機能が搭載されているツールもあります。
たとえば、以下のような機能です。
- ページごとのアクセス数や検索順位などの解析機能
- Web広告計測機能
- ABテスト機能
- EFO(問い合わせフォーム最適化)機能
- ポップアップ表示機能
さまざまな機能が搭載されていれば、ヒートマップでの分析だけでなく、分析結果を基にして問い合わせフォームやポップアップをすぐに改善することも可能です。
計測可能な範囲、データの保存期間で選ぶ
ツールによって、ヒートマップとして計測できるページ数やPV数が限られている場合もあります。また、データを保存できる期間もツールにより異なります。
- 大規模サイトで多くのWebページが存在している
- 1ページあたりのPV数が多すぎる
このような場合、すべてのWebページやPVを測定できない場合があり、正しく分析できない可能性があります。
また、データの保存期間が限られている場合には、定期的にレポーティングを出力して独自にデータを蓄積しておかなければ、長期的な視点での分析が難しくなるでしょう。
計測可能な範囲とデータの保存期間は、料金プランに応じて上限が定められているツールもあります。一般的には、高額なプランになるほど、計測可能は範囲が広がり、データの保存期間も延ばされます。自社のWebサイトの状態に応じて料金プランを選択しましょう
サポート体制で選ぶ
ツールごとのサポート体制も、意識して確認すべきポイントです。
ツールを導入するにあたって、初期設定をしたり、社内のメンバーに使い方をレクチャーしたりするなどの労力が必要になります。また、運用を続けているなかで、思ったように使いこなせずにWebサイトの改善につながらない場合もあるでしょう。
そこで、導入や運用を支援してくれる、ツールベンダー(提供会社)のサポートを活用することをおすすめします。
ただし、ツールによって「メールのみでのサポート」「電話でのサポートも可能」「月に1度のミーティングも可能」など、サポートの手厚さはさまざまです。自社メンバーのPCスキルや知識などに応じて、どのくらいのサポートが必要か検討しましょう。
おすすめヒートマップツール5選
ここからは、おすすめのヒートマップツールを5製品紹介します。ぜひツール選定の参考にしてくださいね。
ミエルカヒートマップ
「ミエルカヒートマップ」は、次の3つのヒートマップ機能が搭載されたツールです。
アテンションヒートマップ スクロールヒートマップ クリックヒートマップ また、ポップアップ表示機能も搭載されているため、離脱防止やコンバージョン率改善などにもつながります。
月間3,000PVまでの1URLなら無料で利用できるので、まずは無料で始めてみて、使い勝手を試してみるのもおすすめです。
料金プラン
プラン名 | 月額料金 |
無料 | 0円 |
ミニマム | 9,800円 |
ビジネス | 19,800円 |
ファースト | 49,800円 |
エキスパート | 99,800円 |
スーパー | 149,800円 |
Ptengine
「Ptengine」は、アテンションヒートマップやクリックヒートマップなどの多彩なヒートマップが搭載されており、それぞれのヒートマップを横並びに表示することも可能。効率よく多角的な分析ができるため、自社サイトの状況を即座に把握できます。
Webページの編集やポップアップの表示などの施策もすぐに実行でき、Webサイトの改善が高速化するでしょう。
料金プラン
プラン名 | 月額料金 |
Free | 無料 |
Growth | 4,980円 |
Premium | お問い合わせ |
mouseflow
「mouseflow」は、マウスの動きからアテンションヒートマップやクリックヒートマップなどを生成し、ユーザーの動きを可視化します。
ヒートマップのほか、ページの遷移もデータで可視化。コンバージョンに到達したユーザーをセグメントしたり、コンバージョンに達する直前で離脱したユーザーの動きを分析したりして、Webサイトの改善につなげます。
料金プラン
プラン名 | 月額料金 |
スターターパック | 10,000円 |
グロースパック | 26,000円 |
ビジネスパック | 52,000円 |
プロパック | 101,000円 |
エンタープライズ | お問い合わせ |
CONTENT ANALYTICS
ユーザー体験(UX)分析ツールの「CONTENT ANALYTICS」は、ページ上のコンテンツを自動で分割してユーザーの動きを色分けして可視化します。
1ページ内に、テキストや内部リンク、CTAや画像などのさまざまなコンテンツが存在していると、ユーザーがどの部分に関心を持ってくれたのか把握しきれません。そのため、コンテンツごとにユーザーの動きを可視化することで、コンテンツの順番を変更したり、コンテンツのデザインを改善したりできます。
料金プランはお問い合わせください。
User Insight
「User Insight」は、12種類ものヒートマップ機能が搭載されており、多角的な視点でWebサイト分析ができるツールです。4つのヒートマップデータを横に並べて比較できるため、分析も効率化するでしょう。
ヒートマップ機能のほか、広告測定機能やEFO機能なども追加できるため、Webマーケティングが捗ります。
料金プランはお問い合わせください。
まとめ
Webサイトの現状把握やコンバージョン率の改善などには、ユーザーの動きを色で可視化できる「ヒートマップ」の活用がおすすめです。ユーザーが興味を持った部分や離脱した部分などを色で把握できるため、直感的な分析ができるでしょう。
ぜひ本記事で紹介したヒートマップツールを参考に、自社のWebサイト改善に取り組んでみてください。
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